地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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MITの学生寮:チャールズ川を見下ろすTANG寮
今週木曜日、MITの建築学部で無印良品の代表取締役社長、金井政明さんによるイブニングレクチャーが行われました。



日本では誰でも知ってる無印良品、海外ではMUJIとして広く知られる所となっていて、僕の周りでも大ファンを自称するカタラン人が結構いる程です。勿論ここボストンでもMUJIはかなり有名らしく、昨日のレクチャーが行われた大講堂は結構な人達で溢れ返るほどに。で、面白かったのが質疑応答の際に飛び出したこの質問:

「アメリカで無印の商品は高級ブランドの部類に属します。値段が高いですから‥‥。今日のレクチャーの中で、無印良品はNo-Brandというコンセプトの下に設立され云々というお話がありましたが、現実を見る限りその基本コンセプトとは全く矛盾していると思うのですが‥‥。」

そ、そうなんです!この学生が言った事は海外における無印良品の認識のされ方をとても正確に表していて、と言うのも海外で無印良品は低価格の商品と言うよりは寧ろ、値段が高い高級ブランドと見做されているからなんですね。何故かと言うと、輸出する際に掛かる関税などの影響から、値段が2―3倍に膨れ上がってしまい、更に近年の日本ブームに後押しされるかの様に「日本というクールなイメージ」が重なり合った結果、大変魅力的な高級ブランドへと変貌を遂げてしまった為なのです。アンチブランドを基本コンセプトに発展してきた無印良品が一歩日本を出ると強力なブランドとして確立されてしまうというこの矛盾‥‥まあ、早い話が世紀末にヨーロッパに輸出されパリ万博なんかで話題騒然となったジャポニズムとシステムは一緒かな(地中海ブログ:カイシャ・フォーラム(Caixa Forum)で開かれている印象派展 (Impresionistas):エドガー・ドガ(Edgar Degas)の画面構成は非常に建築的だなーとか思ったりして)。

この話をしだすと長くなるので、又今度。

さて先週末、MITキャンパスの真ん前に広がるチャールズ川において世界最大規模となるレガッタ(ボート競技)が開催されました。



って言っても、僕はボートとかヨットとか全く興味が無くって、この日行われたボート競技も見に行く予定はサッパリ無かったんだけど、最近仲良くなった中国人の友達が「今日は僕のアパートでランチをしながらボート競技を観戦するっていうイベントがあるんだけど、良かったら一緒に行かない?」って誘ってくれたので、研究室に居たイラン人の女の子と3人で行ってみる事に。



最初は「川沿いのシェアハウスに住んでて、そのリビングルームでランチかな?」とか思ってたら、何と彼、キャンパス内にある学生寮に住んでるって言うじゃありませんか!なんてラッキーなんだ!しかもよくよく話を聞いてみたら、学生寮はチャールズ川の目の前に建つMITで一番背の高い建物、その名もTang寮。



多分、ボストンに住んだ人なら分かると思うんだけど、この街に住み始めるに当たって一番最初にぶち当たる壁、それがアパート探しなんですね。これがとにかく大変!一応僕はバルセロナ在10年以上の長期海外滞在組で、その間に何回か引っ越しを経験しているので、「まあ、国は違えどプロセスは一緒だろう。それにボストンは大学がひしめく学生街。簡単に見付かるでしょう!」と高を括っていたらこれが大間違い!実はこのアパート探しが、MITに来るにあたって幾多とあった困難の中でも「最も過酷だったかもしれない」と、そう思うほど大変だったのです。

家探しで僕が最初にトライしたのは、大学が所有する学生寮にアプライする事でした。しかしですね、勿論大学が所有する学生寮には限りがあって、しかも正規の学生を優先させるという事で、客員の人とかは自動的にwaiting listに回される仕組みとなっています。その応募があったのが7月の頭。「まあ、でもきっと通るだろう」と気楽に考えてたんだけど、幾ら待っても返事は来ず‥‥。で、最近(10月後半)になってやっと返事が来たんだけど、当然もう住む所は見付けちゃったので全く役に立たず‥‥そんなこんなでアパートを探すのにはかなり骨を折ったと言う訳なんです。

何でこんな話を持ち出したかと言うと、実はその時僕に割り当てられたアパートこそ、この中国人の友達が住んでいるTang寮に他ならなかったからなんです!

自分が住むかもしれなかったアパート‥‥と言う訳で、ちょっと複雑な心境ながらもワクワク気分で見に行ってきました。



TANG寮が建っているのは、だだっ広いMITキャンパスの中でも端の端、かなりの辺境に位置しています。この辺はテニスコートとかしかなくて、「夜は真っ暗でさぞかし怖いんだろうなー」とか思ってたら、どうやら夜中のキャンパス内での一人歩きには警備員の人が研究室から家まで付いてきてくれるっていうサービスがあるらしく(勿論無料)、深夜の女の子の一人歩きも全く問題無いんだとか。ヘェー、ヘェー、ヘェー。そうこうしている内に、目的地に到着〜。



入り口を入って直ぐの所には、このアパートを寄贈したTANGさんのプレートが誇らしげに掲げられていました。



で、ここから先は住人のIDカードが無いと入れない様になってて、入って直ぐの左手側には洗濯機がズラーっと並んだ部屋が。



更には共有のレクリエーションスペースとか、ピアノ室なんかまで完備されてていました。



で、次はいよいよ部屋を見せてもらう事に。僕の友達が住んでいるのは3人部屋らしく、リビング、キッチン、トイレ&シャワーが共同で、各自にプライベートルームが割り当てられているという構成のアパート。玄関を入ると直ぐの所にキッチンとリビングルームが配置されています:



結構広い。日当りも申し分ありません。そしてこちらがプライベートルーム:



こちらも十分な広さの部屋でナカナカ。お値段は光熱費やネット代等、全部ひっくるめて一ヶ月800ドルちょっとなんだとか。さすが学生寮!安いな。と、お宅訪問をしていたら、そろそろランチパーティーが開かれるという事で、最上階(24階)にある共有スペースへ移動する事に。



エレベーターを降りると、何やらあちら側に光に満ち溢れた空間があるのが分かります。そこへ入ると広がっていたのがこの驚きの風景:



じゃーん!ボストン市内が一望の下に見下ろせる絶景!す、凄い!



目の前の視界を邪魔するものは何も無く、只々地平線が広がる風景を楽しむ事が出来るんですね。更に今は紅葉シーズンなので、市内に広がる森の木々が黄色や橙色に変わってきているのが見て取れます。こうして上から見ると、ボストンという都市はかなりの緑で覆われている事が良く分かります。そしてそして、今日のメインイベントがコチラです:



チャールズ川に、それこそ数え切れない程の数のボートが浮かび、ボート競技の始まり〜。川岸はお祭り騒ぎの様に、物凄い人達で賑わっていました。



川沿いで見るのも良いけど、上から全体像を見るのも又格別。っていうか、これ、特等席ですよね。更に今日はランチが無料という事で、ビュッフェ形式で食事を楽しむ事に。



何度でも繰り返すんだけど、ボストンでの食事は思ってたほど悪くないです(地中海ブログ:ボストンは牡蠣が美味しいという事を発見してしまった!:ネプチューンオイスター(Neptune Oyster))。この日のビュッフェも肉から魚、野菜からフルーツまで盛り沢山で、しかもオーダーに応じてその場でオムレツを作ってくれるサービスまであったりして、結構充実していました。



そして最も嬉しかったのが、このアパートに住む世界中から集まってきている人達と交流が持てた事かな。このアパートに住んでるのは全員が大学院生以上でMITの何処かしらの学部や研究所に所属している人ばかり。出身国もバックグラウンドも様々で、色んな話が聞けてかなり楽しかった!

聞く所によると、MITの学生寮ではこの様なランチやディナー、そして時にはパーティーを定期的に開いている所が多いんだとか。色んな人達と知り合いになれるし、ご飯は美味しいし、何よりも楽しい!又今度誘ってもらおう。
| 大学・研究 | 13:04 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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