地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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建築家という職能について:その2
昨日はバルセロナのとある公共施設である大物建築家を祝う会のようなものがあった。彼はかの有名なバルセロナの公共空間政策である鍼療法・スポンジ政策を生み出した張本人で1975年の独裁政権後より今日までバルセロナの都市を背負ってきた存在だと言っても過言ではないと思います。故に参加者もカタルーニャ政府大統領マラガルから甥っ子や息子、嫁さんまで、ずらーっとお偉い所が揃いもそろって昔話を披露していました。

この会は何か賞を授与するとか講演会でパブリックに開かれているとかという事は全く無く参加者は招待客だけで彼のこれまでの軌跡を辿るとか言うコンセプトの会の様子。注目すべきはこのかなり家族的な会、いわゆるプライベートな会が公共的な施設で公共のお金を使って行われているという事。そしてそれを公共メディアが堂々と報道しているという事だと思うんですね。つまりこの建築家はバルセロナという街では既にヒーロー的な存在で誰でも知ってるし何をやったか・やってるかも知ってる。だからそんな彼に公共のお金が使われるというのはごく自然な発想と皆捉えているんだと思う。

もう一点は彼の家族や親類がバルセロナの街の重要な機関のポストに就いててあたかもバルセロナの建築・デザイン界は彼の家族経営のような様相を呈しているという事。例えば昨日の会が開かれた公共施設のディレクターは彼の奥さんだし息子は現在若手ナンバーワンの建築家。政治家・財界人は皆、親戚のような友人達という具合に。コレを取り仕切る建築家は勿論、各々と話をしなければならないので自ずと各方面の知識が深くなる。そして各分野の利益を総括してビジュアライズしてくれる職能こそ建築家でありこの意味において建築家とはある種のプラットフォームのような存在であると言えると思うんですね。

他の都市はどうなのか分かりませんがヨーロッパの都市にはこのようなヒーローとしての建築家が存在してその建築家がその都市の文化を背負っているという構図なのではないでしょうか?

これはある程度市民社会みたいなのが機能している所ではそんなに悪い事じゃ無い気がします。とりあえずトップの顔が見えるというのは分かり易くて良い。何かやりたいプロジェクトがあった時に「とりあえずこの人に話を通しておくか」というのが明確なので。故に全体像が見渡し易く都市に一貫性が出てくるのかもしれない。つまり各々の小さな計画だけではなくて街を全体として見た時にこの辺りに緑が少ないから公園を持ってくるかとか中心性を持ってくるかとか言う、正に都市分析が機能する大枠が整っているのかもしれない。建築はそれらの浮き彫りになった問題を具体的に解決する道具なんですね。

昔話を語った一人にイグナシのお兄さんで建築家のManuel de Sola Moralesが居ました。彼曰く、「80年代に比べて最近の建築というのは社会的な問題を解決する機能を失って久しくそして悲しい」と言っていました。

このような建築の使い方とその背後にある分析手法こそ僕たちが学ぶべきなのではないでしょうか。



| 建築家という職能 | 11:06 | comments(0) | trackbacks(35) | このエントリーをはてなブックマークに追加
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