地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ウィーン旅行(Vienna / Wien)その5:スティーブン・ホール(Steven Holl)の建築:ロイジウム(LOISIUM Kellerwelt):内部空間にて思う事
前々々回のエントリ、ウィーン旅行(Vienna / Wien)その2:スティーブン・ホール(Steven Holl)の建築:ロイジウム(LOISIUM Kellerwelt):行き方

前々回のエントリ、ウィーン旅行(Vienna / Wien)その3:スティーブン・ホール(Steven Holl)の建築:ロイジウム(LOISIUM Kellerwelt):ファサードに見る建築デザインの本質

そして前回のエントリ、ウィーン旅行(Vienna / Wien)その4:スティーブン・ホール(Steven Holl)の建築:ロイジウム(LOISIUM Kellerwelt):歴史的遺構という物語空間に接続された現代建築の続きです。

スティーブン・ホールという建築家が「光」を彼の建築の主要テーマにしている事は明らかだと思うのですが、この建築を訪れると彼の実験の跡が如実に伺えます。彼は様々な形の窓を通して入ってくる光とコンクリートなどの具体的な材料で物質化されている形態との間の対話を楽しんでいるかのように思われるんですね。例えばココ。



緑のプレートが嵌められた2段の窓から入ってくる光に対して、手前側の壁がコの字形に切り取られている。まるで窓から入ってくる光のボリュームに押されながら切り取られたかのように。



もっとはっきりと対話が見られるのが上記の部分。細長くシャープに切り取られた天窓から入ってくる光と、それに呼応するかのように長細くデザインされたコンクリートの塊(階段部分)が非常に対比的です。あたかも外では拡散している太陽の光が壁に空けられた開口によって細長い形に制御され、正にその事によって光にボリュームが与えられ、更にその光が物質に変化したとでも言いたいがかのように。



これらの部分を下から見るとこんな感じになります。





このような「光を捕まえる」工夫は至る所に見られて、例えば手すりについているガラスにランダムに穴を開ける事によって光の粒を捕らえる試みがなされています。

さて、これまで4回に渡ってスティーブン・ホールの建築について好き勝手に語ってきましたが、ざっと見返してみて、「ホントに好き勝手言ってるよなー」と改めて実感しました(笑)。何時もの事なんですけどね。「こんな意見もある」というぐらいに思って頂ければ幸いです。

まあ、世の中には様々な人が居て、一つのモノに対する見方だって人それぞれ。つまりそこには「合っているとか間違っている」とかいう正解・不正解は無いと思うんですよね。だって、一つの事柄に対して皆が皆、同じ意見を持っていたり、持たなければいけないとしたら、そんな世の中とってもつまらないと思いませんか?

くどい程繰り返したいと思いますが、人間は千差万別であり何処に感動するかも千差万別です。だから僕らの社会は多様であり、多様な人々が集まって多様な社会を構成しているからこそ、世の中豊かで楽しいんだと思います。

スカルパの建築に対して勝手な解釈したり、パラディオの建築を訪れて好き勝手な事書いたりしてて、多分、歴史家の人達から見れば、「こいつは何ていい加減な事を言っているんだ」とか思われているかも知れませんが、それで良いと思っています。

やはり僕は今まで生きてきた自分の感覚を信じたい。勿論、歴史的事実は受け入れるとして、でもその一方で僕は自分の中に自分だけの評価軸を創りたい。僕はスーパーわがままなので、人に言われた事に「ハイハイ」と従う事は出来ない性格です。だから自分で納得行くまで調べたいし感じたい。大事なのはそういう問題提起や「感動出来る事」を自分で発見する事であり、その発見を如何にして「人生の肥やし」としていくか、自分の体験として蓄積していくかという事だと思っています。

そういう生身の体験こそ、インターネット万能社会におけるグーグルにすら検索出来ない情報であり、ネットの「あちら側」にどんどん蓄積されていく無限の情報の波の中において、限りなく価値が出てくる情報だと思うんですね。だからこそ、僕は今、途方も無い時間とお金、そして労力をかけてヨーロッパに身をおいているわけです。今している体験の蓄積が、きっと僕にとって、社会にとって、そして日本にとって役に立つ日がくる事を信じて。

あー、なんか真面目に書きすぎた。バナナ食べて寝よ。
| 旅行記:建築 | 06:04 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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