地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ガリシア旅行2013その1
「ゴツッ」‥‥これは何の音でしょう?

正解→→→電車がカーブに差し掛かった所で座席の上に置いてあったフルーツが落ちてきて頭に当たった音でしたー。しかも結構痛かった(涙)。確か2年くらい前、同じ路線の同じ電車に乗ってて全く同じ状況になった様な気がする‥‥(苦笑)。



僕は今、バルセロナ発ビーゴ(Vigo)行きの長距離列車(Alvia)に乗っています。「あ、あれ、Alvia?‥‥なんか聞いた事あるなー」と思ったあなたは凄く勘がいい!「ALVIA」とは丁度一ヶ月くらい前にスペイン史上最悪の脱線事故(死傷者200名以上)を引き起こしてしまった電車の名前なんですね。



その事故が起こったのはガリシア地方の首都、サンティアゴ・デ・コンポステーラ(地中海ブログ:ガリシア旅行その6:アルヴァロ・シザの建築:ガリシア美術センター(Centro Gallego de Arte Contemporaneo):複雑な空間構成の中に隠された驚く程シンプルな原理)の近郊路線だったんだけど、僕が今乗ってるのも全く同じガリシア地方へと向かう路線‥‥。



そーなんです!週末の朝早くから僕がわざわざ長距離列車なんかに乗っている理由、それは毎年恒例になりつつある、ガリシア地方にある小さな小さな村、PETIN村でバケーションを過ごす為なんですね。

「えー、cruasanのやつ、またバケーション!?ついこの間、「バカンスがやっと明けたー」とか言ってたばっかじゃん!」とかいう声が聞こえてきそうですが(笑)、これこそスペインで暮らす醍醐味!ちなみに大多数のスペイン人達のバカンス明けだった先週日曜日の朝にカフェで聞かれた典型的な会話がコチラ:



 「あー、久しぶり、元気だった?私なんて1ヶ月もビーチで過ごしちゃって、バカンス疲れ気味。今日から2週間くらいこの疲れをとる為のバケーションが必要」

みたいな(笑)。



さて、日本滞在を経て7月中旬にヨーロッパに帰ってきたのですが、約1年間もヨーロッパを空けていた事もあって、最近はモーレツに忙しく、ブログの更新すらまともに出来ない状況が続いていました。

「何がそんなに忙しかったのか?」というと、先ずは去年の渡米(ボストン)以来、なかなかFace-to-Faceでミーティングをする機会の無かった各種プロジェクトの管理と運営、それに並行して作成していた論文の再提出が9月のあたまに迫っていた事が大きいかなと思います。



この2ヶ月くらいの間に起こった事を掻い摘んで記しておくと、丁度この旅行の前日にやったオタク君3人組(カタラン人)とのプロジェクトミーティングが(ある意味)非常に面白くて、まあ、彼らに会うのも実に1年ぶりだったんだけど、「今週の金曜日に市役所で待ち合わせでどう?」みたいなメールを送ったら、「今回は市役所じゃなくてココのカフェがいい!」みたいなメールが返ってきて「ヘェー、珍しいなー」とか思って場所を調べたら、そこがゲーム屋の隣という事が判明‥‥。

もうこの時点で怪しさ満点だったんだけど、どうやら9月12日までに任天堂DSを持ってゲーム屋へ来店するとWifi経由でポケモンのレアモノが貰えるっていうキャンペーンを実施中なんだとか。で、有無を言わさずその店に連れて行かれ、一通りスペインのゲーム状況の説明を受けてから、やっと本題のプロジェクトミーティングへ。2時間の打ち合わせの内、1時間50分はポケモンの話だった(苦笑)。



8月初旬にはボストンで仲良くなった友達が数人、バルセロナ観光に来てくれました。こちらの人達はみんなそれなりに大人(みんなポスドク)なので、ポケモンとかそういう話は全く無く(笑)、この時ばかりは僕も久しぶりのバルセロナ観光を楽しみました。



8月中旬にはバルセロナから電車で1時間程の所にある街、ジローナへ。こちらはカタルーニャ州政府関連のミーティングだったんだけど、真っ青な空に真っ白な教会がスクッと立ち上がる姿は本当に美しかった。この様な風景を見ていると、ヨーロッパにおいては教会こそ街のシンボルであり、街というのは教会を中心に発展してきたという事を思い出させてくれます。



まあ、そんなこんなで昨日までは結構切羽詰まった毎日を送ってたんだけど、いま乗ってる電車から見える風景は、そんな僕の疲れた心を癒してくれるかの様なんですね。



この電車はバルセロナを出てからサラゴサ(地中海ブログ:サラゴサ(Zaragoza)の都市戦略)、緑の首都ビトリア(地中海ブログ:グラシア地区歩行者空間計画BMW賞受賞)、ブルゴス、パレンシア、レオンを経てガリシアへと入って行きます。その間に展開する風景は正に万華鏡そのもの。スペイン中央部に展開している草と砂しかない砂漠から始まり、北上するに従い緑が増えていき、ガリシアに至っては本当に濃い緑を楽しむ事が出来ます。そんな、スペインの多様性を表しているかの様な風景の終着点、そう、僕の今回の旅の目的地がコチラです:



湖に面した人口400人足らずの小さな小さな村、PETIN村の風景です。大自然に囲まれたこの村には、グローバリゼーションという名の下に忙しい毎日を送っている我々とは全く違う時間が流れているんですね。



この村での生活‥‥それは鶏の鳴き声と共に目を覚まし、都市部では見掛けなくなったパン釜(地中海ブログ:パン屋さんのパン窯は何故残っているのか?という問題は、もしかしたらバルセロナの旧工場跡地再生計画を通した都市再活性化と通ずる所があるのかも、とか思ったりして)で焼いたアツアツのパンが毎朝食卓の上に並び、この地方で取れる野菜、海産物そしてワインを嗜みつつ、教会の鐘の音と共にベッドに入るという、とても「人間的な生活」です。



この様な生活‥‥お日様と共に過ぎ去る時間を楽しむという生活‥‥人間としてごく当たり前だった生活‥‥「忙しさ」という名の下に、我々現代人が忘れ掛けてしまっている生活‥‥。そう、僕はここに「人間としての自分」を取り戻しに来ているのかもしれません。



今年もこのPETIN村を中心に、ガリシア地方の様々な場所へ赴き、色々なものを食べながら、ここでの生活を思いっ切り楽しみたいと思います。

さあ、ガリシア滞在の始まりです!
| 旅行記:都市 | 01:29 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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