地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
建築家から見た「家政婦のミタ」論
ここの所、ヨーロッパ全土を襲っている大寒波の影響を受けてバルセロナでも非常に寒い日が続いています。先週なんて雪が降りましたからね、雪!本当に凍えそうな日が続いたので「こんな寒い時はカレーでも食べて温まるか」という事で、日本人の友達数人と「バルセロナで一番美味しい」と評判のインド人が経営しているカレー屋さんに行ってきました。



久しぶりに日本人同士で集まったという事もあり、色んな話題で盛り上がったんだけど、その中でもみんなの関心を惹いていたのが、去年日本で大ヒットを飛ばしたドラマ、松嶋菜々子主演の「家政婦のミタ」だったんですね。このドラマについては以前、Googleニュースか何かで名前をチラッと見掛けたくらいだったんだけど、みんなが「本当に面白かった。是非見て感想を聞かせてー」とか何とか言うもんだから、半信半疑で見てみる事に。そしたら、これが本当に面白かった!「毎日1話づつ見ていこうかな」とか思ってたんだけど、余りの面白さに結局11話ぶっ通しで見てしまい、久しぶりに「10時間、ドラマに没頭」っていう、最近ではナカナカ出来なかった体験をしてしまったほどでした(苦笑)。



実は僕、昔からドラマ大好き少年だったんで、放送されたドラマは片っ端から見てたんだけど、そんなありとあらゆるドラマを見てきた僕の目から見ても、この「家政婦のミタ」は日本のドラマ史上に残る傑作なんじゃないの?って思うくらいの質は持っていた様な気がします。という訳で今回は見終わった感想なんかをメモ程度に記しておこうと思うんだけど、これくらい人気のあるドラマなら、もう既にかなりの数の批評が出揃ってると思うので、ここでは敢えて物語の設定だとか、メッセージ性だとか、そういうスタンダードな批評はしない事にします。

そうではなく、今回僕が試みたいと思うのは、僕にしか書けない批評、つまりは「建築家の目から見た家政婦のミタ論」みたいな事をやってみようかなと思います。(最初に断っておきますが、半分冗談です(笑))

そしてその延長線上で言うと、このドラマは現在建築を学んでいる学生の皆さんや現役で活躍している建築家の皆さんにこそ見て欲しいドラマかなーとか思ったりするんですね。なんでかって、このドラマの物語構成などの「デザイン」は、明らかに建築設計に繋がる所があると思うし、何より最近雑誌で良く見掛ける「一筆書きでしかない表面的な建築」なんかを見て真似るよりも、よっぽど、このドラマを分析する方が建築を創っていく上で学ぶ事が多いのでは?と思うからです。

(注意)ここに書くのはあくまでも僕の観点から見た解釈なので何時もの様にかなり偏っています(笑)。こういう見方もあるというくらいに思っておいてください。あと、この評ではストーリー展開を詳細に追う訳では無いので、ドラマをまだ見ていない人が読んでもどうって事は無いと思いますが、まあ、一応念の為に:

警告:ドラマを未だ見ていない人はココで読むのをストップしましょう。



先ず始めに、何故僕はこのドラマを傑作だと思うのか?という所からいきたいと思います。つまりは、このドラマで監督がやりたかった事、実現したかった「掛替えのないアイデア」とは一体なんだったのか?



それはずばり、ミタさんの笑顔です。家族愛だとか、現代の日本社会における家族像の変化だとか、多様性を祝福するポストモダンの真っ只中において、バラバラになってしまった家族の絆をどうやって取り戻すのか?とか、まあ色々と議論を醸し出す為に用意された仕掛けも所々に見える事は見えるんだけど、そんな事はミタさんが最後に見せる笑顔に比べればどうでも良いレベルの問題なのです。このドラマは最後の最後に出てくるミタさんの笑顔を描きたいが為に創られたと言っても過言ではなく、その最後の笑顔をこの上無く素敵なものにする為だけに、全ての演出がなされているという意味において傑作となっているのです。



それは例えば、サルバドール・ダリが「猫と一緒に空中を飛びたい!その一瞬を体験したい!」という熱い思いから、カメラが一般的では無かった当時において、様々な所から機器を集めまくり、その一瞬を捉える事に成功した「執念」に似ているかもしれません。そう、ここには「何かしら自分のアイデアを実現したい!」という、ある種の執念すら見られるんですね。

「執念」と言えば勿論「北斗の券」に出てきたシンの名台詞、「お前と俺には決定的な違いがある‥‥それは‥‥執念だ!」なんだけど、まあ、それは置いといて(笑)、えっと、僕がこのドラマを見ていて頭に思い浮かべたのは三浦綾子の傑作「氷点」でした。



確かに「家政婦のミタ」には日本映画史に残る名作、「家族ゲーム」を彷彿とさせる所もあるとは思うし、そういう意味で日経新聞が「家政婦のミタを家族ゲームの文脈で批評した」っていう観点は分からないでもありません。そしてそれが郊外化の議論に繋がっている事も非常に納得出来る展開だと思います。



そういう批評の仕方がある一方で、「何故僕が氷点を思い浮かべたのか?」と言うとですね、それは氷点の中で描かれている内容やメッセージ性などからではなく、ドラマの創り方、クライマックスに持っていくその手法に注目したからなんですね。何度も繰り返しますが、ここでは建築家の目から見た芸術の創作論という観点から話を進めていますので。



三浦綾子さんが氷点においてやりたかった事、それは主人公の女の子(陽子ちゃん)の心が凍り付く、その一点を描き出す事でした。(もうちょっと詳しく言うと、そこにはキリスト教の原罪の概念とかが入り込んでるんだけど、ここではそこには立ち入らない事にします)。

「どんな困難な時でも良い子でいよう、明るく笑顔の絶えない子でいよう」という主人公は、とある重大な事実を知ってしまった事から、心が凍り付き、もう二度と笑えない様になり、そして自殺を図ります。その心の変化とその一瞬こそがこの小説(もしくはドラマ)の本質であり核心である事から、第一話から最終章まで主人公の女の子は「これでもか!」と、まるで太陽の如くに明るく描かれているんですね。



反対に家政婦のミタでは、主人公は笑顔を忘れたロボットの様な存在として描かれます。彼女はどんな事があっても自分の感情を表さないし、はにかむ事すらしません。何故彼女がこうなってしまったのか?には、それ相応の理由が存在するのですが、それにしてもドラマの全編を通して必要以上に徹底して彼女の顔から一切の感情が排除されている事が見て取れるかと思います。

何故か?

何故なら、このドラマの核心であり最も重要なテーマは「彼女の笑顔」だからです。

どんな事をしても絶対に笑う事が無かったミタさんが最後の最後で笑う。このドラマはその一瞬に全ての焦点が合わせられ、その一瞬の輝きを伝える為だけに10時間という長い時間をかけてミタさんの無感情な表情が映し出されていたのです。

僕は前回のエントリで世界屈指の美術館であるルイジアナ美術館の空間構成について書いてきました(地中海ブログ:ルイジアナ美術館(Louisiana Museum of Modern Art)その2:ジャコメッティ(Giacometti)の間はちょっと凄い、地中海ブログ:ルイジアナ美術館(Louisiana Museum of Modern Art)その3:建築と彫刻と:動く事、動かない事)。ルイジアナ美術館に流れる「物語」と、クライマックス的空間に至るまでの空間構成は、たった今、僕が説明してきた「家政婦のミタ」にみる演出と何ら変わらない事が容易に理解出来るかと思います。



つまりルイジアナ美術館における絶景=オーレスン海峡の地平線は、「家政婦のミタ」におけるミタさんの笑顔に相当し、ルイジアナ美術館ではその絶景を如何に美しく見せるかが、建築的な勝負所として設定されているんですね。

そんな一瞬の為だけに全てのエネルギーが注ぎ込まれている‥‥そんな一瞬に向かって、みんなが全力で走っていく‥‥そんな事が見てとれる時、僕の心は震えます。

勿論、テレビドラマという時間的にも予算的にも限られた制約の中なので、細部を見ていくと、明らかに下手くそな部分や、意味の無い部分、とても表面的な説明に終わっている場面が多数ある事は否めません。もっと言っちゃうと、このドラマにおいて多くの人が指摘するであろう、家族愛だとか、家族の絆だとか、その様な類いの問題定義に対しては、実はこのドラマは何も言って無いに等しいのでは?とすら思ってしまいます。

しかしですね、それらを考慮したとしても、このドラマの根底に流れている主題と、大枠での演出は素晴らしいものであり、それだけでも「ドラマの傑作」と位置付けるに相応しいものであると僕は思います。そして忘れてはいけないのは、やはり主人公の資質ですね。と言うか、松嶋菜々子の最後のはち切れんばかりの笑顔があったからこそ、このドラマは成功したとすら言えるのだから。
| サブカル | 00:18 | comments(5) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
今日はポッキーの日と聞いて
欧州とユーロが大変な事になってます。こちらの各種メディアは連日連夜その話題で持ち切り。「ギリシャ国責のデフォルトはもう仕方が無い」という雰囲気が広がり、ギリシャのパパンドレウ首相と共に、イタリアのベルルスコーニ首相も辞任を表明。更に昨日になってメルケル独首相とサルコジ仏大統領が「EU加盟国を2つのクラスに分けた方が良いんじゃないか?」っていうビックリプランを持ち出してきたり、と思ったら、今日になって急にメルケル独首相が「やっぱりEUは一つであるべきだよね」みたいな、前日とは全く違う見解を示したりと、EU発足以来、ヨーロッパが未だかつて無い未曾有の危機に直面してるのは間違いありません。



そんな、正に鬼気迫る中においてちょっと笑ったのは、スペインの新聞が、最近のメルケル独首相とサルコジ仏大統領の仲の良さをもじって、Merkozyとかいう造語を作ってた事かな。確かにメディアに載る写真とか見てると恋人同士に見える事間違い無し。

サルコジ:「メルケル、君の瞳は百万ボルト〜♡」
メルケル:「ダメよサルコジ、あなたにはカーラ・ブルーニがいるでしょ〜♡」

みたいな(笑)。ちなみにその数日後、今度はギリシャのパパンドレウ首相とイタリアのベルルスコーニ首相を一緒くたにしてPapasconiっていう造語も作ってた(笑)。スペイン紙のこの辺のセンスは流石だな。
 
そんな中、僕はというと、来週から始まる国連関連のワークショップをオーガナイズしなくちゃいけない事になってしまって、その準備にてんやわんや。何か最近、未だかつて無いくらい忙しい‥‥。オカシイな、本当にココ、スペインか?

と言う訳で、今はゆっくりと記事を書いてる時間が無いので、このワークショップの件については次回以降のエントリで詳しく紹介していこうと思ってるんだけど、そんな中、Twitter経由で、どうやら今日はポッキーの日だって事を知りました。っていうか、そんな日あったんですね(驚)。生まれて初めて聞きました。 ポッキーと聞いて僕が一番に思い出すのはこのCMかな:

 

南野陽子さんのポッキーのCM。これが流れてたのって僕が小学校低学年くらいの時だったと思うんだけど、CMがちょっとしたドラマ風になってて、その設定が毎回変わったりと、「15秒っていう短い時間の中でも、こんなにも沢山の事を人に伝えられるんだー」って、子供心に感動したのを今でも覚えています。そしてもう一つ忘れられないのがコチラです:

 

本田美奈子さんのポッキーのCMです。このバックに流れている曲、今でも時々口ずさんでしまう程、耳に残ってるなー。



スペインにはMIKADOという名前のポッキーがあるのですが、友達のカタラン人に「今日はMIKADOの日だよ」って教えてあげたら、その10分後、嬉しそうにMIKADOを3箱も買ってきてくれました。普段はあまり食べないけど、折角なのでこの機会に思いっきり味わっちゃおう(笑)。
| サブカル | 22:23 | comments(3) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
漫画フェスティバル2011(Salon de Manga XVII):バルセロナのマンガの聖地にもK-popが押し寄せてきた!
長かった夏も終わり、バルセロナの街頭を飾っている並木道が秋の装いを纏い始める頃、僕が一年の内で最も楽しみにしているイベントの一つ、スペイン人達による奇想天外なコスプレ大会、通称サロン・デ・マンガ(Salon de Manga)が開かれる季節が今年もやってきました!



僕がこのコスプレ大会の存在を知ったのは、かれこれ5年程前の事、「クレヨンしんちゃん」のカタラン語への翻訳や吹き替えをやっている友人に誘われて行ってみたのがその始まりだったんですね。正直言って最初は全く乗り気じゃなかったんだけど、行ってみてビックリ!何でかって、そこには僕が‥‥と言うか、日本人の僕達が想像もしなかった様な世界が広がっていたからです。例えばこの人:



見つけた瞬間に吹き出してしまう様な、そんなキャラの選択とか(詳しくはコチラ:地中海ブログ:漫画フェスティバル2009(サロン・デ・マンガ:Salon de Manga 2009))、もしくはコチラ:



スペインにおいてドラゴンボールというのは、聖闘士星矢、そしてキャプテン翼と並ぶ3大人気マンガに数えられる程なので、毎年会場にはゴールド聖闘士や南葛小のユニフォームを着たスペイン人達に混ざって、亀仙人やピッコロなんかをチラホラ見かける事が出来るのですが、3年前に見たこのフリーザ様のインパクトは本当に強烈でした(笑)。普通、やろうと思いますかね?フリーザ様ですよ、フリーザ様!!(詳しくはコチラ:地中海ブログ:漫画フェスティバル2008 in Barcelona(サロン・デ・マンガ(Salon de Manga Barcelona 2008))。まあ、そんなちょっと変わった人達がいる一方で、定番中の定番モノをやる人達も中には混ざっています:



エヴァンゲリオンのアスカです。アスカに限らず、アニメの主人公って金髪だったり、青い目をしていたりと、設定が外人の場合が多いので、スペイン人とかが本気でコスプレすると、時々「テレビから出てきたんじゃないのか?」と思う程ソックリの人とかいて、それはそれで結構感動したりする事もしばしばです。まあ、この様な両極端な人達が混ざっている所こそ、スペイン版コスプレ大会の醍醐味と言っても過言ではないかなと思います。そしてスペインのコスプレ大会でもう一つ忘れちゃいけないのがコチラです:

 

毎年日本から招待される日本人歌手によるアニソンコンサート。ちなみに僕は毎年欠かさず参加してるんだけど、熱気ムンムンの会場の盛り上がりの凄い事!凄い事!!個人的に忘れられなかったのは2006年に来てくれた影山ヒロノブさんと、2007年に来てくれた山田信夫さんによるコンサートです。影山さんの時は勿論ドラゴンボールなどの大ヒット曲で盛り上がり、山田さんの時は、聖闘士星矢のオープニングとエンディングで会場は大盛り上がり。僕も一緒に熱唱してたんだけど、スペイン人達が聖闘士星矢のオープニングを、ごく普通に2番まで歌い出したのにはちょっと驚いた(笑)。しかも日本語でね。

と、そんな訳で、今年も10月29日から11月1日にかけて、バルセロナ郊外のホスピタレット市にて第17回サロン・デ・マンガが盛大に行われた事から、そのお祭りに参戦してきました。ちなみにこのお祭りは、ビックイベントを誘致し、その集客力によって都市にお金を落としてもらい都市を発展させちゃおうっていうバルセロナ都市戦略上に載っています(地中海ブログ:バルセロナのイベント発展型都市戦略とGSMA2010(Mobile World Congress 2010))。もう一つちなみに、このコスプレ大会の一昨年の入場者数は60,000人、去年は65,000人でした。毎年2月に開かれる世界最大規模の携帯電話の祭典、Mobile World Congressでさえ、入場者数は平均50,000人(去年は60,000人)と言う事を考えると、マンガやアニメの集客力の凄さを改めて思い知らされます。

そんな、一年を通しても稀に見る程の集客を誇るビックイベントなので、チケットを買うのは勿論の事、会場に入るのにさえも一苦労する程の人、人、人!1時間待って漸く入る事が出来た会場内はもう熱気でムンムン!

そんな中、いました、いました、今年も素晴らしい格好をした人達が(笑)。今年の第一号はコチラ:



もののけ姫―!!流石に宮崎アニメは安定した人気を誇っています。ちなみに結構有名な話だけど、「天空の城ラピュタ」の語源、「ラピュタ」という名前の由来はスペイン語の売春婦(La Puta)であり、その名前のままスペインで放送すると大変な事になる為、スペイン語版の「天空の城ラピュタ」は“El castillo en el cielo”と、原作名のラピュタとは似ても似つかぬ名前へと変更になっています(地中海ブログ:プロヴァンス旅行その7:天空の城、ゴルド(Gordes)の風景)。そんな事を思いつつ歩いていたらこんなカップルに遭遇:



うる星やつら!そしてその横にはこんな人が:



なんだかよく分からないけど、ウサギのコスプレ(笑)。しかも結構気合いが入ってる。どうでもいいけど、この熱気の中、中に入ってる人はかなり暑い事必死ですね。ウサギを見るとどうしても思い出してしまうのがコチラです:



バルセロナの市場に普通に売ってる皮を剥がれたウサギ。‥‥ウサギって確かに美味しいんだけど‥‥こんな格好を見せられると、あまりにもえげつないというか、何と言うか‥‥。そんなこんなで時計の針は瞬く間に過ぎていき、そろそろ終わりの時間に近づいてきた頃、遂に来ました、今年最大級の獲物がー!:



ドラゴンボールの「ボール」のコスプレ(笑)。しかも四星球!!!僕はこの大会を長年観察してるんだけど、ボールのコスプレをする人は今まで居なかった!!!うーん、これは見方によってはかなり斬新な視点かな(笑)。大体、人ですらないですからね(笑)。ボールですよ、ボール!普通はやろうと思わないでしょ?

「いやー、良かった、今年も面白かった」と会場を後にしようとしたその時、未だかつて予想だにもしなかったコスプレが僕の目の前を通り過ぎて行きました:



な、何だコレはー!!!ガンダム?いや、セーラームーンか?もしくはセーラーガンダム??セーラームーンって、全身白色で、肩には青色のパットみたいなのが入ってるし、更に胸には赤いリボンが付いてるので、確かにカラーデザインだけで見たらガンダムと相性が良い事は確か。でも、初めて見ました、こんなコスプレ。これが実在するキャラクターのコスプレなのか、もしくは独創なのかは知らないのですが、デザイン的に「バチッ」と決まってる気がする。

す、素晴らしい!やはりスペインのコスプレ大会は何かちょっと独特の雰囲気がある気がします。完成された日本や、とってもお洒落なパリなんかでは絶対に見られない現象、つまりは、ちょっとダサいコスプレや外れたコスプレ、もしくは手作り感満載の大変心温まるコスプレの中に、極稀に完成度の高いコスプレが混ざっているという多様性。これこそ未だ発展途上にあるスペインのコスプレ大会の醍醐味です。

その一方でちょっと気になった事が‥‥。

上述した様に、このイベントのもう一つの見所は毎年日本から招待されるアニソンを専門とする歌手の皆さんによるコンサートなんだけど、「今年は誰かな〜♪」とかルンルン気分でプログラムを見ていたら、何か様子がオカシイ‥‥。コンサートの欄にはこんな事が書いてありました:

「今年、我々が招待するスペシャルゲスト、それはJYJの皆さんです!」



‥‥誰だそれ?聞いた事無い‥‥とか思ってWikiで調べてみると:

"JYJ(ジェイワイジェイ)は、韓国の男性アイドルグループである。正式名発表前の仮称は「JUNSU/JEJUNG/YUCHUN」(ジュンス/ジェジュン/ユチョン)。2010年、東方神起のメンバーであったキム・ジュンス、キム・ジェジュン、パク・ユチョンの3人により結成されデビューした。"

そう、何と今年のゲストは日本からではなく、韓国からの歌手だったんですね。僕が知る限り、バルセロナのコスプレ大会が日本以外の国から歌手を招くのは、このイベント始まって以来の事だと思います。

実はこの事実に気が付いたのは、初日にイベント会場を見終わった後だったんだけど、今思い返してみれば、確かに会場のあちこちに去年までは全く見かけなかった韓国のアイドルグループのブースがあって、そこが結構賑わってたりしてたなー。こんな感じで。



僕は日本に住んでないので現在日本で起こっている状況をネットを通じてしか知る事が出来ないんだけど、近年の韓流ブーム、そしてK-popの破竹の勢いというものを、ここアジアからは遠く離れたヨーロッパにおいて身を以て感じる事が出来ました。

今まで日本の独壇場だったアニメやマンガへの彼らの侵入‥‥これって、韓国のマーケエィングの巧さの結果なんじゃないのかな?

もう一度言いますが、これは今年から始まった驚くべき変化であり、僕からすると大変大きな事件です。

今の状況ではデータが少なすぎる為に未だ何も言う事は出来ないんだけど、もう少し後で行われるパリのコスプレ大会において、これらK-popがどういう位置付けをされるのかが、一つの指標となるかなとは思います。要注目です!

追記:
先日の新聞によると、今年の入場者数は65000人だったそうです。
| サブカル | 09:51 | comments(8) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
来生たかお/岡村孝子の「はぐれそうな天使」に見る日本文化の特質
暑い、非常に暑い!って言うか、バルセロナ、先週辺りから急に暑くなってきたんですけど、どういう事ですか?7月、8月と、夜は毛布がいるくらい涼しかったので、「あー、今年は冷夏だ!」とか思ってた所に、大どんでん返し!暑くてやってられません。ってな訳で、夕涼みにYoutubeを見ていたら、こんな動画発見:



岡村孝子の「はぐれそうな天使」です。これが流れてたのって、確か僕が小学校低学年くらいだったので微かに記憶に残ってる程度なんだけど、Wikiとか見ると、「ホンダのイメージソングに使われて当時かなりの話題になった」とかある。そうなんだー。で、この曲を聴いていたらYoutubeのレコメンデーションに現れたのがコチラです:



そう、この曲を創った来生たかおさんが歌ってるヴァージョンです。良く知られている様に、来生たかおさんって楽曲を他のアーティストに提供するだけでなく、自分自身でも歌われてるんですよね。そしてその独特の歌声が創り出す世界観はアイドル達とは又違った雰囲気があって、「歌って、歌い手によってここまで変わるんだー!」って感動してしまう事、しばしばです。マーケティング的に言えば、正に「一粒で二度美味しい」的な、大変上手い売り方であるとさえ言えるかな。

前にも書いたんだけど、現代の歌謡界において、コンサートに行ってまで歌声を聴きたくなる様なアーティストって、そんなにいないと思うんですよね(地中海ブログ:久しぶりにドリカムの「悲しいKiss」とか「二人のDifference」とか聞いて、日本文化の特徴に浸る)。つまりCDを買って家で聴いてればそれで十分ってアーティストが大半って事なんですけど・・・。もっと言っちゃうと、CDの方が音程とか外れてなくて、逆に良い・・・みたいな(苦笑)。

この状況は現代建築界の抱えている問題と非常に似通ってて、現在作られている大半の建築っていうのは、書籍で見てれば良いレベルで、逆に写真の方がフォトショップで補正してあったり、醜い所が隠れる様に撮影されてたりして、現場に行ってみたら「ガッカリ」なんて事が非常に多いって言う、そんな状況な訳ですよ。でもやっぱりアートって言うのは、「そこ、ここにしかない感動を与えてくれるもの」であり、そんな感動を与える事が出来る人の事を「アーティスト」って呼ぶんだと思うんですね。来生たかおさんというアーティストは、正にそんな数少ないアーティストの一人だと思います。

で、今日の話題なんだけど、この「はぐれそうな天使」って歌、聴けば聴くほど「日本語の妙」と言うか、その余りにも巧い言葉の組み合わせの間から、我々日本人や日本文化の特質みたいなのがチラチラ見え隠れしていて面白いなーとか思っちゃったんですね。僕が思ったのは以下の2点。

先ずこの曲の題名なんだけど、「天使」に形容詞の「はぐれそうな」が付いてる。「はぐれる」っていう言葉は、「迷う」とか「方向を見失う」とか、そういう事を意味すると思うんだけど、それが「天使」という言葉と組み合わさる事でどういう感覚を我々に呼び起こすのか?

これは結構重要な問題で、と言うのも、これは単に言葉の問題だけではなく、その言葉が我々に喚起するイメージの問題、そして「その様なイメージが一体何処から来たのか?」と言う諸問題が複雑に絡み合っているからなんですね。

先ず「天使」から行きたいと思うんだけど、一般的な日本人の僕達が「天使」と聞いて思い浮かべるイメージと言うのは多分こんな感じだと思います:



かわいい羽の生えた金髪の赤ちゃん天使。これが典型的なイメージだと思うんだけど、先ずこの天使のイメージが何処から来たのかというとですね、実はこれって、ドレスデン(アルテ・マイスター絵画館(Gemäldegalerie Alte Meister))にあるラファエロの絵画(システィーナの聖母(Madonna Sistina))の一部なんですね(地中海ブログ:幸福の画家、ラファエロ・サンツィオ(Raffaello Sanzio):キリストの変容(Trasfigurazione))。しかも驚愕の事実があるのですが、この絵画、多くの人が思い込んでいる様に、この2人の天使が中心に描かれている様な独立した絵画ではないんですよね。じゃあ、どんなかと言うとですね、その全体像がコチラです:



「あれ、天使居ないじゃん」って思った人多いんじゃないでしょうか?いえ、いえ、よーく見てください、足元あたり。そう、足元にちょこっと上を見上げてる2人の天使、この部分だけがクローズアップされて、あの有名な天使のイメージになっちゃったんですね。(どうでもいいマメ知識終わり)

で、ここからが重要なんだけど、問題は、僕たちが「天使」と言う言葉を聞いてイメージするのが、「この様な天使」だという事なんです(ラファエロの絵画の天使と言う意味ではなく、羽の生えた金髪の赤ちゃん天使と言う意味で)。そもそも天使って言うイメージってキリスト教に由来するものであって、多くの人が無宗教、少なくともキリスト教ではない日本人の多くが「天使」と聞いて、ちゃんと天使をイメージ出来ちゃうって所が凄いと思う訳ですよ!これは日本人の多くの人が「その様な世界観を共有している」という事に他なりません。では「どの様な世界観か?」と言うと、それはキリスト教の世界観なんですね。キリスト教国家じゃないのに(笑)。

この事と、「はぐれそうな天使」という歌と何か関係があるのか?っていうと、それが大有りで、「はぐれそうな天使」という歌は、それを聴いた瞬間に、このような天使のイメージと、その「個性」が即座に頭に浮かばなきゃ成り立たない様に出来ているんですね。つまりこの楽曲は、(キリスト教信者じゃないのに)一般的な日本人の頭の中に蔓延っている天使のイメージを利用していると言う点が先ずは注目すべき点だと思います。

そして2点目はですね、ではこの「はぐれそうな天使」と言う言葉は一体何を意味しているのか?と言う点です。

 「恋したら、騒がしい風が吹き、はぐれそうな天使が私の周りで慌ててる」

この美しい歌詞がその手掛かりを与えてくれると思うんだけど、つまり、今までは穏やかだった心の状態が、誰かに恋する事によって、その周りがガヤガヤし出した、「恋とはそういうものである」って事が言いたいんだと思います。そしてそれを表す為に、「天使」=普段はおとなしい天使が、というか、そんな穏やかな天使さえも慌て出し、そして「はぐれそうになっている」と、まあ、こういうことだと思うんですね。

ここには非常に高度なイメージを用いた操作みたいな事が行われてて、つまりは上でちょっと書いた「天使の個性」みたいなものが利用されている訳ですよ。何でかって、もし我々が「天使=何時も騒いでる」みたいなイメージを持っていたとしたら、上の歌詞は意味が通りませんからね。上の歌詞が生きてくるのは我々の頭の中に「天使=穏やかである」って言う「天使の個性」がインプットされている事が必要になってくるんですね。

では何故我々の頭の中にはその様なイメージがインプットされているのか?

それこそ日本文化の特質であって、キリスト教国でもないのに結婚式は教会で挙げ、クリスマスと正月を同時に祝い、そして天使や十字架といったキリスト教の世界観を殆どの人が共有しているって言う驚くべき国民性な訳なんですね。

 「はぐれそうな天使」という曲は、現代日本最高のアーティスト兄弟が、微妙な感情の揺れを表現する事が出来る稀有な言語を使って書いた曲だからこそ、その行間に、我々日本人の特質、日本の内側に居てはナカナカ見えにくい日本文化の特質みたいなものが垣間見えるんだと思います。

暑い中、夕涼みに懐かしい曲を聴きながら、そんな事を思ってしまいました。
| サブカル | 05:41 | comments(3) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
初音ミクに使われている技術ってメイド・イン・カタルーニャだったのか!って話
今日からバルセロナでは3日間に渡って毎年恒例の国際音楽祭、SONARが開催されます。SONARの広告とか見かけると、「あー、今年も夏が来たな」って感じなんだけど、先週まで曇ってた空も一昨日辺りから快晴になってきたし、いよいよバルセロナも夏本番突入です。



で、「このSONARとは一体何か?」と言うとですね、これは、Advanced Music(テクノ、ハウス、ヒップホップ、ポスト・ロック、エレクトロニカなど、次世代エレクトロニック・ミュージックの呼称)とマルチメディア・アートを複合させた世界最大級の音楽の祭典の事で、毎年6月の第3週にバルセロナを舞台に繰り広げられる、「みんな、3日間眠らずに踊りまくっちゃおうね!」って言う、ラテン系入りまくりな(笑)お祭りの事なんですね。

このお祭り、17年程前にこじんまりと始まった割には、年々その規模を拡大していって、今では8万人以上を動員すると言うヨーロッパを代表する音楽祭にまで発展してしまいました。この辺は流石に上手いなー、バルセロナ(バルセロナの都市戦略に付いてはコチラ:地中海ブログ:バルセロナのイベント発展型都市戦略とGSMA(Mobile World Congress 2009)、地中海ブログ:バルセロナのイベント発展型都市戦略とGSMA2010(Mobile World Congress 2010))。

毎年日本からも沢山の観光客の皆さんがこのお祭り目当てに駆け付けてるみたいなのですが、そのおかげもあってか、近年では日本でも結構知られる所となってきたみたいです。で、今年も日本から坂本龍一さん初め、沢山のミュージシャンの方々が参加するらしいんだけど、その中でも注目されているのが実はこの人:



じゃーん、初音ミクの登場です!個人的には「とうとう来たか!」って感じなんですけどね。

と言うのも、スペイン、その中でもバルセロナと言う都市は、毎年秋頃に世界有数の規模を持つ漫画フェスティバルを開催していて、そこに行くと、「これでもか!」って言うくらいのスペイン人達のコスプレ、そして熱気ムンムンの会場を、埋め尽くす程の漫画ショップやカラオケ大会など、日本文化の圧倒的な浸透を見る事が出来るからなんですね(地中海ブログ:漫画フェスティバル2010 in Barcelona(サロン・デ・マンガ(Salon de Manga Barcelona 2010)))。



だから最新テクノロジーを用いた先進的な音楽の祭典である、バルセロナ発のSONARにおいてボーカロイドが発表されると言う事は特に何の驚きでも無いんだけど、今回僕が仰天した事、それが先週のLa Vanguardia紙に載ってたこの記事(La Vanguardia, 10 de Junio 2011, p34-35):

「今年のソナーでは、日本を震撼させているメイド・イン・カタルーニャの音楽ソフトウェア、ボーカロイドが発表される。」

“El festival presenta el software catalan Vocaloid que ya arrasa en Japon”

「え!!!!ボーカロイドってカタルーニャ発だったの!!!」って思った方、多いんじゃないのでしょうか?個人的には、「また出たよー、スペイン人お得意の、何でもかんでも俺のもの病(苦笑)」とか思ったのですが、記事を読み込んでいったら、何かいつもとちょっと様子が違う・・・。記事によると、

「‥‥(ビョークが使って世界的に話題になったReactableもこのグループが創り出したもので、その話をした後に)次はボーカロイドの番が回って来た。ボーカロイドとはポンペウファブラ大学の(Reactableを創ったのと)同じグループが創り出したソフトウェアの事であり、このソフトは日本で凄まじい人気を呼び起こし、その可能性は無限に開かれている様に見える。‥‥ボーカロイドはXavier Serraの率いる約50人の研究員からなるポンペウファブラ大学情報通信学部の音楽技術グループが15年に渡り日本企業YAMAHAの為にしてきた様々な研究の成果物である。」

“… ha llegado el turno de Vocaloid un software ideado por este mismo equipo de investigadores de la UPF que ya causa autentico furor en Japon y, sobre todo, abre infinitas posibilidades de futuro…. Vocaloid es el resultado de varias investigaciones del Music Technology Group (MTG), equipo interdisciplinar integrado por unas 50 personas bajo la direccion de Xavier Serra, para Tamaha Corp en Japon, con la que el departamento de la Pompeu Fabra trabaja desde mas hace 15 anos.”

とか言ってるじゃないですか!で、ちょっと調べてみたら、確かにボーカロイドの基礎研究の所には、スペイン人の名前が入ってる。ちなみにReactableっていうのはコチラ:

 

僕は知的財産権の専門家ではないし、ヤマハと言う会社の内部事情にも全く明るくないので、「誰が特許を持っているのか?」など、詳しい事はサッパリ分かりません。更に言うなら、共同研究などに企業が絡んでいる場合、「何処から何処までが誰の所有物か?」って言う線引きって結構曖昧で、難しいのでは?と想像してしまいます。まあ、僕が言える唯一の事といえば、それは「スペインでは初音ミクはスペイン発のものになってる」と言う事と、スペイン人、特に自らのアイデンティティを思いっきり誇示したいカタラン人なんかは、これからずーっとこう言い続けるでしょうね、「初音ミク、あれね、メイド・イン・カタルーニャだよ」って(笑)。
| サブカル | 06:39 | comments(3) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ユーロビジョン2011(Eurovision)その2:超ダークホースのアゼルバイジャン(Azerbaijan)優勝
前回のエントリでお伝えした様に、昨日の晩はユーロビジョンを巡り、欧州在住組みのTwitter上では白熱した議論が繰り広げられ(って言っても、「スウェーデン代表カッコイイ」とか、「モルドバ代表、マジ受ける」とかその程度(笑))、非常に充実した時間を過ごす事が出来たのですが、4時間にも及ぶ生パフォーマンス&(かなり政治的な)投票を経て今回優勝の栄冠に輝いたのは、何と、アゼルバイジャンと言う、多くの日本人にとっては全く聞いた事が無い国だったんですね。

アゼルバイジャンと言う国はカスピ海の西南に位置する人口約800万人程度の旧ソビエト連邦の共和制国家で、Wikiによると:

“アゼルバイジャン共和国(アゼルバイジャンきょうわこく)、通称アゼルバイジャンは、カフカス地方に位置する旧ソビエト連邦の共和制国家。北はロシア、北西はグルジア、西はアルメニア、南はイランと国境を接し、東はカスピ海に面する。アルメニアをまたいで西南方に飛地のナヒチェヴァン自治共和国があり、アルメニア、イランおよびトルコと接している。首都はバクー。”

と言う国らしいです。で、そんな国が優勝するなんて誰も思ってなくて、こう言っちゃなんだけど、完璧なるダークホースだったと思います。つまり競馬で言うと万馬券(笑)。で、笑ったのは、アゼルバイジャンの優勝が決まった瞬間、Twitter上で、

 「アゼルバイジャンおめでとう。でも、来年、ユーロビジョン開催出来る経済力あるの?」

って言う意見が出てた事かな(笑)。それに対して僕が返信したのが:

「今頃、アゼルバイジャンの首脳達真っ青」

みたいな(笑)。 で、調べてみたら、どうやら、アゼルバイジャンと言う国は、油田があるらしく、それがソ連崩壊や紛争などで落ち込んだ経済を支えているらしい。コレ又Wikiによると:

“・・・こういった欧米の直接投資と原油高に伴う多額の収入が国内の経済を急速な勢いで成長させているが、一方で激しいインフレと失業率に悩まされている。また、環境汚染も深刻である。 国内の労働市場は経済状況に比べれば不安定でIDP(国内避難民)も多く抱える同国の国民生活は決して経済成長率を反映しているとは受け取れない。また2013年ごろに一人当たりのGDPがカザフスタン同様に100万円台になる予想がある。”

と言う事らしいです。現在アゼルバイジャンの一人当たりGDPランキングは世界第75位。前後に位置している国々を見てみると、コロンビアとか、モルディブとか、ベルラーシとか、そんな国々が名を連ねるグループに入っています。うーん、ユーロビジョン2012、開催は今年に引き続きドイツとかになったりして(苦笑)。

ドイツと言えば、今回のユーロビジョンを見ていて驚いた事が2つあって、一つ目はドイツ代表が前回に引き続きLenaちゃんだった事です。Lenaちゃんと言えば一年前は、ユーロビジョン開催の4ヶ月前にオーディション番組から抜擢され、その初々しさで見事優勝を手にしたシンデレラガールだったんだけど、今年はかなり大人っぽくなってましたね。

2つ目は、各国の代表選手達のパフォーマンスの前に、その歌手についての30秒程の紹介が入るんだけど、そのナレーションが読まれている間、その内容とは全く関係が無いドイツ各都市の宣伝映像が流れてた事です。つまり、「次の歌手はスペインのルシアちゃんで、スペイン語で元気にQue me quiten lo bailaoと言う歌を歌います。」みたいな紹介が流れる中、何故かバックにはベルリンの街の風景やドイツ名物、フランクフルトを美味しく頬張る若者達が写ってたりすると言うミスマッチ!「さすがドイツ、ちゃっかりしてるなー」とか思ってたんだけど、その中でケルンの都市紹介映像が流れてた時の事、若いカップルがライン川に掛かる橋に、まるで願掛けか何かの様に南京錠をかける映像が出てきて、そこには何百と言う南京錠がかけられてる映像が僕の気を惹きました。

 

「あれ、なんだろうなー?」とか思ったので、

 「歌と歌の間にしつこいくらい入ってるドイツ各都市の宣伝の中で、ケルンの橋に妊娠中のカップルが鍵をかけるシーンが出てきて、そこには沢山の鍵がかかってたんだけど、あれはドイツでは何か願掛けか何かなのかな?」

って言うツイートをしたら、ドイツ在住の方から:

 「ケルンの鍵の話です:コチラ

って言うツイートが直ぐに返ってきた。ヘェー、ドイツではそんな事が行われてるんですね。ロマンチックじゃないですかー!!そして、そんな疑問をリアルタイムに解決してくれるTwitterにも脱帽。

さて、ユーロビジョンと言えば、もう一つの見所は各国投票における政治票の行方なんだけど、これがモロ予想出来まくっちゃって、面白いんですよね。昨日の場合はロシアの投票から始まったんだけど、最高点(12点)はいきなり隣国のアゼルバイジャンへ入れるって言う具合で、無茶苦茶笑えます。今回面白いなと思ったのは、前回同様、ドイツとベルギーがギリシャに票を入れてた事でした。ドイツは10点、ベルギーは8点入れてました。そして逆にギリシャはフランスに最高点を入れてましたね。つまり、「サルコジ〜、助けてー」みたいな(笑)。更に面白かったのは、ポルトガル、スペインそしてイタリアなど、欧州のお荷物は互いに助け合ってましたね。

意外だったのが、ユーロビジョンの数日前に起こってしまったスペインの地震に対する応援メッセージみたいなのがあるのかな?とか思ってたんだけど、それ関連は見かけませんでしたね(地中海ブログ:速報:スペイン南東部(Lorca)で地震発生)。「もしかしたらこの問題は他国では余り問題にはなってないのかも」とか思ったりして。

まあ、とにもかくにも、こうして無事に幕を閉じたユーロビジョン2011。来年は一体どんなドラマが展開されるのか?今から非常に楽しみです!
| サブカル | 04:49 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ヨーロッパ各国の意地と意地のぶつかり合い、ユーロビジョン(Eurovision)2011
さあ、今年もこの季節がやってきました!ヨーロッパ中の国と国との意地をかけた熾烈な争い、ユーロビジョンの季節です。

奇しくも今日は、来週水曜日の「国際博物館の日(International Museum Day)」に因んで、ヨーロッパ中の美術館が夜中(スペインでは午前1時まで)まで無料公開してるって言う大変魅力的なイベントが行われている日だったんだけど、僕は迷わずユーロビジョンを選びましたね(地中海ブログ:国際博物館の日(International Museum Day)とピカソ美術館(Museo Pisacco)その1:ピカソとバルセロナの都市戦略)。まあ、確かに夜中に訪れる美術館で美術鑑賞って言う選択肢も捨て難いと言えば捨て難いんだけど、やっぱ、欧州中を巻き込んだ熱き闘い、ユーロビジョンの面白さには適いません(笑)。って言うか、何でこんな大事な2つのビックイベントを同じ日にぶつけるかな(怒)?!ずらしゃいいじゃん!まあ、こんな、国境を越えたヨーロッパ中を巻き込んだ楽しみ、そして、街中の公共空間を巻き込んだ楽しみが日常生活の中に数多く存在する事こそ、ヨーロッパに住む醍醐味なんですけどね。

で、本題に戻って、「ユーロビジョンとは一体何か?」と言うとですね、このイベントは、欧州各国がそれぞれ代表歌手を一名選び、各国テレビ生中継の中、それら代表選手が歌とパフォーマンスを行い、それを見ていたヨーロッパ中の視聴者などが電話&SMSなどを使って投票を行い勝者を決定すると言う、云わば、欧州中を巻き込んだリアルタイムの一大イベントなんですね。で、このイベント、ヨーロッパ中を巻き込んでいる事から物凄い規模になるんだけど、規模としてはワールドカップに次ぐと言われていて、視聴率で言うと、ユーロビジョンの平均視聴率が78%、歴代視聴率ランキングで見ると、第一位が2002年のワールドカップの決勝、スペイン対アイルランド(88.9%)だったのに対して、2002年のユーロビジョンは堂々の第2位(85.2%)に付けている程なんです。つまりそれだけお金の動き方が尋常ではないと言う事なんですね。

ちなみに今年のユーロビジョンはドイツのデュッセルドルフで行われるんだけど、と言うのも、その年の開催国は前年に優勝した国って決まっているからで、去年優勝したのは、ドイツ代表だったLenaちゃんって言うデビューしたてのシンデレラガール(と言う事をTwitterで教えてもらいました)。この素人さが受けたと言うのが専門家の見方ですね(専門家って言っても、朝のテレビ番組なんかでくっちゃべってるオバちゃん達なんですけどね(笑))。



で、ユーロビジョンのもう一つ面白い点は、このイベント、各国が自国以外の国に投票する権利を持っている事から、現在のヨーロッパにおける各国間の「オフィシャルじゃない友好関係」なんかが分かると言う、ある種の各国間友好関係ネットワークの縮図みたいになっている所なんです。具体的に言うと、スカンジナビア半島諸国は必ず、スカンジナビアの何処かの国に投票したり、イギリスは絶対フランスには票を入れなかったり、東欧諸国は互いに票を入れあい、助け合ったりすると言う現象が見られる訳なんですよ(笑)。

そんな中、去年僕が注目していたのは、経済危機の発端ともなったギリシャに、他国がどの様な態度を取るか?って言う点だったんだけど、つまり、「ギリシャ、お前の国、経済破綻とかなってて、ちょっと可愛そうだから、ユーロビジョンくらい勝たせてやるよ」ってな具合で、各国が票を入れるのか、もしくは、「ギリシャ、お前、ヨーロッパ中に迷惑かけやがって、お仕置きだ!」みたいな感じで、誰も票を投じないのか?どっちかなー?とか思ってたら、イギリスそしてベルギーがギリシャに最高点である12点を入れ、ドイツも8点を入れてました。他の国々もギリシャには大方好意的で、結局ギリシャの順位は8位。僕的には欧州の大国イギリスと欧州政治の中心ベルギーがギリシャに票を入れたと言うのは、色んな意味で興味深かったかな。つまり、ここから読み取れる事は、「ギリシャ、お前、経済的に大変だけど、がんばれよな!」って言うメッセージであり、僕はこの様な現象を指して、「ユーロビジョンと言うのは、実はヨーロッパ中を巻き込んだ国民投票システムじゃないの?」とか言った訳なんです(地中海ブログ:ユーロビジョン2010:欧州全域を巻き込んだ国民投票システムか?、地中海ブログ:ユーロビジョン2010その2:欧州の大国がギリシャに投票したのはある種のメッセージなんじゃないの?とか思ったりして(半分冗談))。

で、そんな僕が今年注目しているのは、何と言ってもデンマーク、ポルトガル、ギリシャそしてスペインですね。

多分日本ではあまり報じられてないと思うんだけど、現在ヨーロッパでは欧州連合内をパスポート無しで自由に行き来する事が出来る「シェンゲン協定」を見直すと言う動きが活発化しています。特に熱心なのがイタリアとフランスなんだけど、と言うのも、ジャスミン革命があった事などから、チュニジア辺りからイタリアへと不法入国してくる移民が最近多いらしくて、イタリアとフランスは彼らを取り締まりたいと言う事情がある訳ですよ。で、その動きに便乗してデンマークが早々と、ドイツとスウェーデンとの間で国境管理措置を復活する方針を固めた事から、ベルギーとの間に確執が生まれている状況なんですね。それが2−3日前の事、つまり、超ホットな話題な訳です。

その一方で僕がポルトガル、ギリシャに注目する理由は当然、経済危機、そして各々の国の経営破綻状況から、ドイツやフランスに助けを求めなければやっていけなく、それらの国々の間でこれまた賛成・反対と言った激しい論争が繰り広げられている模様だからです。スペインに注目する理由はですね、つい先日起こってしまった大地震に対する配慮から、「がんばれスペイン」みたいな動きが出るのかなー?とか思ってたりします。

と言ってる間に21時になりました。さあ、今年も年一回のお祭りの始まりです!みなさん、大いに楽しみましょう!

追記:

ついさっき結果が出たのですが、今年の優勝はアゼルバイジャンに決まりました。2番手にはイタリア。でも、アゼルバイジャンって来年ユーロビジョン開催出来る経済力あるのかどうかって言うのは不明(笑)。個人的に面白かったのは、ドイツとベルギーがギリシャに点を入れてた事。そしてギリシャはフランスに12点入れてた。更にポルトガルと、スペイン、そしてイタリアと言った欧州のお荷物は互いに助け合ってた(笑)。
| サブカル | 04:19 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式を見ていて思った事:日本に増殖する結婚式教会について
昨日からスペインの各種メディアは何処を見てもウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式の話題ばかり。



今朝の新聞なんて大々的な写真入りで何ページにも渡って紹介するって言う程の力の入れようなんだけど、その中でも特によく目にした写真と言えば、イギリス王室結婚式での恒例となっている、聴衆の眼前でのキスシーンと、花嫁のウエディングドレスの写真でした。



特にこのウエディングドレスについては当日までトップシークレットだったらしく、「一体誰がデザインするのか?」、「どんなデザインになるのか?」など、巷では相当な噂になり、これが今回の結婚式の一つの目玉だったらしいです。「らしい」と言うのも、英国王室結婚式自体には前々から興味津々だったんだけど、その一方で、特にウエディングドレスとか、あんまり興味が無くって、特別この話題を追っていたと言う訳でも無かったので・・・。

まあ、そんな訳で、前回のホリエモンの時と同様、今回も仕事をしながら横目でチラチラとスペイン国営放送(La1)が生中継してた結婚式を見てたんだけど、それを見ていて僕が思ったのが以下の2点:

先ず一点目は、実はスペイン国営放送、今回大変なヘマをやらかしてしまって‥‥と言うのも、10時30分頃から14時近くまで続いた生中継の中で、時々3分間のCMを入れてたんだけど、それが今回の式の最も重要な場面である、2人が神に将来を誓い合い、ウィリアム王子が花嫁に指輪を嵌めると言う、一番のハイライトシーンに被ってしまうと言う大失態をやらかしてしまったんですね。だからスペイン人はこの瞬間をリアルタイムで見る事は出来ず、大変悔しい思いをした人多しだったはず。何時も何かやってくれますよね、Television Espanola!(地中海ブログ:スペインの美人すぎるニュースキャスター、Maria Casadoさんって‥‥

そして今日の記事で僕が話題にしたいのが2点目の方なんだけど、昨日の結婚式を見ていて、「あれ?」って思った人、実は多かったんじゃないのでしょうか?確かに花嫁は奇麗だったし、2人が乗ってきた車や馬車、そして世界中から駆け付けた王族やら有名人やらの衣装なんかも豪華絢爛で盛大な結婚式だった事は間違いないんだけど、その一方で、「特に目新しい事は無いかな」って言うのが、普通の日本人の感想だと思うんですね。

何故か?

何故なら、昨日の結婚式って、規模こそ違えど、形式なんかは日本でごく普通に行われている結婚式とほぼ変わらないと思うからです。

何故変わらないのか?

理由は簡単で、日本が西洋文化に憧れを持つが故に、ヨーロッパ式の「教会での結婚式」を輸入して、それが日本でのスタンダードな結婚式となってしまったからです。日本には元々、神前式とか人前式、もしくは仏前式とかって言う、日本が太古の昔から営んできた結婚方式があるんだけど、それが何時の間にかマイノリティになってしまって、僕達が「結婚式」と言う言葉で連想するのは、「教会」、「真っ白なウエディングドレス」、「外国人宣教師」みたいなイメージに何時の間にかすり替えられてしまいました。

で、ここからが面白い所なんだけど、ヨーロッパの殆どの国って言うのはキリスト教国であって、そこで行われる結婚式は当然の事ながらキリスト教に基づいて行われる訳で、結婚式に使用される教会だって、当然の様に毎日ミサが行われ、宣教師も信者もいる正真正銘の教会だし、当然そこで結婚式を挙げるカップルもキリスト教を信仰している信者であるという事は言うまでもありません。

しかしですね、日本にはそもそもキリスト教信者ってあんまりいないらしくって、あるデータによると、日本でキリスト教を信仰しているのは、全人口の1%程の人なんだそうです。日本はそんな「キリスト教マイノリティの国」なのに、「結婚式」と聞いて先ず頭に浮かぶのは「教会での結婚式」。そして日本で結婚式関連のCMや関連雑誌を見る限り、そこで扱われるのは必ずと言って良い程、純白のウエディングドレスと教会での写真など、「この国はキリスト教国か!」と目を疑うばかりの状況なんですよね。そして極めつけは、キリスト教信者がそれ程増えてる形跡が無いにも関わらず、近年ボコボコと増え続けている「結婚式をする為だけの教会」の数の多さが挙げられます。

何故なら日本ではキリスト教信者じゃないのに、ヨーロッパ風の純白なウエディングドレスに憧れを持った女性が「私も是非教会で」みたいな願望を叶える為だけに教会が作られていくと言う、大変奇妙な現象が起こっているからです。そしてこの様な、信者がいなくて普段はミサも行われる事も無く、ただただ結婚式を挙げる為だけに作られた教会の事を、「結婚式教会」と言います。



結婚式教会については、五十嵐太郎さんと、名古屋の僕の大親友である村瀬良太君が「結婚式教会の誕生」と言う、大変秀逸な日本文化論を書いてるんだけど、その中では、この日本独特の文化である「キリスト教式結婚式スタイル」が如何に建築のデザインに影響を与えているかが詳細に説明されています。例えば、「一生に一度のウエディングドレス姿を如何に効果的に見せるか?」もっと言うと、「如何に印象的な写真を撮るか?」と言う所に力が注がれ、それをより美しく見せる為に、バージンロードをわざと長くしたり、ドレスの長さを強調し、美しい姿で写真を撮る為だけに、わざわざ大階段を作ったりと言う空間デザインが行われているそうなんです。

1世紀前までは、女性のドレスって言うのは、建築空間を補完する装飾だったのに、結婚式教会では女性のドレス姿を補完する為に建築空間が作られていると言う逆転現象!

で、このウエディングドレスなんだけど、どうやら純白なウエディングドレスを結婚式で身に着ける習慣が出来たのは、イギリス王室がその発端らしく、それに憧れを持った一般女性が「私も、私も」と真似をしたと言う事らしいです(坂井妙子著「ウエディングドレスはなぜ白いのか」)。もっと言っちゃうと、1840年にヴィクトリア女王が結婚式で白サテン製のドレスを着た事が一つの大きな契機となったとか何とか。ヘェー、ヘェー、ヘェー。

 

日本における教会での結婚式のブームに火を付けたのは、1981年に行われたチャールズ皇太子と故ダイアナ妃の結婚式と言われていて、この時、8メートルにも及ぶドレスを身に纏った故ダイアナ妃が荘厳なセントポール寺院を歩く姿が世界中に放映され、その姿が余りにも印象的だったが為に、それを見た日本人女性が憧れを抱く様になったんだそうです。

 

更にその後、松田聖子と神田正輝の結婚式も、当時の日本人女性の憧れの的となり、聖子ちゃんカットじゃないけど、「私も聖子ちゃんみたいに白いドレスで教会で結婚式を!」って考える女性が多くなったのだとか。人気絶頂だった聖子ちゃんですからね、当時の日本社会に与えたインパクト、清楚でお洒落という強いイメージを与えた事は想像に難くありません。で、聖子ちゃんと言えば、中森明菜なんだけど、ネットを見てたらこんな映像を発見:

 

どうやら彼女は新婚旅行でスペインに来る事が夢らしい。だから今まで一回もスペインには来た事が無いのだとか。そうなのー?「早く来て!」って感じなんですけど(笑)。

今日の新聞によると、昨日の結婚式は世界中で約22億人もの人達が放送を見ていたのだとか。22億人と言えば、世界人口の約3分の1。日本でも生放送が行われたそうなんだけど、王室の結婚式とは言え、他国の結婚式を生中継するって、それはそれで凄い事だと思います。やはりそれだけイギリスに対する憧れが強いのか?もしくはイギリスの外交と国の宣伝が上手いのか?どちらにしろ、こういうおめでたい話、世の中を明るくする話題って言うのは嬉しい限りですね。
| サブカル | 03:01 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ホリエモンのライブドア事件はスペインでどの様に報じられているか?:記者クラブ問題は記事になってた
昨日の朝8時頃(スペイン時間)の事だったのですが、「元ライブドア社長のホリエモン収監決定」と言うニュースが飛び込んできました。

何時もの様に、このニュースの第一報はTwitterで知ったんだけど、その後ニコニコ動画で上杉隆さんの自由報道協会主催によるホリエモンの緊急記者会見があると言うので、仕事をしつつ、横目でその会見を見てたんですね。

勿論僕は法律の専門家ではないし、株の事とかこれっぽっちも知らないので、今回彼が罪に問われている「証券取引法違反」って言うのが一体どういうものなのか、何故彼が逮捕されるに至ったのかなどさっぱり分かりません。だから今回最高裁判所が下した判決が正しいのか、正しくないのかを含め、ネットで良く見かける、ホリエモンに科せられた罪の不公平さや検察のやり方への批判、もしくはメディアの一方的な報じ方などへの疑問など、関心は持つけど、それに対して良いか悪いか、正しいのか正しく無いのか?を議論する能力は僕には全く無いと思います。と言うか、僕を含めた日本の多くの人達にとっては、「今回の事件は一体何なのか?」、「どうしてホリエモンは収監される事になったのか?」など、詳しい経緯について分かってる人って案外少ないと思うんですよね。

だからここでは、「はっきり言って僕はド素人」と言う観点から昨日の記者会見を見ていて思った事を書こうと思うんだけど、僕が一番感銘を受けたのは最後の部分、つまり上で言及した様な今回の会見での核心的じゃない所に一番惹き付けられてしまった。それが、先月起こってしまった東日本大震災で被災した人達へ向けてのメッセージを求められて彼が発したコメントです:

「運命って受け入れざるをえない部分があると思う。起こってしまったことは不可抗力というか、仕方が無いし、特に津波とか本当に仕方が無い部分はある と思う。原発事故は人災だという話もあるが、だからといってそういった人たちを恨んだところで何も出てこない。前向きに考えて頑張っていこう。

今はすごくマイナスからのスタートとなると思うが、マイナスからのスタートには唯一いいことがある。要はこれ以上悪くなることはない。これは僕も一緒なのだが、ここまでドン底に落とされたらもう這い上がるしかない。這い上がるときって意外と楽しい。日本経済みたいに、人口が落ちていくって社会ってつまらない。日本全体がつまらない感じになっているが、東北で復興しようとしている人たちは未来があるし、今より良くなっていることばかりだと思う。それはすごく楽しいことなので、めげずに頑張って欲しいと思う。右肩上がりの成長というのは楽しいと思う。

僕も宇宙開発とかやりたいことがあるので、仕方が無いので刑務所の中で勉強するが、勉強した成果を生かして、皆が楽しくなれるようなことをやっていきたいと思う。僕も頑張るので、皆も頑張ろう。」

人生って、何をやっても上手くいかない時ってのが往々にしてあって、そんな時は本当に心が折れそうになります。僕だって全く一緒で、「正直言って、もうホント辛いから帰ろかな」と思った事なんて、数えきれないくらいあるんですね。と言うか、今でも仕事で失敗したり、日本人だと言う事だけで、ある種の差別的な扱いを受けたりすると、「何もかも投げ出してもう帰ろう!」と思う事なんてしばしばです。そしてこれは僕に限らず、海外に住んでいる人なら誰しも経験する事なのでは無いでしょうか?

しかしですね、よくよく考えてみたら、僕なんて今まで特に何を成し遂げたと言う訳でも無く、地位もなければお金も無い(笑)。正直言うと、最近ちょっと色んな事が巧く行き過ぎていて、天狗になってた感があって、それ故に、「失敗したらどうしよう」って悩んでたんだけど、でも、まあ、失敗したら、「もう一度、2年くらいかけて一からがんばれば良いか」と言う、数年前までは普通に思っていた事を、今回のホリエモンの会見を聞いていて思い出しました。と言うか、ホリエモンが僕にその事を思い出させてくれました。

そう、人間、今がダメでも良い時がきっと来る。これって凄く単純なんだけど、とても重要な事だと思うんですね。ちなみに全く関係ないけど、浅香唯って密かに名曲歌ってて、Believe Againって歌があるんだけど、落ち込んだ時とかに聞くと、凄く元気になれたりします:



さて、実はここからが今日の本題なんだけど(笑)、今回のライブドア事件は、現代の日本社会が抱えている大変重要な問題である、メディアや検察、記者クラブの関係なんかを浮き彫りにしたある種の事件であり、だからこそ、日本の主要メディアとネット界では、今回の報道に関して明らかな温度差を見る事が出来ると思うんですね。では、今回の日本に関する大問題はスペインではどう報道されているのか?

実は昨日から、ネットで検索しまくり、今朝は朝刊と言う朝刊を殆ど読み尽くしたんだけど、スペインの主要紙でこの問題に触れている記事はゼロでした。もっと言っちゃうと、僕が見る限り、スペインの新聞が今までライブドア事件に触れた事は無かったと思います。しかしですね、実は先月起こった東日本大震災に関する政府の発表や日本独特のメディア報道を巡って、El Pais紙が記者クラブ問題を取り上げた事が一度だけあったんですね。それが3月16日の記事:

「真実が無礼になる時:政治家達は国民に情報を隠蔽する為に建前にしがみつく」

“Cuando la verdad es descortes: Los politicos se aferran al uso social del tatemae para ocultar información a sus ciudadanos”

と題された記事。その記事の中では日本独特の文化である「本音と建前」の説明がされていて、日本には記者クラブと言うものが存在していて、それがある種の検閲になっているみたいな事が書かれていました。ちなみに記者クラブはスペイン語でClubes de prensaと言います。多分、と言うか絶対、日本の記者クラブ問題がスペインで取り上げられたのは、この記事が初めてで、それ以来、多くのスペイン人達の日本の報道を見る目が変わったと言う事は出来るかと思います。

昨日の会見で、ホリエモンは今回の収監を受けて、「人生の駒が一つ前に進んだ」と言っていました。こんな言葉は人生のどん底にいる時、なかなか言える事ではありません。強い、本当に心が強い人だと思います。

以前ホリエモンと一緒に働いていたと見られる人が書いたこんな文章を発見しました:堀江貴文の意志(実刑確定のニュースを聞いて)

「・・・誰も自分の利益を考えてくれない世の中では、自ら信頼できる人と関係を構築し、情報を取りに行かねば、家畜のように消費動物として飼われて死ぬまで搾取されるままだ。

TwitterやFacebookで声を上げ、中東の革命まで行かずとも、有志の声が教育、経済、政治の不義を正し、太陽の紫外線のごとく、社会にはびこる細菌を炙り出してゆく必要がある。

堀江貴文の意志は、多くの同世代に引き継がれ、今ひとつの時代の意志としてネットを媒体に伝染している。個別の言動に対する賛否両論はあるだろうが、真に日本の未来を憂う心あれば、人として、まともな社会に生きたいと願うならば、そろそろ声をあげようではないか。

ひとりの人物だけが批判の矢面に立ち、既得権益に対抗する時代が終わった。
これからは意志ある者のネットワークが、微力でも継続的に分散ネットワーク的に革命を続けて行かなければならない。

私も彼の意志を継ぎ、2年半後に「身を呈した甲斐はあった」と思えるような社会を築いていたい。」

昔、僕が小学生くらいの時、NHKの大河ドラマで「独眼竜正宗」ってのがやってて、彼が子供の時(梵天丸って幼名)、和尚さんとのやり取りの中で何かを悟った彼が、「梵天丸もかくありたい」って言ってた場面が非常に印象的だったんだけど、今の僕の気分も正にそんな感じ。

 「cruasanもかくありたい」。
 明日からもがんばろうー。
| サブカル | 04:41 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
スペインの美人過ぎるニュースキャスター、Maria Casadoさんって‥‥
以前のエントリでも紹介した、スペインの国営放送局であるテレビジョン•エスパニョーラ(Television Espanola)で週末のメインキャスターを務めているMaria Casadoさんなんだけど、昨日、友達の日本人建築家と話してて、妙に納得してしまった事がありました(地中海ブログ:似てませんかね?Television Espanolaのメインキャスター、Maria Casadoさんと‥)。って言うか、「あ、やっぱりみんな思ってたんだー!」って言う喜びの発見だったんだけど、それは:

Maria Casadoさんって、もの凄い美人なんだけど、惜しいよね(笑)」

って事だったんですね。どういう事かって言うと、スタイリスト付いてるはずなのに、売れっ子ニュースキャスターらしからぬ服着てたり、髪型も今一つ、決まってるのか決まって無いのか良く分からない事が多いんですよ。例えばコレ:



なんか、彼女、ジャケットの下にTシャツ着てくる事が多いんだけど、そのTシャツの首がビヨーンって伸びてたり、変な柄のTシャツ着てたりするんですよね。上のTシャツなんて、「あれって鶴?なんで鶴?」みたいな(笑)。で、もっと面白いのが、彼女の髪型なんだけど、時々、パーマが失敗したのかどうなのか、かなり微妙な髪型で来たりする訳ですよ:

 

コレなんて凄い!Tシャツは縞模様のパジャマみたいだし、髪型は絶対寝グセっぽい!!

 

まあ、そんな彼女なんだけど、それでも大多数の人が納得する事は、 「Maria Casadoさん、凄く美人で、しかも人の目を惹く魅力がある」って事じゃないでしょうか?そうじゃなかったら、そもそも話題にすら上らないんだし。個人的には大ファンで、去年の11月にローマ法王がバルセロナに来た際、彼女がバルセロナから生中継している事を知って、ローマ法王そっちのけでワザワザ見に行ってしまった程です(地中海ブログ:バルセロナの都市戦略:ローマ法王のサグラダファミリア訪問の裏側に見えるもの)。 そんな彼女がどんなニュースを読み上げてくれるのか?毎週末が非常に楽しみな今日この頃です。
| サブカル | 05:37 | comments(6) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加