地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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サロン・デ・マンガ2015:たんこぶちん(TANCOBUCHIN)とかいうガールズバンドが凄かった件。

今年もとうとうこの季節がやってきました。僕が首を長―くして待っているイベントの一つ、サロン・デ・マンガ(Salon de Manga)の開幕です!



毎年ハロウィンの週末に合わせて開催されるこのイベントは、自由奔放なコスプレをしたスペイン人オタク君達がイベリア半島中から集まり、マンガやアニメ、ゲームなどを楽しもうっていう、夢のような祭典なんですね。ちなみにバルセロナのサロン・デ・マンガは、(この手のイベントとしては)東京、パリに次ぐ世界第3位の規模を誇っています(入場者数13万人!)。数年前までバルセロナは世界第2位だったんだけど、パリが始めたジャパンエキスポにあっさり抜かれた。さ、さすが華の都パリ、、、としか言いようがない、、、(涙)。



スペイン人って、もともとコスプレ大好き民族なので、昔から地下鉄ではゾンビや魔女っぽい人達を見掛けてたんだけど、最近はこのサロン・デ・マンガの影響から、街中を歩いていると不意に全身真っ赤な巨人(進撃の巨人)だとか、暁のマント(ナルト)を羽織ったグループなんかに出くわすことがしばしば。そんなことを知らない一般人は、「一体、何が起こったんだ?」と、かなりビックリすること間違いナシという状況となっています。

ちなみに今までに(過去に)僕が出会ったスペイン人オタク君達のコスプレはこんな感じ:



念入りに作り込んだスカウターを装着したサイヤ人(2010年)。



定番アスカ(2010年)。



ちょっと微妙なミサトさん(笑)。



こちらもちょっと微妙なメーテル(笑)。「哲郎、999(スリーナイン)に乗りなさい」とか言われても、特に乗りたくないかも、、、(笑)。万感の思いを込めて汽車がゆく、、、ポォーwwww



更に、何を思ったか、ドラゴンボールのボール(笑)。しかもスーシンチュー(四星球)。



最初は「なんのキャラクターかな?」と思って聞いたら、イエスキリストのコスプレだった(笑)。



個人的には現在のジャンプの中では一番面白いと思っている「食劇のソーマ」から、ソーマのコスプレ。そして極め付けはコチラ:



フリーザ様(笑)。、、、っていうか、普通やりますかね、フリーザのコスプレなんて(笑)。かなり衝撃的だったので写真を撮らせてもらった後にちょっと話してたら、「来年はフリーザが乗ってるオマル(飛行船みたなの)も作ってくる」とか言って、やる気満々でしたが。。。(笑)。



まあ、そんなこんなで今年も始まったサロン・デ・マンガなんだけど、今年は例年とは違う(嬉しい)ハプニングがあったので、そっちをメインに書こうと思います。

取り敢えず、僕はこのイベントの運営に関わっている訳ではないのですが、「バルセロナ、日本、アニメ」みたいなキーワードで検索すると僕が引っ掛かることが多いらしく、この企画に関してアドバイスを求められる事がしばしばあります。とは言っても、僕としては個人的にこのイベントを目一杯楽しみたいほうなので、出来るだけそういう事には関わらず、一人でひっそりとイベントに参加して一人で勝手に盛り上がるスタイルを貫いているんですね。

しかしですね、今回、とある関係者の方から、「cruasanさん、今年のゲストで来るガールズバンドの子達、凄いですよ。是非ご意見が伺いたいので、ライブに行ってみてくれませんか?」ということを事前に言われていました。

サロン・デ・マンガの一つの魅力として、毎年多くのゲストを招いてサイン会を開いたり、コンサートを開いたりということが挙げられます。ちなみに2006年には影山ヒロノブさんが来てくださり、むちゃくちゃ盛り上がりました。

 

多分、予想以上の盛り上がりに一番驚いてたのは影山さん本人かな、、、と(笑)。もう一つちなみに、上の動画の前列から3列目くらいには僕が居ます(笑)。いや、ほんと凄かったんですよ、影山さんのライブ。スペイン人達、Cha-la Head-cha-la大好きなのでwww

 

また、2007年に行われた山田信夫さんのライブも凄かった。最初は「nobuo yamadaって誰だ?」とか思ってたら、聖闘士星矢のオープニングを歌ってる人だった(驚)。ヨーロッパにおいて、聖闘士星矢はドラゴンボール、キャプテン翼と並ぶ大人気アニメであることから、誰もが知ってるんだけど、オープニングソングの2番をみんなで合唱し始めた時はちょっと焦りました(笑)。

そんな楽しい経験から、今年もライブには行こうとは思っていたのですが、正直言ってそんなに期待していた訳でもなく、、、始まりが19:30だったので、「帰り掛けにちょっと寄ってみるか」くらいに思っていたんですね。そしたらですね、このライブが凄かったのです!正直言って圧倒されました!!



今年のゲストは「たんこぶちん」とかいう佐賀で結成された5人組のガールズバンド。正直言って、「日本の最近の若い女の子達はこんな感じですよ」みたいな、「お飾り枠」だとばかり思っていたら、なんか生演奏が始まった、、、 ←今までのサロン・デ・マンガで生演奏はありませんでした。 で、その音楽の完成度の高さにもビックリ。そして楽曲もなかなか良いんだな、コレが!

 

もちろん初めて聞いた曲ばかりだったんだけど、いつの間にか周りにいたスペイン人達も大盛り上がり。そのパフォーマンスの高さと迫力には凄まじいものがありました。そしてそして、彼女達がラスト曲に選んできたのが、、、「Welcome to this crazy time!このふざけた時代へようこそ、、、」、、、って、「たっぽい」じゃないですかー!

 

←「たっぽい」とは、北斗の拳2のオープニング、TOM CATが歌う「TOUGH BOY(タフボーイ)」のことで、歌詞の中の「TOUGH BOY, TOUGH BOY, TOUGH BOY」という箇所が、「たっぽい、たっぽい、たっぽい」に聞こえることから、巷ではそう呼ばれていたりします(笑)。

これには僕も大興奮!思っても見なかった状況に大満足!で、家に帰って早速検索してみたら、どうやら彼女達は「TOUGH BOY」を「TOUGH GIRL」としてカバーしているみたいですね。更に更にこんなの見つけちゃいました:

 

世界で一番暑い夏!本家プリプリとはまた一味違った雰囲気に仕上がっていると思います。

まあ、ちょっと真面目に分析とかしてみると、取り敢えず、「売り出し方が上手いなー」と思います。

最近はPerfumeやきゃりーぱみゅぱみゅ、ベビーメタルなど、最初から国外を視野に入れたアーティストが多くなってきてると思うんだけど、ヨーロッパへの足掛かりの一つとして(濃い日本オタク君達が集まる)ジャパンエキスポやコスプレサミットを狙ったマーケティングは素晴らしく目の付け所が良いと思います。



逆に、サロン・デ・マンガの運営側からすると、「彼女たちのプロモーションに手を貸すから」ということで「交渉を有利に進めたんだろうなー」という裏事情も容易に読み取ることが出来たりするんですね。

さっぱり期待してなかっただけに、かなり印象に残った今年のサロン・デ・マンガ。例年とはちょっと毛色の違った視点から存分に楽しませてもらいました。あー、今から来年が楽しみだー。

追記(2016年のサロン・デ・マンガのメモ):

ざっと見た感じ、今年(2016年)はジブリ系のコスプレが多かったかな。

あとは何と言ってもポケモンと妖怪ウォッチの爆発的な人気ぶりは特筆に値すると思います。

更には今年の目玉として、吉本ばなな氏を招いた講演会は非常に面白かった:

そしてもう一点。
ヨーロッパで人気を博しつつあるBAND-MAIDのライブが凄かった。

メイドの格好をした女の子5人組が、「BAND-MAIDでーす。宜しくお願いしますー」なんて登場するものだから、「あー、可愛いアイドル系かー」とタカをくくっていたら、本格的なハードロックじゃないですか!

歌唱力は勿論、ドラム、ギターのテクニックは日本が世界に誇るバンドに成長する可能性を十分に感じさせるものだったと思います。

BAND-MAIDの前に演奏したブラジルを代表するメタルバンド、Gaijin-Sentaiも素晴らしかったけど、その彼らの演奏がかすむほど、BAND-MAIDの迫力は凄かった。

日本では未だサッパリ知られてないけど、「海外で火が付いて日本で人気が出る」というパターンは正にベビーメタルと同じルート。
来年あたり日本でブレイクすることは間違いないですね。
要注目です!!

 

その他、今年会場で出会った面白かったコスプレの数々:

 

| サブカル | 19:16 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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