地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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リスボン条約:アイルランド国民投票批准否決とEUプロジェクト
昨日(13日)アイルランド(Ireland)がリスボン条約批准を国民投票で否決したというニュースが飛び込んできました。リスボン条約とは27加盟国に拡大した為に沸き上がってきた諸問題を、EU意思決定手続きの効率化やEU大統領(EU理事会常任議長職)の創設など、既存の基本条約を改正する事によって解決しようとしたもので、2005年にフランスとオランダで国民投票により否決された欧州憲法条約の延長上に位置するEUの2度目の挑戦でした。

今日の新聞(La Vanguardia, 14 Junio 2008)によるとアイルランドの国民投票参加率は53,1%。その内、反対が53,4%、賛成が46,6%。条約の発効には加盟国全部の批准が必要な為、アイルランドの「NO」を受けてEUの機構改革はストップしてしまいました。アイルランドを除く26カ国は国民投票ではなく議会で承認する予定。何故かというと、2005年の苦い経験から政治的に確実に解決出来る議会を選んだんですね。既に18カ国が批准・批准承認を終えており、残る8カ国も速やかに承認する模様。何故アイルランドは国民投票をしたのか?というと、同国憲法規定で国民投票をしなければならなかったらしいです。

それにしてもこの批准否決でアイルランドはEU内でものすごく過酷な立場に立たされる事となってしまいました。元々ボロボロだった経済をEUへの参加をきっかけにして「ケルティック・タイガー(Celtic Tigre)」と呼ばれるまでの驚異的な成長を遂げ、世界で最も競争力の高い経済圏にまでなった今、その恩を忘れて今度はEUの敵に回るのかと。

今回の出来事は僕にとっても人事ではありません。何故なら僕が担当しているEUプロジェクトのプロジェクトリーダーは何を隠そうダブリン市(Dublín City Council)ダブリン工科大学(Dublin Institute of Technology)だからです。それに加えてダブリンを拠点とする多数の私企業やアイルランド政府とも一緒に苦楽を共にしています。更に偶然と言えば偶然なんだけれど、今月末にはユーロシティ会議(Eurocity)を含む、欧州委員会との直接ミーティングがバルセロナで予定されてもいるんですね。

欧州加盟各国から300人程の政治家や関連企業人を招きプロジェクトの進行状況を発表するその場では、ダブリンや僕達に逆風が吹くのは必死。もしくは反対に政治的には失敗したけど、プロジェクトレベル(草の根的)では協力して欧州の統合を進めよう、という方向に動くのか。どちらにしても、今月末にかけて忙しくなりそうです。
| EUプロジェクト | 18:43 | - | - | このエントリーをはてなブックマークに追加