地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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Transport Simulation Systems (TSS):ジャウマ・バルセロ (Jaume Barcelo)とAIMSUN
昨日は交通シュミレーションの専門家、ジャウマ・バルセロと某プロジェクトについてミーティング。彼とはもうかれこれ3年の付き合いになります。

ジャウマさんは都市交通分野では、かの有名な交通シュミレーター、AIMSUNを開発した事で世界的に知られています。勿論、僕等も使っています。というか僕等ほどAIMSUNを使いこなし都市交通から公共空間デザインといったアーバンデザインまで視野に入れて仕事をしている機関は他に無いと言っても過言ではありません。以前、マニュエル・カステル(Manuel Castells)が来た時にも同じような事を言ってたし。第一、開発者のジャウマさんがそれを一番良く知っているからこそ、僕等をパートナーとして一緒に仕事をしてくれているものだと理解しています。

今日の話題は僕が担当したEUプロジェクトICING ( Innovative Cities for the Next Generation) についてでした。このプロジェクトについては当ブログで何度か触れていますが、簡単に言うと、携帯電話などの新しい通信機器を使った新たな都市サービスをどう構築し、市民生活に役立てていくかというプロジェクトです。参加都市はバルセロナ、ヘルシンキ、ダブリンという現在EUで最も活発で元気の良い3都市。この大変にアンビシャスなプロジェクトの核となるパート、携帯などの移動可能機器を使ったOD表作成パートのコーディネーターを僕が努めました。

OD表というのは、あるゾーンからあるゾーンまで、どれだけの人が何時、どんな目的で移動したかをインタビューによって集計した表の事を言います。このOD表の質をどのように上げていくかというのは世界中の都市が直面している頭の痛い問題だと思います。質を上げる為には膨大な金と時間が必要とされるからなんですね。ちなみにバルセロナの場合は5年に一度の割合で大規模なインタビューが約3億円かけて行われます。逆に言うと5年に一度しか出来ないと言った方が正しいと思います。すると、必然的にその情報は直ぐに古くなってしまって現実とは一致しないという問題が生じてくる訳です。

更に、このOD表はゾーン間の移動結果なので、どの経路を通ったかなどのミクロレベルの情報は含んでいません。このOD表をインプットデータとして、あるゾーンから目的ゾーンまで移動する人は最短経路を通るという仮定の下で交通シュミレーションを創ったのがジャウマさんです。

彼が開発した交通シュミレーション、AIMSUNは実に良く出来ている。シュミレーション実現過程は大きく分けて2段階に分ける事が出来ます。OD表をインプットデータとしてシュミレーションを走らせる段階。その後、現実の道路に備え付けてある車を数える機械、トラフィックカウンターの数えた台数と、シュミレーション上の同じ道路においてシュミレーションが示した車の台数を比較する事により少しずつアルゴリズムを変えて行く過程。この2つの段階を経る事によって90%前後の大変に高い確率の交通シュミレーションを実現しています。

僕が2005年頃に担当したバルセロナのグラシア地区交通計画において用いた結果によると、95%まで現実を表象する事が出来ました。

そんな彼のシュミレーションが効力を最大限に発揮するのが、何と言っても政治家の人達や市民を前にプレゼンをする時。一つ一つの車が個々に動く様と、この現実表象が90%という高い現実表象率を示しているというアカデミックなデータを見せられると誰でも「へぇー」と思ってしまう。僕も何度かヘルシンキやダブリンの政治家の人達を前にAIMSUNを使って都市交通の説明をした事がありますが、その効果はホントに絶大です。

さて今日のミーティング後、何時ものように立ち話をしていた時にジャウマさんが面白い事を言っていました。世界中で仕事をしている彼は勿論、日本とも幾つかのプロジェクトを持っています。その関係で今年の4月から少しの間、某大学を通して日本人がバルセロナに来るとの事。「その時はヨロシク頼む」とか言われて、僕も調子良く「いいよ」とか言っちゃったけどメールアドレスとか何時ごろ着くのかとか聞くの忘れた。まあ、多分同じ日本人だからという事で、軽い気持ちで言ったんだと思うんだけど・・・心当たりのある人居ますか?もし居たら連絡ください。
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