地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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アグバー・タワー(Torre Agbar):ジャン・ヌーベル(Jean Nouvel)の建築
何気なくヌーベルのデザインしたアグバー・タワーの横を通ったら「水道の歴史とカタルーニャ」(現行タイトルは水の変遷(Los cambios del agua))みたいな展覧会を開催中で時間もある事だし「少し見ていくか」という事で行ってきました。展覧会自体はお粗末なものだったのですが、ビルの中に入れたのはラッキーでした。写真撮影もOKだったし。



中の様子は外観から十分に予想出来るもので暗がりの中にぼこぼこ空いた穴から光が差し込んでくるという空間。



内装パネルが反射材になっていて彼の建築独特の「ねとー」とした感じを助長している。差し込む光を背景に成り立っている建築ではなく逆に闇の中に浮き上がる建築。最近は一面ガラスで覆われた光に満たされた建築ばかりを見ていたので全く正反対のこういう建築もアイデアとしては有りかなと思いました。





デザインとしては正方形パネルを基本として内壁を覆いつつ同じ形の開口を取り光を導き入れている。様々な場所に空いた光取りに張られた様々な色ガラスを通して入ってくる光が反射してキレイ。



展覧会の会場構成も背景である建築デザインを意識したと思われる所が見られ、それはそれでナカナカ良いものだと思いました。薄い液晶が光の効果によってまるで浮いているかのように見える・・・かな?



週末の夜はこんな感じでライトアップしています。以前Realities:Unitedによる建築ファサードを利用した建築広告の記事を書きましたがシステムは同じようなものでファサードをおおい尽くしている全ての照明をコンピュータ制御にしてファサードに思い通りの画像を浮かび上がらせるというものです。最近では夜間照明に対する規制もだんだんと厳しくなってきましたが、お日様によって頭の上からの光に慣れ親しんでいる我々にとって下からライトアップする夜間照明は大変に幻想的な雰囲気を与えてくれます。

こちらは建設途中のアグバー・タワー。下から丸いワッカと共にコンクリートが張られ段々と出来上がっていく様は見ているだけで楽しいものでした。







ヌーベルの建築は最近ではベルリンでショッピングセンター(ギャラリー・ラファイエット;Gallery Lafayette)を見ました。ガラスの三角錐が上階から下階まで貫通しているというデザイン。



一面に張られた湾曲したガラスに光が反射してなんとも不思議な感じがしたのを覚えています。そのガラスを通して背後に見える買い物客までがまるで幻想の世界にいるかのような演出でした。





概観に関してはその巨大さや異様さからコンテクストに合わないなど様々な批判が出ていますがアグバー・タワーに関してはフィジカルな都市環境だけではなくてバルセロナ都市戦略という観点で見なくてはこの建築の真の意味は理解出来ないのではないかと思います。この建築が建った所というのは現在バルセロナが戦略的に進めている22@BCNエリアなんですね。旧工業地帯を20年近くかけて知識型地帯に変えていくという例の有名な計画です。

アグバー・タワーが位置しているのは22@エリアの正に始まりの部分であるディアゴナル通りの先端。バルセロナはココにプロジェクトの象徴となる像を建てたんですね。このような建築の形態を戦略的に利用していくという事はバルセロナは結構やっていて例えば1992年のオリンピック村開発計画では新しいエリアを市民に認識してもらうため、そして海に開かれた街を強く印象付けるために浜辺へのゲートとして2本の高層ビルを建てました。印象的だったのは当時の責任者が最初からデザインではなく形態を重視していたと発言していた事です。

余談ですがアグバー・タワー近くにヌーベルは公園整備計画を進めています。もうすぐ完成という事なのでそのうち見に行ってみます。
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