地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペインのTwitterフォロワー数国内ランキングを見て思った事:スペインではサッカーが生活のリズムを作っているという事について
先週半ば辺りからスペインを含むキリスト教国は復活祭(イースター)の連休に入っています(って言っても今日で終わりなんですけどね)。復活祭というのはキリスト教国においては大変重要な年中行事となってて、と言うのもイエス・キリストが十字架にかけられて亡くなり、その3日後に復活した事を記念するという、数あるキリスト教の名場面の中でも最もドラマチックな瞬間を祝う期間となっているからです。



故にこれらの場面を題材にそれこそ数えきれないくらいの名画が今まで書かれてきたんだけど、ラファエッロが描いた「キリストの変容」はキリストが復活し、その後、天に昇っていく正にその瞬間を捉えた傑作だと言う事は以前のエントリで書いた通りです(地中海ブログ:幸福の画家、ラファエロ・サンツィオ(Raffaello Sanzio):キリストの変容(Trasfigurazione))。ラファエロ、やっぱり良いな〜。

そんな中、先週金曜日はイエス・キリストが十字架に掛けられて亡くなってしまった「聖金曜日」だったので、「その受難と死を皆で分かち合おう」というコンセプトの下、街中のお店というお店が閉まり、街全体が悲しみに包まれる日‥‥という事になっていました。ちなみにフランコ独裁政権下のスペインでは、聖金曜日にはお店を開店する事を厳しく禁止し、ラジオではクラッシック音楽だけを流し、国民に「悲しむ事」を強制していたらしい。



もう一つちなみに、カタルーニャでは伝統的に「モナ・デ・パスクワ」と呼ばれる、ゆで卵が入ったパンケーキ(通称ゆで卵ケーキ(苦笑))を復活祭の翌日に家族みんなで食べるという習慣があります。



最近の流行では、バルサ模様のチョコレートケーキや、漫画のキャラクターに模したものなど様々なバリエーションが出てきているのですが、伝統的なモナ・デ・パスクワにはチョコレートで形作られた卵じゃなくて、本物のゆで卵が入ってて、ケーキと一緒に食べるのにはちょっと困る(苦笑)という状況になっちゃったりするんですね。



と言う訳で、店頭に並んだ色とりどりのケーキを見つつ、何時もの様にクロワッサンとコーヒーで朝食をとりながら新聞を読んでたら、ちょっと面白い記事が目に飛び込んで来ました。それがコレ:「世界におけるTwitter利用状況」という記事なんです。

その記事によると、世界で一番Twitterが使われているのはアメリカで、その数なんと、107,7万人!第二位はブラジルで33,3万人。日本は第三位(29,9万人)に付けてるんだそうです。スペインはというと、インド(13万人)とメキシコ(11万人)のちょっと下、カナダ(7,5万人)の上の世界第9位で、利用者は8,5万人らしい。スペインが世界第9位というのも驚きだったんだけど、それよりも何よりも、僕にとって圧倒的に面白かったのはスペインにおける「国内フォロワー数ランキング」でした。それがコチラ:

1. Alejandro Sanz: 5,325,922
2. Real Madrid: 4,091,809
3. David Bisbal: 3,004,734
4. Andres Iniesta: 2,851,302
5. Cesc Fabregas: 2,811,863
6. Gerard Pique: 2,488,351
7. Carles Puyol: 2,481,731
8. FC Barcelona: 2,103,131
9. Sergio Ramos: 2,070,276
10. Xabi Alonso: 1,990,031

何が面白いって、ランキングベスト10の内、実に8人もがサッカー関係者で占められているという驚きの事実がです。む、む、む‥‥これはスペインという国の一つの側面を現しているかの様で非常に興味深いなー。

バルセロナに住んでいると日常生活における「サッカーの影響力」というものの凄まじさを感じずにはいられません。試合が有る時は勿論、無い時にだって「3人寄ればサッカーの話」というくらいサッカー好きで知られている民族、カタラン人。伝統の一戦、バルセロナ対マドリッドの試合がある日なんかには、街全体が何だか朝からソワソワしてるみたいだし、勝ったら勝ったで街中に花火が上がりまくり、中心街は朝までお祭り騒ぎ。で、決まって次の日は11時くらいまでは仕事場には誰も来ない‥‥みたいな(笑)。

その様な状況が社会全体を包み込んだ文化にまで昇華している国、それがスペインという国なのです。もっと言っちゃうと、スペインにおける生活のリズムというのは正にサッカーと共にあると言っても過言ではないんですね。そう、この街では一年がサッカーと共に始まり、サッカーと共に終わっていくという状況が垣間見られるのです(バルサについてはコチラ:地中海ブログ:FC Barcelona(バルサ)のマーケティングがスゴイ:バルサ・ミュージアムに見る正に「ゴールは偶然の産物ではない」)。



かつて我々の生活にリズムを付けていたのは一年の節目節目に行われるお祭りや祝祭などでした。豊穣を祝うお祭りや、季節の変わり目に設定されていた祝祭というのは、農作物に感謝をしたり、願掛けをするというのは勿論の事、朝から晩まで同じ様な作業しかしない極めて平坦になりがちな我々の生活に「楽しみ」を提供する大変重要な役目をも担っていたんですね。



その様な、ローカルに根ざした祝祭というのは、その土地土地の影響を色濃く受け、独自に発展してきたものであるが故に、その土地の特徴を含んだ表象行為として現れる事となりました。そして我々はそれらの違いを「文化」と呼んだりしてきた訳です。



しかしですね、都市間競争が激しさを増し、「観光」が都市の主要モーターになるにつれ、かつては生活のリズムを刻んでいた祝祭などが、何時の間にか、観光客を惹き付ける一つの道具に変わってしまったという状況を我々は目の当たりにしています。先週から今週にかけてヨーロッパ全土で行われている復活祭のパレードが正にその良い例だと思うのですが、今ではその「一風変わったお祭り」を一目見ようと、世界中から観光客が押し寄せるという状況になっているんですね。



そんな「村民や住民達の為の祝祭」が、「観光客達の目を楽しませる為の見世物」に変わってしまった現代社会において、実は未だにローカルに我々の生活に楽しみを与え、そして我々の社会のリズムを作っているのは、もしかしたら、現在最もグローバルに展開している、それこそグローバリゼーションの申し子と言っても過言ではない「サッカーのリーグなのかもしれない」とさえ思えてきます。大体スペイン人って、6月とか7月頃にリーグの優勝が決まったら、「あー、今年も一年が終わったなー」とか思ってるぽいですからね(笑)。当然そこからは全く仕事にならず、8月の1ヶ月の夏休みに突入〜!みたいな(笑)。

そんな、日常生活の中で感じる事の出来る「感覚」をきちんとした数字で定量化するというのは結構難しい事で、今回のTwitterのフォロワー数というのは、正にその良い一例かなとか思っちゃいました。つまりはそのフォロワー数が社会の中におけるサッカーの影響力みたいなものを現しているという意味において。

さあ、春の長期連休も終わり、明日からは又忙しい日々が始まります。日も長くなってきた事だし、がんばっていこうかな。
| バルセロナ都市 | 03:38 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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