地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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今日から半年間ボストンに滞在します。
長かった夏休みもとうとう終わり、バルセロナは今週辺りから漸く普段の生活リズムに戻りつつあります。特に先週から開幕したサッカーの試合を見ていると、それだけで一気に日常生活に引き戻されるから不思議です。



多分スペイン人って、8月の終わり(もしくは9月の初め)頃にリーグが始まって、5月(6月)頃にそのリーグが終わると、「あー、今年も一年終わったなー」とか思ってるっぽい(笑)。スペイン社会におけるサッカーの位置付けは、単なるスポーツという枠組みには留まらず、だからこそバルサと言うチームはカタラン人達にとって「クラブ以上の存在」と言われる所以なんですね(地中海ブログ:FC Barcelona(バルサ)のマーケティングがスゴイ:バルサ・ミュージアムに見る正に「ゴールは偶然の産物ではない」)。

さて、突然なのですが、私cruasan、9月1日から半年間バルセロナを離れ、アメリカ東海岸はボストンにあるマサチューセッツ工科大学(MIT)に滞在する事になりました。

「えー、cruasanって美味しいもの食べ歩いて、適当にブログに記事書いてる人だから工科大学なんて関係無いじゃん〜」って思ったそこの貴方、地獄に堕ちてください(笑)。「えー、cruasanって、毎朝美味しいコーヒーとクロワッサン食べなきゃやる気が出ない人じゃなかったのー?」って‥‥それは一理ある(笑)。



ボストンって美味しいクロワッサンとかあるのかな?この質問は日本に住んでる人からすると馬鹿らしく聞こえるかも知れないけど、その地域での食生活がどうなっているのか?っていう点は、我々日本人が海外に住む上で非常に重要な要因となってくるんですね。なんだかんだ言って、人間ってその地方の食事が口に合わなかったら絶対に生きていけませんから。

さて、今回僕が(寒い寒い)ボストンに行く事にした理由は主に2つ。

1つ目は、以前から僕が進めているルーブル美術館の歩行者空間分析を中心とした公共空間/屋内空間におけるモビリティ分析や空間分析、そしてそれらの分析結果を如何に都市計画や都市政策、ひいては建築デザインへと具体的に還元していくかという事をアカデミックな研究として掘り下げる為です。

大変幸運な事に今まで僕は、バルセロナ市役所やカタルーニャ州政府などと言った政権の内側から、「バルセロナモデル」と言われる都市計画や都市政策を生み出す現場でキャリアを積む事が出来ました。つまり世界的に評価されているそれらバルセロナモデルを外側から眺めたり、分析したりするのではなく、正にそのど真ん中で、当事者としてそれらが生み出される瞬間に立ち会う事が出来たんですね。世界広しと言えども、そんな幸運に恵まれた日本人は僕しか居ないと思います。

それらの計画や政策は勿論、様々な研究や実証実験に裏打ちされたものである事は間違い無いんだけど、今までずーっと現場で走り続けて来たので、この辺で一度自分がしてきた事を客観視し、世界的な文脈に位置付けるという作業が必要なのかな?と、そう思った次第です。

その事に加えて、少しスペインと言う国を外側から見てみようと思った事が挙げられます。これが2つ目の点です。

上述した様に、僕は日本を出てから今まで、バルセロナや他都市の都市計画立案者として、その現場のど真ん中でキャリアを積んで来る事が出来たんだけど、そういう恵まれた環境に居る事が出来た一方で、「実は僕はバルセロナやスペインの内側の事しか知らないんじゃないのか?」と言う、ある種の不安に苛まされてもいました。



そうした諸々の事情があり、この辺で「外側から客観的にスペインを見てみるのも悪くないかな、いや、必要なのかな?」と思ったのが今回アメリカに行くという大きな大きな決断をした要因だったという訳なのです。そして勿論、工学系では世界ナンバーワンと言われるMITが大変魅力的な研究環境を提供してくれたという幸運に恵まれなかったら、今回の滞在は間違いなく有り得ませんでした。

‥‥思えばバルセロナの地を初めて踏んだ12年前、当時は未だスペイン語のスの字も分からなかったんだけど、それでもその当時僕の心の中には、「この先一体どうなるんだろう?」という不安よりは寧ろ、「この先一体どんな世界が待ち受けているんだろう」という期待感で胸が一杯だった事を今でもハッキリ覚えています。

あれから12年、住み慣れたバルセロナを離れ、行った事も見た事も無いボストンへ旅立つのは正直不安で不安で仕様がないんだけど、その一方で今の僕の心を満たしているのは12年前のあの時と同じ気持ち、「見た事が無いものを見てみたい!」と言うワクワク感で一杯なんですね。

これまで地中海ブログは、「日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお伝えする」というコンセプトの下、様々な記事を書いてきました。ここで僕がアメリカへ行ってしまう事で、そのコンセプトからはちょっとズレてしまうので、「名前を変えようかな?」とか、「一度ブログを閉鎖しようかな?」とか色々考えたんだけど、まあ、アメリカに行ったって著者である僕自身が変わる訳じゃないので、「ま、いっか」という、それこそラテン系の軽いノリで(笑)、名前も何も変えずにこのままいく事にします。

と言う訳で、ここから数ヶ月間は「地中海文化に慣れ親しんだ日本人の眼から見たアメリカの社会文化をお伝えする」と言うコンセプトの下、ボストンでの生活、僕の目から見たアメリカ社会の光と影、はたまた美味しいレストラン情報などを書き綴っていこうと思っています。コンセプトは少し変わってしまいますが、もし宜しければ、当ブログの読者の皆さんにも、このまま引き続きご愛読して頂ければ幸いです。

さあ、イヨイヨこれからボストンに向けて出発です。
こんにちは、ボストン!
| 大学・研究 | 07:21 | comments(12) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
Welcome to the States !
Boston は学術文化都市ですが、"Pier4" 等美味しい Sea Food Restaurant が MIT から車で10分程の海岸寄りにあります。
冬は厳冬、雪も多く、零下15℃位の日もあります。

拙宅長女、大学生時代に9年間ボストンに滞在しました。
| Joe Yamada | 2012/09/02 1:35 AM |
はじめまして。私は高校のとき2000年から1年アリカンテ県の高校に通っていたものです。それ以降も友人に会うため、2年ごとくらいにスペインに行って(通って)おり、その中でバルセロナを知り、その独自の風合いを気に入り、何度も足を運んでいます。cruasanさんのブログを少し前に見つけ、スペインの友人からの報告のように一方的に感じており、楽しみにしておりました。バルセロナから離れられるとお聞きし、いてもたってもいられなくなり、こうして書き込ませていただきました。
ボストンにお引越しされるのは少し残念にも感じますが、そうした研究機会を得られるというのはとても素晴らしく、一介の会社員からしてみると非常に羨ましいです!アメリカの状況も興味深いものですよね。これからも楽しみに読ませていただきますので、向こうで体にお気をつけてお過ごしください。
| reicakanato | 2012/09/02 2:25 PM |
cruasanさんの建築に関する解説や絵画に関するご意見、いつも楽しく読ませていただいていました。これからも、ボストンからの面白いtopics楽しみにしてます。研究の方も頑張ってください☆
| Ana | 2012/09/03 3:30 AM |
拙ブログにコメントありがとうございました。
もともと自分が、もう一度こっちに来るぞ、という目標を明確にするために記した内容でしたが、役に立てていただけたようで、嬉しいです。
既にボストンにいらっしゃるということで、せっかくですから一度飯でも食べませんか。私は今週はインタビュー取材の為南部に飛んでおりますので、来週以降、帰国する22日まででしたら都合がつきます。
よろしければ、拙ブログのプロフィールに記載したメールアドレスまでご連絡くださいませ。

うまいクロワッサンの店はなかなか見つかりませんが(私はモントリオールまで食べに行きましたw)、↓のカフェなんかは比較的ヨーロッパに近いコーヒー、パン、スイーツ類を出してくれます。
http://www.yelp.com/biz/thinking-cup-boston-2
| yofukami | 2012/09/04 11:03 AM |
久しぶりにブログを拝見しました。大ニュースにびっくり!本当におめでとう、そしてまたバルセロナに帰ってくるのでしょうか?いつかまた会えるのを楽しみにしています、ボストンからのいろいろな話も楽しみにしつつ。そして個人的には、ボストンから見たカタルーニャがどのようなものなのか、ということについてのレポートが聞けたりしたらうれしいです。個人的にこの春、会社を辞めて、夫と二人でブックデザイン(と編集)のオフィスを立ちあげました。スプレッド(本の見開き、あるいは広げる、という意味があります)いつか近況報告も出来たらうれしいです。では!
| Tomoko Sakamoto | 2012/09/08 3:06 PM |
Joe Yamadaさん、コメントありがとうございます。

そうなんですか!海があるから海の幸は美味しいのかなー?なんて思っていた所でした。絶対行ってみます!
| cruasan | 2012/09/09 10:12 AM |
reicakanatoさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

何時も僕のブログを読んで頂いている様子、本当にありがとうございます。

少しの間、バルセロナからは離れしまいますが(3月には又バルセロナに戻ってきます)、ボストンから引き続き建築や文化のレポートをして行きたいと考えていますので、もし宜しければお時間がある時にでも読んで頂ければ幸いです。

これからもどうぞ宜しくお願い致します。
| cruasan | 2012/09/09 10:16 AM |
Anaさん、こんにちは。
これからしばらくの間はボストンからアメリカの社会文化情報を発信していく予定です。又バルセロナとの比較などもして行く予定でいますので、もし宜しければ引き続きご愛読して頂ければと思っています。

これからも宜しくお願い致します。
| cruasan | 2012/09/09 10:18 AM |
Yofukamiさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

ご紹介頂いたカフェ、その内絶対行ってみようと思っています。美味しいものには目がありません!ピンポイントの情報も本当にありがとうございました。本当に役に立ちました。

では、近い内に。
| cruasan | 2012/09/09 10:20 AM |
Tomokoさん、ご無沙汰しています、お元気ですか?

そうなんですよ!実は今月から6ヶ月間、ボストンに住む事になっちゃいました!3月にはバルセロナに帰りますが、それまでは住み慣れた街とは少しの間さようならです。

こちらに来た理由の1つは、外からカタルーニャを見てみたい!という事だったので、そのテーマに関しては力を入れて書いていくつもりです。又時間があるときにでも見てやってください。

そうですか、独立されたんですね。是非頑張ってください。

帰ったらゆっくりと色々なお話が出来たらと考えています。
その時は、又宜しくお願いします!
| cruasan | 2012/09/09 10:27 AM |
cruasan様
こんxxは。バルセロナ在住の者です。
時々このブログを覗かせていただいていたのですが、数ヶ月ぶりに読ませて戴いて、ボストンに移られるとの事、非常に驚き、残念です。
でも、おそらく貴様にとってまた飛躍の一歩となり、仕事でもプライベートでもご活躍される事を願っております。
偶然ですが、友人のご主人(日本人)がマサチューセッツ大学の医学部で研究職に就いておられます。
さて、昨日9月11日、バルセロナはカタルーニャ独立を願う人々で溢れかえっていました。同日アメリカでは、米多発テロから11年経ち、複雑な心境ですね。
長くなりましたが、半年という短期間に、充実した日々を送られますことを願っております。
| cerdanya | 2012/09/12 7:52 PM |
Cerdanyaさん、お久しぶりです、お元気ですか?
コメントありがとうございます。

そうなんですよー、実は半年間、アメリカに滞在する事になっちゃいました!こっちに来て大変驚いたのですが、バルセロナとは比べ物にならないくらい、日本人の方が多いっぽいです。大学だけではなく、道を歩いていても頻繁に日本語を耳にするので、長い事スペインに住んでいる身としては、非常に緊張したりします(笑)。

9月11日、カタルーニャは大変だったそうですね。反対に、こちらでは驚く程何もありませんでした。

又半年経ったらバルセロナに帰るので、その時には又、宜しくお願いします!
| cruasan | 2012/09/17 10:24 AM |
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