地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペインの医療システムについて2:スペインの医者の驚くべき給料体系について
前回のエントリ、スペインの医療システムについて1:歯医者の場合の続きです。前回のエントリで何故わざわざ僕の歯の話題を出したのかと言うとですね、何も僕の近況報告をしたかったからではなく、ここ数週間スペインで大問題となっている医療機関への予算削減問題を話題にしたかったからです。

現在スペインでは医療機関への予算削減が社会全体を巻き込んだ大問題にまで発展してて、バルセロナではそれこそ毎日の様に医療関係者によるデモが見られる程にまでなってきたんだけど、何でかって、州政府が要求している予算の削減額が尋常ではない為、医者や看護婦さんの給料をカットするのは当たり前、それでも未だ足りないから、病院のベット数を減らしたり、勤務時間を減らしたりとまあ、ありとあらゆる努力をしているにも拘らず、更なる削減を州政府が要求しているからなんですね。

大体、医療と言うのは我々の社会にとっては基礎中の基礎に当たるインフラであって、そんな社会を維持する上で最も大切なインフラには「どんな事があっても手を出さない」というのが筋だとは思うんだけど、スペインの各自治州がそこにまで手を出し始めたという事は、「医療にまでもメスを入れざるを得ないくらい州政府が追い込まれている」という証だと思います。

そんな状況なので、最近のメディアには医者や看護婦さん達が置かれた情報が事細かに載ってたりするんだけど、それを見るに付け、「えー、これ本当なの?」って言う衝撃の事実を発見しちゃいました。それがスペイン、もしくはカタルーニャ州における「医者の給料」に関する話題です。

以前のエントリで書いた様に、スペインには公立と私立と言う2つのタイプの病院が存在するんだけど、スペインにおいてステータスが高いのは公立病院で働くお医者さんです。だから王様やお姫様、もしくは先日結婚したばかりのスペインの大富豪、アルバ公爵婦人(85歳)なんかが病気になった時などは、多くの場合、公立の病院に行って治療を受ける事になるんですね。ちなみにスペイン国王なんかは手術の為にわざわざバルセロナの公立病院に来たりしています。この事実は「バルセロナの医療機関のレベルの高さ」を物語っていると思います。もう一つちなみにアルバさんの今回の結婚相手は全く普通の公務員の方で、巷では「財産狙いか?」との噂が絶えなかったんだけど、それよりも何よりも、結婚式でアルバさんがフラメンコを踊っていたのにはちょっと笑った:

 

で、ここからが問題なんだけど、公立病院のお医者さんって言うのは当然の如く公務員である訳で、スペインにおける公務員と言うのは、階級によって給料が厳しく制限されているんですね。で、先日の新聞に載ってた情報によると、何と、スペインの公立病院で働く医者の給料は最高で月々2500ユーロ(1ユーロ100円で計算して日本円で25万円)程度と言う事が判明してしまいました!

更に、この2500ユーロ(詳しく言うと2542ユーロ)と言うのは基本給+変動給という合計で、基本給は月々1110ユーロ(11万円)なんだそうです。更にその下のクラスになると、月々の給料が1200ユーロ(12万円)で基本給は550ユーロ(5万5千円)とかになるんだとか。更に最近の給料カットなどの影響で、月々800ユーロ(8万円)程度しか貰ってない医者も多いという事も載っていました。

お医者さんって「ものすごくお金持ち」、もしくは「凄く稼いでいる」っていうイメージがあったんだけど、そのイメージはスペインでは必ずしも正しくは無い様です。それ以上に、「人の命を扱う医者の給料が2500ユーロってどういうこと?」とか思ってしまうのは僕だけではないと思います。ちなみにさっき、Youtubeでバクマン見てたんだけど、その中で漫画家のアシスタントの給料の話題が出てきました。その人はかなりの経験者で、アシスタントの中でも最上級クラスらしいんだけど、彼の給料は月々38万円なんだとか。スペインで月々38万円(3800ユーロ)の給料って言ったら、もうそれこそ、大会社の社長とかそんなクラスじゃないのかな?医者は勿論、大学の名誉教授クラスだって全く足が及ばない額ですからね。ちなみにスペインの大学教授の給料も安くて、最高でも3000ユーロくらい。

スペインの医者と言うのは世界的に見ても大変レベルが高く、スペインの医療機関はしばしば世界的な評価に上る程だという事は良く知られた事実だと思います。例えばバルセロナのValle de Hebron大学病院は世界で初めて顔全体の移植手術に成功してるし、同大学病院の外科医であるJose Balselgaさんがボストンにあるマサチューセッツ病院(Massachusetts General Hospital)の癌研究所のチーフと、ハーバード大学メディカルスクールの教授に招かれたというニュースは世界的な注目を集めたばかりです。

今までは、こんなレベルの高い病院での診察が無料だという事に、ただただ驚いてきただけだったけど、そこで働いている医者の給料の実態を知って、その驚きが2倍にも3倍にもなりました。このスペインの医療システムについてはまだまだ未知の部分が多そうです。
| スペイン都市計画 | 04:47 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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