地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
2010年、今年最初のブリュッセル出張その1:アクセッシビリティ評価 
とあるEU関連の会議の為に今日の午後からブリュッセルに来ています。何だかんだ言ってブリュッセルには結構頻繁に来てる気がするんだけど、まあ、それもこれも欧州委員会の本部があるので当然と言えば当然なんですけどね。で、何時も来る前に気になるのがブリュッセルのお天気。昨日の夜、天気予報とか見てたら最高気温5度とかなっていたので、「雪だるまの如く」に厚着してきたのに、来てみたら思った程でも無い。先週のバルセロナの方が寒かったくらいです。

さて、今日は今まで書こう書こうと思っててナカナカ書けなかった話題を書こうと思います。それはズバリ、ブリュッセルの都市アクセッシビリティ評価についてです。このアクセッシビリティ評価は、ヨーロッパの都市を訪れたら先ずは一番最初に書くべきエントリになっているのですが、何故ブリュッセルに限ってこのエントリを書くのが遅れたのか?実は・・・忘れてました(笑)。というのも結構頻繁に来てるので、てっきりもう書いたものだとばかり思ってて、今日初めて未だ書いてない事に気が付いちゃったと言う訳です。ブリュッセルの皆さん、ゴメンなさい!



と言う訳で、気を取り直して行こうと思うのですが、ここが超国際都市ブリュッセルが誇るブリュッセル空港(Brussels Airport)(些細な事ですが、空港に自分の都市名を付けてる空港って珍しいですよね。フランクフルトのフランクフルト空港くらいか)。デザインとしては、シリンダー状のガラスチューブが「スコーン」と真っ直ぐに貫いている大変分かり易いデザインになっています



両サイドをガラスで覆う事によって、光が十分に空間を満たし、透明度の高い大変気持ちの良い空間になっていますね。



この空港から市内へはバスやタクシーなど幾通りかの行き方があるようなのですが、今回は電車を選びました。乗車口は到着ロビーの目の前に階下に降りるエスカレータがあり、降りた直ぐの所に市内行きの電車が待っています。



エアポート・シティ・エクスプレスという名前の列車なのですが、15分おきに運行しているようです(平日527027分)。これはナカナカの頻度だと言えると思いますね。そしてチケットの値段は市内なら一律5.05ユーロでした。ちなみにスキポール空港ーアムステルダム間が4ユーロで、フィウミチーノ空港(Fiumicino)−ローマ間が12ユーロである事を考えると、これもそれなりに安い部類に入りますね。さて、電車の外観はそれ程綺麗では無いのですが、内部はそれなりに清潔に保たれています。



この電車はブリュッセル市内の3つの駅、北駅(Gare du Nord)、中央駅(Gare Centrale)、南駅(Gare du Midi)にそれぞれ順番に停まるようなのですが、最初の北駅には20分で到着。そして中央駅には25分で到着しました。スキポールーアムステルダム間が20分、フィウミチーノ−ローマ間が30分だった事を考えると、時間的にはマズマズか。

タダ一つ、気になる事が。何時もブリュッセルの電車に乗っていて思う事なのですが、多分この都市では、電車の信号コントロールがあまり上手く機能していないのでは?という感じを受けます。だから電車が駅と駅の間で立ち往生したりノロノロ運転する事なんてザラ。もしこれら数回のストップが無く、それなりのスピードで走っていたとしたら、余裕で15分圏内で市内に入る事が出来るでしょうね。しかも、かなり頻繁に停まるので、せっかちな僕なんかはすごくイライラしてしまう。「早く走れよ、本気で!」とか思っちゃう。

多分これって些細な事なんだろうけど、そういう積み重ねが人の心に「都市のイメージ」として残り、その都市で感じる「生活の質」の評価に影響してくるのではと思います。そいういう意味で言うと、このような信号トラブルはブリュッセルにとって明らかに減点要因になっていると思います。
| 旅行記:都市 | 23:39 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
新年明けましておめでとうございます:2010年1月1日パリにて
2009年最後の夜はエッフェル塔での打ち上げ花火を見る為に、トロカデロ広場(Trocadero)に行ってきました。予想した通り、すごい人の波!一体何処からこんなに人が沸いてくるんだ!と思う程の混雑振りでした。このパリの人込みは去年のローマは勿論、2年前のロンドンの人込みをも凌ぐ程じゃないのかな?もう地下鉄からすごい人で、全く身動きがとれない様な状況。「うーん、もう、みんな、あっちいけ!」みたいな(笑)。こうなったらもう闘いですね、本当に。
そうこうしている内に、どこからともなくカウントダウンの声が・・・
54321Happy New Year!!!盛大な花火と共に至る所で爆竹やら打ち上げ花火の嵐、嵐、嵐。そしてそこら中で恋人、友達、誰それ構わず、明けましてオメデトウのペソ(ほっぺにキス)。さっきまで陣地取りでいがみ合ってた隣近所も、あら不思議、一緒に新年を祝う者同士へと変貌しています。そして続いてシャンパンの洪水。去年は隣にいた若者集団に思いっきりシャンパンをかけられ、頭やコートなどがベトベトになってかなり気持ちの悪い思いをしたので、今年はなるだけシャンパンを持っていなさそうな人達の間へと潜り込んだのが功を奏し、あまり被害にあわずに済みました。
帰りはシャンゼリゼ通りのイルミネーションを見て帰ってきたのですが、こちらの夜景も素晴らしかった。


「生きているって素晴らしいな」と思う瞬間です。そしてこんな時、このような風景が、ふと自分の人生について、思いを巡らせてくれたりもするんですね。

人生って多分、上がったり下がったりの連続で、良い時もあれば悪い時もある。勢いに乗っている時は世界が輝き、何をしても上手く行く気がするし、逆に悪い時は何をやっても上手く行かない気がする。そして誰の人生の中にも、多かれ少なかれ、そのような「乗りに乗っている時」というのが存在すると思います。そして僕にとっての「その時」は正に「今である」と感じています。

僕は今、人生の中で最も充実し、一番楽しい時の中にいる気がしています。勿論失敗は沢山あり、無茶苦茶落ち込む事もあるけれど、それらを吹き飛ばすくらいの気力があり、何より毎日が輝いている。目の前にある困難に立ち向かうのが楽しいし、「努力して出来ない事は何も無い」、そんな気さえしてくる程です。

でも、ふと振り返ると、去年の今頃も同じ様な事を言っていた気がするんですね。そして今年の今は、去年の今頃に比べて何倍も人生が充実しています。だから来年の今頃は、きっと、もっと面白い事が待っている、そんな予感で一杯です。

地中海ブログも今年で4年目を迎えました。今年も僕の独断と偏見で勝手な事を思い切り書いていこうと思っています。そんな僕の我侭なブログですが、昨年同様、引き続きご愛読頂ければ幸いです。当ブログの読者の皆さんにとっても素敵な年になりますように。そして今年もヨロシクお願い致します。

| 旅行記:都市 | 01:13 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
アクセッシビリティ評価:上海のリニア・モーターカー(通称MAGLEV・上海磁浮快速列車)
前回のエントリでお知らせした様に、先日から上海に来ています。中国に初めて来た印象として、「やはり中国、乗りに乗ってるなー!」と肌で感じています。そんな印象を抱いたのは空港に降り立った瞬間からでした。空港から市内へ向かう為に、噂に名高いリニア・モーターカー(通称MAGLEV、中国語では「上海磁浮快速列車」と言うそうです)に乗ったのですが、コレがちょっとすごかった。さすがに中国が国を挙げて「世界最速」と自慢するだけの事はある。

リニア・モーターカーの改札口は空港の国際線搭乗口を出た所から先ずはエスカレーターで2階へと上がり、標識に従って進む事5分程で到着します。表示は中国語で「磁浮車站(Magnetic Levitation Train)」と書かれています。「磁(石)が浮(く)車」なので、なんとなく分かりますよね。



料金は片道50元(5ユーロくらい?)。安い!上の写真がリニアの改札口なのですが、当然の如く荷物チャックがあります。その後、ホームがある1階へと降り、しばし待っていると、お待ちかねのリニア・モーターカーの登場です。



それにしても高速鉄道は、どうしてどれも(日本の新幹線やスペインのAVE)白色ベースなんだろう?やはり白色は「ピュア」で「速い」というイメージを喚起するからなのだろうか?



室内はこんな感じ。ナカナカ清潔に保たれています。そして僕が注目したのがココ:



スピード表示計です。時速430キロを(商業的に)世界で初めて達成したというのを一つの売りにしているだけあって、それをお客さんに自覚させたいという気合が十分伝わってきますね。ある商品に対して、何(何処)を「売り」にしたいか?によって、このように売り手の意図がハッキリと見えるのは大変興味深い。そんな事を考えていたら、アレヨ、アレヨという間に動き始めました。上に浮いた感じは全く無く、「え、いつ浮いたの?」って思ったのですが、そんな事はお構い無しにドンドン加速していきます。時速20キロ、60キロ、130キロ、280キロ、390キロ・・・・



そして、来ました!脅威の430キロ!!!
なんか、ゴクウがナッパとやった時のベジータのスカウター並み。「戦闘力、1200、4500、6000、8000!バーン(爆発)」みたいな。(今、Youtubeで画像探そうとしたらYoutube表示されず。コレが噂に聞く、中国のネット規制か???しかもTwitterも駄目っぽい)
コレは強い、イヤイヤ、速い、確かに速い!!!しかも揺れや騒音はほとんど無し!すごい。ただ、何かの拍子にどっかにぶつかったり、オペレーションのミスで、あっちからもう一台電車が来て、正面衝突とかしたら、150%死ぬなとは思いました(笑)。しかも張り切って一番前の車両の前から3番目に座ったので(冷汗)。

このリニア・モーターカーは空港と市内を約8分で結んでいるそうなのですが、僕はココにこそ、今の中国の勢いみたいなのを感じてしまいましたね。

何故か?

何故なら彼らは「都市の効率性」を、ヨーロッパが目指しているような「計画やロジスティックスを洗練される事」で達成するのではなく、「強引な力技」で成し遂げようとしている様に見えるからです(見えるだけかも)。

先ず、空港−市内間が8分というのは、アクセッシビリティ評価軸から言って最上級の部類に入ります。世界ナンバーワンのアクセッシビリティを誇るフランクフルトですら15分ですから、それを7分も上回る事になるんですね。とは言っても、コレは正当な比較では無いのかも知れません。というのも上海の場合はフランクフルトのように、街の中心地区に着くわけでは無いので。リニアが着くのは龍陽路駅という地下鉄2号線が乗り入れている駅で、中心街にはその地下鉄に乗って更に10分程行く事となります。

しかしですね、見るべきなのはその走行距離です。上海の空港―市内間は80キロ離れています。80キロ離れているという事は、バスだと1時間、普通の電車(200キロ)だとしたら、約20分かかる訳ですよ。それを上海は「技術の力」で無理やり半分以下に縮めてしまった・・・ココです!この力技が出来てしまう所こそ、今の中国の力なんですね。

ヨーロッパの国々なら、これらを計画の力によって解決しようとするはずです。例えば、空港をなるべく近くに創るとか、信号制御のリズムなどによって、状況を改善するとか言った感じで。しかしですね、中国には何か、そういう基準とは全く違う力学が働いている様な感じがする。例えば、何か新しい技術などがあったら、それを必要なだけ無理やり作ってしまうと言う様な。そしてそれが実現出来てしまう力がある。

初日の瞬間から中国の力を見せ付けられてしまいました。
| 旅行記:都市 | 17:09 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
世界遺産 キンデルダイクその2:世界にも未だ、こんな風景が残されてたんだ!と思わせてくれた古き良きヨーロッパの典型的なイメージ
世界遺産 キンデルダイク(Kinderdijk)その1:行き方の続きです。

バスを降り、目の前の道を少し歩くと、圧巻の風景が目の前に現れます。それがコレ:



19基の風車が織り成す、「この世にこんな風景が未だ残されていたのか!!!」と思ってしまう程、衝撃的な風景。



本当に美しい風景。何と言えば良いのか・・・そう、正に僕達が漫画の中で見た、古き良き典型的なヨーロッパの田舎の風景とでも言おうか・・・。



僕達の世界観というのは、色々なメディアによって形作られ、その作られたイメージは、現実の風景とは異なる事がしばしばなのですが、我々日本人がヨーロッパの田舎を思い浮かべる時、必ずと言って良い程出てくるのが、この写真にあるような、沢山の風車が草原の中でゆっくりと回っている風景だと思います。ココには、僕達のイメージの中にしか存在しなかったと思われた「夢のような風景」が存在します。更にこんなサービスまでしている模様:



レトロな車でちょっと散歩みたいな。



前回書いたように、3月から10月までの間、これら風車の内の一つが内部公開されています(3.5ユーロ)。



近寄って見ると良く分かるのですが、風車って手作りなんですよね。羽根の部分なんて、骨組みが木で、船の帆のように布が張ってある。そしてゆっくり回っているように見えて、実はすごく早い!触れたら怪我するくらいの勢いで回ってます。



中はこんな感じ。室内の大部分は羽根を回す為の機械で占められているんだけど、その間を縫う様にして、人が住むスペースが確保されています。





オランダの歴史って、ある意味「水と空間の闘い」みたいな所があると思うんだけど、この風車は正にそんなオランダ事情を象徴しているかのようです。



一通り風車内部を見た後、再び幻想の世界へと歩き始めたのですが、ココで一つ気が付いた事がありました。何か、風車に人が住んでいる気配がする。写真が小さくて判りにくいかもしれませんが、窓には置物やカーテンなどが敷かれ、犬や自転車なども置いてあります。「コレはもしや」と思い、先程のチケット売りのおばさんに質問した所、やはり各風車には今でも人が住み着いていると言う事でした。そのおばさんによると、風車というのは、ある程度使わないと駄目になってしまうものらしく、メンテナンスなども含めて、手入れをしてくれる人を募集し、住んでもらっているそうです。

「え、そんな人いるの?」と思ってしまいますが、どうやら風車マニアみたいな人が存在すると言う事です。更に、風車の手入れをするという約束の下、住んでくれる人には、風車財団から特別手当(主に破格の値段で住まわしてくれるらしい)が出るそうです。へェー、なる程ね。まあ、それくらい努力しないと、この風景は維持出来ないと言う事でしょうね。

それにしても、夢の中にいるような時間でした。
| 旅行記:都市 | 00:28 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
世界遺産 キンデルダイク(Kinderdijk)その1:行き方
オランダが誇る世界遺産の一つ、キンデルダイクに行ってきました。



ロッテルダムの郊外に位置するこの町には、約270年前に作られた19基の風車が残っています。風車がトレードマークのオランダと言えども、コレだけの数の風車が残っているのはキンデルダイクだけだそうです。更に3月から10月の間、この風車の内の一つが見学出来、中の様子や風車の回る仕組みなどを実際に見る事が出来るという特典付き。「コレは行くしか無い!」と言う訳で、ロッテルダム中心街から電車とバスを乗り継いで行ってきました。

実際訪れた感想などは次回に回すとして、今日は行き方編です(結構簡単)。

先ず、ロッテルダム中央駅から地下鉄でZuidplein駅まで行きます。この駅で電車を降り、90番のバスに乗り換えるのですが、バス停は駅構内を2階下へ下がった所(地上階)にあります。



バスが止まる停留所にはバス番号によってアルファベットが付けられているのですが、90番のバスはVの印の付いた停留所に停まります(2009年9月現在)。



キンデルダイク行きのバスは結構頻繁に出ているらしく、時刻表を見た所、1時間に2本程度ある模様。どうやら毎時、01−04分頃と30−34分頃にある見たいです(時刻によって、01分とか04分とか異なります. 2009年9月現在の情報です。特別な行事(クリスマスや復活祭)などは、この通りでは無い様なので、事前にお問い合わされる事をお薦めします)。

バスのチケットは乗る時に運転手さんから購入します(3.5ユーロ)。この時、運転手さんに「キンデルダイクに行きたい」と一言伝えておき、もし可能ならば、運転手さんの見える所に座ると良いと思います。概してオランダのバス運転手さんは大変親切っぽいので、町に着いたら「ここで降りなさい」と教えてくれます。



降りる駅はキンデルダイクなのですが、バス停にはMolenkadeとだけ書いてあります。多分、Molenkade Kinderdijkだと思うのですが、長いので最初の部分だけ書いたのでしょうね。

もう一つ注意したい事は、キンデルダイクに着く2−3個前の停留所から幾つかの風車が佇んでいる風景が見え始めるので、焦ってバスを降りてしまう人がいる様です。しかし、キンデルダイク以外のバス停から風車が建っている所へ行くのは大変に困難っぽいので、我慢してキンデルダイクまで行く事をお勧めします。実際、僕が乗っていたバスに、日本人と見られる女の子数人のグループが居たのですが、彼女達は風車が見え始めたのでキンデルダイクに着いたと勘違いをしてバスを降りてしまいました。その後、間違えて降りてしまった彼女達を見て、運転手さんが慌てて走って彼女達を呼び戻し、次の次の駅であるキンデルダイクまで乗せていってあげるという、実に感動的な場面(笑)に出くわしました。スペインでは絶対に有り得ませんね。

さて、帰りのバスなのですが、コチラも1時間に1本程運行している模様です。



出発時刻は毎時、11−14分頃出発となり、深夜まである模様です。(クドイほど書きますが、これは2009年9月現在の情報で、必ずしもこの通りだとは限りません)。あと、トイレ情報なのですが、バス停前に観光客用のお店とレストランがあります。その先にはカフェがありました。この観光客用のお店の地下に有料(0.5ユーロ)ですがトイレがあります。

降りる駅さえ間違えなければ、比較的簡単に行けて、心洗われる風景を見る事が出来ます。すごくお勧めです。

世界遺産 キンデルダイクその2:世界にも未だ、こんな風景が残されてたんだ!と思わせてくれた古き良きヨーロッパの典型的なイメージに続く。
| 旅行記:都市 | 21:54 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
オランダ旅行その1:スキポール空港(Schiphol)アクセッシビリティ評価
今週水曜日から、仕事+観光でオランダに来ています。今回の予定は、初日、ロッテルダムで、とある計画の打ち合わせがあり、更に来週頭からブルッセルでEU関連の重要な会議に出席しなければならないので、どうせならと思い、仕事で挟まれた頭とお尻の間の4日程、休みを取ったと言う訳です。

「えー、この間、一ヶ月の夏休みが終わったばっかじゃ無いの?又休み???」とか思ったそこの人、そんな事言わなーい。全くその通りです(笑)。これこそヨーロッパの醍醐味!と言う訳で、仕事も終わった今日から数日間、オランダをじっくりと堪能しようと思います。

オランダ旅行記第一回目の今日は、恒例のアクセッシビリティ評価から行ってみたいと思います。

オランダが誇る空港は言わずと知れた、アムステルダム・スキポール空港(Schiphol Airport)。毎年のように空港ランキングの上位にランクインし、世界一使いやすい空港という評判をしばしば耳にするほどです。

さて、飛行機を降り空港内を歩いていると、こんなモノたちが売っていました。



チューリップ。しかも一杯ある!!!さすがオランダ。いきなり玄関口からオランダ色全開ですね。空港内を歩いてて思ったのですが、この空港、ちょっと作りが面白いですね。例えばココとか:



空港内に街路空間っぽいのを作ってる。光が燦燦と降り注ぐ路地みたいな。そしてびっくりしたのがコレ:



空港のチェックインカウンターの真ん前に電車の入り口がある!コレはすごい。今まで僕が見た中でチェックインカウンターと電車の入り口が一番近かったのは、中部国際空港だったと思うけど、真ん前というのは見た事がありません。コレは何を意味するかというと、電車を降り、究極の早さでチェックインする事が出来ると言う事を意味するんですね。

更に、電車の本数もちょっとすごい。空港とアムステルダム中央駅(Amsterdam Central Station)を結ぶ電車が10分に一本の割合で出ています。つまり1時間に6本。



あのSuper Functional City、フランクフルトでさえ、12に一本だったのに・・・。更に更に、値段は4ユーロ、所要時間は20分です。

フランクフルトが空港から市内まで15分程度だったのを考えると、20分はちょっと落ちるかな?と思うのですが、フランクフルトの場合は、飛行機出口から地下鉄まで結構距離があるので、10-15分は歩かなければいけません。つまりそれだけ時間ロスをするのですが、スキポール空港の場合は、出た所直ぐ前にあるので、電車乗り口まで迷う事無く、時間ロスは最小限に抑えられるものと思われます。

この空港はちょっとすごい。さすが「世界一機能的」と言われるだけの事はある。感動すら覚えました。
| 旅行記:都市 | 23:55 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ローマ(Roma)旅行2008その4:サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)その3:ヴァチカン(Vatican)が表象してしまう現代社会の変化:規律訓練型社会から環境管理型社会へ
前回の続きでヴァチカン関連です。小雨が降る中、すごーい長い列に並んでいたおかげで、サン・ピエトロ広場のデザインをじっくりと見る事が出来たんですが、そこで気が付いた事が一つ。





聖人達が並んでいる下に広場を囲む様にして監視カメラが付いているんですね。聖人様3人に付きカメラ1台が付いている事から、その数ざっと50台。コレだけの数のカメラが全て広場を向いているんだから、何処で何をしていたって直ぐに分かってしまいます。更に寺院に入る前は空港と同じ様にセキュリティチェックがあります。



これらは、まあ、テロ対策なのでしょうが、同時に「我々の社会の根本的な変化の表象とも読めるなー」とか思って見ていました。その変化とは、東浩紀さんがよく言われている「規律訓練型社会から環境管理型社会への移行」という変化です。

昔は社会全体にある一定の価値観みたいなものが共有されていました。「こんな事をしてはいけない」とか、「こんな事は恥ずかしい」みたいな事ですね。そしてそれらを暗黙の内に強制させていたのは地域社会の目だったわけです。
「こんな事をしたらどっかで誰かが見ているかもしれないからしない」。
それをモデル化したのが、有名なフーコーのパノプティコンだったわけですね。

このモデルに沿ってサン・ピエトロ広場でなされるであろう、近代的ママとその子供達の会話はこんな感じ:

近代的ママ:「ボウヤ、悪い事しちゃダメよ。何時でも何処でもああやって、聖人様が見てるんだから。もし悪さなんかしたら、聖人様が悪魔を送ってきて、ボウヤを地獄に連れて行っちゃうんだから。」

近代的子供:「(ブルブルと震えながら)僕、絶対悪い事しないよ。地獄行くのイヤだもん!」

この広場に所狭しと並んでいる聖人様達は信者の皆さんを何時でも何処でも守ってくださると同時に、「悪い事をしないように監視する役割」も果たしていたんですね。つまり聖人様が見ているかもしれないので悪さはやめようという、各々の中で「規律」が働いていた訳です。この広場の彫像は正にその事を表象しているモデルでもあった訳です。

しかしですね、我々の社会は多様になりました。我々は隣に住んでいる人ですら、一体どういう人なのか?何をしているのか?何を考えているのか?知る由もありません。地縁を共有する近隣と言えども、各々信じるものも違えば生活様式も異なるからです。

昔は「向こう三軒両隣」の言葉通り、近隣住区は信頼で結ばれる関係でした。町内にはどんな人が住んでいて、何をしていて何を考えているか?が共有されていた社会だったんですね。しかしそんな近隣社会は姿を消し去りました。そのような絆や信頼が姿を消した事により社会には不安や疑惑が渦巻き、それらが又新たなる不安を呼ぶ・・・という「不安のスパイラル」へと陥る事となりました。

しかしそれでも僕等は都市に集まって住まなければなりません。そうしないと経済的に不効率だからです。生活する為には水道や電気などの生活インフラが要ります。多分、今の世の中(悲しい事ながら)人が未だに集まって住んでいるのはその程度の理由によると思います。

隣の人は人殺しかもしれない、テロリストかも知れない、しかしそれでも一緒に住まわざるを得ない。それをかろうじて可能にしているのが監視カメラな訳です。はっきり言って監視カメラや最近流行の子供誘拐防止用GPSなんて何の役にも立たないのですが、人々に精神的安定を与えるには十分な機器のようです。

サン・ピエトロ広場の聖人の下に備え付けられた監視カメラは僕にはこのような変化、聖人様の目=規律訓練型から監視カメラ=環境管理型への変化をものすごく表象しているように見えました。

追記:環境管理型社会については長くなるので書きませんでした。もうちょっと知りたい人は下記のエントリを見てください。
地中海ブログ:ウィーン旅行その9:シェーンブルン宮殿(Schloss Schonbrunn)のオーディオガイドに見る最も進んだ観光システム/無意識下による人の流れのコントロール
| 旅行記:都市 | 20:37 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ローマ(Roma)旅行2008その2:サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)その1:プロジェクトの壮大さの後ろに見える人の影
カトリックの総本山、サン・ピエトロ大聖堂(Basilica di San Pietro)へ行ってきました。最寄の駅、オッタヴィアーノ駅(Ottaviano)で降りて歩いてアプローチしたのですが、地下鉄構内からもうすごい人。しかも半分くらいがアジア人。更に駅と大聖堂の丁度真ん中、リソルジメント広場(Pla del Risorgimento)に着いてビックリ。なんかものすごい行列ができてる・・・



なんの騒ぎだ?とか思ったら、どうやら今日はヴァティカン博物館(Musei Vaticani)が無料の日らしい。(毎月最終日曜日は無料だそうです。)更に今日は朝から雨がパラついているので、みんな「街歩きには不向き」と見て一日屋内で楽しめる博物館に来たと見える。それにしても、この行列はすごい。



結局サン・ピエトロ広場(Plaza S.Pietro)の手前まで続いていました。

まあ、人の事は置いておいて「サン・ピエトロ大聖堂を楽しむぞー」と気合を入れて広場に乗り込むも、これ又ビックリ。



こちらも並んでるじゃないですか!しかも広場の楕円に沿って綺麗に時計の針の40分くらいの所まで人の列が出来てるし・・・。「まあ、しょうがないか」と諦めて列に並ぶも予想に反し意外と早く進んで、結局15分も経たない内に中に入る事が出来ました。マンモスラッキーでした。

さて、サン・ピエトロ大聖堂は世界中で約9億人の信者を有する泣く子も黙るカトリックの総本山です。そこに蓄積されている物と財、そして歴史は相当なモノで、それは天才、ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)による広場を見るだけでも明らかなんですね。

しかしそんなすさまじいまでの規模と質であっても、それらを創り出したのが人間だという事実は変わりありません。僕にとってはそれがものすごく興味深い。どんな事をするにも、それが例え国を動かすような大きなビジネスであったりプロジェクトであったりしたとしても、それらを決定して動かすのは最終的には人なんですね。

最近仕事をしていてそういう当たり前の事がようやく分かってきつつある所だったので、バチカンの人間離れした業の数々を見ていて、ふと、そんな事を考えてしまいました。
| 旅行記:都市 | 08:03 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ウィーン旅行その9:シェーンブルン宮殿(Schloss Schonbrunn)のオーディオガイドに見る最も進んだ観光システム/無意識下による人の流れのコントロール
ウィーンが誇る世界遺産、シェーンブルン宮殿と庭園に行ってきました。宮殿の部屋数は1441室、庭園の総面積が約1,7km2というとてつもない広さのこの宮殿は、今やウィーンで最も人を集める観光名所となっています。と言う訳で何時行っても人、人、人。人の波が絶える事がありません。そうすると必然的にそれらの人をどう捌くか?という事が問題になってくると思うのですが、ココでは今まで見た事が無いような画期的な手段を導入していました。

それがコレ;



オーディオガイドです。なーんだ、オーディオガイドかー、なんて思った貴方、ちょっと早とちりしすぎです。今や何処でも見かける観光用オーディオガイドなんですが、ウィーンは少しの知恵と工夫をする事によって観光客の動きをコントロールする画期的な手法を考案したんですね。

先ず宮殿で長蛇の列に並びチケットを購入します。その後エントランスでチケットを自動読み取り機にかざし通過します。



この自動読み取り機も今やどの都市でも当たり前になってきましたが、各施設のエントランスで共通チケットを管理する事によって観光客が何処から来て何処へ行くのか?という足取りが簡単に分かるようになってきましたね。

さて、エントランスをくぐった先でオーディオガイドを渡されます。英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、日本語など、主要言語に対応したオーディオガイドの使用料は無料。と言う訳でほとんどの観光客がそれを受け取る事になります。但し注意書きがあって、一度再生すると巻き戻しは出来ないらしい。つまり先に進む事は出来るけど後に戻る事は出来ないんですね。

「ふーん」とか思いながらイザ中へ。警護の間から始まって皇帝やお姫様が実際に住んでいた豪華絢爛な部屋部屋を次々に見て回ります。オーディオガイドによる説明も手伝って理解が進み、各部屋約2−3分と言った所でしょうか。

かなりリズミカルに部屋を回っている丁度その時だったでしょうか、ある事に気が付きました。

あれ、隣にいる女の子、入り口からずっと一緒だよな。

とか思って回りを見渡してみると、ほとんど全員が入り口から見た顔ばかりだったんですね。少し前の部屋に居たり、後ろの部屋に居たりといった多少のズレはあるけれどほぼ皆一緒に動いています。

ここで気が付いてしまったのです、シェーンブルン宮殿が行っている大変恐ろしい陰謀に。我々は歩いているのでは無く、歩かされていると言う事に。それに一役買っているのが例のオーディオガイドだったんですね。

オーディオガイドに吹き込まれている各部屋の案内は全て同じです。それを聞きながら各部屋を回るので各部屋や宮殿に滞在する時間も皆ほぼ同じになるというわけです。更に巻き戻しが出来なくなっている為に、ワザワザ今来た部屋をもう一度見ようという人はあまり居ないはず。

これは巧い!僕達は知らず知らずのうちに、つまり自分の意思で動いているつもりが無意識の内に何者かによってコントロールされている訳なんですね。これはマクドナルドの椅子を硬くしたりBGMを強烈にする事によって、客に自ら席を立たせ、回転を早めるという戦略を取っている事を暴いた、ジョージ・リッツア(George Ritzer)マクドナルド化する社会(The McDonaldization Thesis: Explorations and Extensions)ローレンス・レッシグ(Lawrence Lessig)CODE(Code and Other Laws of Cyberspace)東浩紀の環境型権力などの最も進んだ形なのでは無いでしょうか。

更に巧いのが、このオーディオ・ガイドを分配する戦略です。無料。数ヶ月前にクリス・アンダーソン(Chris Anderson)によるFreeという本が出版されて、最近の成功したネットのビジネスモデルを論じていたけれど、それをリアル世界に持ってきた感じですね。つまりGoogleが検索を無料で提供する代わりに検索結果に広告を貼り付け、それで稼いでいるのとほぼ同じ発想と言う訳。

無料でオーディオガイドを貸し出す事によって、宮殿内の人の動きを管理し、一定以上の滞在時間を防いでいる。最も重要な事はココを訪れた観光客がコントロールされていると感じていない事です。無意識下のコントロールによって、彼らは自分の意思で動いていると思わされている。

危うく僕もはまる所でした。それくらい洗練されたシステムだと言えると思います。
| 旅行記:都市 | 22:43 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
ウィーン旅行(Vienna / Wien)その6:ウィーンの食べ歩き方
スティーブン・ホールの建築を見終わり、お腹も空いてきた、と言う事で街中へ。何処か美味しそうなレストランは無いかなー?とか思って歩く事10分。教会のまん前に何やら黒板が立て掛けてありメニューが書いてある。



ココで良いやと思い店に入る事にしたのですが、地下ワイン貯蔵庫の迷路のように、「次こっち」サインがあって、道路からどんどんと中庭へと導かれて行きます。



そして辿り着いた所がココ。外の喧騒からは想像も出来ないような静かな中庭が広がっていて、テーブルクロスがセットされています。聞こえるのは噴水の奏でる水のハーモニーだけ。席についてメニューを渡されるもドイツ語表記だけだったので全く分からず。しょうがないからウェイターにお薦めを聞くと、「うちのシェフはコイ料理が専門だからコイのフライ(Karpfenfilet 14,20 euro)がお薦め」と言う事でそれをオーダーしました。で、出てきたのがコレ:



コイ専門というだけあって味は絶妙。しかも自家製のタルタルソースがこれまた美味しい。



付け合せは酢とオリーブオイルで味付けしてあるジャガイモと菜っ葉。ちょっと重たいフライを食べる口直しには丁度良い付け合せです。



これだけでお腹一杯でデザートまで食べられず会計を頼むと、ちょっとしたお土産が出てきました。自家製のミカンのマーマレード。空間といい、味といい、もてなしといい、今回の旅行ではナンバーワンのレストランですね。

ちなみにレストランの名前は
Schwillinsky
住所は
Rudolfstrasse 1, 3550 Langenlois
電話番号
02734 32302





行き方はランゲンロイスの中心広場から見える教会の高い塔に向かって3分程歩きます。





教会に辿り着いたら進行方向に向かって斜め前が目指すレストランです。上述した様に、中庭へ辿り着くには黒板が立掛けてある横の入り口を進むと目指すレストランに到着します。

ウィーンで行ったレストランでもう一店だけ紹介したいお店があります。それがココ。

プラフッタ(Plachutta)
住所:Wollzeile 38
電話:512-15-77

地球の歩き方を始め色々なメディアで紹介されているのが、この店の名物料理であるターフェルシュピッツ(Tafelspitz)。簡単に言うとボイルド・ビーフですね。と言う訳で早速オーダーしました。待つ事20分、出てきたのがコレ:





鍋の中に様々な野菜と肉が入っていて最初にスープを取り分けてくれます。このスープが美味しい!こんなにコクのあるスープはマルセイユ(Marseille)で食べたブイヤベース(bouillabaisse)以来じゃないかというくらいの美味しさ。中に入っている野菜もかなり煮込んであって柔らかく肉の旨味と交じり合って絶妙な味に仕上がっています。



スープを飲み終わったらメインである肉を取り分けてくれます。



この肉をリンゴソースとワサビソースを付けて食べるのですが、コレがムチャクチャ美味しい!!
肉の柔らかい事。ナイフで触れただけで「スー」っと切れ目が入っていく。肉自体に旨味がある為にソース無しでもかなり楽しめますが、ソースを付けると又違った世界が広がります。
料金は食後のコーヒーとテーブル料込みで37ユーロ。ちょっと高めですが大満足の夜でした。
| 旅行記:都市 | 21:01 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加