地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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速報:バスク地方の独立を目指す民族組織ETAがテロ活動を永久に停止すると発表
昨日からバルセロナはお祭りムードに入っています(って言っても、それは多分僕の周りだけの事だと思うんだけど・・・)。と言うのも昨日、欧州委員会がバルセロナの長年の夢だった「地中海の弧」を現実のものとすると公式に発表したからなんですね(地中海の弧についてはコチラ:地中海ブログ:地中海の弧の連結問題:ペルピニャン−フィゲラス−バルセロナ間の高速鉄道連結計画の裏に見えるもの)。具体的には2020年までに地中海に沿った鉄道網を完結させる為、5兆円相当の資金を投入し、その内約20%までを欧州委員会が補助すると発表しました。その為、昨日は中央政府からホセ・ブランコ勧業大臣やカタルーニャ州大統領、バルセロナ市長なんかも交えて、大規模なお祝いがされていたって言う訳なんです。

今日はその事について書こうかなと思っていたら、その矢先、午後19時頃の事だったと思うのですが、物凄いニュースが飛び込んできました。それが:

「ETA、テロ活動を永久に停止する事を宣言」

と言うニュースだったんですね。速報と言う事で、メモ程度に書いておこうと思います。

ETA、正式名称は「バスク祖国と自由 (Euskadi Ta Askatasuna)」。スペインのバスク地方の独立を目指す民族組織の事で、フランコの独裁政権に反発する形で結成されて以来、爆弾や暗殺といったテロ事件を数多く起こしていて、今までに殺害された人の数は800人にも上ります。

そんな彼らは定期的に「停戦宣言」を発表してきたんだけど、それが今まで守られた事は一度も無く、停戦宣言の直ぐ後にテロ行為を繰り返してきた事などから、今回の第一報を聞いたスペイン人達の一般的な反応は、「又何か言ってるよー」だったかなとは思ったりもします。ただ、今回の彼らの宣言がちょっと違っていたのは、「テロ活動を永久に停止する」とした所だったんですね。

それを受けて先ずはすかさずサパテロ首相が「民主主義の勝利だー!」みたいな表明を発表しました。続いて各政治家達も次々に声明を発表し始めたんだけど、この裏には勿論、来月20日に迫った総選挙を見据えた戦略が見え隠れしています。そういう意味で、今の時点での政治家達の言動には常に冷静な目で見る事が要求されると思います。

まあ、今まで何年もかけてETA撲滅の舵取りをしてきたのは、社会労働党のルバルカバ氏である事に間違い無くって、彼が今回のETAの発表を受けて、それを選挙の「広告」として売り出していく事は目に見えているし、前述した「地中海の弧」の実現の為に暗躍し、欧州委員会から多額の補助金を取り付けてきたのも社会労働党(PSOE)。つまりはココに来てPSOEに追い風が吹き始めたかなとは思います。もっと言っちゃうと、この欧州委員会の決定を受けて、思わぬ冷え飯を食わされてしまったのが実は民衆党(PP)。PPが舵取りをする他の自治州では、中央との間に亀裂が走り始めている事は予想に難しくありません。

まあ、これらの追い風が吹けども、社会労働党の負けには変わりが無いでしょうけどね。来月の総選挙の争点はもはや民衆党対社会労働党と言う点にあるのではなく、「社会労働党がどうやって負けるか?」と言う点に移ってきています。そこを見間違えると、それこそ奈落の底に落ちる気がします。
| スペイン政治 | 06:09 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
最近、ETAのことを調べていたのですが、
スペイン本土では政治も関わってきていたんですね。

ためになりました
| ふぃふぃ | 2014/02/09 9:38 PM |
ふいふいさん、はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます。

ハイ、特に最近動きが激しいです。
| cruasan | 2014/03/03 4:18 AM |
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