地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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バルベリーニ宮:国立古典絵画館(Palazzo Barberini: Galleria Nazionale d’Arte Antica in Palazzo Barberini):バルベリーニ家とミツバチの紋章とか、フォルナリーナ(La Fornarina)とか、その2
前回からの続きです。
フォルナリーナ(La Fornarina)があるバルベリーニ宮はバロック建築の3大巨匠、マデルノ(Carlo Maderno)、ベルニーニ(Gian Lorenzo Bernini)そしてボッロミーニ(Francesco Borromini)が設計に携わった事でも有名なんですね。といわけで、イザ!





斜めからのアプローチ。正面ファサードや螺旋階段などナカナカ見所の多い建築ですね。特にロの字型の中庭形式が一般的だった当時において、コノ建物は前面に庭を持つH型平面をしています。バロックの始まりを暗示するかのような、そんな魅力的な建築です。その一方で、僕の気を強く引いたのが実はコレ:



ハチです。



「ブン、ブン、ブン、ハチが飛ぶ」、との如くにコノ建物の至る所はハチの彫刻で埋め尽くされています。



ハチ、ハチ、ハチ。何処もかしこもハチ。ハチ屋敷か!ココは!!!



どうやらバルベリーニ家のシンボル(家紋)がミツバチだと言う事です。なーんだ、そういう事か、とか思ってネットでちょっと探したら面白い論文を見つけました。

ベルニーニの《バルダッキーノ》に関する一考察 ―バルベリーニのミツバチと台座の小モチーフ― 成城大学 佐藤 仁

この論文によると、以前書いたヴァチカン宮殿にあるベルニーニ作のバルダッキーノには、バルベリーニ家のプロパガンダ的要素が見られるとか。何故かと言うと、ベルニーニにバルダッキーノを作らせたのはウルバヌス8世で実はこの人、バルベリーニ家出身だったらしいのです。だからバルダッキーノの至る所にはバルベリーニ家のニオイがするものが紛れ込ませてあるとか。フムフムとか思って、ローマ旅行の写真を見返してみると、ありました:



確かにココにもハチがいた!しかもバルベリーニ家の紋章とそっくりだ!更に面白い事に、このミツバチのデザインには当時の最新技術、ガリレオの顕微鏡研究の成果が反映されているとか。だからバルダッキーノに採用されたミツバチのデザインはバルベリーニ家の紋章のミツバチよりも細部が詳しく描写されているんですって。ヘェーヘェーヘェー。

残念ながら、旅行中はそんな事あまり気にしていなかったので、バルダッキーノのミツバチ拡大写真はありませんが、バルベリーニのハチの方は気にしまくっていたので、ミツバチ撮りまくりました。タマタマ中庭の奥の方を歩いていたら、使われなくなった昔の紋章が放置されていたので、ここぞとばかりに撮った写真がコレ:





更に更に、旅行写真を見返してみたら、こんなの発見しました:



コレはヴァチカン博物館内、地図の間(Galleria delle Carte geografiche)の間の出口だと思うのですが、こんな所にもミツバチが!

建築っていうのは元々、広告要素を含んでいる表象文化です。昔なら教会の大きさがその信仰の偉大さを、最近ではビルの高さがその企業の資本力を表しているという様に。(最近の経済危機で、自動車産業が不況に喘ぐ中、クライスラーの経営悪化を伝えるニュースに、本社ビルが会社全体を表象するものとして映し出されていた事は記憶に新しい所です。)

そんな広告が本領を発揮するのは「コレだ!コレだ!」と主張する広告ではなく、人々の無意識下に密かに働きかける広告なんですね。(ちなみに僕らの時代の最大の広告が都市計画である事は以前書いた通りです。)そう考えると、ヴァチカン宮殿を訪れていた際、何の意味かも知らずにミツバチをバチバチ撮っていた僕は、まんまとバルベリーニ家の広告にはまっていた訳だ!ヤラレタなー(笑)。
| 旅行記:美術 | 23:42 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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