地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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バルセロナの食べ歩き方番外編:名古屋の食べ歩き方:吉い
皆さんご存知の様に、先週ボストンが物凄い事になってしまい、つい先日まで住んでいた者として、深いショックを受けています(悲)。



今回の事件の犯人達がMITで発砲事件を起こす直前、近くのコンビニで強盗事件をしているのですが、実はそのコンビニ(セブンイレブン)が僕が住んでいた所から徒歩3分の「行きつけのコンビニ」だと知った時は本当に「ぞっ」としました。しかも犯行時刻が午後10時30分頃という事で、その時間は正に僕がコンビニの真っ正面にあるカフェから出てくる時間とピッタリ!こんなに身近な所で殺人事件が起こったのは人生初という事で、色んな意味で記憶に残る事件となってしまいました(怖)。



さて、実は今、所用で日本に来ています。とは言っても、何かと忙しくて名古屋を中心とするアジアを行ったり来たりしてるんですけどね。



日本へ来るのは2年振り!2年も来ないと色んなものが変わっていて、本当に浦島太郎状態(笑)。って言うか、人のアイデンティティの拠り所となる原風景すらも物凄いスピードで変わっていくという点こそ、(良い悪いは抜きにして)日本の都市の特徴だと再確認させられます(地中海ブログ:ガリシア旅行その10:元貴族の居城を改修したレストラン:Pazo do Castro)。



海外に長く住んでいると日本という国の社会文化を客観的に観察する眼が養われると思うんだけど、2年間も日本に帰ってない&スペインとアメリカという、言うなれば両極端の社会文化を体験してきた僕の眼から見た時の日本文化の特徴‥‥つまりはスペインもしくはアメリカと比べて見た時に、「明らかに際立った特徴として映るもの」‥‥それはやはり日本の食文化です。



無茶苦茶美味しい牛丼が300円程度で食べられたり、極上の豚骨スープのラーメンが800円だったり、コンビニに行けば感動的なシュークリームが売っていたりと、もう、何処へ行って何を食べても美味しいというのは、端的に言って「凄い」としか言いようがありません。

僕はヨーロッパを中心に結構な数の国に行き、様々な地域の都市で過ごした事がありますが、こんなに美味しいものが揃っている国は日本以外にありません。

と言う訳で、ここからは最近僕が行って美味しかったレストランやカフェをちょっとずつ紹介していきたいと思うのですが、その名もずばり「バルセロナの食べ歩き方番外編、名古屋の食べ歩き方」(笑)。第一回目の今日はこのお店:



名古屋市中区新栄にある「吉い」さんです。大通りから一本入った所にひっそりと佇んでいるこのお店は、ハッキリ言って一目見ただけではレストランとは分からないので、通り過ぎること、間違い無し(笑)。



でも聞いた所によると、このお店は超人気店らしく今では予約は6ヶ月待ちらしい(驚)。つまり予約数だけで見れば、バルセロナ近郊にあった世界一のレストラン、フェラン・アドリアのエルブジ並みって事!

よくよく聞いてみると、どうやらそういう状況になってきたのはごく最近らしく、つい半年くらい前までは普通に予約が出来たそうです。で、今回は偶々知り合い(2人)が予約をとっていて、その内の1人が急に行けなくなってしまったので‥‥と言う訳で運良く僕に順番が回ってきたという訳なんです。



ルンルン気分で早速お店の中に入ってみると、中はカウンター席が7席のみという超シンプルな作り。ランチは一日に2組のみで一回転しかさせないそうなんだけど、何故かというとこのレストランはシェフの方(吉井さん)が1人で切り盛りしているらしく、その日に仕入れた最高の食材を最高の状態で出す事が出来るのが一回のランチにつき二組が限界という事らしいんですね。



席に着くと吉井さん自らのご挨拶に始まり、先ずはしっかりとした重みのある急須でお茶が出て来ました。木で出来たお箸やレンゲ、箸置きなども非常に上品で、何よりお茶が美味しい〜。と、ここで前菜の登場〜。



ホタルイカの黄身酢和え。今の季節しか食べられないホタルイカ、小さいけれど味がしっかりしていて歯ごたえも抜群。そんなホタルイカに、甘過ぎず、かと言って酸っぱ過ぎない黄身酢が絶妙のハーモニーを醸し出している。前菜からいきなり絶品が出て来てかなりビックリ!とか思ってたら今日の一皿目の登場:



一皿目はコレ又この季節しか食べられない筍の煮物。筍とは思えないくらい柔らかいんだけど、それでいてしっかりとした歯ごたえがある一品に仕上がっています。何が美味しいって、スープが絶妙なんだよなー。 続いて出て来たのがコチラ:



道明寺粉の中にすり身の魚を入れて桜餅の葉っぱで包んだ一品です。上に載っているワサビと絶品のスープが相俟って、これまた素晴らしいハーモニーを醸し出しています。このスープが本当に絶品で(僕にしては珍しく)全部飲み干してしまった程なんですね。普段あまり飲まないんですよ、スープ。お腹が一杯になっちゃいますからね。



上述した様に、このお店は全てがカウンター席になっていて、目の前で料理人の方が一品一品丁寧に作ってくれるのが全て見える様になってるんだけど、その様子を見ていて幾つか気が付いた事がありました。



プロの料理人が料理を作る所なんてあまり見る機会が無いんだけど、非常に驚いたのはスープを作る鍋に取っ手が無い所。熱々の鍋を持つ時はペンチの様なもので持ち上げてたんだけど、何でそんな面倒な事をするのかというと、それは多分収納する時に鍋が重ねられる様にという機能的な問題故なのでしょうね。



もう一点非常に面白かったのが、ご飯の炊き方です。このお店ではお客さんが入ってから土鍋でご飯を炊いてくれるんだけど、その炊き方が少し変わっていたのです。僕もスペインやアメリカでは鍋で良くご飯を炊くのですが(お米を炊くジャーが無いのでww)、一般的なご飯の炊き方って、お米を水で洗って水を入れてそのまま火にかけて水が沸騰してきたら火を弱めて炊きあがるまで蓋を取らないというのが一般的な炊き方だと思います。しかしですね、この店では水が沸騰したらその直後に蓋を開けてご飯をかき混ぜていました。「ご飯は炊きあがるまで蓋を開けてはいけない」と思い込んでいた僕にとっては、ちょっとしたショックですらあったかな。

更に更に、ご飯の盛りつけにも大変気を使っているのが垣間見られたのですが、と言うのも、杓文字でご飯を土鍋からお茶碗に移す際、押さえつけるのでは無く、あくまでもフワッと、とっても優しく盛りつけているのが印象的でした。で、そうやって出来たご飯がコチラ:



このご飯、本当に白く輝いている。「お米が立ってる」というのはこういう事を言うんでしょうね。素晴らしいの一言!そしてそして、今回出てきた一連の料理の中でも一番感動したのがこの焼鮭なんだけど、何が凄いって、この皮がパリパリなんです!それなのに身はふっくら。ここまでくると芸術品と言っても過言では無いと思います。ハッキリ言ってこんなに美味しい焼鮭は今まで食べた事がありません!

この魚とご飯、そして味噌汁と漬け物。日本食の伝統と文化がここにギュッと詰まっているかの様ですらあります。そして最後はデザート:



甘さを抑えた黒糖の寒天。そこにこれまた甘過ぎないクリームが掛かっています。そしてこれらの間にアクセントとして機能しているのが最初に出されたお茶なんですね。このお茶が又、デザートにも合うんだな!

素晴らしい。こんなに美味しいランチは久方ぶりです!しかも、これだけ食べて、これだけ素晴らしい芸術品の様な料理を味わって、お値段は一人2100円!!うーん、こんなレベルの料理をこの値段で出されたら、アメリカでハンバーガーなんかに1000円とか出すのを躊躇っちゃうなー。

料理記者歴たった3年程度の僕だけど、「大変、大変美味しゅうございました!」。星三つ、いや、四つです!!
| レストラン:バルセロナ | 21:56 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
初めてコメントさせていただきます。
名古屋からバルセロナに4ヶ月前に移ってきたものです。
cruassanさんの情報はとても参考になっています。ただ、スペイン人にゆかりが人気なのは知りませんでした。次の帰国の際は同僚にはゆかりをおみやげにしようと思います。
| KEN | 2013/05/06 3:59 AM |
KENさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

今、バルセロナに住まわれているのですね。
そうそう、スペイン人、ゆかり大好きなんですよ。特に、名古屋限定バージョンの金ぴかの箱は、一生の宝物の如く、本当に喜ばれますww

コレからの季節、ハイシーズンに向かって行くにつれ、一年で一番良い季節が到来します。地中海の生活を是非楽しんでください!

これからも是非宜しくお願い致します!
| cruasan | 2013/05/12 10:28 AM |
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