地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)の建築:コロニア・グエル(Colonia Guell)その3:教会堂の内部空間とステンドグラス
前々回のエントリ、アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)の建築:コロニア・グエル(Colonia Guell)その1:行き方、そして前回のエントリ、アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)の建築:コロニア・グエル(Colonia Guell)その2:コロニア・グエルの形態と逆さ吊り構造模型、に続いて今回は内部空間の紹介です。

正面入り口前は2つのポーチで構成されています。一つは大きなポーチ、もう一つは階段を数段下がった所にある小ポーチです。







沢山の斜め柱とその間を繋ぐリブ、そして程よい高さに抑えられた天井とが相俟って、まるで包み込まれるよう。エドゥアルド・チリダ(Eduardo Chillida)が拳を丸めた、とても暖かいスケッチを残していますが、それを空間に表現すると正にこんな感じかな。



そしてこのリブのデザインなのですが、二つの面を多角的に組み合わせた絶妙なデザインになっています。



それを洗練させたのが、渡辺純さんが担当された幕張メッセ国際会議場2階の大ホール前のロビー空間の柱のデザイン。



形といい素材の選び方といい、「これでもか」というほど洗練されている。

教会堂前のこの空間でもう一つだけ言及したいのが、土色の柱や壁を背景として映えるモザイクです。





ガウディ建築には多彩色の紛糾タイルによるモザイクが使用されている事が一つの特徴となっていますが、コロニア・グエルにおける抑制されたモザイクの使用のされ方は、紛糾タイルとそれに伴う曲面が相乗効果をなして傑作を創り出しているグエル公園よりも個人的には好きですね。

そんな事を思いながらイザ中へ。と、その前に入り口に注意書きがあり、「教会内部写真撮影禁止」とある。ザンネーンと思っていた所へ、警備員のおじいさんがやってきて聞いてみた所、「写真撮影OK」との事。ありがとー。後日ネットでコロニア・グエル情報を探した所、こんな記事を発見。さすがスペインといわんばかりに、この辺は曖昧なんだなー。

という訳で、晴れて撮影許可も下りた事だしウキウキ気分で教会堂内部へ。

先ず第一に目に入るのが前回少し紹介した教会堂中央にある4本の内転び柱です。荒々しい自然石仕上げになっていて今見てもかなり新鮮。



上階へと続くはずだったと思われる作りかけの「未完の螺旋階段」はカタラン・ボールト(La bóveda catalana)独特の薄さと相俟って不思議な軽さを醸し出している。



祭壇にはジュジョール(Josep Maria Jujol)のデザインした天使が居ました。



背中の羽根がある事で大変躍動的な表現になっています。

空間的に巧いなと思ったのはこの部分:聖キリスト礼拝室です。



この部分は明らかに「他とは違う」という表現が散りばめられています。例えばこの柱。他の柱が教会の中心に向かって傾いているのに対して、ココの柱だけは反対側(外側)に向かって傾いている。柱を2本立てるだけという単純な操作によってこの部分が小さな空間として認識されるに至っている。その感覚をより促進するのが天井操作ですね。



この部分だけが、他の部分よりも天井高を低く抑えられる事によって、「特別感」を強調している。

思えばガウディという建築家も天井のデザインが非常に巧い建築家です。彼の天井デザインの一つの到達点がカサ・バトリョ(Casa Batllo)の階段室のデザイン。



建物全体としてはサン・ジョルディ(Sant Jordi)の伝説をモチーフにしているのですが、階段はドラゴンの尾びれが手すりとなって駆け上がっていくという物語を構成しています。注目すべきは手すりと天井の切り返しのデザインですね。

これを見た時に心に浮かんだのはシザです。当ブログで何度も言及しているように、シザの建築の特徴の一つを僕は天井のデザインに見出しています。興味深い事に、あるインタビューでシザは若い頃バルセロナに来てガウディに大変な影響を受けたと語っています。もしかしたら、若い頃のこのような体験が後の銀行の天井のデザインなどに昇華していったのかもしれませんね。

さて、このような様々な興味深い要素から構成されているコロニア・グエル教会堂内部なのですが、その中でも特に素晴らしいのがステンドグラスのデザインです。



大小様々なステンドグラスがデザインされ、数にして22個、その内20個がシンメトリーに配置されています。少し丸みを帯びたそのデザインは、マツボックリの断面のようでもあります。何処と無くロマネスクのような温かみを感じます。



こんなデザイン何処かで見たような気がするなー、と思っていたらエヴァンゲリオンの敵のデザインに似ている。宇宙に浮いてて爆弾を落としてくるヤツです。



よく知られているようにエヴァンゲリオンには様々なアート的要素が散りばめられている事から、コロニア・グエルのデザインを引用していたとしてもそれほど驚くべき事ではありませんけどね。

僕がこのステンドグラスをボーと見ていた時の事、例の親切な警備員のおじいさんがやってきて、「このステンドグラス、開くんだよ。見たい?」とか言われたので、即答「勿論」。という訳でこれが窓を開けた状態。



下側4分の1程がチェーンを引っ張る事によって開く仕組みになっているようです。

アントニ・ガウディ(Antoni Gaudi)の建築:コロニア・グエル(Colonia Guell)その3:プッチ・ボアーダ(Puig i Boada)とジョアン・マラガル(Joan Maragall):ガウディ新資料発見か!に続く。
| 建築 | 22:08 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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