地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ヨーロッパの紅白歌合戦ユーロビジョン2012
昨晩はマドリッドでサッカーの国王杯決勝戦が行われ、スペイン国営放送(TVE:Television Espanola)とカタルーニャ放送(TV3:Televisio de Catalunya)が生中継する中、開始早々2分余りで1点目を先取したバルサがそのままの勢いで3点をもぎ取り快勝!見事、グアルディオラ監督の有終の美を飾る事に成功しました(地中海ブログ:バルサのグアルディオラ(Josep Guardiola)監督辞任会見)。

優勝が決まった瞬間からバルセロナ市内では「花火上がりまくり、クラクション鳴りまくり」の状態が続き、まるでカタルーニャ中が「バルサ、おめでとう。グアルディオラ監督、お疲れ様」と言っているかの様だったんですね。そんな光景を横目に見つつ、ネットを見ていたら、ちょっと面白い記事を発見!それがコチラ:



「スペイン国営放送(TVE)とカタルーニャのテレビ局(TV3)では国歌の聞こえ方が違った」と題打った記事が、それこそ試合が終わるか終わらないかの内にアップされていたんですね。

 一体これは何が言いたいのか?

手短かに言うと、つまりはスペインという国家を表象する国歌が流れている間、ナショナリズム色が強いカタルーニャ地方とバスク地方から各々のサッカークラブを応援する為に駆け付けたファン達が、「スペイン国家なんてクソ食らえ」くらいの勢いでブーイングをしまくったものだから、それらの野次を出来るだけ聞こえない様にしようと、スペイン国営放送(TV1)はボリュームを上げ、反対にナショナリズム色の強いカタルーニャのテレビ局は「ブーング大歓迎!」と言わんばかりに何もしなかったが故に、2つのテレビ局の間で国歌の聞こえ方が違った。それが中央と地方の温度差を表していると、まあ、こんな所ですね(苦笑)。

上のビデオで国歌が流れてる間中、ずーっとスタジアム全体を包む「ピュー、ピュー」という口笛が聞こえるかと思うのですが、これが全てブーイングです。

最近の日本では国歌(君が代)に対してのブーイングという行為が様々な議論を巻き起こしているみたいなんだけど、スペインでは「国歌に対するブーイング」は少なくとも禁止されてはいません。って言うか、カタラン人達からしたら「国歌にブーイングする何て当たり前」くらいに思ってるっぽい。今回の出来事はその様な、スペインと日本における「国というシステムに対する考え方の違い」を浮き彫りにしてくれたという意味において、見過ごされがちなんだけど大変興味深いものだったと思います。

 

さて、話は変わって、今日は一年の内で僕が最も楽しみにしているイベントの一つ、ヨーロッパの紅白歌合戦と名高いユーロビジョンの開催日です(地中海ブログ:ヨーロッパ各国の意地と意地のぶつかり合い、ユーロビジョン(Eurovision)2011、地中海ブログ:ユーロビジョン2010:欧州全域を巻き込んだ国民投票システムか?)。

まあ、今さらユーロビジョンとは一体何なのか?という事を書くまでもないとは思うんだけど、一言で言えば、それはヨーロッパ各国の意地と意地をを掛けた熱き戦い‥‥かな(笑)。って言うと結構冗談っぽく聞こえるかもしれないんだけど、実はヨーロッパ中を巻き込んだこのお祭り、規模だけで見ればワールドカップの次に視聴率が高いと言われるほど、欧州では注目されているイベントなんですね。しかも数年前からは投票システムにSNSなどの新しいテクノロジーを取り入れ、欧州全体でリアルタイム投票を実現しているというから驚きです。

 

で、このユーロビジョンの見所なんだけど、各国の代表歌手が交互に歌や踊りを披露する和気あいあいとした紅白歌合戦かと思いきや、ドッコイ!ここにはかなりの政治的な要素が絡んでくるから面白いんです!

各国代表の歌手達が5分程度のパフォーマンスを披露した後、各々の国は自分達が良いと思った国に投票する権利が与えられてるんだけど、半分お遊びみたいなイベントだからこそ、オフィシャルな舞台では絶対に表には出さない様な「近隣諸国に対する本音」みたいなものが垣間見えるんですね。だから、「フランスはどんな事があってもイギリスにだけは投票しない」とか、「スカンジナビア諸国は仲間意識が強いので、互いに票を入れ合って助け合う」とか、スロベニアはクロアチアに投票するんだけど、スペインは絶対にポルトガルには投票しないとか、そんな各国の本音を物凄くハッキリと見る事が出来る希有なプログラムとなっているんですよ(笑)。

一昨年なんて、ドイツがギリシャに高得点入れてましたからね。つまりはリアル世界では酷い事になってるけど、ユーロビジョンくらいは楽しんでね、と、そんなメッセージだったのかもしれないなーと、そう思って見てました(地中海ブログ:ユーロビジョン2010その2:欧州の大国がギリシャに投票したのはある種のメッセージなんじゃないの?とか思ったりして(半分冗談))。

さて、そうこうしているうちに今年もユーロビジョン開催の時刻が刻一刻と迫ってきています。今夜21時の開幕と同時に、Twitter上では欧州在住組の皆さんによる熱き戦いが繰り広げられます(笑)。皆さん、今年も楽しみましょう!

速報:
今年も音楽的なパフォーマンスとは全く関係がない政治的な投票の結果(笑)、2012年ユーロビジョンの優勝はスウェーデンに決まりました。結構圧倒的で途中からは独走状態だったかな。個人的にはロシアのおばちゃん集団が今までの常識を打ち破るスタイルでインパクト満点だったんだけどなー。



ちなみにこのスウェーデン代表の人、「どう見ても貞子にしか見えない」とTwitterでは話題騒然でした(笑)。
| サブカル | 22:31 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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