地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
バルセロナのサロン・デ・マンガ2013(Salon de Manga Barcelona 2013):マンガ/アニメから入ったスペイン人達が日本文化全般に興味を示してくれていると実感出来たイベント
ついに今年もこの季節がやってきました!スペイン中のアニメ/マンガ好きがバルセロナに集結し、思う存分コスプレやゲームを楽しむ祭典、サロン・デ・マンガの開幕です!



規模だけで見れば東京、パリに次ぐ世界第三位のポジションを確保し、最新のゲームやコミック、はたまたデザインセンス抜群なスペイン人達のコスプレを楽しむ事が出来る上に、異国の地スペインにおいて「日本文化の紹介をしよう!」という意欲を感じる事が出来る夢の様なイベント、それがバルセロナで開催されるサロン・デ・マンガというイベントなのです(地中海ブログ:漫画フェスティバル2010 in Barcelona(サロン・デ・マンガ(Salon de Manga Barcelona 2010)))。



毎年ハロウィンを挟んだ週末(4日間)に開催されるこのイベントは、2年前まではバルセロナ市に隣接するホスピタレット市で開催されていたのですが、入場希望者が年々爆発的に増加していった結果、約2倍の収容スペースを擁する現在の見本市(スペイン広場)に場所を移し開催される運びとなりました。

そんなこんなで満を持して開催されたはずの今年のサロン・デ・マンガだったんだけど、蓋を開けてみれば例年を遥かに上回る入場希望者が殺到しちゃって、チケット売り場や入り口付近は大混乱!「入場までの待ち時間5時間!」とかいうトンでもない事になっていたんですね。



かくいう僕も初日の朝から連続4日間出陣してきたんだけど、土曜日の午前中の混み具合は本当に酷くて、結局その日は午前中の入場を断念する事に。だって1時間待って動いた距離が1メートル、2時間で2メートルですよ(怒)!

しょうがないから近くの美術館で時間をつぶし(地中海ブログ:カイシャ・フォーラム(Caixa Forum)で開かれている印象派展 (Impresionistas):エドガー・ドガ(Edgar Degas)の画面構成は非常に建築的だなーとか思ったりして)、お昼ご飯を食べてから16時頃に行ったら今度は待ち時間無しで入る事が出来てちょっと拍子抜け(驚)。ちなみに来年からはバルセロナ郊外にある伊東豊雄さんがデザインしたFira Barcelonaに場所を移して開催するそうです(地中海ブログ:オリオル・ボイーガス(Oriol Bohigas)による伊東豊雄批判について思う事:バルセロナ国際見本市会場(Fira Barcelona)とSuite Avenue)。



今年のメイン会場は2つに別れていて、1つはコンサートや各種スポーツなどの実演を受け持つ会場、もう1つはコミックやお店、ゲームコーナーや日本食の屋台などが集まっているスペースとなっていました。という訳で最初はお店が集まっている会場の方に入ってみたんだけど、入り口にはこんなパネルが:



じゃーん!悟空が「フュージョン!」ってやってるパネル(笑)。「ご来場してくれた皆さん、ここでポーズをとってください!」っていう、まあ何とも嬉しい演出が僕達を出迎えてくれるんですね。



この演出にドラゴンボール大好きなスペイン人達は大喜び。パネルの前には長蛇の列が出来てて、沢山の人達が「フュージョン!」をしてたんだけど、その中でも一際目立っていたのがこの人:



ピ、ピッコロさんだー!毎年ドラゴンボール関係のコスプレは沢山見掛けるんだけど、顔まで作り込んであるピッコロさんに出逢ったのは初めて!



しかもそのピッコロさんが悟空とフュージョンしてる姿なんて超レア!原作中にも無かったはずです。初日から大変良いものを見させて頂きました(笑)。という訳で幸先の良いスタートを切った所で出会したのが、あの後ろ姿‥‥:



あ、あれはー:



フリーザ様だー!でも、ちょっと微妙(笑)。その隣にはこの人が:



キグナスの氷河!!実はスペインでは聖闘士星矢が凄まじい人気を誇ってて、毎年ゴールド聖闘士の皆さんが団体でいらっしゃるんだけど、例年に漏れず今年もいました:



あの黄金に輝くクロス!非常に創り込まれてて心底感心してしまいます。そんな中でも今年一番はこのカップルだったかな:



うーん、ここまでくると凄いとしか言いようがありません。大人達に負けじと、子供達もがんばっています:



ちっちゃいサイヤ人達と18号。そして牛魔王もいた:



体型を活かした見事なコスプレですね。な、なんか、スゲー似合ってるし‥‥(笑)。



さて、毎年僕が大変気になっているのが、「実際スペインではどんなアニメやマンガが流行っているのか?」という点です。



その際の指標となるのはやはり、「どのキャラクターのコスプレが一番多いか?」という点だと思うんだけど、長年の観察を通して、スペイン人達がしてくるコスプレには毎年ある一定の傾向がある事が分かっているんですね。



例えば2年くらい前までは圧倒的にナルトが人気で、何処を見ても暁(あかつき)、更にはイタチばっかりという状況でした。それでは「今年はどうなのか?」というと、今年の一番人気は明らかにコチラでした:



そう、進撃の巨人!圧倒的だった。その中でも人気だったのがミカサ(MIKASA)かな。真っ黒な髪の毛をホンの少しまとめて、額の所にちょっと垂らす‥‥みたいな(笑)。



こんなカッコイイ戦闘ポーズを取ってくれちゃったりして。戦士達が腰に付けてる飛行ブースターみたいなのの出来が凄かった(驚)。そんな中、やっぱりいました!こちら:



きょ、巨人だー!すごい。っていうか、良くやる気になりましたね、こんな理科室にある人体模型みたいなコスプレ(笑)。



しかも巨人の女の子バージョンまでいた(笑)。

うーん、進撃の巨人については言いたい事が山ほどあって‥‥例えば導入部分は非常に魅力的に出来てて:

「巨人が人々を襲っている→兵士達が巨人と戦っている→場面が変わって主人公2人の会話→エレン(主人公)が泣いている→MIKASAが「エレン、どうして泣いてるの?」と聞く。→(エレン)え、泣いてないよ。何言ってるの?‥‥」

みたいな感じで始まります。 僕の感じによると、冒頭に出てきた人間を襲っていた巨人って言うのは明らかにエレンであり、過去に彼は巨人だったと考えるのが妥当でしょうね。しかもその時に人間を食べていた。その時の記憶は消えていて彼自身覚えてないんだけど(というか、多分何者かに意図的に消されている)、人間を食ったという罪悪感だけは残っている。だから泣いているのです。

「あー、これってダンテの神曲、煉獄編に出てきたテーレー川の話に似てるな‥‥」、と言う事に気が付いた人はかなり勘が良い。



‥‥と、進撃の巨人については書きたい事が山ほどあって‥‥書き始めたらキリが無いのでこの話は又今度。



で、ですね、このお祭りには毎年日本からスペシャルゲストが招待されてて、例えば数年前にはCHA-LA HEAD-CHA-LAの影山ヒロノブさんがいらっしゃって、みんなで大合唱して盛り上がったりした訳なんだけど、今年一番のスペシャルゲストはこちらの方でした:



キャプテン翼の原作者、高橋陽一大先生の登場〜。ちなみにスペインでもキャプテン翼は大人気で、「キャプテン翼を知らない人はいないんじゃないか?」と思うほど爆発的な人気を誇っているんですね。実はそのことに一役買っているのがバルサの選手達なんだけど、と言うのも彼らの多くが「キャプテン翼の様になりたいと思ってサッカーを始めた」と明言しているからです。



だからバルサの本拠地カンプノウの隣にあるバルサ博物館に行くと、キャプテン翼コーナーが設置されていて、高橋先生のサインからグッズまで展示されている程なんですよねー(地中海ブログ:FC Barcelona(バルサ)のマーケティングがスゴイ:バルサ・ミュージアムに見る正に「ゴールは偶然の産物ではない」)。

もう1つちなみに、翼君はスペインでは「翼(つばさ)」というカッコイイ名前ではなく、ホリベと言います(笑)。タイトルは「ホリベとベンジ」。「ベンジとは一体誰なのか?」というと、翼君の永遠のライバルであるSGGKの若林君でーす(笑)。



あー、また脱線してしまった‥‥という訳で話をサロン・デ・マンガに戻すと、我々日本人にとって大変嬉しい事に、このお祭りは「日本文化を少しでもスペインの皆さんに知って頂こう」というコンセプトの下、毎年日本文化に焦点を当てた展示や各種実演会などが数多く行われています。



上の写真は最近スペインで大ブームの日本食に焦点を当てたパフォーマンス。日本人シェフの方が舞台に上がり、実際にその場で日本食を調理するという企画にスペイン人達は大喜び!ほんと、スペイン人って日本食大好きなんですよねー。ちなみに僕が良く頼まれるのが、「ねー、今度ホームパーティーやるから寿司作って来てねー」って言うもの。「あ、あのー、寿司なんか作ったこと無いんですけど‥‥(苦笑)」。

スペイン人はみんな、「寿司」という食べ物は(欧米人にとっての)「パンみたいなもの」だと思ってるらしく、日本人は誰でも作れると思い込んでいて、更に主食は寿司だと思い込んでる人多し(苦笑)。今ではさすがに「日本ではチョンマゲをしたサムライが刀をさして街を歩いてる」と思っているスペイン人は少なくなったけど、「ゲイシャは売春婦なんだろ」などの発言に代表される様に、スペイン人にとって日本という国はまだまだ未知の国なのかもしれません。



さて、バルセロナで行われるサロン・デ・マンガでは毎年何かしらのキーワードが掲げられ、それを基に展示や実演会の構想を練ってるみたいなんだけど、今年のキーワードはズバリ「スポーツ」。という訳で日本におけるサッカーや野球、バスケットの状況などと共に、柔道や合気道など日本の伝統武道が実演を交え紹介されていました。その中でもひときわ人気を博していたのがこちらです:



日本が世界に誇る国技、相撲(SUMO)です。相撲をとる力士の事はメディアなどを通してスペインでも良く知られているのですが、スペイン人で実際に目にした人はごく僅か。



フンドシをまいた力士が目の前で相撲をとっている姿はスペイン人達に物凄い衝撃をもたらしたらしく、力士達の一挙手一投足に観客達は大はしゃぎ!翌日の新聞にも写真入りで大々的に報じられていました。



そんなこんなで今年もかなり楽しく過ごす事が出来たサロン・デ・マンガだったんだけど、僕にとって大変感慨深かったのは、数年前まではこのイベントに来ていたのはアニメやマンガが大好きなオタク君達ばかりだったんだけど、今年は小さな子供連れやお爺ちゃん、お婆ちゃんを含んだ家族で来ている人達が多かったという点です。

つまり、日本文化への入り口としてアニメやマンガがその役割を果たしている事は確かであり、ここ数年変わらない傾向だと思うんだけど、それを通して日本文化全般に興味を抱き始めたスペイン人が多く現れ始めた、そういう事が出来るかと思います。

日本人の皆さんにとって、この変化は些細な事の様に思えるかも知れません。しかしですね、この小さな変化はスペインが日本文化の理解に踏み出した果てしなく大きな一歩だと言う事が出来るかと思うんですね。そしてその事が、僕にとって今年一番の発見であり、又日本人として大変嬉しい事でもありました。

今から来年が待ち遠しいですww

JUGEMテーマ:漫画/アニメ
| サブカル | 20:48 | comments(5) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
漫画フェスティバル2011(Salon de Manga XVII):バルセロナのマンガの聖地にもK-popが押し寄せてきた!
長かった夏も終わり、バルセロナの街頭を飾っている並木道が秋の装いを纏い始める頃、僕が一年の内で最も楽しみにしているイベントの一つ、スペイン人達による奇想天外なコスプレ大会、通称サロン・デ・マンガ(Salon de Manga)が開かれる季節が今年もやってきました!



僕がこのコスプレ大会の存在を知ったのは、かれこれ5年程前の事、「クレヨンしんちゃん」のカタラン語への翻訳や吹き替えをやっている友人に誘われて行ってみたのがその始まりだったんですね。正直言って最初は全く乗り気じゃなかったんだけど、行ってみてビックリ!何でかって、そこには僕が‥‥と言うか、日本人の僕達が想像もしなかった様な世界が広がっていたからです。例えばこの人:



見つけた瞬間に吹き出してしまう様な、そんなキャラの選択とか(詳しくはコチラ:地中海ブログ:漫画フェスティバル2009(サロン・デ・マンガ:Salon de Manga 2009))、もしくはコチラ:



スペインにおいてドラゴンボールというのは、聖闘士星矢、そしてキャプテン翼と並ぶ3大人気マンガに数えられる程なので、毎年会場にはゴールド聖闘士や南葛小のユニフォームを着たスペイン人達に混ざって、亀仙人やピッコロなんかをチラホラ見かける事が出来るのですが、3年前に見たこのフリーザ様のインパクトは本当に強烈でした(笑)。普通、やろうと思いますかね?フリーザ様ですよ、フリーザ様!!(詳しくはコチラ:地中海ブログ:漫画フェスティバル2008 in Barcelona(サロン・デ・マンガ(Salon de Manga Barcelona 2008))。まあ、そんなちょっと変わった人達がいる一方で、定番中の定番モノをやる人達も中には混ざっています:



エヴァンゲリオンのアスカです。アスカに限らず、アニメの主人公って金髪だったり、青い目をしていたりと、設定が外人の場合が多いので、スペイン人とかが本気でコスプレすると、時々「テレビから出てきたんじゃないのか?」と思う程ソックリの人とかいて、それはそれで結構感動したりする事もしばしばです。まあ、この様な両極端な人達が混ざっている所こそ、スペイン版コスプレ大会の醍醐味と言っても過言ではないかなと思います。そしてスペインのコスプレ大会でもう一つ忘れちゃいけないのがコチラです:

 

毎年日本から招待される日本人歌手によるアニソンコンサート。ちなみに僕は毎年欠かさず参加してるんだけど、熱気ムンムンの会場の盛り上がりの凄い事!凄い事!!個人的に忘れられなかったのは2006年に来てくれた影山ヒロノブさんと、2007年に来てくれた山田信夫さんによるコンサートです。影山さんの時は勿論ドラゴンボールなどの大ヒット曲で盛り上がり、山田さんの時は、聖闘士星矢のオープニングとエンディングで会場は大盛り上がり。僕も一緒に熱唱してたんだけど、スペイン人達が聖闘士星矢のオープニングを、ごく普通に2番まで歌い出したのにはちょっと驚いた(笑)。しかも日本語でね。

と、そんな訳で、今年も10月29日から11月1日にかけて、バルセロナ郊外のホスピタレット市にて第17回サロン・デ・マンガが盛大に行われた事から、そのお祭りに参戦してきました。ちなみにこのお祭りは、ビックイベントを誘致し、その集客力によって都市にお金を落としてもらい都市を発展させちゃおうっていうバルセロナ都市戦略上に載っています(地中海ブログ:バルセロナのイベント発展型都市戦略とGSMA2010(Mobile World Congress 2010))。もう一つちなみに、このコスプレ大会の一昨年の入場者数は60,000人、去年は65,000人でした。毎年2月に開かれる世界最大規模の携帯電話の祭典、Mobile World Congressでさえ、入場者数は平均50,000人(去年は60,000人)と言う事を考えると、マンガやアニメの集客力の凄さを改めて思い知らされます。

そんな、一年を通しても稀に見る程の集客を誇るビックイベントなので、チケットを買うのは勿論の事、会場に入るのにさえも一苦労する程の人、人、人!1時間待って漸く入る事が出来た会場内はもう熱気でムンムン!

そんな中、いました、いました、今年も素晴らしい格好をした人達が(笑)。今年の第一号はコチラ:



もののけ姫―!!流石に宮崎アニメは安定した人気を誇っています。ちなみに結構有名な話だけど、「天空の城ラピュタ」の語源、「ラピュタ」という名前の由来はスペイン語の売春婦(La Puta)であり、その名前のままスペインで放送すると大変な事になる為、スペイン語版の「天空の城ラピュタ」は“El castillo en el cielo”と、原作名のラピュタとは似ても似つかぬ名前へと変更になっています(地中海ブログ:プロヴァンス旅行その7:天空の城、ゴルド(Gordes)の風景)。そんな事を思いつつ歩いていたらこんなカップルに遭遇:



うる星やつら!そしてその横にはこんな人が:



なんだかよく分からないけど、ウサギのコスプレ(笑)。しかも結構気合いが入ってる。どうでもいいけど、この熱気の中、中に入ってる人はかなり暑い事必死ですね。ウサギを見るとどうしても思い出してしまうのがコチラです:



バルセロナの市場に普通に売ってる皮を剥がれたウサギ。‥‥ウサギって確かに美味しいんだけど‥‥こんな格好を見せられると、あまりにもえげつないというか、何と言うか‥‥。そんなこんなで時計の針は瞬く間に過ぎていき、そろそろ終わりの時間に近づいてきた頃、遂に来ました、今年最大級の獲物がー!:



ドラゴンボールの「ボール」のコスプレ(笑)。しかも四星球!!!僕はこの大会を長年観察してるんだけど、ボールのコスプレをする人は今まで居なかった!!!うーん、これは見方によってはかなり斬新な視点かな(笑)。大体、人ですらないですからね(笑)。ボールですよ、ボール!普通はやろうと思わないでしょ?

「いやー、良かった、今年も面白かった」と会場を後にしようとしたその時、未だかつて予想だにもしなかったコスプレが僕の目の前を通り過ぎて行きました:



な、何だコレはー!!!ガンダム?いや、セーラームーンか?もしくはセーラーガンダム??セーラームーンって、全身白色で、肩には青色のパットみたいなのが入ってるし、更に胸には赤いリボンが付いてるので、確かにカラーデザインだけで見たらガンダムと相性が良い事は確か。でも、初めて見ました、こんなコスプレ。これが実在するキャラクターのコスプレなのか、もしくは独創なのかは知らないのですが、デザイン的に「バチッ」と決まってる気がする。

す、素晴らしい!やはりスペインのコスプレ大会は何かちょっと独特の雰囲気がある気がします。完成された日本や、とってもお洒落なパリなんかでは絶対に見られない現象、つまりは、ちょっとダサいコスプレや外れたコスプレ、もしくは手作り感満載の大変心温まるコスプレの中に、極稀に完成度の高いコスプレが混ざっているという多様性。これこそ未だ発展途上にあるスペインのコスプレ大会の醍醐味です。

その一方でちょっと気になった事が‥‥。

上述した様に、このイベントのもう一つの見所は毎年日本から招待されるアニソンを専門とする歌手の皆さんによるコンサートなんだけど、「今年は誰かな〜♪」とかルンルン気分でプログラムを見ていたら、何か様子がオカシイ‥‥。コンサートの欄にはこんな事が書いてありました:

「今年、我々が招待するスペシャルゲスト、それはJYJの皆さんです!」



‥‥誰だそれ?聞いた事無い‥‥とか思ってWikiで調べてみると:

"JYJ(ジェイワイジェイ)は、韓国の男性アイドルグループである。正式名発表前の仮称は「JUNSU/JEJUNG/YUCHUN」(ジュンス/ジェジュン/ユチョン)。2010年、東方神起のメンバーであったキム・ジュンス、キム・ジェジュン、パク・ユチョンの3人により結成されデビューした。"

そう、何と今年のゲストは日本からではなく、韓国からの歌手だったんですね。僕が知る限り、バルセロナのコスプレ大会が日本以外の国から歌手を招くのは、このイベント始まって以来の事だと思います。

実はこの事実に気が付いたのは、初日にイベント会場を見終わった後だったんだけど、今思い返してみれば、確かに会場のあちこちに去年までは全く見かけなかった韓国のアイドルグループのブースがあって、そこが結構賑わってたりしてたなー。こんな感じで。



僕は日本に住んでないので現在日本で起こっている状況をネットを通じてしか知る事が出来ないんだけど、近年の韓流ブーム、そしてK-popの破竹の勢いというものを、ここアジアからは遠く離れたヨーロッパにおいて身を以て感じる事が出来ました。

今まで日本の独壇場だったアニメやマンガへの彼らの侵入‥‥これって、韓国のマーケエィングの巧さの結果なんじゃないのかな?

もう一度言いますが、これは今年から始まった驚くべき変化であり、僕からすると大変大きな事件です。

今の状況ではデータが少なすぎる為に未だ何も言う事は出来ないんだけど、もう少し後で行われるパリのコスプレ大会において、これらK-popがどういう位置付けをされるのかが、一つの指標となるかなとは思います。要注目です!

追記:
先日の新聞によると、今年の入場者数は65000人だったそうです。
| サブカル | 09:51 | comments(8) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
もう一つの9月11日その3:カタルーニャの場合
911日、それは世界のほとんどの人にとっては9年前ニューヨークで起きた世界同時多発テロ事件のメモリアルデーと言う記憶のされ方をしていると思うのですが、この日、僕の住んでいるバルセロナを中心とするカタルーニャ地方では全く別の世界が繰り広げられています。



カタルーニャでは世界の目が911日に向けられる遥か以前からこの日を「カタルーニャの記念日」として祝ってきたのですが、と言うのも、300年前のこの日は、この「地方の形」を決定付けた政治経済文化的な分岐点となった日だからなんですね。その直接的な原因となったのは、スペイン継承戦争においてハプスブルグ家側に加担したカタルーニャが惨敗した事がキッカケだったんだけど、「カタルーニャと言う地域の特権を守る為」に、負けると分かっていながらも憎っくきブルボン軍に立ち向かっていったカタラン戦士達の勇気に敬意を評す為、バルセロナが陥落した9月11日を記念日としたと言う訳なんです(詳しくはコチラ:地中海ブログ:もう一つの911日:カタルーニャの場合



バルセロナ市内のサン・ホアン大通りの近くには、この時戦った戦士達のリーダーであったラファエロ・カサノバ(Rafael Casanova)の彫像があるのですが、この日はこの彫像の前に多くの政治家達がカタルーニャの国旗に彩られた大きな花束を捧げにやって来ます。



それらお祝いに来る政治家達の表情を逃すまいと、固定カメラまで準備している周到さ。そして街頭を埋め尽くした人、人、人!現在のこの辺りは中国系のお店が集まりまくっているバルセロナのチャイナタウンの如き様相を呈しているのですが、この日ばかりは中国語の看板を覆い尽くす程の赤と黄色のカタルーニャ国旗で埋め尽くされた風景が展開しています。そしてパン屋さんの店頭にはこんなものが並んでる:



じゃーん、カタルーニャ模様のケーキ!ナカナカ奇麗だけど、それよりも何よりも美味しそう!!まあ、こんな感じでこの日は街を挙げてのお祭り気分なんだけど、その一方で、先日行われた新カタルーニャ自治憲章案のデモの件があったり(地中海ブログ:スペインの民主主義始まって以来の歴史的なデモ:新カタルーニャ自治憲章案に関して)、11月にはカタルーニャ州議会の選挙が控えていたりと、かなりの(政治的な)混乱が予想されていた為に、例年よりも配備されている警察官の数が多かった様な気がしないでも無かったかな。



お祭り好きの僕は毎年この行事には参加しているのですが、例年通りの道順だと、この後ここから歩いて15分程度の所にあるシウタデリャ公園(Parc de la Ciutadella)に移動し、そこで行われている数々のイベント(政治的な儀式やらコンサートやら)に参加しつつ近くにある中華料理屋さんでラーメンを食べて帰ると言うのが定番コースになっています。ちなみにこの中華料理屋さんと言うのは数年前に食通のMさんに教えてもらった、バルセロナでは珍しい手打ちラーメンを出しているお店。そう言えば、(驚くべき事に)今年度の「地球の歩き方、バルセロナ編」に紹介されていましたね(地中海ブログ:手打ちラーメンの店:斎心面館II)。バルセロナ在住者ならともかく、日本から来る日本人観光客の皆さんは特に行く必要は無いと思うんだけど・・・。

さて、実は余り知られてはいませんが、シウタデリャ公園で行われるコンサートを巡っては毎年ちょっとした衝突が繰り返されています。去年はイスラエル出身でヨーロッパでは超メジャー級の歌手であるNOAが招待されていたのですが、彼女の意図とは関係なく、カタルーニャ独立派によって彼女の存在が勝手にパレスチナとの関係に結びつけられてしまって、誹謗中傷の的になると言う事件が起こってしまいました(詳しくはココ:地中海ブログ:もう一つの911日:カタルーニャの場合その2

更にその前の年にはアンダルシア出身のフラメンコ歌手が招待されてたんだけど、「カタルーニャの神聖なお祝いなのに何故フラメンコなんだ!それに何故カタラン語で謳わないんだ!」と歌と踊りを披露している最中に、コレ又大規模なデモが行われてしまったんですね。まあ、僕から言わせればナショナリズム色が否が応にも強くなるこういうお祭り時には、全く関係の無い所から絶対に文句の付けようが無い人とかを呼ぶ事を提案したんですけどね。例えば松田聖子とか(笑)。さっぱり関係ないでしょ?全く関係無いからカタルーニャ独立派も文句の言いようが無いはず(笑)。カタラン人達の前で青い珊瑚礁とか結構良いと思うんだけどなー。この時期のバルセロナの空と海も真っ青だし。

まあ、冗談はコレくらいにしつつ、今回メディアの注目を最も集めていたのがこの人:



つい先日、労働移民大臣を辞職する事を明らかにしたセレスティーノ・コルバチョ氏(Celestino Corbacho)です(地中海ブログ:スペイン、サパテロ新内閣(Jose Luis Rodriguez Zapatero):セレスティーノ・コルバッチョ(Celestino Corbacho)労働・移民相(Ministro de Trabajo e Inmigracion)とスペインの移民問題)。今月末29日には大規模なゼネストも計画されているし、何故今の時期に内閣を辞職したのか?それは再来月行われるカタルーニャ州議会選挙と関係があるのか?元々の政治基盤であったホスピタレット市に戻る気はあるのか?など、メディアとしては聞きたい事が山程あるという、今正に旬な人と言った所でしょうか。そしてもう一つ気になったのがコチラ:



「カタルーニャ言語推進委員会」みたいな団体とか、カタルーニャ独立推進団体みたいなのが、ここぞとばかりに思いっきり自分達の活動を売り込んでいました。実際、僕がこのスタンドの近くを通った際、「カタラン語を大学の授業のメイン言語にする運動をしています。署名をお願いします」みたいな署名活動とかされちゃったし。うーん、気持ちは分からないでもないけど、やはり言語とか独立とか、今日のお祝いにはさっぱり関係ないので、その辺は自粛した方が良いんじゃないの?とか思っちゃいますけどね。気持は分かりますけどね、気持は・・・。そして今日見た中で最も(ある意味)スゴかったのがコチラ:



じゃーん、バルサ!!全く関係ないじゃん(笑)!まあ、お祭りだから何でも有りと言うノリなんだとは思うんですけどね。ま、いっか。
| バルセロナ歴史 | 18:23 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
デイヴィッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)の建築:裁判都市(La Ciutat de la Justicia):建築間の対話による都市風景の創出
先週末1日だけ一般公開されたデイヴィッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)のデザインによる裁判都市に行ってきました。「裁判都市とは何か?」というと、現在はバルセロナ市内にバラバラに点在している司法、裁判機能を一箇所に集め、コミュニケーションを円滑にする事によって、少しでも効率的に司法行政を行おうという試みの下に建設された都市(建築群)エリアの事です。



この裁判都市が位置するのはバルセロナ郊外のホスピタレット市(Hospitalet de Llobregat.)、丁度、伊東豊雄さんが計画されている2本の棟の目と鼻の先です。3億2,000万ユーロをかけて建設された8つの建物には、3,000人の労働者と1日13,000人の訪問者が想定されています。

先ず初めにとても巧いなー、と思った事はそのネーミングですね。ココでは「建物群」や「エリア」を創り出す事ではなくて、ある種の「都市」を創り出す事が意図されている。つまり、何にも無い郊外に求心力のある「核」を創り出すという、バルセロナのお得意の手法ですね。その証拠に、8つの建物群の一階には既にカフェやレストランなどの店舗がぎっしりと入る事が決まっています。





様々な機能が混在し、正に都市の街路、都市における街角を創出しようと試みていると言う所は、先ず第一に注目すべき点だと思いますね。

さて、そういうバルセロナ市の都市戦略、バルセロナ市にとっての「裁判都市の位置付け」というマクロな話に加えて、僕の関心はやはり「彼(デイヴィッド・チッパーフィールド)がこの建築で一体何をやりたかったのか?」という点に収束します。ずばり彼がやりたかった事、それは「異なる建物間での対話、そしてそれらが生み出す誰も見た事の無い風景」だと思います。

先ずこの建築の「物語」はココから始まります。



4つの独立した建築が重なり合い、少しずつズレる事によって、単体の建築では出現し得ない風景を演出している。これはバルセロナのスペイン広場方面から空港方面へと行く道路側から見た風景なのですが、彼は明らかにコチラからのアプローチを意識している事が分かります。



上の写真は反対側(つまり空港からスペイン広場方面)から建築群を見た風景なのですが、まとまりがあまり無い事に気が付くと思います。リズムが悪いんですね。(このようなアプローチの重要性についてはラペーニャ&エリアス・トーレスの傑作、トレドの大階段についてのエントリで書いた事と一致します:地中海ブログ:マドリッド旅行その4:ラペーニャ&エリアス・トーレス(Jose Antonio Martinez Lapena and Elias Torres)の建築その1

リズムの話をする時に僕がよく例に出すのが「キン肉マン」のオープニングの話です。僕はキン肉マンどんぴしゃ世代で、小学生の頃は毎週欠かさず見ていました。はっきり言って、「友情」とか「信頼」とか、そういう人生にとって大切な事は結構キン肉マンから学んだ気がする。

さて、オープニングにはこんな歌詞が出てきます。

私は、ドジで、強い、つもり、キン肉マーン。走る、すべる、見事に転ぶ。アー心に・・・

ココで、最初の塊は、4つのフレーズ(私は、ドジで、強い、つもり)+キン肉マーンで構成されている事が分かると思います。しかし、次のフレーズでは、「走る、すべる、見事に転ぶ」と3つのフレーズで構成されているんですね。前の規則に従うならば、「見事」と「転ぶ」が分かれ、4フレーズを構成するのが普通なのに、最後のフレーズが2つ重なり、3つのフレーズに収まる事によって、大変良いリズム感を出している事が分かると思います。

チッパーフィールドが作り出したリズムも基本的にはコレと一緒なんですね。



最初の建物(はじまり)を一番高くしておいて、段々に下げて行く。その規則に従うならば、最後が一番低くなるはず。しかしそうはせずに、3番目を一番低くしておいて、最後の締めを少し高くする事によって、アクセントを付けている訳です。一見バラバラに見える建物群でも、ナカナカ良く考えられている事が分かると思います。



更に周りを歩いてみると、如何に彼が建物の重なりによる「空の切り取り方」に気を払っているか?が分かると思います。



渡辺純さんが良く言われていた事を思い出します。「cruasan君ねー、都市スケールの建築において、何が大事かって、それは一本の線が大事なんじゃなくて、その線が端部でどう終わっているか?そしてその線が他の線とどう交わっているか?そしてそれらがどう「空」を切り取っているか?が重要なんだよ」と良く言われていました。





そしてココでは「見え隠れ」による、ある種の「奥行き」が演出されていると言ったら、あまりにも褒めすぎでしょうか(笑)。

そんな事を思いながら、先程の「物語のスタート地点」から少しずつ歩いてみます。



左手には我々の歩行を促進するかのように、緑の壁が進行方向に立ち、橙色の建物(壁)がまるでその運動を受け止めるかのように、優しく(斜め方向に)位置しているのが分かると思います。これらの二つの建物が切り取る「空」もナカナカかっこ良いですね。



そしてココでふと前をみると、エントランスが我々に向かって真正面ではなく、ハスに構えて出迎えてくれるのが分かると思います。この演出もナカナカ巧い。



緑色の建物が進行方向を向き、それを受け止める橙色の建物と一対となる事によって、自然と生まれた三角形地帯なのですが、それを上手く、斜め方向からのアプローチとして使っている事が分かると思います。



このような「斜に構える」デザインの好例は坂本一成さんがやられた住宅S、槙さんのヒルサイド、そしてジャン・ヌーベルのレイナ・ソフィアなどがあると思いますが、そういう観点から見るならば、この建築も明らかに「斜に構えるデザイン」において成功している好例だと言う事が出来ると思います(地中海ブログ:マドリッド旅行その2:ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel)の建築:国立ソフィア王妃芸術センター(Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia))。

デイヴィッド・チッパーフィールド(David Chipperfield)の建築その2:裁判都市(La Ciutat de la Justicia):内部空間に続く。
| 建築 | 19:09 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
バルセロナの大型プロジェクト次々とストップ:カンプノウ改修計画(Remodelacion del Camp Nou) by ノーマン・フォスター(Norman Foster)、新サンツ駅計画(Estacion de SANTS) by ジョセプ・ルイス・マテオ(Josep Lluis Mateo)など
一昨日のエントリ(ゲーリー(Frank Gehry)のサグレラ駅周辺(Entorno de la Sagrera)プロジェクト、経済危機の為ストップ)でフランク・ゲーリーのサグレラ駅周辺計画がストップしたとお伝えしたばかりだったのですが、翌日の新聞(La Vanguardia, 12 de marzo 2009)では堰を切ったかの様に次々と、バルセロナで進行中だったスター建築家達による大型プロジェクトの危機状況が伝えられていました。

先ずはノーマン・フォスター(Norman Foster)によるバルサの拠点、カンプ・ノウ改修計画(Remodelacion del Camp Nou)。





以前のエントリで何度か書いたように(ベルリンで見た国会議事堂リノベーションロンドンのスイス・リ(Swiss Re)本社ビル大英博物館改修など)、フォスターのデザイン力というのは並では在りません。さすがに「サー(Sir)」の称号を貰うだけの事はある。ちなみに僕が高校生位の時に、キムタク主演、田村正和と宮沢りえが競演していた建築家のドラマ(名前忘れた!)があったんだけど、そのドラマの中でキムタクが心底感動していた建築が、ノーマン・フォスター設計の東京センチュリータワー(Tokyo Century Tower)でしたね。

さて、そのフォスターが手がける事になっていたのが、泣く子も黙るバルサの拠点、カンプ・ノウスタジアムです。カンプ・ノウは98.800人という欧州最大の収容人数を誇るサッカースタジアム。僕も何度か足を運んだ事があるのですが、10万人もの人々が会場を埋め尽くす光景は圧巻。そこにフォスターのデザインが競演する事によって、今まで誰も見た事の無い風景が出現したのかと思うと、それだけで興奮を覚えるのですが、予算の関係でストップだそうです。(コスト:2.5−3億ユーロ(1ユーロ120円として300億―360億円))残念!!!

続いて、バルセロナを拠点に活躍する建築家、ジョセプ・ルイス・マテオ(Josep Lluis Mateo)による新サンツ駅計画(Estacion de SANTS)。バルセロナにおけるAVEの玄関口として駅全体を改修+増築する予定だったのですが、コレもストップ。確かこの計画って、今や売れっ子建築家になったRCR事務所(RCRアランダ・ピジェム・ヴィラルタ・アーキテクツ(RCR ARANDA PIGEM VILALTA ARQUITECTES)も絡んでませんでしたっけ、Kさん??(コスト:2.2億ユーロ(1ユーロ120円として264億円))

ジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)によるホスピタレット・シティ・メトロポリターナ計画(CityMetropolitana de L’Hospitalet)もストップだそうです。この計画はバルセロナ市とホスピタレット市の境界に、両者を繋ぎ、周辺を活性化する要素として計画されていました。何でだか知らないけど、バルセロナってジャン・ヌーベル好きなんですよね。アグバータワー(Torre AGBAR)とか22@に昨年完成した公園とか。マドリッドにもレイナ・ソフィア美術館( Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía)とかありますしね。残念ながら新たなる彼の作品は見る事はなさそうです。(コスト:1億ユーロ(1ユーロ120円として120億円))

そして何と何と、先日お伝えしたばかりのバルセロナが誇る超目玉計画、リチャード・ロジャース(Richard Rogers)による闘牛場改修計画(Antigua plaza de toros las Aremas)もストップだそうです。

エーーーーーーー!!!!!、そうなの?????
あれだけ盛大に講演会やったのに?あれだけ盛大に展覧会開催しているのに?あれだけ「コノ計画はすごいんだー」みたいに自慢してたのに?

スペイン人って、上げといて上げといて、これでもかーって上げといて、で、急に落としますよね。すごいな、スペイン人!!!

世界同時経済危機だからしょうがないのかも知れないけど、良い建築が世の中に日の目を見ないのは、何とも悲しい事です。見てみたかったなー。
| 建築 | 21:21 | - | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
漫画フェスティバル2008 in Barcelona(サロン・デ・マンガ(Salon de Manga Barcelona 2008))
今年もついにこの季節がやってきました。一年の内で僕が最も楽しみにしている年中行事、漫画フェスティバル(サロン・デ・マンガ(Salon de Manga Barcelona 2008))。この日をどんなに待ち焦がれた事か。数年前に偶然発見したこのお祭りは3年前から当ブログで連続レポートしています。

漫画フェスティバル IN BCN

漫画フェスティバル2007 IN BCN

漫画フェスティバル2007 IN BCN2

今年も去年までの盛況を受けて10月30日から11月2日までバルセロナ市郊外のホスピタレット市で盛大に行われました。この盛り上がりを見ていると、昨今スペインを含め、世界中が経済危機と騒いでいますが、マンガ世界は全く別世界のような気がしますね。会場に一歩足を踏み入れると、もう熱気でムンムン。先週から急に気温が下がり始めたバルセロナでは、冬用のコートを用意して行ったのですが、中では暑くてとてもじゃないけど着ていられない状態でした。

さて、このお祭りは日本のマンガ祭り同様、コスプレをしてくる人が大多数なのですが、例年の経験からそのコスプレにはある種の傾向がある事が分かっています。例えば去年だったら圧倒的にナルト、しかも暁とイタチばっかり。今年は何だろうなー、とか思ってたら昨年に引き続き、やっぱり暁が多かった。意外だったのがサスケが少なかった事。もっと居てもいいかな?と思ってたのに。

色んなのが居るなーと思いつつ、休憩がてら外に出たその時の事でした。道路の反対側に見慣れぬ戦士が歩いている。あれは、ま、ま、まさかー、



ロビンマスクだー。しかもなんかウォーズマンっぽいのと一緒に居るし。子弟コンビって事でしょうか。(慌てて撮ったので、写真がブレててすいません。)ロビンマスクで先ずは思い出されるのがロビンスペシャルでしょうね。ネプチューマンにロビンスペシャルをかけて、逆に破られるシーン:

ネ:「ロビンスペシャル、その条件は相手より早く落下する事。そしてその落下を可能にしているのが、重いお前のヨロイだー」

とか言ってネプチューマンがロビンマスクの鎧を剥ぎ取る。すると、あらら不思議、一緒に落下していたはずの2人の落下スピードに差がつき始めたではありませんか。子供の頃は「重い鎧を持ってる方が早く落ちるに決まってるよな」とか思ってたけど、中学生になって僕達はニュートンの法則というのを習います。誰でも知ってるニュートンの法則。それはどんなに質量が違う2つの物体が同時に落下しても落下速度に変わりは無いと言う事。

ロビンスペシャル、おかしいじゃん!!!さすがゆでたまご。でもその方が現実っぽいから、まあいいか。

そんな事を思いながら会場をうろうろしていた時の事でした。遠くの方になにやら見覚えのある後姿が・・・





あれは、ま、ま、まさか・・・



フリーザ様だー。
コレはすごい。見た時は目を疑いました。普通、やろうと思いますかね?フリーザ様ですよ?あのツノ、あの尻尾、これでもか、というほどのピンクの足。しかも自信満々なポーズ。
あの鎧、手作りだそうです。尻尾も。何でもフリーザが乗ってたオマルの飛行船も創りたかったらしいけど、あれやると足が出ておかしいのでやらなかったんですって。でも来年は何とか工夫してやってみたいと言っていました。ちなみに何でフリーザなの?って聞いてみたら、大好きなんだそうです、フリーザ様が。世の中には色んな人が居るもんだなー。

去年のコスプレ地中海ブログ賞はメーテルで、その前がちょっと貧乏なセイヤ。今年はフリーザ様です。なんたって、インパクト強すぎなんだもの。
| サブカル | 00:09 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
バルセロナ賃貸住宅価格事情と新築価格事情
今日の新聞(La Vanguardia, 1 de Julio, 2008: Los Alquileres frenan)にバルセロナにおける賃貸住宅価格事情が載っていました。スペインにおいてテロ、移民そして住宅は3大問題だと言われています。「そんな大げさな」とか思われるかもしれませんが、バルセロナにおける住宅事情を真近で見ていると、様相は正に戦争そのものです。3ヶ月毎に発表される賃貸住宅価格は、ほとんど馬鹿げた数字のごとく上昇を続け、平均賃貸価格が1000ユーロを超え最低賃金の約2倍、スペイン平均賃金をも上回るまでに上昇し、市民の生活を圧迫していました。

そんな状況にもようやくブレーキが掛かり始めたのが今期です。年明けから続いていた明らかなスペイン経済の危機に対して、サパテロ首相(Jose Luis Rodriguez Zapatero)は「失速しているだけだ」を連発し、どうにもならない状況に対してようやく「経済危機」を認めたのは先週の事でした。そして今期、こんな大不況とインフラの中においてさえも上昇を続けていた賃貸価格にも「失速の波」はようやく影響を及ぼし始めました。(これは逆に言うと、それほどスペイン経済の危機は深刻だという事ですね。賃貸価格が下がり始めたからと言って、単純に手放しで喜んではいられません。)

今日の新聞によると今年最初の四半期(1,2,3月)の賃貸価格は2007年に比べて2%低下したそうです。「なんだー、たった2%かー」なんて思いがちですが、2007年最後期(10,11,12月)の上昇率は17,8%。つまり実質20%価格落ちした事になります。2007年通年比較では少し落ちて上昇率は13,6%。それでも15,6%価格落ちしています。

何故価格減少が起こったのか?一つには勿論だけどバルセロナ大都市圏の諸都市の住宅価格が市内よりも安く、バルセロナ市内との連結が非常に良いという事情が挙げられるんですね。例えば以前のエントリで書いた移民都市、ホスピタレット市(L'Hospitalet de Llobregat)の平均賃貸価格は月961ユーロ。バルセロナから電車で30−40分程の所にある比較的裕福な層が多く住むサバデル(Sabadell)が924ユーロ、テラサ(Terrassa)が939ユーロとなっています。

タラッサには僕が以前行ってたCatedra UNESCOがあるので、よく知っているのですが、非常に美しい町です。一応大学(カタルーニャ工科大学(Universidad Politecnica de Catalunya))があり、小さいながらも文化施設は充実していて賑わいのある街です。

さてバルセロナ市内に目を移し、より詳細に価格変動を見てみます。市内平均賃貸価格は2%減少で月1020,39ユーロ。(ちなみに賃貸物件の平均平方メートルは71m2です。)市内で一番価格が落ちているのが歴史的中心地区であるCiutat Vellaで2007年最後4半期(10,11,12月)に比べて7,3%落ち、月876,23ユーロとなっています。

続いて減少幅が大きいのがSant Martiで6.2%減少で月883,84ユーロ。Graciaは4,8%減の984ユーロ。Sarria-Sant Gervasiは3,2%減の1260,95ユーロとなっています。

反対に価格が上昇しているのはEixampleで3%増加の1160,17ユーロ。Nou Barrisが5,5%増加の902,51ユーロ。Horta-Guinardoが3,3%増加の907,49ユーロとなっています。

2007年最後期(10,11,12月)には全10街区の内、1000ユーロを越えた地区が実に5つだったのに対して、今期は3つになりました。

バルセロナ市内街区別賃貸価格リスト
街区名   賃貸価格  上昇(減少)率  平方メートル辺り賃貸価格

平均賃貸価格1020,39Euro -2% 15,56Euro
Sarria-Sant Gervasi 1260,95Euro -3,2%, 15,87 Euro
Les corts 1184,29 Euro -1,1%, 15,71Euro
Eixample 1160,17Euro +3%, 15,68Euro
Gracia 984,59Euro -4,8%, 15,87Euro
Sant Marti 979,99Euro -6,2% 15,06Euro
Sants-Montjuic 935,62Euro -2,1% 16,06Euro
Horta-Guinardo 907,49Euro +3,3% 15,65Euro
Nou Barris 902,51Euro +5,5% 15,65Euro
Sant Andreu 883,84Euro -0,3% 13,64Euro
Ciutat Vella 876,23Euro -7,3% 15,99Euro

このような賃貸価格状況の変化に対して新築住宅価格の状況も変化を起こしています。

先ず1998年から続いてきた新築住宅価格上昇に今年初めてストップが掛かりました。2008年1月から6月までの統計によると、その減少率1,2%。住宅価格があまりにも高くなり過ぎた為に、もう誰も買おうとしなくなってしまったんですね。

新築住宅価格をスペイン都市別に見ると一番高額なのはバルセロナ(Barcelona)で4,527€/m2。一番高額な都市が首都じゃないところがこの国の面白い所。しかも2番手でも無いし・・・。2番手に付けているのはバスク地方の都市、サン・セバスチャン(San Sebastian)で4,035€/m2。ラファエロ・モネオ(Rafael Moneo)が手がけた海沿いのあるオーディトリアムがある事で有名ですね。あと海岸沿いにあるチリダ(Eduardo Chillida)の彫刻も。3番手にやっと首都登場。マドリッド(Madrid)3,916€/m2。

逆にスペインで最も新築住宅が安い地域はポンテベドラ(Pontevedra)で1,484€/m2。その次がバダホス(Badajoz)で1,525€/m2。続いてルーゴ(Lugo)1,547€/m2。ルーゴと言えば友達のマルティン君(Martin)の出身地だったっけ。

バルセロナ市内での新築住宅変動を見るとこんな感じ。

Sarria-St.Gervasi 6,3%
Ciutat Vella 3,8%
Nou Barris 3,3%
St.Marti 2,1%
St.Andreu 1,2%
Gracia 0,4%
Eixample 0,3%
Sants-Montjuic -3,4%
Les Corts -4,1%
Horta-Guinardo -4,5%

Sarria-St.Gervasi 地区の価格上昇は何時もの事として、Nou BarrisやSt.Martiの新築価格が上がっている所が面白い。このエリアは市内において移民が集中している地域なんですね。反対にGraciaやEixample、Les Cortsで住宅価格が下がっている。これらの地域は学生に特に人気がある事から価格は市内でもトップクラス。それでも若者がこぞって住みたがる事から、落ち着いて住みたい層には敬遠されているという事か。それが価格に反映していると見なす事も出来ますね。

今期のデータ(1,2,3月)で住宅(賃貸)価格にスペイン経済の危機の影響が出始めました。次期(4,5,6月)辺りから影響はもっと顕著になるものと思われます。大注目です。
| バルセロナ住宅事情 | 21:39 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
スペイン、サパテロ新内閣(Jose Luis Rodriguez Zapatero):セレスティーノ・コルバッチョ(Celestino Corbacho)労働・移民相(Ministro de Trabajo e Inmigracion)とスペインの移民問題
前回のエントリで書いたように、サパテロ新内閣のセレスティーノ・コルバチョ氏(celestino Corbacho)の労働・移民相就任(Ministro de Trabajo e Inmigracion)に伴って、ここ数日の新聞には移民問題を取り扱った記事が多く出ています。何故ならスペインで3大問題としてよく取り上げられるのが、テロ問題、住宅問題、移民問題であり、日々の生活に直結する移民問題には、それだけ市民の関心が高いからなんですね。

さて、この移民問題がスペインの何処よりも集中している地域がセレスティーノ・コルバチョ氏が長らく市長を務めてきたバルセロナの近郊都市であるホスピタレット市(L'Hospitalet de Llobregat)です。今回の抜擢はスペインが今後、急速且つ急激に直面するであろう移民問題に対する対処法を長年現場から見つめてきた彼の手腕に期待してという事です。昨日の新聞記事のタイトルがそれを何よりも示しています。

コルバッチョ移民博士:実験室としての都市、24%の移民を抱えるホスピタレット市 (La doctrina Corbacho en inmigracion: L´Hospitalet, con un 24% de extranjeros, ha sido un laboratorio de prueba)

ホスピタレット市の状況は、移民率24%、つまり4人に1人が移民という状況です。この数字はスペイン全土における移民率9%と比べると圧倒的に高い事が分かります。更に市内でも最も移民率が高い地域、トッラサ(Torrassa)地区に限るとこの数字は30%まで跳ね上がります。(前回のエントリでホスピタレット市の移民率は40%と書きました。情報源はスペインの主要新聞であるエル・パイス。新聞の情報バイアスが大きいというのは、スペイン文化の一つの特徴ですね)

又、ホスピタレット市の移民の特徴としては南米からの移民が多いという事が挙げられます。スペイン全土の移民出身国の内訳に占める南米率が37%なのに対して、ホスピタレットのそれは66%。上位3カ国は1位:エクアドル、2位:ボリビア、3位:モロッコとなっています。特にエクアドルからの移民は群を抜いていて、トッラサ地区には「小さなエクアドル」というあだ名さえある程です。又、移民の指標としてよく用いられる小学校のクラスに占める移民率を見ると、3つの小学校で80%が移民という数字が出ています。

今後スペインの各都市はこのレベルの移民を抱える事が予想され、そのレベルの移民問題を扱い、革新的な法案を次々に可決してきたコルバッチョ氏を初めとするホスピタレット市役所とホスピタレット市は正に願っても無い生きた実験室だというわけなんですね。
| スペイン政治 | 18:47 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
スペイン、サパテロ新内閣(Jose Luis Rodriguez Zapatero)
2008年4月12日、サパテロ首相(Jose Luis Rodriguez Zapatero)は第二期目となる新内閣名簿を発表しました。各種新聞で報じられている通り、今回の内閣の目玉はなんといってもカルメ・チャコン(Carme Chacon)の国防相(Defensa)就任でしょうね。以前のエントリ、スペイン総選挙その1その2その3で書いたように、今回の総選挙における彼女の活躍ぶりを考慮に入れれば当然と言えば当然といった所でしょうか。スペイン史上、女性が国防相に就任するのは始めて。大体、カタラン人が国防相に就任するのはナルシス・セラ(Narcis Serra)以来です。更に彼女は37歳と若く、しかも妊娠中ときているから自然と世間の注目は彼女に集まります。

ただ一つ引っかかるのは、もう既に国防省から保守的な不満の声が出ている事です。つまり若い女性に我々のトップが務まるのかと・・・。そしてそれは十分に予想できた事。サパテロは彼女を内閣の重要な要である国防相に任命した事で、一応総選挙の恩をカタルーニャに返しつつも、「もしまとめきれなかったら、後の事は知らないよ」という大変に微妙な立ち位置を与えたとも読める。(深読みしすぎか)

まあ、実際の所は一番実現したかった男女の数を平等にした上で、何処に女性でカタラン人であるチャコンを入れるかを消去法で選んでいって決まったぽい。つまりあまり何も考えてなかったというのが実際の所なのでは?

あと新聞を賑わしているのは新しく設立された平等相(Igualdad)に若干31歳のビビアナ・アイド(Bibiana Aido Almagro)が任命された事が注目されていますね。さっぱり知られていない彼女の抜擢には驚いた人が多いはず。アンダルシア地方で活躍する政治家を父親に持ち、小さな頃からスペイン社会労働党(PSOE)発祥の地であるアンダルシアで権力の中枢に居たというコネありあり且つ、現在フラメンコ振興団体(la Agencia Andaluza de Flamenco)のディレクターを務める彼女が、任命を知らされた時発した言葉が、「パパ、私大臣に任命されちゃった!(Papa, me van a nombrar ministra)」・・・ハハハ・・・大丈夫かスペイン!

ここまでは結構冗談なのですが、今回の組閣で注目すべきはセレスティーノ・コルバチョ(Celestino Corbacho)が労働・移民相(Trabajo e Inmigracion)に抜擢された事です。彼はバルセロナ近郊に位置するホスピタレット市(L'Hospitalet de Llobregat)の市長を長年勤めてきた実践派。ホスピタレット市というのはどんな所かというと、バルセロナ市内の諸問題を一手に引き受けているような所です。つまり「バルセロナモデル」と呼ばれる都市計画で綺麗な顔を創った末に出てきた吹き溜まりや、観光客のイメージを捏造する為に絶対に見せたくない一面を掃き溜めのように押し込んだ地域がホスピタレットなんですね。

故にホスピタレットの移民率は40%を超えるという、ちょっと普通では考えられないような状況が生じています。更に昨年は高速鉄道問題(AVE)の舞台になったのもホスピタレットだったという事は記憶に新しい所です。

そんな諸問題を長年扱ってきた市長がその実力を買われて大臣になったというのは納得のいく選択。特に今後、スペイン全土で大問題化するだろう移民問題に早くから直面し、解決策を現場で模索してきた彼の経験がきっと役に立つと期待されての事だと思います。

それにしてもここの所のバルセロナ郊外勢=リョブレガット勢(Baix Llobregat)の躍進はものすごい。カルメ・チャコンのエスプルーガス(Esplugues de Llobregat),現カタルーニャ州知事であり元大臣のホセ・モンティーリャ(José Montilla Aguilera)のコルネリャ(Cornellà de Llobregat)、そして今回のセレスティーノはホスピタレット(L'Hospitalet de Llobregat)。これこそバルセロナの本当の問題はバルセロナ市内ではなく、バルセロナ郊外に広がっているという証拠であり、それを解決している手腕が今、スペインに必要とされているという事なのではないでしょうか。

何故ならジョゼップ・フォンターナ(Josep Fontana)の言葉を借りれば、ヨーロッパが歴史的に大衆を野蛮人という地位に押し込める事によって発展してきたのと同じように、バルセロナという都市は「市民を蛮族という地位に押し込め」、郊外へと葬り去る事で成立してきた都市なのだから。
| スペイン政治 | 16:46 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加