地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ロンドン旅行その10:都市について雑感
今回の滞在で大変驚いた事の一つに都市をくまなく満たしている監視カメラの多さが挙げられます。噂には聞いていましたがまさかこれ程までとは思いませんでした。地下鉄や公共施設は勿論、何でもない街路や郊外に至るまであらゆる所にカメラが設置されています。まさに監視社会の到来。





ヨーロッパの社会というのは陸続きという事もあって昔から様々な人種や思考の持ち主が共存する事で都市が成り立ってきました。隣に住んでいる人が自分とは違う言語をしゃべる、もしくは肌の色が違うというのは自然の事だったんですね。

だからこちらの人は一生懸命その国の言葉をしゃべろうとする外国人の話に耳を傾ける習慣があるように思います。多分その根底には他人種とは言葉が完璧に通じなくて当然という感覚が養われているんではないでしょうか。そしてそれがヨーロッパの多様性を保持している。ここがアメリカとは違う点だと感じています。アメリカでは英語がしゃべれないと人では無い、故に聞くに値しないという風潮があるように思います。

そんなヨーロッパにも近年ポストモダンの波が押し寄せると同時に共通前提が失われタコツボ化が促進されてきました。(唯一残されたのはサッカーぐらいですね。だからマニュエル・カステルを始めとするヨーロッパ論壇がサッカーに注目するのは当たり前と言えば当たり前か。)それに加えてヨーロッパには伝統的にテロリズムという脅威が昔から存在し続けています。

これら様々な「見えないという恐怖」が、社会に人間の管理強化を促している現在、我々が直面している大問題とは共通前提としての倫理が失われた状況下においてどのように社会を纏め上げていくか、もしくは管理していくかという事です。そんな難問に現代社会は人間を倫理による纏め上げではなくテクノロジーによる管理という回答を出しつつあります。つまり社会の共通前提無しでどのように文化の多様性を守るか?という問題に人間の倫理という部分では無く、指紋や顔認証などの生物学的特性を利用するという回答を出したと言う事です。これが東さんが言われている「環境管理型社会」ですね。つまり思考停止を強いるこのような社会は果たして人間社会と言えるのかどうかと問うている訳です。

東さんの議論はロンドンのような都市に来ると実感として良く分かる。とにかくこのカメラの数は圧巻です。



さてこちらは人間を監視するカメラではなくて交通を規制するカメラです。恒常化した交通渋滞を緩和する為にロンドン市は幾つかの例外を除いて市内に車でアクセスする事を制限しました。仕組みは簡単で市内にアクセスする全ての道にナンバープレート認識カメラを設置して入出時にその全てを読み取る。警察署にある市民データベースと照らし合わせてアクセス料金が課金されるという仕組み。ここ何年かの学術的成果を組み合わせただけなので仕組みとしてはごく単純なのですが、市内に通じる全ての道にコレを取り付けるというその気概がすごい。

もう一つ。これは日本ではスイカ(Suica)としておなじみの非接触型カード(NFC)を利用した公共交通切符。ロンドンではオイスター(Oystar)といいます。地下鉄は勿論、バスにも導入されています。2003年に導入された同カードは既にロンドン市民に幅広く受け入れられ日常の風景になじんでいる。未だケータイに入れられている様子ではなかったんですが、それも時間の問題でしょうかね。





上の写真がLondonの地下鉄改札のデザイン。



上の写真はLondonのBus内読み取り機のデザイン。



上の写真がTokyoのSUICAの改札のデザイン。





余談ですが上の写真はMontpelierの路面電車内に設置された読み取り機。

デザイン的には東京が最も力を入れているような気がします。

日本におけるFelica導入過程には電話会社のDOCOMO鉄道会社のJR、そしてFelicaの生みの親であるSONYが共同出資してFelicaを管理する新会社Felica Networksを創りました。スペインの場合にこの役を担う事になるのは最大手電話会社であるTelefonicaと交通会社であるTMBですね。最大の障害はカード読み取り機である改札設置が先か、カード導入が先かという正に鶏と卵問題をどのように解決するかという所でしょうね。
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