地中海ブログ

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(速報)カタルーニャ州議会選挙2015:独立派の勝利
たった今、カタルーニャ州議会選挙(2015)の結果が出ました。
開票率84%の時点で、カタルーニャ独立を打ち出しているJunt pel Si(現政権のCDCと極左のCUP)の合計獲得議席数72で独立派が勝利宣言をしました!



カタルーニャにとって歴史的瞬間だと思います。ちなみに今回の投票率は77%!
カタルーニャの独立が掛かっていた今回の選挙への、カタルーニャ人達の非常に高い関心を反映していると思います。

この結果を受けて、勝利政党であるJunt per Siは数ヶ月以内の「独立を宣言」を目指し、具体的に動き出すものと見られています。
←前回のエントリで書いた様に、バルサはスペインリーグから去る可能性が非常に高くなってきました(地中海ブログ:カタルーニャが独立を宣言したらバルサはスペインリーグでプレー出来なくなるらしい)。



ただ、そこに辿り着く為には数々の壁が立ちはだかっている事もまた確か。

第一に、現政権のCDC(右寄りカタルーニャ主義政党)は単独では過半数に到達しない為に(単独では獲得議席数は62、絶対過半数は68)、同じく独立を目指しているCUPとの連立を組む事が必須となるんだけど、CUPはCDCの政策とはソリが合わないので、「現カタルーニャ州政府大統領であるArtur Mas氏が大統領に就任するのなら連立は組まない」とはっきりと宣言しています。そうなると残された道は、ERC(左寄りのカタルーニャ主義政党)が大統領候補を擁立する事になるんだけど、それをCDCがあっさりと受け入れるかは不明、、、かな。

しかしですね、もっと重要な問題は、確かに獲得議席数では独立派が過半数を取ってるんだけど、獲得票で見ると、「独立へ賛成」は過半数を割っているという事実なんですね。

獲得票では「独立への賛成票」は47%に留まっています。逆に言うと、「独立への反対」が53%を数える事になっているということなのです。

獲得票が獲得議席数に正しく反映されない点は、これまで度々指摘されてきていて、それを知っているからこそ、CDCは「(獲得票数ではなく)獲得議席数が過半数を超えたら、独立を宣言する」と公約していました。 勿論ここには、「投票者の過半数以上の人たちが独立へ反対しているのに、それを無視して独立を宣言していいのか?」という大きな問題が横たわっています。

その辺をどのように解決していくのか、それが今後の政策の鍵である事は間違いありません。



今回の選挙結果の詳しい解説や分析などは、すべてのデータが出揃う明日以降に回したいと思います。

追記
こんな時大変面白いのが、各種新聞が今回の件をどうやって報道しているかを見て見る事です。



スペイン社会労働党がバックについているEl Pais紙は、「独立派は獲得票数ではなく、獲得議席数で選挙に勝った」と報じています。



一方、右寄りのカタルーニャ主義政党がバックについているLa Vangurdia紙は、「独立派の完全なる勝利!」。カタルーニャの独立については今まで色々と書いてきたけど、カタルーニャを中心とするスペインの政治状況などについてもっとよく知りたい人達はこちら:


地中海ブログ:(速報)カタルーニャ州議会選挙2012:カタルーニャ分離独立への国民投票は実施されず!

地中海ブログ:カタルーニャ州議会選挙その2:スペイン、そしてヨーロッパ左派の終わりの始まり‥‥かもしれない。

地中海ブログ:速報:バスク地方の独立を目指す民族組織ETAがテロ活動を永久に停止すると発表

地中海ブログ:スペイン統一地方選挙2015

地中海ブログ:スペイン統一地方選挙2011:バルセロナに革命起こる
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