2008.02.09 Saturday
カイシャ・フォーラム( Caixa Forum)とプッチ・イ・カダファルク( Puig i Cadafalch)
久しぶりにモンジュイックの丘付近に来てみました。何気なくミースパビリオンの辺を歩いていると、向かい側にある地元銀行の文化施設、カイシャ・フォーラム( Caixa Forum)でエトルリア( Etruscan Princes: Between East and West)の展覧会をしている模様。面白そうなのでちょっと入ってみました。
この建物はカタルーニャモデルニズモの三銃士の内の一人、プッチ・イ・カダファルク( Josep Puig i Cadafalch) によって1913年にCasaramona 工場として建てられました。その当時の企業家、Casimir Casaramonaさんが所有する工場だった為にCasaramona工場という名なのだそうです。ちなみに1913年操業を開始し、1919年には早々と工場としての機能を終えています。その後、長い間放置されたのちに、1940年から1992年まで警察署として使用されていました。
現在の所有者である地元銀行のものになったのが1963年で、1976年には国の歴史的モニュメントに指定されています。そんな歴史的価値の高い建物が文化施設として蘇ったのが2002年。改修デザインを担当したのは我等が日本人建築家、磯崎新さん。

エントランスにガラスの屋根を持つ樹木のようなモニュメントをデザインし、そこから先ずは地下へと誘導されるという導線計画。屋外展示空間を担う清潔感溢れる中庭を見ながら風除室を通り抜けると気持ちの良いエントランス。


この地下スペースに受付ロビー、ショップ、メディアセンター兼図書館、コンサートホールなどを収め、上階は既存の建物を生かした展示空間とカフェ・レストランになっています。ちなみにココに入っているカフェLaieは僕のお気に入り。


この建物を見ていると、プッチ・イ・カダファルクは建築家としても非常に優れていたんだなと思わされますね。まあ、ロマネスク美術の研究者だったんだから当然か。
僕は趣味で良く古本屋に足を運ぶのですが、ある時プッチ・イ・カダファルクが1909年から1918年にかけて著した「カタルーニャのロマネスク建築」のオリジナルを目にした事があります。この本はカタルーニャロマネスク研究の基礎を築いた大著であり、かのフェルナンド・ブローデルも地中海の中でプッチに触れているくらいです。ちなみにそのプッチの仕事の基礎を築いたのはドメネク・イ・モンタネール(domenech i montaner)だったという事は依然のエントリで書いたとおりです。この本、むちゃくちゃ欲しかったのですが、一冊30万くらいしたので手が出ませんでした。
そんな事を思いながらエトルリアの展覧会に足を運びました。
展覧会場の冒頭の解説にこんな文が掲載されています。
“Debido a sus peculiaridades etnográficas y lingüísticas, así como religiosas, políticas y culturales, los etruscos fueron tan diferentes de los demás pueblos de la Italia Antigua que aun hoy s sigue hablando del “enigma etrusco”. Ya en la Antigüedad, el historiador griego Herodoto afirmaba que se trataba de un pueblo oriental que había emigrado desde Asia Menor y se había establecido en la Toscaza. Por otro lado, en la época del emperador Augusto, Dionisoio de Halicarnaso sostenía la idea de que habían sido habitantes autóctonos……”
“ エトルリアの民族、言語、宗教、政治そして文化の特色は古代イタリアにおける他民族とは全く違う特色を示しているので、未だに我々はエトルリアの謎について解明し続けている。古代ギリシャの歴史家であるヘロドトスはエトルリア民族はアジアから来た移民であり、トスカーナに住み着いたと主張した。一方、ハリカルナッソスのディオニュシオスは彼等は元々そこの住人であったと言っている。・・・」
つまり何にも分かって無いというわけですね。謎の民族。更にエトルリア人は海を航海する技術を持っていた為に、地中海の至る所にその痕跡が見られるそうです。古代エジプトに記述されている「海の民」というのはエトルリア人の事ではないのか?という説もあるんだそうです。へー、へー、へー。
そんな謎の民族エトルリアに迫った展覧会、” Etruscan Princes Between East and West”は5月4日までバルセロナのカイシャ・フォーラム( Caixa Forum)で開催中です。
この建物はカタルーニャモデルニズモの三銃士の内の一人、プッチ・イ・カダファルク( Josep Puig i Cadafalch) によって1913年にCasaramona 工場として建てられました。その当時の企業家、Casimir Casaramonaさんが所有する工場だった為にCasaramona工場という名なのだそうです。ちなみに1913年操業を開始し、1919年には早々と工場としての機能を終えています。その後、長い間放置されたのちに、1940年から1992年まで警察署として使用されていました。
現在の所有者である地元銀行のものになったのが1963年で、1976年には国の歴史的モニュメントに指定されています。そんな歴史的価値の高い建物が文化施設として蘇ったのが2002年。改修デザインを担当したのは我等が日本人建築家、磯崎新さん。

エントランスにガラスの屋根を持つ樹木のようなモニュメントをデザインし、そこから先ずは地下へと誘導されるという導線計画。屋外展示空間を担う清潔感溢れる中庭を見ながら風除室を通り抜けると気持ちの良いエントランス。


この地下スペースに受付ロビー、ショップ、メディアセンター兼図書館、コンサートホールなどを収め、上階は既存の建物を生かした展示空間とカフェ・レストランになっています。ちなみにココに入っているカフェLaieは僕のお気に入り。


この建物を見ていると、プッチ・イ・カダファルクは建築家としても非常に優れていたんだなと思わされますね。まあ、ロマネスク美術の研究者だったんだから当然か。
僕は趣味で良く古本屋に足を運ぶのですが、ある時プッチ・イ・カダファルクが1909年から1918年にかけて著した「カタルーニャのロマネスク建築」のオリジナルを目にした事があります。この本はカタルーニャロマネスク研究の基礎を築いた大著であり、かのフェルナンド・ブローデルも地中海の中でプッチに触れているくらいです。ちなみにそのプッチの仕事の基礎を築いたのはドメネク・イ・モンタネール(domenech i montaner)だったという事は依然のエントリで書いたとおりです。この本、むちゃくちゃ欲しかったのですが、一冊30万くらいしたので手が出ませんでした。
そんな事を思いながらエトルリアの展覧会に足を運びました。
展覧会場の冒頭の解説にこんな文が掲載されています。
“Debido a sus peculiaridades etnográficas y lingüísticas, así como religiosas, políticas y culturales, los etruscos fueron tan diferentes de los demás pueblos de la Italia Antigua que aun hoy s sigue hablando del “enigma etrusco”. Ya en la Antigüedad, el historiador griego Herodoto afirmaba que se trataba de un pueblo oriental que había emigrado desde Asia Menor y se había establecido en la Toscaza. Por otro lado, en la época del emperador Augusto, Dionisoio de Halicarnaso sostenía la idea de que habían sido habitantes autóctonos……”
“ エトルリアの民族、言語、宗教、政治そして文化の特色は古代イタリアにおける他民族とは全く違う特色を示しているので、未だに我々はエトルリアの謎について解明し続けている。古代ギリシャの歴史家であるヘロドトスはエトルリア民族はアジアから来た移民であり、トスカーナに住み着いたと主張した。一方、ハリカルナッソスのディオニュシオスは彼等は元々そこの住人であったと言っている。・・・」
つまり何にも分かって無いというわけですね。謎の民族。更にエトルリア人は海を航海する技術を持っていた為に、地中海の至る所にその痕跡が見られるそうです。古代エジプトに記述されている「海の民」というのはエトルリア人の事ではないのか?という説もあるんだそうです。へー、へー、へー。
そんな謎の民族エトルリアに迫った展覧会、” Etruscan Princes Between East and West”は5月4日までバルセロナのカイシャ・フォーラム( Caixa Forum)で開催中です。