地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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マドリッド旅行その4:ラペーニャ&エリアス・トーレス(Jose Antonio Martinez Lapena and Elias Torres)の建築その2:ソーラーパネル
今日は、前回トレドのエスカレータで紹介したバルセロナが世界に誇る建築家、ラペーニャ&エリアス・トーレス(Jose Antonio Martinez Lapena and Elias Torres)の建築第二弾です。

バルセロナで見なければならない建築は幾つかありますが、彼らがデザインした巨大ソーラーパネルもその内の一つ。Forum2004というUNESCO協賛のイベントの一環として再開発した一帯にはヘルツォーク(Herzog & de Meuron)の三角形会議場や地元建築家ジョセフ・ルイス・マテオ(José Luis Mateo)の会議場兼ホテルなど現代建築のオンパレードなのですが、その中でも抜群に成功しているのが、ラペーニャ&エリアス・トーレスのやったソーラーパネルです。それがコレ。



普通のソーラーパネルを4つの支点で支えただけ。ただそれだけ。ただそれだけの単純な造詣をちょっとしたアイデアによって「差異化」し、最上級建築デザインに仕立て上げてしまう所に感動してしまう。

彼らは何をやったかというと、ソーラーパネルの角度をちょっといじっただけなんですね。普通だと横から見てパネルが太陽に向かって45度くらいを向いているのに、このソーラーパネルはその方向にねじれを加えられている。



それだけの工夫で、「これでもか」というくらいのダイナミックなデザインを演出している。



更に4つの支点を大変注意深くデザインする事によって、あたかも重いソーラーパネルがものすごく軽く一点で支えられているような表現を達成している。

大変に静かなデザインです。静かなんだけど、その中に「動」があるとでも言うような。昔、誰かが(誰だか忘れましたが)「能」と「歌舞伎」の違いについて書かれていました。歌舞伎というのは毎回違う事をやって派手さで勝負する。逆に能というのは、毎回大筋は同じなんだけど、ホンの少し細部を変える事で勝負をする。

(今思ったんですけど、これってそのままヨーロッパ対日本の違いにも適応出来るんじゃないですかね?ヨーロッパという世界はアイデア勝負です。アイデアを一発出した人が偉くて、他の人の真似をするのは最低だと考えられている。(勿論全部が全部そうじゃありません)。一方、日本という国はアイデアをコピーして、それを果てしなく洗練する事に大変長けた民族だと言えると思います。いわゆる前者は歌舞伎タイプで後者が能タイプ。)

建築も一緒だと思います。そして一つのアイデアを洗練させて行き、普通の物を差異化する事によって劇的な変化をもたらし、芸術にまで高めているという意味において、この建築は正に「能」の建築だと思います。
| 建築 | 08:16 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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