地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペインの美人すぎるニュースキャスターその2:アナ・パストール(Ana Pastor):現代スペイン最強の女子アナ
当ブログのプロフィール欄にある様に、僕は毎朝コーヒーとクロワッサンを食べながらゆっくりと新聞を読む時間が好きなのですが、それら右寄り左寄り2つの新聞からの情報に加えて、出来るだけ朝晩のニュースも見る様にしています。



何故かって、そうじゃないと情報が偏ってしまうからなんですね。新聞に書いてある事がこの世の真実であるかの如くに思われている日本では信じられない事かもしれないのですが、元来メディアの情報というのは、そのメディアがとっている立ち位置に依ってしまうのが当たり前なので、一つのメディアからの情報だけだと、どうしてもそちら寄りに洗脳されていってしまいます。例えば、La Vanguardia紙はカタルーニャ民族主義政党CiUの新聞なので、どうしてもそちら方面からの論説が多くなってしまうという様に(地中海ブログ:もう一つの9月11日:カタルーニャの場合:グローバルの中に息づくローカリティ

各種メディアに何かしらの個性があるという事は特に悪い事じゃありません。そうじゃなくって、問題はそれらのメディアに書いてある事が全く公平だと思い込んでしまう視聴者の方にあるんですね。逆に言えば、そういう事を生まれた時から知っていて「新聞は疑って掛かるものだ」という事を当たり前の様に分かっているスペイン人というのは、実は結構リテラシーが高いのかもしれないなー。

そんなリテラシーが結構高い国、スペインにおいては視聴者の目が大変厳しい事などから、テレビでニュースを読む側にも当然の如く、それ相応のレベルが求められる事となります。そしてスペインのニュース番組の特徴として、メインキャスターは女性が担っている事が圧倒的に多いと言う事が挙げられると思うんですね。



例えば以前何度か紹介した、ドラゴンボールの18号にそっくりなMaria Casadoさんとか(地中海ブログ:スペインの美人過ぎるニュースキャスター、Maria Casadoさんって‥‥)。いつもファッションがちょっと可笑しいマリアさんなんだけど(笑)、彼女の実力は折り紙付きで、毎週火曜日の夜に59 segundo(59秒)っていう、政治家達を何人か呼んで時事を討論し合うっていうかなりヘビーな番組を担当してるのを見てたりすると、「ただ単に可愛いだけの女子アナじゃないな」とか思っちゃうかな。

そんな大変有能な人材が集まりまくってるスペインのニュース業界なんだけど、その中でも現代スペインが誇る史上最高、最強の女子アナと言っても過言ではないのが、この人です:



今やスペイン国営放送の顔、アナ・パストール(Ana Pastor)ちゃんです。容姿端麗な彼女が担当しているのが、毎朝9時からTVE(スペイン国営放送)で始まるLos Desayunosという番組。ちなみにLos Desayunosとはスペイン語で「朝ご飯」を意味するんだけど、こんな美人な女性+「朝ご飯」っていう組み合わせなので、あたかも「仕事に出かける前の和み系+ちょっとかわいい系の番組か?」とか勘違いしそうになるんだけど、ところがどっこい、この番組が凄いんです!多分、今スペインで放送してる番組の中でも、かなりエグイというか、一番刺激的な部類に入るのでは?と思います。

番組の構成は、旬の政治家(国内国外問わず)を招いてアナ・パストールがインタビューするという形式で始まります。で、この番組の見所はと言うとですね、アナ・パストールの「これでもか!」という鋭い突っ込みなんですね。視聴者が知りたい所を突っ込む、突っ込む!そんな超ダイレクトな質問攻めで、数々の政治家達をブッタ切ってきた彼女の歴代インタビューの中でも、最も刺激的だったのがこの人とのインタビューです。



イラン・イスラーム共和国第6代大統領マフムード・アフマディーネジャード(Mahmoud Ahmadinejad)氏とのインタビュー。これが放送されたのが2010年春の事だったんだけど、このインタビューでアナ・パストールが引き出したイラン大統領の返答が物凄いっていう事で、これをキッカケに彼女の名が欧州中に広がる事となった程なんです。これはもう見てもらった方が早いと思うので、下記に訳を載せておきました:

 

以下の訳文は上のビデオの全訳です。
AP:アナ・パストール
MA:マフムード・アフマディーネジャード

AP:民主主義に関する非常に重要な案件について質問させてください。ヨーロッパにはヨーロッパ議会が存在し、イランについては特に以下の点に関して大変厳しい見解を持っています。同性愛者に対する処刑と(特に女性に対する)石打ちの刑についてです。勿論ご存知だとは思いますが、ヨーロッパ市民の多くはあなたの国に今でも(特に)女性に対する大変惨く残酷な刑罰が存在している事に強い感心を払っています。ヨーロッパ議会というのは民主主義に乗っ取って選ばれた代表により構成されています。つまり議会の声はヨーロッパに住む全ての人達の声なのです。このような、議会やAministia InternationalといったNGOなどの分析についてはどの様なお考えをお持ちなのでしょうか?
AP: Déjeme que le mencione algo importante. Estamos habando de democracia. En Europa existe el parlamento europeo y ha sido especialmente duro con dos asuntos relacionados con el pueblo iraní, con las ejecuciones a homosexuales y también con la lapidación. Ya sabe que en Europa llama mucho la atención que todavía exista una pena tan dura y tan terrible para mujeres pero también para hombres. Es el Parlamento Europeo que está elegido democráticamente. Qué contesta el presidente A a esos análisis que se hacen desde allí, que los hacen las ONGs, que los hace Amnistía Internacional pero lo hace también el Parlamento.

MA:どうしてヨーロッパ議会やNGOは他国の事情に口を挟んでくるのでしょうか?我々の国がいつ、全く関係の無い他国が我々の案件について干渉する事を許可したというのでしょうか?ヨーロッパの国々は我々のお国事情に口を挟む事が出来るのでしょうか?もしそうであるならば、我々イランもヨーロッパについて思っている事をぶちまけようと思います。ヨーロッパというのは、世界的な専制政治の下に最も抑圧された国々ですよね。ヨーロッパ諸国の国民は自らの代表である政治家や政党を選ぶ権利を持ってはいないのですから。ハッキリ言うと、あなた方は世界的な暴君によって選ばれた幾つかの政党に強制的に投票する事を義務付けられているだけなのです。ヨーロッパ国民は政党政治の囚人であり、多くの政党政治はシオニストによってコントロールされているのです。一体ヨーロッパにおける何処の国のどの政党が自らの意志で自由に振る舞う事を許可されていると言うのでしょうか?ご存知でしたら教えて頂けないでしょうか?まあ、そんな事が出来ない事は明らかですけどね。どうしてヨーロッパ議会はシオニストの犯罪者達に対しては無いも言わないのでしょうか?
MA: ¿De donde ha traído sus facultades para intervenir en nuestros asuntos? ¿El pueblo iraní les ha permitido? ¿Acaso el pueblo europeo puede intervenir en los asuntos iraníes? Nosotros también daremos nuestra opinión. Nosotros decimos que el pueblo europeo es el pueblo más reprimido bajo la tiranía del mundo porque el pueblo europeo tiene el derecho de elección. Ellos solamente están obligados a votar a unos cuantos partidos políticos. Son prisioneros de los partidos políticos y muchos partidos políticos están controlados por los sionistas. Por favor demuéstreme unos cuantos partidos políticos que puedan actuar libremente. Es muy claro. ¿Por qué el Parlamento Europeo no toma postura contra los crímenes de los sionistas?

AP:それは違います。ヨーロッパ議会は今回のイスラエルの行動には手厳しい態度を取っていますし、スペインでは一方的にイスラエルを擁護する意見だけでは無く、多様で活発な議論がなされているのです。本当ですよ。
AP: No, no. Ha sido muy duro también con algunas actuaciones de Israel, Presidente, y créame que es un tema muy sensible en España.

特に1分58秒くらいの所、感情的になった大統領がシオニストの話題を出した所で、アナ・パストールがカメラ外をチラッと見る場面があります。これは、「これ以上踏み込んだらヤバイから抑えろ!」みたいな指示が上から出た信号だと読み取る事が出来ます。

こんな際どい質問には、それ相応の危険が伴っているという事は彼女自身も良く分かっている筈。それでも「真実を知りたい」の一点で、そのまま突き進んでいく彼女の姿には大変共感出来るものがあり、その姿勢こそがスペインにおける彼女の人気とこの番組の人気を支えている秘密だと思うんですね。

スペインでは先月政権が社会労働党から民衆党に変わって、それまで民衆党に批判的だったアナ・パストールをキャスターから引き摺り下ろそうという話も出ていると聞きます。一ファンとして、これからもこの刺激的な番組が続く事を只々祈るばかりです。
| スペイン政治 | 21:53 | comments(6) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
cruasanさん

ご無沙汰しております!
私もアナ・パストールさんのLos Desayunos 好きでよく観ます。
いいですよねぇ この人の鋭いツッコミ!!!
インタビューされる側が質問の主旨を巧みに摩り替えて答えても、
更なるツッコミで攻めるのはさすがですよね。
政権交代後も、こういう番組は残って欲しいものです。

ところで、マリアさんのファッションは、男性からみても、、、
何ですね(笑
飄々としたイメージがあったのですが、
実はとってもチャーミングな女性なのではと思っています。

政権交代後の番組編成がどうなるのか注目ですね。
| sara | 2011/12/09 3:24 AM |
そうそう、この世紀のインタビュー私も偶然見てたけど、ササーっと聞き流してただけなので、こうして文字にしてくれると、あぁそうかこういうことも言ってたのか、ってよく分かります。訳してくてれ乙。

で、マリアさんね、こないだ女性週刊誌にノースリーブ姿で出てたんだけど、ものすごくたくましい二の腕、顔を除いて体形はおばさん街道まっしぐら・・・。ちとびっくりしました。

アナさんもマリアさんも、こう芯があって凛としててカッコいい!日本では受けないタイプかもしれないけどさ。
| ay | 2011/12/10 4:01 AM |
Saraさん、本当にご無沙汰です。お元気ですか?

アナパストールのインタビューに慣れてしまうと、その他のインタビューが生緩くて‥‥という副作用が出てきています(笑)。やっぱりみんな、マリアさんについては思っている事、同じなんですね。マリアさんはカタラン人なので、きっとチャーミングなのでしょう‥‥という事にしておこう(笑)。
| cruasan | 2011/12/13 5:07 AM |
ayさん、こんにちは。

ayさん、週刊誌結構読まれてますよね?何処で読むんですか?美容院?僕も読みたいんだけど、カフェにはなかなか置いてないし、買うのも何だし、と何時も思ってます。

マリアさん、確かにカタラン人のおばちゃん街道まっしぐらかも(苦笑)。まあ、視聴者として、もうちょっと暖かく見守っていきましょう。
| cruasan | 2011/12/13 5:11 AM |
Cruassanさん

こんにちは。
Ana Pastor のMahmoudイラン大統領へのインタビューは、私も当時ハラハラしながら見ていました。彼女の毅然とした態度に思わず釘付けでしたが、髪の毛を覆っていたスカーフが取れてもそのままインタビューをし続けていたのが印象的で、カメラへの一瞥は、それで関係者から注意を受けたのかと思っていましたが。。。

個人的に、若手ではTV3のAdriana Oltraが美人・快活アナで好きですが、Ana Pastorさんの辛辣なコメントには誰も歯が立ちませんね。以前『La nit al dia』の司会を務めていた現TV3ディレクターのM&ograve;nica Terribas を超える大物かもしれません。

更にはご主人のAntonio Garc&iacute;a Ferreres もSextaのディレクターで、『Al rojo vivo』の司会もこなしていますし、この二人は今マスコミ業界最大のカップルではないでしょうか?
| cerdanya | 2011/12/13 11:34 PM |
cerdanyaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

今回の記事を書いて分かった事は、スペインに住んでる人って結構テレビ見てるんだなーと言う事です。そして結構みんなゴシップ好き(笑)。そうそう、アナパストールはご主人もテレビ局の人で、しかもLa Sextaのディレクター。もしも現政権(民衆党)がアナ・パストールを解雇しても、彼女の行き先は安泰と言う訳ですね。まあ、そうでなくても引っ張りだこでしょうけど。
| cruasan | 2011/12/16 7:50 AM |
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