地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ルーブル美術館の歩行者計画
忙しい!非常に忙しい!!先週から今週にかけて、各種プロジェクトの締め切り、論文の締め切り、雑誌の原稿の締め切り、はたまた色んな地域からの訪問者の人達の対応なんかに追われまくってて、連日気持ちがいいほどの地中海晴れにも関わらず、異常なほど多忙な日々が続いています。



そんな中、日本でも報道されているかとは思うのですが、先週末スペイン政府は銀行システムの健全化を目的とする融資をユーロ圏から最大1000億ユーロ(日本円で10兆円)受ける事を発表しました。この額はスペインの国民総生産の約1割に相当します。スペインのラホイ首相は、「これは救済プランではない。あくまでも融資を必要としているスペインの銀行に対する貸し付けである」と繰り返し主張しているんだけど、まあ誰が何と言おうと、実質これでスペインは第4の救済国になったと、そう言えるかと思います。もっと言っちゃうと、この様な救済プランというのは、名目上は「困ってる国家を救う」っていう事になってるんだけど、その隠れた目的は「ユーロというEUの統一通貨システムを救う」っていう事なんですけどね。つまり国家を救うという大義名分の名の下に、その国家に借金を背負わせつつユーロ通貨システムを救うというのが、その隠された本質だという事なんです。

この辺の話をし出すと非常に長くなるので詳細は次回のエントリに譲るとして、今回のスペイン救済プランを巡る一連の騒動を見ていて個人的に驚いたのは、スペインのラホイ首相のこの一言かな:



「銀行の問題はこれで一応ケリがついたので、私はこれからユーロカップを観戦しに行ってきます。」

「ハ、ハ、ハ、首相、スペインという国が崩壊しようかどうかって時に、一体何を冗談言ってるんですかー」とか思ってたら、その数時間後には皇太子夫妻と共にポーランドでユーロカップのスペイン戦を楽しんでいるラホイ氏の姿が生中継で映し出され度肝を抜かれました(苦笑)。



まあ彼も言ってる様に「行けば批判されるけど、行かなくても批判される」というのは本当だろうし、それよりも何よりも、今回の出来事は「どんな事よりもサッカーの試合の方が大事だ」っていう、スペインのお国柄を表していて、「それはそれでスペインらしいかなー」と思わない事も無いかな‥‥と、良い方向に受け取っておこう‥‥ほ、本当に大丈夫か?スペイン!!

さて、実は昨日、ここ数年間継続してやってきた一つの事に一応の区切りが付きました。実はですね、ちょっと前から仕事の合間を縫ってちょくちょくと博士課程を進めてきたんだけど、昨日の午前中、僕の博士論文計画案の公開ディフェンスが行われ、3人の審査官達の前で30分の口頭発表、その後の質疑応答をクリアし見事審査に通る事が出来ました。おめでとー、パチパチパチ!!!

って言っても、博士論文を書く権利が与えられたってだけで、学位に辿り着くまでには未だ未だ道は長いかとは思うんですけどね。でも、ここまで来るのに結構色んな事があったし、時間も掛かったので、個人的には感慨深いかな。

僕の博士論文のテーマについては、後日時間がある時にゆっくりと書きたいと思うんだけど、ごく簡単に纏めると、近年勃興してきた新しいテクノロジーを使って、「如何に都市部における人々の生活の質を上げていくか?如何に都市のモビリティを改善していくか?」という事をテーマにしています。その一つの具体例として、グラシア地区の歩行者空間計画や、数年前から僕が進めているルーブル美術館の歩行者空間計画を題材に論文を進めているという訳なんですね。



グラシア地区の歩行者空間計画については当ブログでは事ある毎に取り上げてきたし、雑誌にも何度か書いてきたので「あ、知ってる!」って人は多い事かと思います(地中海ブログ:グラシア地区祭り:バルセロナの歩行者空間プロジェクトの責任者だったけど、何か質問ある?)。



ルーブル美術館についてはですね、以前僕が開発した自動車や歩行者を自動的に追跡出来るセンサーを美術館内に10個ほど取り付ける事によって、そこを訪れた観光客が「一体どの様に動いているのか?彼らは一体何処から来て何処へ行くのか?はたまた彼らはどの作品にどのくらいの時間を費やしているのか?(例えば観光客は平均でモナリザを4分24秒見た後、ミロのビーナスへ移動し、そこで3分12秒費やす)」などという、今までとは全く次元の違う訪問者分析を提案する事を目的としています。一応断っておきますが、このシステムはプライバシーの問題は完璧に克服しています。



このシステムを用いた分析手法などについては欧米の雑誌には結構書いているので、ヨーロッパでは結構知られる所となってきていて、その結果、今年1月にスウェーデンで行われた観光とITに関する国際会議に招待論文として招かれたり(地中海ブログ:シティ・リージョンという考え方その1:スンド海峡のエレスンド・リージョンについて)、非公式で行われる政府や私企業の研究会なんかで発表する機会を与えられたりと、結構順調なプロセスを辿っていると思います。その一貫で、ちょっと前の事なんだけど、こちらの新聞に2ページに渡って大きく取り上げられたりもしました。



昨日行われた発表は、そんな「これまでやってきた事の一つの区切り」みたいな感じだったので、個人的には大変感慨深かったと、まあ、そういう訳なんです。という訳で昨日の夜は、ちょっとした「打ち上げパーティー」を企画し、知り合いなんかと一緒にバルセロナ市内のPobre Sec地区にあるバルセロナで今一番美味しいステーキを出すお店(と僕が勝手に思ってる)に行ってきました。最近結構利用するんですよね、このお店。で、当然頼んだのはコチラ:



これでもか!って言うほど分厚いステーキの登場〜。このお店で注文するポイントは焼き加減をレアよりもちょっと生寄りで頼む事かな。ここのシェフ、無茶苦茶いい加減だから、時々焼き過ぎるんですよねー。だから「レアより少し生」で頼むと丁度良い感じでレアになってるって訳(笑)。

今週後半はインド、ニューヨーク、そしてスイスから大学関係者や政府関係者の人達がバルセロナに来る事になってて、そんな彼らとミーティングの予定が入りまくっています。今日ようやく一区切り付いた所だけど、美味しいお肉でお腹も一杯になった事だし、又明日から気分を仕切り直して頑張ろう。
| 大学・研究 | 05:06 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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