地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
今日から夏休み!
長かった今年度もようやく終わりを迎え、今日から約1ヶ月間の夏休みに突入します。例年だと7月31日が仕事納めとなるのですが、今年は土曜日と重なっていた為、730日だった昨日の金曜日が仕事納めでした(以前の仕事納めの様子などはコチラ:地中海ブログ:明日から夏休み)。と言う訳で昨日の仕事は何時よりもちょっと早い2時で終わり。その後は近くのレストランにてみんなで好例のランチパーティーだったのですが、毎年の事ながら、これが又長いんだなー。2時半から始まったランチが、終わってみれば実に7時だった!まあ、それも仕方ないかなとは思うんですけどね。何てたって、夏休み明けの9月1日までの約一ヶ月間、殆どの人とは会わない事になるのですから。

パーティーの最中、色んな人の話を聞いていると、「さすがにカタラン人、人生楽しんでるなー」って事を痛感させられます。1ヶ月間カリフォルニアのビーチでゆっくりと過ごすと言う人、フランスの古城巡りをすると言う人、涼しいスイスの山の生活を楽しむと言う人、そして日本に行くと言う人なんかもいたりしました(スペイン人にとって日本はハイテクとアニメが溢れる、憧れの国らしいです(苦笑))。でも、やっぱり最も一般的だったのは、バルセロナ近郊の海沿いの村なんかにアパートを借りて、一ヶ月間そこでのんびりと過ごすと言う人でしたね。で、そこで一体何をするのかと言うと、基本的に「何もしない」(笑)。




こんな感じのビーチを眺めながら、
10時か11時頃にムックリと起きて、クロワッサンとコーヒーで軽い朝食を取りつつ目の前のビーチへGO!3時くらいになったらアパートへお昼ゴハンを採りに帰り、2時間程度の長―い昼食の後は御昼寝タイム。夕方になったら又ビーチへ日光浴に戻り、夜の10時頃には近くのバルで一杯やりながら、深夜2−3時頃まで友達や家族と雑談で盛り上がると言うのが、一般的なスペイン人のバカンスの過ごし方かなと思われます。で、その間何をするのかと言うと、本当に何もしない(笑)。もう、生産性ゼロの世界とはこの事です!

こういう過ごし方が良いのか悪いのかは分からないけれど、ただ一つ言える事、それは、彼らは明らかに僕達日本人が知っている「物差し」では動いてはいないし、そのような「物差し」でスペイン社会は設計されてはいないと言う事です。そしてそんな社会で暮らしている彼らは、見ていてとても楽しそうで幸せそうなんですね。


こんな社会は僕達日本人から見たらダメ社会なのかもしれません。 蛇口が故障したので水道屋さんに電話したら、「夏休みなので修理は
9月まで待ってくれ」って言われたり、緊急に書類が必要なので市役所に電話したんだけど、夏休みなので誰も電話に出ないなんて事はしょっちゅうです。でも、こんな効率性ゼロの社会にも、いや、こんな効率性ゼロの社会だからこそ、僕達日本社会が失ってしまった何か、あるいは、ある価値観に重点を置き過ぎたが故に忘れ去ってしまった重要な何かが未だに存在しているんじゃないのでしょうか?

苦しくも今日の新聞では、バカンスのシーズン中だと言うのにスペインの失業率が上がり続け、とうとう20.9%にまで至ってしまったと言う報道がされていました。しかしながら、そんな経済的に苦しい状況の中においてさえも、彼らはとても人間的にいきいきと毎日を生きている様に見えるし、何より全力で人生を楽しんでいると言う事は間違い無い様に思います。

幸せとは何なのか?そんな大層な問題に答える事なんて到底出来ないんだけど、その答えに近づく為には色んな価値観を体験する必要があるのでは?と言う事の重要性ぐらいは認識しているつもりです。


僕達の世界は多様です。僕達の世界には色んな社会が存在していて、それら様々な社会には異なった価値観が存在している。そしてその多様性の数だけ、違った社会の形があり、幸せの形があると思うんですね。だから僕達の世界は面白いんです!


当ブログの読者のみなさんも、良いバカンスを!


P.S.

今日から約1ヶ月間夏休みに入る為、メールなどを頂いた場合、返信が遅れる事があるかもしれません。ご了承頂ければ幸いです。
| 仕事 | 22:53 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ブリュッセル出張:ユーロシティとかEU-JAPANセンターとか
所用で先日からブリュッセルに来ています。僕が所用でブリュッセルに来るって事はその多くの場合が欧州委員会関連なんだけど、今日はちょっと違って、海洋関連のミーティングで来てるんですね。と言うのも、先日スペインのヒホン(Gijonで行われた欧州海洋記念日(European Maritime Dayの会議で知り合った人達とかなり意気投合してしまって、「じゃあ、一度遊びに来い」とか言ってくれたので本当に来てしまったのでした(地中海ブログ:ヒホン(Gijon)その2European Maritime Day(欧州海洋記念日):フェリペ王子(アストゥリアス公(Principe de Asturias)とラボラル文化都市(La Laboral ciudad de la cultura。ディレクターの方はイタリア人だったんだけど、多分、彼的にはその場のノリで言ってたっぽい・・・。僕が本当に来るなんて思ってなかったんだろうなー(笑)。

さて、今回は彼の事務所で待ち合わせをしたのですが、その事務所が入っているというビルに着いてビックリ。



なんか、見た事ある名前ばかりがズラーっと並んでるじゃないですか!EU-JAPANセンター・・・なんか聞いた事あるような、無いような・・・。そしてユーロシティ!でもユーロシティってEUROCITIESじゃなかったかな?何かロゴもちょっと違った様な気がしないでも無いけど、まあ、いいや。

「ユーロシティとは何か?」と言うとですね、EUの中における都市の発言権の拡大やEUの都市政策に影響を与える為のロビー活動、そして情報交換をしあう欧州主要都市間におけるネットワーク組織の事です(説明終わり)。まあ、つまり、国民国家の枠を飛び越えて、EUと都市が直接結び付くって言う、バルセロナなんかが好きそうな、アレの事です(実情はもっと複雑だけど、その話は又今度)。現にユーロシティは1986年にロッテルダムで設立されているのですが、当初の設立メンバーの中にはバルセロナが入っています(設立メンバーはロッテルダム、リヨン、ミラノ、フランクフルト、バーミングハムなど6都市)。

思わぬ収穫に喜びつつミーティングもつつがなく終わったので、今回のブリュッセル出張で唯一の楽しみだったランチへゴー!ブリュッセルへ来る時は大抵の場合、欧州委員会のビルの中でネットワーキングランチとか、そんなのばかりなんだけど、今回のランチは自由に出来る事が分かっていたので、来る前に目ぼしいレストランを見つけておいたんですね。それがココ:



ベルギー王立美術館(Musees royaux des beaux-arts de Belgiqueの直ぐ裏手の教会の前にあるLa Tour dY Voirと言うレストランです(地中海ブログ:ベルギー王立美術館(Musees royaux des beaux-arts de Belgique)のピーテル・ブリューゲル(Pieter Bruegel de Oude)とかバベルの塔と)。

コンタクト
Address:Place du Grand Sablon 8
Tel: 02.5114043




レストランの入り口は洞窟の様な空間の奥の奥にある階段を上った2階にあります。かなり窮屈で急な階段なんだけど、そこを上りエントランスを入った所に広がっている空間がコチラ:



ちょっと外からは想像も出来ない様な、静かで落ち着いた雰囲気の空間が広がっているんですね。ナカナカお洒落!で、早速メニューを渡されたんだけど、どうやら日替わりランチがあると言う事でそれを頼む事に。で、今日の一皿目がコチラ:



ハムが乗ったサラダです。実は日替わりランチメニューはウェイターの人が口頭で説明してくれるだけなので、ごく基本的な事しか覚えてない・・・サラダかスープか?肉か魚か?みたいな(笑)。なんて言ったって、僕の英語は、なんちゃってイングリッシュですから(笑)(地中海ブログ:2010年、今年最初のブリュッセル出張その2:バイリンガルを通り越してトリリンガルになる日本人達:なんちゃってトリリンガルが変えるかもしれないヨーロッパの風)。で、本日の二皿目がコチラ:



焼き魚です。勿論何の魚なのかは不明(笑)。でも、非常に美味しい!見た目は油タップリで重たそうな感じがするんだけど、実はそんな事も無く、量も適当で非常に満足な一品でした。そして今日のランチで何より良かったのがコチラです:



このパン、焼きたてのフワフラだったんですね。ちょっとビックリした。余りにも美味しかったので、2つも食べちゃいました。そして今日のデザートがコチラ:



カスタードクリームの表面を焼いたプリンみたいなものです。まあ、言ってみれば、僕達にはお馴染みのクレマ・カタラーナなんですけどね。チョコレートを期待していたのですが、このカスタードクリームもナカナカのものでした。そして締めは勿論コーヒーです。このランチが飲み物込みで18ユーロ。非常にゆったりと落ち着いて食事が出来る雰囲気の事を考えれば、この価格は適正価格だと思います。

「満腹、満腹」と表へ出た時、ある事に気が付きました。ここへ来た時はお腹がすいていた事もあって、あまり気にも留めてなかったのですが、教会の裏手側の公共空間が車の駐車場として使用されていると言う事に気が付いちゃったんですね。



この風景は悲し過ぎる!!折角、ほど良い空間があるんだから、車を追い払って歩行者優先の公共空間にし直すべきですね。美術館の直ぐ裏手&主要道路から一本入った所にある、静かなパブリックスペースでゆっくりとカフェ・・・なんて、結構魅力的な空間になると思うんだけどなー。どうですかね、ブリュッセル市役所の皆さん?
| 仕事 | 21:30 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
欧州工科大学院(EIT)の鼓動その1:マニュエル・カステルとネットワーク型大学システムの試み
今週はバルセロナで行われている欧州工科大学のセレモニーに出席する為、その準備等でモーレツに忙しくてブログを書く暇もありませんでした()。欧州の強みである「多様性」をフルに生かしたネットワーク型の欧州工科大学システムについては次回のエントリに回す事として、今日はペドラルベス宮Palau de Pedralbesで行われたオープニングセレモニーについて少しメモ程度に書いておこうと思います(ペドラルベス宮についてはコチラ:地中海ブログ:カタルーニャの夢、地中海の首都:地中海同盟セレモニーに見る言語選択という政治的問題)

今回のセレモニーは官・民、各方面から合わせて300人余りが集まる結構大きなイベントだったのですが、そのイベントの開会式の壇上に上がったのは、ちょっと小柄な白髪のおじいちゃん。で、先ずはそこでビックリだったんだけど、よーく目を凝らしてみると、ん?あ、あれは・・・



マニュエル・カステルだー!!!(写真の先っぽの小さい人)

マニュエル・カステル・・・スペインが生んだ世界に名だたる社会学者です。生まれはカスティーリャ・ラ・マンチャ州(
Castilla-La Mancha)のHellinという小さな町なのですが、彼が主に育ったのはバルセロナ。故に彼はカタラン人!(この辺りの根拠は結構曖昧)

マニュエル・カステルについては個人的に(勝手に)親近感を抱いているので()、当ブログでは今までにも何度か取り上げてきています(地中海ブログ:東さんの「SNS直接民主制」とかマニュエル・カステル(Manuel Castells)Movilizacionとか、地中海ブログ:Manuel Castells との出会い)。で、過去に何度か書いたように、実は、彼が住み慣れたカリフォルニア州のバークレーを離れた理由と言うのは、病と闘う為だったんですね。と言うか公共の場で、「死ぬ時は育った街で死にたい」みたいな事を頻繁に漏らしていた事などから、もしかしたら、半ば諦めていたのかもしれません(推測)。そんなこんなでココ数年、滅多に姿を見せなかったのですが、そんな彼についての朗報が入ってきたのがホンの数ヶ月前、なんと病気を克服したと言う事を新聞上で発表していました。

そんな世にも珍しいマニュエル・カステルを真近で見るのは実はコレが3回目。3回もマニュエル・カステルを拝む事が出来るなんて、マンモス・ラッキーもいいとこ。

まあ、冗談はこのくらいにして、今回の欧州工科大学のコンセプトが「ネットワークに基ついた、今までの一極集中型の大学モデルとは違うモデルを提示する事」と言う所からも分かるように、明らかにこのコンセプトに彼が絡んでいる事は間違い無いと思われます。こう考えると、この欧州工科大学、ちょっと面白い試みなのかも・・・ちょっと真面目に調べてみようかな。次回に続く。
| 仕事 | 22:51 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ヒホンその4:航空母艦プリンシペ・デ・アストゥリアス(Portaaviones Principe de Asturias)号
先週、ヒホン市(Gijon)で行われた欧州海洋記念日の国際会議だったのですが、実は最終日の午前中に、スペイン海軍が誇る航空母艦プリンシペ・デ・アストゥリアス(Portaaviones Príncipe de Asturias)号の内部見学会があったので、ここぞとばかりに行ってきました。

航空母艦なんて、普段は絶対目にする機会なんてないし、これと言って特別興味も無かったんだけど、前日にホテルでWiki見てたら、どうやらプリンシペ・デ・アストゥリアス(Portaaviones Príncipe de Asturias)号というのは現在のスペイン艦隊の中では二番目の規模を誇る主力艦の一つで、普段は航海や任務などに出ていて、お目にかかれる機会なんて滅多に無いのだとか。それを聞いちゃあ、行かない訳にはいきません!と言う訳で、市内からバスに揺られる事約20分、行ってきました。



映画なんかでマフィアとかが良く麻薬の取引だとか、抗争なんかをしている様な風景の場所に辿り着きます。場所的には、観光客が群がる綺麗に整備されたビーチとは全く違う方向に位置していますね。余談なんだけど、こういう都市の動脈、言い方を変えれば都市の裏側(汚いもの)というのは、何処の都市でも注意深く観光ルートからは外していますよね。理由は簡単で、都市としては、観光客の皆さんに都市の綺麗なイメージだけを持って帰ってもらいたいからです。

さて、そんな生々しいコンテナ群のその又奥に停泊していました、今回のお目当ての船が:



これこそスペイン海軍が誇る、プリンシペ・デ・アストゥリアス号です。真近で見ると、かなり大きい!



普段良く見る豪華客船とは、やはり一味も二味も違う雰囲気を漂わせています。僕なんかは「ヤマトだよー」とか思っちゃいますけどね。勿論、宇宙戦艦の方ですけど。で、イヨイヨ中へ。生まれて初めて航空母艦の中へ入った僕を出迎えてくれたのがコレ:



戦闘機です(ハリアー II (Harrier II)というやつらしい)。こんなに真近で戦闘機を見るのも初めて。



こちらはSH-3 シーキング(SH-3 Sea King)とかいうヘリコプター。普段の生活で慣れ親しんでいる自動車も、言ってみればこれと同じ機械と鉄の塊なんだけど、親しみ易さを第一に考えデザインされた自家用車とは違って、戦闘機と言うのは効率性だけを追求した究極の兵器だと言う事がマジマジと分かります。



もう、ホントにリアル・エヴァンゲリオンの世界です。というか、ココで、「リアル・エヴァンゲリオンの世界」とか思っちゃう僕は、「戦争なんていうのは、自分が生きている日常の平和な世界とは全く関係の無い所で起きている事だ」という、今生きている平和が何時までも続くという根拠の無い自信に満ち溢れている証拠なんですけどね。こういう人って言うのは、アパートやホテル内で起こった火事ですら、「非常ベルの誤作動でしょ」とか何とか言って済ます傾向にあります。

さて、そうこうしてる内に、この航空母艦の説明ビデオがあるというので、皆が集められ見る事に。面白いのは、この上映方法です:



リフトカーを利用した即席のビデオ上映。人間の思考の柔軟性の片鱗を見た気がした(笑)。 で、実はこのビデオ、内容はと言うと、スペイン海軍のプロモーションビデオになっていて、最後には入隊を勧めるという具合に終わっているんですね。



更にこのビデオを見た後、向かわされたのが、スペイン海軍のお土産グッズコーナー。「こんなの売ってるんだー」なんてものまであって、ちょっと驚き。ナカナカ商売上手と言うか、何と言うか・・・。そして今回の訪問のクライマックス的な空間がコチラ:



約180メートルの滑走路を持つ甲板です。ここから戦闘機が「ビュー」っと飛び立つ訳ね。面白いなと思ったのは、滑走路の先端のデザインです。



滑走路って、てっきり平らだとばかり思っていたら、実は先っぽが少し反り上がってるんですね。これは勿論、戦闘機が飛立ち易い様にだとは思うんだけど。

あともう一つ驚いたのは、戦闘機の着艦方法です。僕なんかはどうしてもアニメのイメージが強いので、戦闘機が帰還する時は、てっきり普通の飛行機みたいに滑走路に入ってきて急ブレーキで止まるのかと思ってたら、実際はどうやらヘリコプターみたいに、垂直に降りる事が出来るらしいです。へぇー、へぇー、へぇー。

全く予想もしてなかった今回の航空母艦訪問だったけど、知らなかった事が色々分かって、面白かった。星、3つです!!!
| 仕事 | 20:19 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ヒホン(Gijon)その1:EU関連のイベント、European Maritime Day Stakeholder Conference
EU関連のイベント、European Maritime Day Stakeholder Conferenceというイベントに参加する為に、今日からスペインのアストゥリアス地方に位置するヒホン(Gijon)と言う都市に来ています。

実はアストゥリアス地方に来るのは今回が初めて。緑豊かなこの地方の噂は色んな人から聞いていたのですが、最寄のオビエド空港からヒホンにアクセスする際に見える大自然や、北大西洋の一部で、ビスケー湾と呼ばれる湾岸に開けたビーチから見える景色には正直、圧倒されました:





何時も見ている穏やかな地中海とは又違った表情を見せているスペインの海岸です。

同じ国でありながら、このような全く違う顔を持つ様々な都市が集まって多様性を創り出している所が、スペインと言う国の一つの魅力だと言う事をまざまざと見せ付けられます。

今日から3日間、どんな出会いが待っているか、非常に楽しみです!
| 仕事 | 23:33 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
2010年、今年最初のブリュッセル出張その2:バイリンガルを通り越してトリリンガルになる日本人達:なんちゃってトリリンガルが変えるかもしれないヨーロッパの風景



昨日は朝から欧州委員会の本部ビルに隣接する
Charlemagne Conference Centerの中でほとんど缶詰め状態でした。ちなみに上の写真が欧州委員会の本部ビル(ベルレモン(Batiment Berlaymont))で、下の写真がその目の前にあるCharlemagne Conference Center



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時から始まったICT関連の会議に出席しつつ、その合間を縫って各種プロジェクトのミーティングやら欧州委員会の人達との打ち合わせ等、気が付いてみたら19時回ってた。それでもチョコレートだけは外に食べに行きましたけどね。それがコレ:



その辺にあったカフェに入って適当に選んだんだけど、これがビックリする程美味しかった。普通のチョコレートケーキなのですがチョコの甘みが程良く抑えてあって、スッキリした上品なお味。そして驚いたのがコレ:



ケーキの中にチョコクッキーの粒が入ってて、スポンジのふんわり感とクッキーのパリパリ感が不思議なハーモニーを醸し出している。料理記者歴3年の僕もちょっとビックリの「大変おいしゅうございます!」。ものの30分程度のカフェ滞在だったけど、ブリュッセルのチョコ文化の奥深さを垣間見た気がしましたね。



さてここからが今日の本題です。今回の会議のオープニングのキースピーチを担当したのは、スペイン人とフランス人、そして司会者(国籍不明)など総勢6名だったのですが、スペイン人とフランス人はどうやら英語が苦手らしく、それぞれスペイン語とフランス語でスピーチをしていました。こんな事が出来ちゃうのも、EUが誇る複数言語同時通訳を可能とするこの翻訳ブースがあるからなんですね。



会議場を取り巻くように、ズラーっと並んだボックスの中では各国語のエキスパート達が必死に同時通訳を試みています。



そして電光掲示板には何語が何番のチャンネルで聞けるかの案内が表示され、それに従い各テーブルに備え付けられているコントローラに番号を入力すると、ヘッドホンから通訳が流れてくるという仕組みになっています。

で、今日、タマタマかもしれないけど、僕の前後左右10人くらいの人達が1時間半のキースピーチ中、一回もヘッドホンに手を触れていませんでした。これはつまり、彼らは最低でも英語、フランス語そしてスペイン語が理解出来るトリリンガルだと言う事を意味しているんですね。

単一言語話者が大多数を占める島国、日本で育った我々から見たらコレは物凄い事の様に思われるかもしれませんが、実は複数語を話すという事はヨーロッパではそんなに珍しい事ではありません。ヨーロッパは陸続きなので人の移動が激しい分、気が付いたら自分の隣に全く違う言語を話す人が居たなんて事はごく普通の日常風景です。小さい頃からそんな環境で育っているから、多文化や多言語への敷居が低く、自然と何ヶ国語も話せるようになっちゃったと、まあ、こんな訳です。

そんな「一人で翻訳君」みたいなヨーロッパ人なのですが、実は最近、ちらほらと日本人の中にも数ヶ国語を話す人が出て来ている様な感じを受けています。つまり日本人トリリンガルなのですが、その担い手は誰なのか?というと、何の事は無い、日本人留学生の皆さんやヨーロッパ各地で地元密着で仕事をされている人達です。

「そんなの昔からいたじゃないか!」って思われるかもしれませんが、昔と今とでは明らかに違う点が一つあります。それはコチラに来る人の絶対量です。グローバリゼーションなどの影響で海外旅行が当たり前になり、それにつれてヨーロッパ留学の敷居が下がった事により、こちらに来る人がここ10年程で激増した事は間違いありません(その理由はコチラ:地中海ブログ:スペイン留学について)。

では一体そのような人達が何故トリリンガルになっているのか?というと、理由は簡単で、英語ベースでは無い地域で生きている人達は、フランス語やスペイン語など地元の言葉を習得するのは当然として、その地で生きていく為には英語を理解する事までも要求されるからです。多分このような人達というのは、普段は地元の言葉(フランス語やスペイン語)で生活しているんだけど、必要に応じて英語も使い分けているという人が多いのでは?と思われます。ただ、この場合の「英語が操れる」というのは、何も完璧に喋れたり聞けたりする訳では全く無くて、パーティーで雑談が出来るとか、興味のあるカンファレンスに行って理解出来るとか、その程度。言語というのはコミュニケーションの道具なので、通じれば良いんですね。多くの日本人が勘違いしているように、完璧に喋る必要なんて全くありません。だからこのような人達の事をトリリンガルというとちょっと言い過ぎかもしれないので、ここでは「なんちゃってトリリンガル」と呼ぶ事にします。

ここからは僕の勝手な妄想なんだけど、このような「なんちゃってトリリンガル」が多く集まっている最初のグループは、おそらく今30代前後の人達、つまり1975年前後生まれの人達だと思われます。そしてこれらの人達がビジネスや研究所などをリードしていける立場になる10年後、きっとヨーロッパと日本の関係というのは変わっているんじゃないのかな?少なくとも今日の欧州会議で見たような風景、数ヶ国語のスピーチを翻訳機無しで理解出来る人達の中に、日本人の姿が多数見られる日はそう遠く無いような気がします。

「言語が出来れば何か変わるのか?」と言われれば、それは分かりません。変わるかもしれないし、何も変わらないかもしれない。そしてこれは先日話題になったベーシック・インカムの様な根本的な社会システムの変革という大げさな話ではありません。今ヨーロッパの各地で現在進行形で起こっているリアルな話なんですね。我々はそのような現実を踏まえた上で未来を語る時期に差し掛かっているのでは?と思う訳です。

そう考えると現実に即したちょっとは明るい未来予想図が描けるんじゃないでしょうか?
| 仕事 | 21:34 | comments(4) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
マドリッド出張:スペイン高速鉄道(AVE)、ファーストクラス初体験
今日は朝からマドリッドに出張でした。何時ものようにバルセロナ−サンツ駅からスペインの高速鉄道(AVE)に乗って行って来たのですが、今回の旅はいつもとはちょっと様子が違いました。何とファーストクラスに乗っちゃったんですね!人生初のファーストクラスです。

まあ、僕みたいな青二才がファーストクラスに乗れる理由なんて、重要人物のお供と相場が決まっているのですが、今回は交通計画の世界的権威Jさんのお供でした。何てったってJさんは3年前に日本に出張した際、JALのファーストクラスに座ったというツワモノ。そりゃAVEだってファーストだわな。そしてよく僕の分までチケットを取ってくれました、秘書のEちゃん。冬休みがあまりに楽しくて、仕事始めの日にパソコンのパスワード忘れて半日大騒動した事はチャラにしてあげます(笑)。

さて、スペインの高速鉄道(AVE)には3つの座席クラスがあります。普通席(Turista)、ビジネス(Preferencia)そしてクラブ(Club)と呼ばれるファーストクラスです。そしてこれが本邦初公開、スペイン高速鉄道のファーストクラスの激写映像です:



先ずビジネスと比べても席が非常にゆったりと造られていますね。元々AVEは普通席であっても座席に余裕を持たせて造られているのですが、ファーストクラスはかなりくつろぐ事が出来ます。



ビジネス以上になると電源供給が各座席に付いているので、座席でパソコンを広げて作業している人が多いのですが、ファーストクラスの場合はビジネスに比べて更に机が広いのでマウスを使ってもなお余裕があるゆったりさ。コレは快適だー!
サービスとしては、新聞や雑誌、お手拭、ジュース/アルコール類の飲み放題と結構豪華な朝食(昼食)などなど。ちなみにコチラが朝食:




前菜の100%オレンジジュース



スクランブルエッグとクロワッサン、ヨーグルトなど。



そして食後のカフェ。



お土産にRENFEのロゴが入ったバックまでくれちゃうサービス振り。更に6座席に一人くらいの割合で添乗員さんが付いてて、何から何まで希望通りの事をしてくれちゃうという、王様気分を味わう事が出来ます。

行き帰りと、そんな王様気分を味わったのですが、今日一番の収穫は、Jさんと普段は絶対しない様な話が出来た事ですね。こんなに優秀で偉い人でも、いや、こんなに偉い人だからこそ、こんなに人間的なんだなー、と思っちゃいました。彼から学ぶべき事はまだまだ山程ある事を再確認した一日でした。
| 仕事 | 22:31 | comments(4) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
天国に一番近い展望台:上海環球金融中心から見る上海の夜景
昨夜は軽いディナーの後(珍しく、そして今回の上海訪問では唯一!)少しだけ時間があったので「これはチャンス!」とばかりに、必死に「地球の歩き方」をめくる事、約20分、驚愕の事実に気が付いてしまいました。夜22時過ぎに開いてる観光スポットなんてバーとかクラブくらいしか無いじゃないですか!!!当然か(悲)。それでも必死に見つけ出したのが、世界一高い展望台から見る夜景という事で2008年に新しくオープンした上海環球金融中心。



ここしか無いし「ま、いっか」という事で早速行ってきました。今回出かけた上海環球金融中心は高さ492メートル!設計はKPFです。外観は四角形が上に行くに従って平ぺったくなり、栓抜きのような形になるという大変斬新なフォルムをしています。



ランドマークとしてはナカナカ優れたデザインだと思いますね。建物の機能としては、低層階には金融センターやオフィスなどが入り、79階から93階には5つ星のパークハイアット上海ホテルが、94階以上が展望台やバーになっているという事です。

入場券は何故か3つ程オプションがあって、94階(100元)、97階(110元)、100階(150元)となっています。「なんで分かれているのかなー?」とか疑問に思いつつも、取り合えず100階までの券を購入。すると、ちょっと面白いパンフレットがくっついてきました。それは世界中の高層ビルの高さがビジュアルと共に示された資料です。こんな感じで:

−Taipei 101(509メートル:台湾)
−上海環球金融中心(492メートル:上海)
−Oriental Pearl Television Tower(468メートル:上海)
−Petronas Tower(452メートル:クアラルンプール)
−Sears Tower(442メートル:シカゴ)
・・・


これをWikiにある「超高層建築物」の背の高い順リストと共に並べてみます:

1位:ブルジュ・ドバイ(818メートル:ドバイ)
2位:Taipei 101(509メートル:台湾)
3位:上海環球金融中心(492メートル:上海)
4位:環球貿易広場(490メートル:香港)
5位:Petronas Tower(452メートル:クアラルンプール)
・・・


すると面白い事が分かると思います。
うまい事、上海が際立つように情報がアレンジされていますね(笑)。ただ、上のパンフレットには「世界の高さ順位表」とは書いて無かったので、全くの情報操作と言う訳では無い事は事実です。そしてもっと面白い事に、この競争が国家間ではなくて、都市間で行われているという事ですね。つまりフランス対中国ではなくて、パリ対上海と言った様な。昔は頑強で巨大な建築は国家や権力を表象してきたものだったけど、今の時代、そのような高いビルは都市のイメージを創出する事や「宣伝」に使われているんですね。これぞ「広告としての建築」。

さて、展望台訪問の為のチケットを買うと、先ずは地下へと通される事になります。そこで迎えてくれるのが、何と岩井俊雄さんの「天空に向かって!(Reach the Sky!)」と名付けられたアート作品です。コレにはちょっと驚きました。説明文によると、

「世界一の高さを誇る上海環球金融中心展望台の施設内には、さまざまなテクノロジーを駆使したメディアアートによって天空に向かうイメージを表現する、展望台としては例のない世界初の楽しい仕掛けが施されています。」

とあります。先ずココで「世界一の高さを誇る上海環球金融中心展望台」とさりげなく書かれている所に注目!高さではドバイに圧倒的に負けるけど、展望台としては世界一という事らしいです。モノは言いようだよなー。まるでバルセロナのピカソ美術館みたい。圧倒的なコレクション数を誇るパリのピカソ美術館には絶対勝てないバルセロナが打ち出した戦略が、「ピカソになる前のピカソ(青の時代)を展示する美術館」。コレは上手い!良くやったバルセロナ!!!

さて岩井俊雄さんのアート作品がコチラ:



Sky Scopeと名付けられたこの作品は、天井に取り付けられた円盤の内部に映像が映し出され、ストロボの光が当てられる事によって、とっても不思議で美しい映像が実現されています。これは面白い!



エレベーター内にも仕掛けがあって、地下一階から95階までわずか66秒で到達する、その高速感を音や光で楽しく演出してくれます(作品名はLight Speed Elevator)。



そしてようやく今日の目的地、97階展望台、スカイウォークに到着です。



ここの展望台はガラス面がファサードに対してちょっと内側に付いているので、真下の風景が見えないようになっています。あー、ココで100階の展望室と差別化している訳ね。という事で、1分も滞在しない内に世界一高いと言われる100階の展望台へ。その風景がコチラ:



ナカナカのものです。特に隣に聳え立つ、高さ420メートルという金茂大夏88層観光丁の姿が大変印象的でした。

昔、ルイスカーンが言っていた言葉を思い出します:

「暗い空間には、そこがどれだけ暗いかを示す為の十分な光が必要だ」(確かこんな感じ)

ビルも一緒で、このビルが本当に高いかどうかを示す為には、隣に十分な高さのビルがあるのも悪くないかな?と思いました。



まあ夜景っていうのは、人の心を簡単に動かす事が出来るんですけれども、それは何故か?と言うと、「非日常」を簡単に作り出す事が出来るからなんですね。僕達の目はお日様の陽が指す方向、つまり上から下へという光の方向性とそれが作り出す影などに慣れてしまってますから、夜間照明などのように、下から上へと伸びる光などを見せられると、簡単に非日常へと旅立ってしまいます。そんな感じで夜景に酔ったまま94階へと降りていったら、僕の酔いは一気に醒まさせられました。



お土産グッズコーナー。気持ち良くなった所で記念品を買わせようという魂胆か!更にホテルに帰ろうと思い1階へと降りていこうとしたら、出口は地下一階だという。そこは何とレストラン街!



お洒落なバーとかもある。むむむ・・・なるほど!人の心を夜景で奪っておいて、その勢いで出費させようというわけか!ナカナカしたたかなマーケティング法ですね。
| 仕事 | 17:03 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
海外を訪問するという事:中国らしさとは何か?日本人とは一体どういう事か?
今回の上海訪問は僕にとって初めてのアジア諸国訪問(日本を除く)という事もあって、否が応にも、日本とは何か?そしてスペインとは何か?という事を考えさせられる訪問となっています。今日は日程に組み込まれていた「豫園エリア」をみんなと一緒に訪れたのですが、それを見るにつけ、つくずく自分は日本人なんだなー、とか思ってしまいました。

このエリアの中心は何と言っても「豫園」です。



江南古典庭園の名園と称される豫園が着工されたのは今からおよそ450年前の1559年の事だそうです。それから何世紀にも渡り創り続けられ、今のような形になったのが1961年の事だと言いますから、まあ、何とも気の長い話です。



お庭の造り方とか塔の分散配置のされ方とか、言いたい事は山程あるけど、先ず「パッ」っと目に飛び込んでくるのが、「屋根の作られ方」と、それによる「空の切り取られ方」ですね。



操り人形の手足のごとく、さも空から紐で吊られているかのように、屋根の先端が天へと向かって吊り上げられています。



幾つもの先端が「これでもか!」というくらいの勢いで空を目指していますね。





ミラノ旅行の時に見たミラノ大聖堂が丁度こんな感じで、大屋根に取り付けられた何十体という聖人様達が天に突き刺さるかのように表現されていたのを思い出します(地中海ブログ:ミラノ(Milano)旅行その2:ミラノのドゥオーモ(Duomo di Milano):文化の多様性をゴシック建築の多様性に見る)

しかしながら、僕の感覚からすると、このような中国のお寺の空の切り取り方には正直あまり心を動かされませんでした。何故かと言うと、僕にしたら、この吊り上げられ方はちょっときつ過ぎる気がしたからです。それよりも、やはり、日本のお寺のように、最後の所で、わずかに反り上がっているだけの方がよっぽど趣味が良いように僕には思われます。







だから例えば、槙さんがやられた東京体育館の絶妙なカーブとか、曲線の交わり方、それらが織り成すシルエットなどに大変心を動かされたりする訳ですよ(地中海ブログ:リカルド・ボフィール(Ricardo Bofill)の新バルセロナ空港(T1)とリチャード・ロジャース(Richard Rogers)のマドリッド・バラハス国際空港(Aeropuerto de Madrid-Barajas):やっぱりロジャースは巨匠だった!その1、地中海ブログ:エンリック・ミラージェス(Enric Miralles)の建築その3:バラニャ市民会館(Centro Civico de Hostalets de Balenya)に見る建築の質:実際に建築を訪れる事の大切さ)

ココなんです!

何故僕は中国の屋根の反り方ではなく、日本の屋根の反り方に共感するのか?もしくは「僕の感覚にピッタリ合っている」と体全体の細胞が反応するのか?というと、それはひとえに僕が日本人であり、日本文化の中で育った為、僕の体の隅々まで日本の感覚に支配されている、と、まあ、そういう単純な事実だと思うんですね。逆に、このような微妙な感覚の所で「心を動かされる/動かされない」という事を感じる時、自分のアイデンティティを再確認させられる気がします。

間違えてはいけないのは、ココで僕は両文化の比較を主観的に、自分の感覚に「合う・合わない」の話をしているんであって、「良い・悪い」の軸で話しているのでは無いと言う事です。そもそも文化に優劣なんて無くって、優劣があるのは文明の方なのですから。つまり文化は「好き・嫌い」という軸で、文明は「良い・悪い」という軸で評価出来るという基本的な事なんですけれども。

さて、豫園について「地球の歩き方」を見ていたら面白い記述を見つけました。

「豫園を中心としたエリアは、上海の中で最も中国的な所。・・・」P94 地球の歩き方、上海09−10

むむむ・・・確かに豫園はその建築様式などから「伝統的な中国」が感じられる所ではあるけれども、現代の中国を表しているか?と言われるとかなり疑問です。(何時も「地球の歩き方」には散々お世話になってるのに、ちょっと意地悪過ぎるか?ちなみに数日前、Twitter上で「スペインに8年程住んでますが「地球の歩き方」は今でもとっても役に立ちます」とつぶやいたら、日本在住の皆さんにとても驚かれ、ちょっとした議論に発展しました。欧州在住の皆さん、実際どうなのでしょうか?)

今の中国らしさというのは、例えば、19世紀後半から20世紀前半にかけて建てられた重厚な石造建築群(外灘エリア)がリノベーションされて、外観は必要最小限の変化に留めながらも、中はお洒落なバーや高級ブランド店(アルマーニなど)になっていたりする一方で、そのすぐ裏手には違法コピーのブランドバックを売っているお店がひしめいていたり、貧しい人達が、ブランド品のバックを抱えて店から出てくる観光客に物乞いをしていたり、安い賃金で働く労働者が交通の危険にさらされながら仕事をしていたりと、そういう激しい2極化が隣同士で共存している所にこそ、今の中国の空気みたいなのが感じられると思う訳ですよ。







もしくは下の写真なんて、ものすごく中国政府のやりたい事を表象している様に思われます。



ブランド品の広告によって、向こう側にある「汚い風景」を隠しつつ、その又向こう側に聳え立つ「桃源郷としてのビジネスセンターというイメージ」を売り出すという戦略。



豫園エリアについて言えば、何百年も続く豫園に寄り添う形で、観光客を呼び込む為だけに昔の町並みを再現してしまう所(出来てしまう所)、そして小籠包など中国の伝統料理のファーストフード店と同列にMのマークの超有名&超高級レストラン(笑)が軒を連ねている所など見るに付け、現代中国だ!と思う訳です。



ちなみに日本のマクドナルド社長である原田さんの奥さんは、昔僕が大ファンだった谷村有美さんです(全くどうでも良いマメ知識)。



そして、このような「都市の遺産」が21世紀の基幹産業である観光と完璧に結び付いた姿こそ、我々の都市の未来風景なのかも知れません。(コレマタ全く関係ないけど、こういう先っぽがとんがったお城とか、小さな赤いちょうちんが並んでいる風景とか見てると、思わず「ス、スイカ頭―!!!ドッカーン(爆発)」とか思い出しませんか?(今、Youtubeで動画探そうとしたんだけど、中国(もしくは僕のホテル)じゃあYoutube使えないの忘れてた!これはとっても中国っぽい!)
| 仕事 | 17:32 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
今日から出張で上海に行きます
今日から出張で上海に行きます。
中国に行くのはこれが初めて。というか、日本以外のアジア諸国を訪れるのも、今回が初めての体験です。

今回の目的は某プロジェクトの為に上海の市当局と上海大学にアプローチする事。なんと言っても上海は来年、上海万博を控えていますし、今や世界は中国を中心に回り始めていると言っても過言では無いですからね。という訳で(何でか知らないけど)僕が送り込まれたという訳。

上海に行くに当たり、上海事情を良く知る交通シュミレーションの世界的権威Jさんと話をしていたのですが、彼曰く、交通計画などを行うに当たって、上海は大変面白いシステムを採用しているとの事。

ヨーロッパで都市計画や交通計画を創る際、最も強いリーダーシップを発揮するのは市当局です。何をするにも市当局が「うん」と言わない事には何も始まりません。だから、私企業やコンサル会社などが何かしらの計画を作りたい時には、躍起になって市当局にアプローチしてパートナーなどに加えようとするんですね。名付けて「市当局取り込み合戦の始まり始まり!」みたいな。

反対に上海では市当局の上に、都市計画と交通に関する、アカデミック(大学)と強い結び付きを持った「何らかのインスティトゥーション」が存在し、どんな計画をするに際しても彼らにお伺いを立てないといけないのだとか。だから下から上がってきた計画に最終的な「ゴーサイン」を出すのがアカデミックに染まった人達なので、必然的にヘンテコな計画などは淘汰される事になるんだそうです。

実際、このシステムがどの程度上手くいっているのか?という詳細は不明なのですが、面白いシステムではありますよね。勿論、アカデミック世界にはアカデミックならではの問題があるんだろうけど、市当局の力が断然強いヨーロッパのシステムに慣れてしまった僕の目には大変新鮮に映ります。今回の訪問でその辺の詳細などにも踏み込めたらと思っています。

タダ、今回の訪問、1週間前の予定では、かなりゆったりとした日程で、3日間くらい市内観光や近隣諸都市にも行けるかなー?とか思ってたら、3日ぐらい前から雲行きが段々怪しくなってきて、今手元にある予定表では、ちょっと驚く程の過密スケジュールに!観光とか全くしてる余裕無い予感150%!!!

まあ、とにかく行ってきます。
| 仕事 | 16:12 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加