地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペイン総選挙
明日、3月9日はスペイン総選挙の日です。前回選挙からもう4年も経つのかと月日の経つ早さに驚きます。今回の選挙は現政権である社会労働党サパテロ政権(PSOE)に国民の評価が下される選挙です。この2週間程は頻繁に世論調査を載せた記事が出ていましたが、それによると僅差ながら社会労働党が民衆党(PP)に対して有利を保っているというのが大方の見方でした。僕も社会労働党継続かなと思っていた矢先に、昨日ETAによるテロ事件勃発。むむむ。各政党、このテロによる選挙への影響は無いとしながらも、これはどう転ぶか分からないと思います。

思えば4年前にも選挙前にアルカイダによる列車同時爆破テロが引き起こされ、191人もの命が奪われたんですね。当時、世論調査において圧倒的優位を誇っていたのは民衆党のアスナールでした。各種新聞は民衆党の圧倒的勝利を確信していました。そこへテロ勃発。

何故テロが起こったのか?当時のアスナール政権はイラク派兵を支持していました。その見返りでした。そうなると具合が悪いのがアフナール政権。結局、彼等は選挙への影響を考慮してこのテロがアルカイダではなく、ETAによるものだと発表。選挙前にETAの残虐性を謳った映像をテレビで流すなど情報操作のやりたい放題。それに怒ったのが普段は選挙になど行かない若者層。

彼等は携帯電話のSMSを使い全国の若者に呼びかけ、イラク派兵反対を掲げてきた社会労働党に投票するように呼びかけたんですね。結果、投票率77%、PSOEが164議席、国民党148議席でPSOEが8年ぶりに第一党となりました。マニュエル・カステルは当時の新聞に携帯電話を用いた選挙への影響力として記事を書いています。今で言うWeb 2.0の走りみたいなもんでしょうか。

El sabado 13 el trafico de mensajeria movil aumento en un 20% y el domingo en un 40%. Es plausible que esa movilización influyera en los dos millones de nuevos votantes que generalmente se abstienen mas que sus mayores, y que esta vez participaron activamente en las elecciones con un objetivo claro: “ Manana votamos, manana os echamos”. …. “ Vuestra guerra, nuestros muertos”, le decian al PP. Pero tambien, y sobre todo, protestaban contra la manipulación informativa del Gobierno, que intento suprimir información y aseverar la autoria de ETA por lo menos hasta “ el dia después”, confiando en sacar renta electoral.

Movil-izacion politica, 20 de marzo de 2004, La Vanguardia, Manuel Castells.

13日土曜日には携帯電話のSMSトラフィックが通常より20%、翌日日曜日には40%増加した。この運動は普段は選挙になど行かない200万人に影響を与え、今回の選挙にあるはっきりとした目的と共に積極的に参加させる契機となった。その目的とは“明日投票しよう、明日やつら(民衆党)を追い出そう”。・・・”彼等の戦争、我々の犠牲“と民衆党に叫ぶように。しかしながら又、彼等は政府の情報操作にも怒っていたのである。その情報操作は選挙を有利に運ぶ為に少なくとも選挙後1日まで続く事になったであろうETAに責任を全て押し付けたウソである。


さて、今回起きたテロ事件は現サパテロ政権に対する報復である事と見て間違いないと思います。サパテロ政権はETAとの和平交渉を進めていたものの、破綻し、「完全な武装解除が無い限り交渉は再開しない」として対決姿勢に転じていました。このはっきりとした態度表明と取り組み強化が支持率を押し上げた要因でもあったのですが、その反対にテロへの懸念も既に存在していたんですね。アルフレド・ルバルカバ(Alfredo Rubalcaba)内相は前月、ETAが総選挙前に「殺人を試みる」のではないかとの懸念を示していたんですね。

そして実際そうなった。ココへきて人が死んだとなると、国民はどう動くか?最近の選挙は論理ではなく、感情ベースなので「人が死んだ」という事実に多くの国民が反発するのではないか?

昨日までは社会労働党勝利だと思っていた僕の予想は今は民衆党寄りに傾きつつあります。
| スペイン政治 | 00:49 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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