地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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表象文化としてのバルセロナモデル
先日、フランクフルト旅行のエントリで緑の都市計画について書いたのですが、今日の新聞(La vanguardia)にちょっと面白い関連記事が載っていたので紹介します。

ヨーロッパ都市は何処もアーバニゼーションと自家用車の問題に悩まされているのですが、バルセロナも例外ではありません。バルセロナの場合は、一日に1,100,000台の車が郊外から市内に入ってきて、その内の93%が市内に駐車しようとする状況なんですね。

コレが大気汚染を初めとするあらゆる弊害を引き起こしている訳なんですけれども、市民にとって一番大きな問題は駐車上の問題です。市内は慢性的に駐車場不足に悩まされてきました。しかもその駐車場不足が郊外から来るよそ者の為にその地区に住んでいる人が被るのだからたまったものではない。

こんな状況を打破しようと交通局が始めたのが緑のエリア(Area Verde)キャンペーンです。市内各エリアに緑色に塗られたゾーンを一定数確保して、そのエリアにはそこに住んでいる住民しか駐車を認めないという優先駐車場です。

バルセロナ市役所のイニチアティブで、これが始まったのが2005年だったのですが、結果は大成功。住民は駐車場確保の心配をさほどする必要が無くなったし、郊外から来て駐車する人には料金が高めに設定されているので、自家用車使用抑制にもつながっています。

さて、今日の新聞によると、バルセロナ市が始めたこのシステムをお隣のタラゴナ市(Tarragona)が輸入しようとしているという事です。それ自体は何ら珍しい事ではないのですが、このシステムを現すのに使用されている単語が何を隠そう「バルセロナモデル(El modelo Barcelona)」。デカデカと「タラゴナが駐車場不足を解決する為にバルセロナモデルを採用したがっている (Tarragona quiere adaptar el modelo Barcelona para solucionar el deficit de plazas que afecta a los residentes)」と謳っています。

言うまでも無くこのような駐車場システムなんて今や何処の都市でもやっている事で別段バルセロナの発明というわけでもありません。

近年のバルセロナは何か成功した事例があるとすぐにモデルとして外に売り出す傾向が見受けられます。何故か?それは前回書いたように都市計画は都市にとっての最大の広告だからです。

もう一点気になったのは、システムのロゴマークに「緑」を多用し、名前にも「緑」が入っている事。



駐車場を示す枠は従来は白色で書かれていました。それが今や「緑」に変わりました。



これは前回書いた「中世の壁から緑の壁への変化」、ノッリの図におけるネガ・ポジに対応する「白黒から緑への変化」と同じ流れの中にいます。

都市計画、緑、サステイナビリティ、エコロジー、バルセロナモデル・・・これらは全て同じ軸線上に乗っかっている我々の時代の精神を映し出す「表象文化」だと言えると思います。
| バルセロナ都市計画 | 21:06 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
>cruasan,今晩は・・!都市の中で今頃、CO2の削減などと洞爺湖サミットでわが福田首相が議長で2050年まで50%削減らしい。私は生きているかどうか知りませんがガソリンが185円/l以上になりつつ、車の問題は都市の中で便利であり邪魔者扱いにもなります。ここ大阪梅田では時々、BLOGでコメントしているのですがコインパーキング全盛で商業ビルのテナントが満室にならず、経営することが困難になり解体され、大阪府はパーキング場に固定資産税の軽減(?)がなされているらしい。200円/25分、60円/10分、など北区のオフィス街の現状です。
景気は絞り気味で先が見えず、東京一極になり、大阪府の税収も増えず、商売はさっぱりですよー。年寄りのぼやきで御免なさい。
あつかましくも・・・・・
| mory's | 2008/07/26 2:00 AM |
mory'sさん、コメントありがとうございます。
車の問題は本当に複雑ですね。何故大問題かというと、車はCO2など問題を作り出しますが、その一方で都市の活力でもあるわけですよね。だから車を完全に無くす事は都市の経済をストップさせるに等しい。物事なんでもバランスが大事という事でしょうか。
| cruasan | 2008/07/28 2:30 AM |
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