地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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今日から夏休み!ガリシア地方のど田舎で過ごす2014年の夏
ボストン→ニューヨーク→名古屋→ソウル→アムステルダムと、地球を約1周して、ようやく一昨日バルセロナに戻ってきました。



7月下旬にボストンを発って以来、この一ヶ月の間に6カ所の空港を利用する機会があったのですが、その際、幾つか気が付いたことをメモ程度に書き留めておこうかなと思います。

先ず、それら殆どの空港でwifiが利用可能(勿論無料)だったと言うこと。そしてその中でも唯一、無料wifiを提供していなかったのが、何と!ニューヨークのJFK空港!!ニューヨーク=大都会=「wifi無料提供は当たり前」くらいに思っていたので、この事実は個人的にはかなり衝撃的でした。



また、以前書いた様に(地中海ブログ:アムステルダム出張:如何に訪問者にスキマの時間を使って街へ出るというインセンティブを働かせるか?:スキポール空港(Schiphol Airport)の場合)、スキポール空港(アムステルダム)は、自国の特徴を全面に押し出していて、(オランダらしく)チューリップを大々的に空港で売っていたり、空港内に美術館を完備していたり(フェルメール関連の広告付き)、はたまたシャワー室があったりと(一回700円くらい)、長時間滞在していても全く退屈しない造りになっていて、空港という機能を「その都市における玄関口」とキチンと認識している辺り、「さすがヨーロッパを代表する国際空港を名乗るに相応しい格を持っている」と再確認しましたね。



そしてもう一カ所、今回の地球横断移動に際して僕が非常に感心したのが、ソウル(韓国)の玄関口、仁川空港の素晴らしさだったんですね。



何がそんなに素晴らしかったかって、空港自体が非常に機能的且つショッピング通りの充実さもさることながら、空港の至る所に韓国伝統芸能を扱ったお店や体験コーナーみたいなのが用意されていて、様々なデモンストレーションをやっていたりするのです。これは仁川空港で長時間トランジット待ちをしていた一人の空港利用者として、非常に嬉しかったなー。

だいたい空港でトランジット待ちをしている人達って、ショッピング以外、その時間帯は特に何をする訳でもなく(なかにはパソコンを広げたりして働いてる人もいますが)、退屈な時間を過ごしている事だろうと想像します。この様な隙間時間に目を付け、自国の文化に興味を持ってもらえる仕掛けを創り出し、トランジット待ちの人々に働きかけるというのは、非常に上手い戦略だと僕は思います。

さて、そんなこんなで各都市の空港を回りつつ、一昨日、約8ヶ月ぶりにバルセロナに帰ってきた訳なのですが、記念すべき帰国日初日にする事と言えば、やっぱりコレ:



近所のカフェに行き、久しぶりの帰国を祝ってコーヒーとクロワッサンで一人で勝手に乾杯!(僕、ビール飲めないので(笑))。どんなに長くこの地を離れていても、コーヒーとクロワッサンを食べるだけで、瞬時に地中海の生活リズムに引き戻されるから人間って不思議です。更に言うなら、この8ヶ月間、殆どスペイン語を話さなかったのに、半日もすると又もとの様に聞いたり話せたり出来る様になるというのは、「一度身に付けた言語は、一生忘れる事は無い」という何処かで聞いた格言を自分自身の体験として蓄積出来たというのは非常に貴重だったと思います。



という訳で、言葉も体も慣れてきて、本当ならここから、パエリア、生ハム、チーズなどを頬張りながら赤ワインに舌鼓を打ちつつ‥‥といきたい所なのですが、今回のバルセロナ滞在は1日だけ!実はいま、バルセロナからガリシア地方(スペイン北部)へと移動する特急電車の中にいます。理由は勿論、(毎年恒例になりつつある)ガリシア地方で夏のバケーションを満喫する為なんですね。



僕が乗ってるこの電車、バルセロナを出発してサラゴサ(地中海ブログ:サラゴサの都市戦略とかサラゴサ万博跡地とか)を経由し、バスク地方のビトリアを通り抜けガリシアに入るという進路をとるので、車窓からの風景が、大都会(バルセロナ)―土と砂しか無い乾き切った荒涼とした大地(サラゴサ)―緑豊かな土地(ガリシア地方)へと、鮮やかに変わっていく風景を楽しむ事が出来ちゃいます。個人的には、何年か前に都市計画/モビリティ計画/公共空間政策を担当したビトリア市を通ったりするので、ちょっと懐かしい感じもして、結構ノスタルジックな電車の旅だったりもするんですけどね(地中海ブログ:バルセロナのバス路線変更プロジェクト担当してたけど、何か質問ある?バルセロナの都市形態を最大限活かした都市モビリティ計画)。

人間の時間感覚って面白いもので、窓から真っ白な雲しか見えない飛行機の10時間はスゴく長く感じるのに、窓からの風景が刻一刻と変わっていく電車の旅の早いこと!‥‥バルセロナを出発して11時間後‥‥ガリシア地方のど田舎にある駅に降り立つと、眼の前に広がっているのがこの風景です:



イベリア半島最西部に位置するだけあって、午後20時だというのにこの明るさ!駅前の鉄塔には、今年もコウノトリが大きな大きな巣を作っていました。コウノトリがこんなに大きな巣を作るなんて、僕はこの田舎に来るまで全く知りませんでした。そしてちょっと丘を駆け上がればこの風景:



山々に囲まれつつ、湖の畔に佇んでいる、大変美しいこの村の全貌の登場です。

ローマ時代に起源があるというこの村には、その時代に造られた石橋が残っていたり、豚を自分の家の地下で飼っていたり、庭にちょっとしたワイン畑を持っていて、(お金儲けの為ではなく)家族が楽しむ分だけのワインを作っていたりと、外の世界とは全く違う、非常にゆったりとした時間が流れていたりします。



世界最先端を表明し、毎日が非常に慌ただしく過ぎ去っていく世界都市ボストン/ケンブリッジから帰ってきたばかりの今の僕の眼だからこそ、両都市のこの様な時間の流れ方の違いがより一層クリアに映るのかも知れません。



 「‥‥人間とは、変わっていくこと、変わらないこと、その2つの間で葛藤している生き物である‥‥」とは以前何処かで聞いた言葉なのですが、風景を含む全てのものが急激な早さで目紛るしく移り変わっていく現代社会において、それらとは全く違うリズムで時間が流れているこの村に、毎年僕は「変わらないこと」、「変わってはいけないことの大切さ」を自分の眼で確認しに来ているのかも知れません。



今日から暫くの間、教会の鐘の音と共にベッドに入り、鶏の鳴き声と共に目を覚ますド田舎生活が始まります。

今年も目一杯、楽しもーっと。
| 旅行記:都市 | 00:08 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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