地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ウィーン旅行(Vienna / Wien)その2:スティーブン・ホール(Steven Holl)の建築:ロイジウム(LOISIUM Kellerwelt):行き方
ウィーン(Vienna / Wien)とその周辺にはどうしても見たかった建築が幾つかあったのですが、その一つがスティーブン・ホール(Steven Holl)によるワイン博物館のロイジウム・ビジター・センター(LOISIUM Kellerwelt)です。



スティーブン・ホールの建築は幸運にも今までに2つ訪れる事が出来ました。一つはアムステルダム(Amsterdam)にあるサルファティ・ ストラートのオフィス(Sarphatistraat, 1996-2000)。



5年程前にアムステルダムを訪れた際、偶然前を通りかかりレストランかと思って入った建物がこのオフィスだったんですね。最近流行りのスター建築家にデザインさせたビュッフェ式のレストランだとばかり思い込んで普通に食べてましたが、食事を終えて出て行く時に「どうやらココは社員食堂らしい」という事に気が付きました。(さっきネットで知ったのですが、どうやら最近は関係者以外立ち入り禁止みたいですね。当時はお金を払えば誰でも食べられる様子でした。)

その時まで、はっきり言ってスティーブン・ホールには全く興味がありませんでした。元々このオフィスだって訪れるつもりでは無かったし。彼については一応、1997年にエー・アンド・ユーから出版された「知覚の問題ー建築の現象学(Questions of Perception, Phenomenology of Architecture)」という小冊子を読んでいたのですが、「また、頭でっかちの理論ガチガチタイプが出てきたな」というのが僕のホールに対する印象だったんですね。

しかしですね、そんな印象は実際に彼の建物を訪れる事によって大きく変わる事となりました。



入った瞬間に感じる、ある種の建築だけが持つ空間の質。とにかく光が素晴らしかった。大小様々な大きさの窓から入ってくる光のハーモニーとでも言うのでしょうか。ここで見たものはそれまでに体験した事の無かった類の空間だったんですね。



白で統一された内部と、窓を通してちらりと見える外部を覆っているあの緑色のパンチングメタルの見事な組み合わせ。少し間違えれば確実に悪趣味に陥るような派手な緑が、ココでは全く正反対にさわやかな感じすら醸し出していたんですね。これこそデザイン力の賜物!しかも夜になるとその大小様々な窓から漏れる色とりどりの光が、まるでこの建築を宝石箱のように輝かせていました。



そんな思いを抱きながら仕事で2年前に訪れたヘルシンキ(Helsinki)にて、彼の手掛けたヘルシンキ現代美術館を見て、これまたビックリ。



「彼は派手な事を大雑把にやるような見せ掛けの建築家では無くて、派手に見えるその建築の裏には非常に丁寧で洗練された溢れんばかりのデザインセンスが光っている建築家である」という、その思いは確信に変わりました。



この建築では特に「スパッ」と切られた断面のデザインとそれらの線が織り成す「空の切り取り方」が非常に素晴らしい。この辺りの事については以前のエントリ、モスラの断面勝負:Steven Holl (スティーブン・ホール): キアズマ (フィンランド現代美術館)で詳しく書きました。

そんな体験をしているものだから、小さいとは言えどもホールの作品は是非見たいと思った次第なんですね。

さて、先ずは何時ものように「建築の歩き方」から。

今回訪れた建築はウィーン市内ではなくて電車を乗り継いで1時間15分くらいの所に位置する小さな町、ランゲンロイス(Langenlois)にあります。この町はオーストリアで最もワイナリーの集まる町であり、オーストリアを代表する葡萄品種、グリューナー・フェルトリーナ(Gruner Veltliner)の産地でもあるそうです。という訳で、この町の売りは当然ワイン。ワイン以外は取り立てて何も無いので、ワインへの力の入れ様は相当なものです。それは、こんな小さな町が一つの建物を建てる為にわざわざアメリカからスティーブン・ホールのような大物を呼んだ事にも見て取れますよね。

さて、ウィーン市内から先ずは地下鉄に乗ってフランツ・ヨーゼフ駅(Wien Franz-Josefs-Bahnhof)まで行きます。そこからクレムス(Krems a.d. Donau)行きの列車に乗ってハーデァスドルフ駅(Hadersdorf am Kamp)で下り、そこでホルン(Horn)行きのローカル線に乗り換えてランゲンロイス駅(Langenlois)で降ります。乗換えを考慮して時刻表を見ると、どうやら一時間に一本程度はあるようです。(下記に2008年9月現在の時刻表の一部を転載しておきます。突然の変更等が予想されますので、必ず出発前に鉄道会社のホームページ等でご確認ください。)

行き:
フランツ・ヨーゼフ駅発:6:51: 7:51: 8:25: 9:51: 10:51; 11:51

ハーデァスドルフ駅着 :7:54: 8:47: 9:25: 10:46: 11:46: 12:46

ハーデァスドルフ駅発 :7:57: 8:51: 9:51: 11:14: 11:51: 13:14

ランゲンロイス駅着  :8:04: 9:00: 10:00: 11:21: 12:00: 13:21

帰り:
ランゲンロイス駅発  :12:59: 14:59: 15:59: 16:59: 18:00: 19:00

ハーデァスドルフ駅着 :13:05: 15:05: 16:05: 17:05: 18:06: 19:06

ハーデァスドルフ駅発 :13:11: 15:11: 16:08: 17:09: 18:11: 19:11:

フランツ・ヨーゼフ駅着:14:04: 16:04: 17:04: 18:04: 19:04: 20:04

料金は片道約12ユーロでした。電車は2階建てのトイレ付き。かなり大きな列車であまり乗客はおらず自由に席が選べました。揺れ、騒音共に少なく極めて快適な列車の旅が体験出来ます。

最初に下りる駅、ハーデァスドルフ駅(Hadersdorf am Kamp)は本当に小さな駅で注意していないと通り過ぎてしまいます。オーストリア鉄道はかなり時間に正確なので、あらかじめ到着時刻を確認しておいて、自分が下りる駅かどうか?を見極めるのが良いかもしれません。



これが最初に下りるハーデァスドルフ駅(Hadersdorf am Kamp)の風景です。はっきり言って何にもありません。目の前に止まっている2両編成の小さな列車が次に乗る各駅停車のホルン(Horn)行きです。

発車時間近くになったら運転手が列車に乗り込むので一応本当にホルン行きでランゲンロイスに止まるかどうか聞いてみましょう。この小さな列車に揺られること約10分、目的地のランゲンロイスに到着します。



ハーデァスドルフ駅からは2つ目です。一つ目の駅(Gobeisburg)は止まる電車と止まらない電車があるようなので注意してください。



さて、電車を下りて線路を渡り駅を出ると正面に「ロイジウム(LOISIUM)こっち」みたいな看板があります。



それに従って道を真っ直ぐ行きます。



するとその道の突き当たりに又同じ様な看板があり今度は左に曲がるように支持があります。

このようにロイジウム・ビジター・センターに到着するまで案内表示があるので、先ず道に迷う事は無いと思います。ちなみに駅から到着までに曲がる道の数は6つで、2つ目と3つ目の間の緩いカーブを描いている道路の左手には下記のようなキリストの像があります。



更に最後の曲がり角の前には下記のような黄色い建物が見えるはずです。



駅から目的地までの所用時間は約10分です。もし迷ったら歩いている人に道を聞いてみましょう。オーストリア人は基本的に親切な人が多くて、聞けば真摯に答えてくれます。

さて、最後の曲がり角を曲がると下記のような風景が見えるはずです。



写真正面に見えるのはスティーブン・ホール設計のホテルで、左手方向に見えるのが目的のワイン博物館のロイジウム・ビジター・センター(LOISIUM Kellerwelt)です。

ウィーン旅行その2:スティーブン・ホールの建築:ファサードに見る建築デザインの本質に続く。
| 建築の歩き方 | 22:51 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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