地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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リアル、エヴァンゲリオンの世界を体験してしまった:MITを含むケンブリッジ市の大停電
2012年11月29日午後4時半頃の事、研究室の電気がふっと消えた。偶々その時、僕はスカイプで打ち合わせ中だったんだけど、ネットも接続不可能に‥‥最初の内は:

「あ、停電か。」

くらいにしか思ってなかったんだけど、どうも様子がおかしい‥‥。5分経っても10分経っても電気が一向に復旧しない‥‥。いつもとは様子が違う事に気が付いたのか、周りもざわざわし始めてきた。11月下旬におけるボストンの日の入りは早くって、午後5時頃には辺りは暗くなり始めます。つまり電気が断たれた建物の中は真っ暗で何も見えないと言う事。明かりと言えば、パソコンのモニターと携帯電話の待ち受け画面の僅かな光くらい。そんな真っ暗闇の中に怪しく光る大小様々なモニターの光達が、緊迫感により一層拍車を掛ける。

1時間経過、未だ電気は普及しない。この辺りから懐中電灯を持った構内警察官(MIT POLIS)が慌ただしく廊下を行ったり来たりしているのが聞こえ始める。

僕の部屋は、ボストン市とケンブリッジ市を結ぶ主要道路(マサチューセッツ通り)に面してるんだけど、ふと外に眼をやると、街灯や信号まで停止しているらしく街中も真っ暗。明かりと言えば、車のライトと、赤く光るブレーキランプが果てしなく続いていて、かなり渋滞している事が分かるくらい。



停電から2時間が経過しようとした頃、ようやく電気が復旧。と同時にサーバーも復活したらしく、メールボックスにMITからメールが届く。内容はこんな感じ:

MITに起こった大停電について

関係者各位

現在ケンブリッジ市において大規模な停電が発生しています。キャンパス内では構内警察(MIT POLICE)が緊急事態に対応している真っ最中です。もし今、何らかの非常事態に直面し、緊急の助けが必要な場合など大至急MIT POLICEに連絡してください。電話番号はxxxxです。引き続き、状況をアップデートしていきます。


その30分後、更にこんなメールが届きました:

キャンパス内の電力復旧しました。

関係者各位

MITキャンパス内の電力が復旧しました。停電が起こっていた間、MITメディカル、MIT警察、MIT EMSやその他、無くてはならないサービスなどについてはバックアップ電力で運営していました。今の所キャンパス内において不測の事態は起こってはいません。しかしもし緊急事態に直面していたり、助けが必要な場合など、MIT警察に速やかにご連絡をお願いします。電話番号はxxxxです。引き続き、状況をアップデートしていきます。


実はこの日、午後5時半頃から(最近ボストンに出来た話題沸騰中の)二郎系ラーメンに行く約束をしていたので午後6時前後にCentral Squareの前を通り掛かったんだけど、そちらの方は未だ信号も復旧してないらしく真っ暗!何人もの警察官が交通整理をしている真っ最中でした。僕達は予定通りラーメンを食べ、帰ってきたのが午後7時30分頃。その時には街中の電気は殆ど復旧していました。

‥‥うーん、今回はちょっと凄い体験をしてしまった。



マサチューセッツ工科大学(MIT)と言えば、工学系大学としては世界最高峰、そんな世界中から選りすぐりの頭脳が集まり、見た事も無い様な最新設備で埋め尽くされている研究機関ですら、電気の供給が絶たれてしまったら「全く何も出来ないんだな」という事が露呈してしまったんですね。

それはもう「エヴァンゲリオン第捨参話、使徒、侵入」の世界そのものでした。

漫画の中では使徒と闘う為にありとあらゆるテクノロジーを注ぎ込み、人類最後の砦として極秘裏に建設されたNERV本部が電気を失いパニックに陥る様子がリアルに描き出されていました。そして今回はテクノロジー系最高峰の大学、MITのキャンパスが電力を失い、「電気を失うと一体どんな事が起こるのか?」という事が明らかにされてしまったと言う訳なのです。そう、一旦電気が失われてしまえば、我々はもう本当に何にも出来ないんですね。そしてそれはそのまま「我々の都市の脆弱性」をも露呈してしまった事件でもあったのです。

我々の生活の多くは電気に頼っている。逆に言えば、電気が無くては何も出来ない。我々はそんな社会の中に生きているのです。



電気が消えていた間、辺りは真っ暗で空を見上げてみれば、それこそ満天の星空、そう、まるで今年の夏、ガリシアのド田舎で見たペルセウス流星群を彷彿させるかの様な鮮やかな星空が広がっていました(地中海ブログ:スペインの田舎で見るペルセウス流星群)。でも、それでもやっぱり僕は真っ暗な闇よりは光があった方が落ち着くかな。と、同時にその様な自分にちょっと「ほっ」としたりもします。何故ならそれこそ僕が人間である証なのだから(地中海ブログ:ガリシア旅行その8:アルヴァロ・シザの建築:セラルヴェス現代美術館(Museu de Arte Contemporanes, Fundacao de Serralves):人間の想像力/創造力とは)。



あー、それにしても二郎系ラーメンは美味しかった。何て言ったって2年振りに食べたラーメンでしたから。又今度行こうっと。
| 大学・研究 | 11:37 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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