地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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バルセロナの1つ星レストラン、アルキミア(Alkimia)のとってもお得なランチメニュー
今週中頃からバルセロナは急に涼しくなってきて秋の様相を呈し始めてきました。秋と言えば「食欲の秋」という訳では無いんだけど、今週は本当によく食べた。「人間ってこんなに食べれるのか?」ってくらい食べた気がする(笑)。朝食はバルセロナで2番目にクロワッサンが美味しいと評判のカフェEscribaに始まって、お昼は前菜からデザートまでしっかり食べた上、夜もガッツリとディナーを食べちゃうって言う食べ三昧の一週間だったんですね。そんな中、「普段は行かない、ちょっと変わったレストランへ行ってみよう」と言う事になり、バルセロナ市内にある1つ星レストラン、アルキミアに行ってきました。



コンタクト Address: Industria 79
Tel: 932076115
Web: www.alkimia.cat

サグラダファミリアの近くにあるこのレストランでは、値段の違う3つのコース料理が提供されていて、一つ星なのにお値打ちなランチが気軽に楽しめちゃうって言う、大変嬉しいレストランとなっています。バルセロナ在住の知り合いの料理人に言わせると、この質の料理でこの値段ならコストパフォーマンス的には申し分無し、「超お奨め」という事を繰り返し言っていました。

このお店のポイントはランチメニューが3つのランクに分かれている事、そしてその一番下のコースが3皿(プラス2皿のお通し&デザートと乾き物)で35ユーロと言うコースを提供している事だと思います。間違っちゃいけないんだけど、これは値段の問題じゃなくて、料理の量の問題です。星付きレストランって、概して料理が無茶苦茶出てくるので、食べ終わる頃にはお腹一杯を通り越して、気持ち悪くなる事が多いんですね。世界一のレストランと名高いエル・ブジなんて20皿近く出てくるそうで、帰り道のタクシーの中でお客さんが吐いたりすると言う噂を結構良く耳にする程です(苦笑)。その点、この35ユーロのランチメニューだったら、全部あわせて5皿程度なので、お腹は一杯になるけど、気持ち悪くなる程ではありません。

と言う訳で、今回はこのアルキミアに行こうという事になったんだけど、お店に入る前にちょっとしたビックリがありました。実はこの一つ星レストランの真横には中国人の方が経営していると見られる「なんちゃって日本食レストラン」があるんだけど、その店の前に置いてあるメニューを見てビックリ:



何かメニューの中に「海老の」とか書いてある(笑)。「海老の・・・何?」みたいな(笑)。スゴイ気になる・・・もしかしてこれは、「海老の何か」と言う事を匂わせておいて、それが気になってしょうが無いお客さんに注文させるって言う、かなり高度なマーケティングなのか?とか思ってしまった(笑)。まあ、冗談はこれくらいにして、早速レストランの中へ入って行きます:



中は結構こじんまりとしていて、10組も入れば一杯になってしまう程なんですね。ちなみに僕達が行った時には、10組中4組が日本人のグループでした。



室内は狭いながらも各テーブルには絵画が掛けられていたりして、ナカナカお洒落な空間に仕上がっています。そうこうしている内にメニューと共に運ばれてきたのがコチラです:



細長いパン・・・かな?ポッキーみたいな感じと言ったら良いのでしょうか。食べてみるとカリカリでなかなか美味しい。そして今日一つ目のアミューズがコチラ:



小さなコップの上にはサラミ、そして下に入っているのはパン・コン・トマテの液体版だと説明された気がするんだけど・・・と思って飲んでみたら、やっぱりパン・コン・トマテの味がする!パン・コン・トマテと言うのは、カタルーニャ地方に伝わる伝統的なパンの食べ方で、パンにトマトを塗りつけて食べる料理なんだけど、ちょっとお洒落なレストランでは、アミューズにこのパン・コン・トマテをスープとかにして少し崩した様な形で出している所が多くなってきた様な気がします。流行ってるんでしょうかね?そして今日2つ目のアミューズがコチラです:



サーモンとイクラとカリカリのパンみたいなのが混ざった料理。イクラは久しぶりに食べたけど、まあ、普通に美味しいかな。特に特筆する程でも無し。そうこうしている内にパンが運ばれてきたんだけど、このパンが美味しかった:



中に大粒の胡桃が入ってるアツアツのパンなんだけど、最近行ったレストランの中では圧倒的に一番美味しかったかな。このレベルのパンを出しているのは、グラシア地区にあるShojiroくらいじゃないのかな?(地中海ブログ:バルセロナの食べ歩き方:星が付いても全然不思議じゃないと評判の日本人シェフのレストラン、ショウジロウ(Shojiro))。そしてようやく今日の一皿目の登場です:



ガリシア風タコ煮と焼き豚(かな?)のコカ。先ずは盛り合わせに注目。流石に一つ星と言うだけあって、飾り付けの気合の入り方が違う。正に芸術品と言うに相応しく、凄く綺麗。食べるのが勿体無いくらいです。



味の方はと言うと、タコの柔らかい事!これは美味しい!タコ煮はガリシアで食べまくったんだけど、それに勝るとも劣らない、素晴らしい仕上がりになってます。焼き豚みたいなのもタコに凄くマッチしてる。料理記者歴4年足らずだけど、「大変おいしゅうございます!」。一皿目から格の違いを見せ付けられてしまった。そして今日の二皿目:



牛の首の肉(って説明された気がする)。牛の首って、初めて食べたけど、とりあえず凄く柔らかい。お味の方はと言うと、少し苦味があって、かなり独特。普通の牛肉とは全く違うので、これは好き嫌いが分かれるかな。ちなみに上に載ってるのは、玉ねぎの揚げ物です。そして今日の3皿目:



魚(何の魚かは忘れた)。プリプリの白身魚を大変まろやかなクリームソースで頂く一品。抜群に美味しい。下に敷かれているのは、この地方の名物、白インゲンと、ブロッコリー。このブロッコリー、最初は魚の卵か何かかな?と思ったんだけど、口の中に入れてみたら、物凄く酸味が利いていて、白身の魚のクリーミーな味付けに「これでもか!」と言う程マッチしてる!凄く美味しい。それしかコメントのしようが無い!

満足、大満足です。ここまででお腹は既に一杯なんだけど、ここからはデザートのオンパレードが始まります。と言う訳で、今日のデザートはコチラ:



カボチャのプリン(みたいなの)とチーズケーキ(の味がする)アイスクリーム。カボチャの甘みが素晴らしい。アイスクリームの方は爽やか。それ程お腹に溜まる事も無く、美味しく頂けました。そして乾きものの登場〜。



こちらはチョコレートの祭典(笑)。占めは勿論コーヒーで。



満足、非常に大満足です。味だけでなく、行き届いたサービスといい、落ち着いた空間といい、文句の付けようがありません。そしてこのメニューが35ユーロって言うのは、どう考えても安い気がする。

日本人の頭の中には「高い物=良い物」みたいな等式があると思うんだけど、普通の日本人がこのレストランでコース料理を食べるなら、この一番安い35ユーロのコースで十分だと思います。と言うかコレがベストな選択でしょうね。値段が一番安いからといって決して手を抜いている訳ではなく、定番モノもちゃんと入ってるし、何より食べた後に気分が悪くならない(笑)。何度も繰り返すけど、星付きレストランで重要なのは、「価格」と言うよりも、出てくる「料理の量」です。折角の楽しい観光なのに、お腹を壊したら元も子もありませんからね。あー、美味しかった!
| レストラン:バルセロナ | 03:53 | comments(7) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
美味しそうな匂いにつられて、また来ちゃいました(笑)
サグナダファミリアの傍だと観光客でも行きやすそうですね!
一緒にご紹介されているSyojiroさんもぜひぜひ食べたい〜!
星レストランって、盛り付けがやはり見事ですね。
美味しそうなお食事、見ているだけでも幸せな気分になりますね。

海老好きなんで、隣のお店の「海老の」も気になりますけど(笑)

バルセロナって、衣食住どれも洗練されていますよね。
バルセロナが最初に到着した街だったので「うわっ、あれもこれも欲しい!」と思ったんですが、荷物を考えると買えなくて「最後マドリッドだから、そこで買おう」と思っていたら「う〜ん・・・?」

ガイドさんもバルセロナが一番お洒落だと言っていました。

以前書かれていたグラシア通りのプロジェクト、同じ日本人として鼻が高いです。素敵なお仕事されているんですね。
上空から見たバルセロナの街並みも、すごく美しかった。
一つとして同じ建物はないのに、鳥瞰すると一つの芸術品のようになっているのは、本当にすごいことだと感心します。
バルセロナの街は象徴学的にみると何か意味があるのでしょうか?
| いちごキッズ | 2011/09/25 12:50 PM |
いちごキッズさん、こんにちは。コメントありがとうございます。

このレストラン、噂には聞いていたのですが、今まで行く機会が無くて今回初めて行ってみたのですが、本当にお勧めです。料理は洗練されてるわ、空間は良いわ、そして値段はそれほど高く無いわ、もう言う事ありません。もしバルセロナに来られる機会があったら、是非!

上空から見たバルセロナ、板チョコみたいで面白いですよね。象徴学的な意味ですか?・・・無いと思います(笑)。あれが作られたのは1859年の事なのですが、セルダと言う大変優れた工学技師が論理的に考えて作っちゃった計画です。一遍が133メートルくらいあるのですが、そんな正方形が無限に並んでいます。セルダはその四角形で平等を表したかったそうです。それが象徴的な意味かな?とはちょっとだけ思わない事もありません。
| cruasan | 2011/09/29 6:46 AM |
9月のあたまに初めてバルセロナに行きました。
食べるのが大好きなのでこちらのブログを参考にさせていただきました。
お休みだったレストランもありましたが、アクア、エルチョ、ビルバオに訪問出来ました!どこもとっても美味しいお料理で、楽しい時間を過ごすことが出来ました!本当に感謝しています。
特にビルバオはローカルな雰囲気でとっても気に入りました!英語が通じなかったので、プリントしていたブログのページを指しての注文でしたが問題なく美味しいお料理を食べれました!
エルチョのロブスターリゾットも忘れられません♪(´ε` )
日本人グループがいたので、もしやブロガーさんでは?なんて主人と言っていました( ´ ▽ ` )ノ
素敵な情報を
本当にありがとうございます。
私のブログです。
お暇なときに覗いて下さい!
http://ameblo.jp/makkon/page-5.html#main

| まこ | 2011/10/05 9:34 PM |
アルキミアについて
1ケ月 バルセロナとマドリッドに 学会(ナノテクノロジー)と観光で参りました。 美術、建築のほか フレンチレストラン探索が 世界中の都市でテーマです。バルセロナの宿泊は Palace-Ritsと Abacに致しました。主人はマドリッドには3回学会で着ておりますが、バルセロナは二人とも始めてでした。

レストランについては、インターネットの情報やガイドブックを見て、最終的には コンセルジュ(PALACEを頼りました)
私達が最も好きだったのは LE BENETO です
レストランの評価を口にするのは 最低2回(本当は3回)と思っていますので 主なもの(もちろん美味しかった御店)は2回ずつ参りました

お尋ね 申します。
アルキミアは 候補のひとつでした。
ガイドブックの”食の錬金術師”に魅せられた主人は 他の×情報

何故か 日本人がいっぱい
お隣が ちょうちん?下げた 怪しげな中華料理店
貧相な界隈 という コメントにもめげず
夕食に

他では 一切逢わなかった 日本人の方が1組お食事してみえました。
お昼が最適とは 伺って(バルセロナそこまで食べよう委員会?)ましたが お値打ちなので 夜は2コースのうち お高い方を選びました。

グリッシーニは出来損ない
まあ 訳がわからず頂くものの
海老の岩塩焼きは 生焼け
ステーキは 黒こげでお塩だらけ 周りをこそげ落として 中は生
そこで 評価は決まって
それからのお料理とデザートには ほとんど手をつけず お味見だけしました。

サーヴする皆さんにも とりわけ マネージャーは悲しそうでしたが
私共も 落胆致しました。
ごめんなさい パンも酷いものだと思いました。
(君は veneto でもabacでも 外側を美味しそうに食べるのに、真ん中しか食べず、まあ 起用にお肉を食べるものだね)と 主人は二度目の veneto のあとの abac で 申しました。

書き添えれば
サンジョセップ市場併設のお食事は 本当に観光客用のもので
酷いものでした けれど 美味しいと言われています。

味覚はそれぞれ と 申しますので
頭を下げて お尋ね申します。
今回のスペインで 文句なく美味しかったのは
バルセロナの Le Veneto
マドリッドの Sergi Alora  です

バルセロナの Abac
トレドのAdorfo
マドリッドの Casino in madorid (前菜は◎ メインは疑問)
が 次点です。

どのようにな ご感想をお持ちか 伺えたら嬉しいです。




 
| メロン | 2011/10/27 12:30 AM |
星付きレストランで重要なのは・・・
価格ではなく 量です
確かに スペインのmodern french には 誠にその通りでした。

確かに。。 Abac で GRAN menu は 20品ほどあり
量的に45〜50の気骨をもっても 少々多すぎました。

でも 量だけではなく やはりメインとデザートが問題でした
前菜は 大変素晴らしかったです。
でも メインは どれも 塩味がまさりすぎていて
デザートは ハーモニーに欠けました

最後まで美味しく芸術的である御店は 必ずあるように思います
やはり技術やお勉強が未熟なのかもしれません。
大変重要なのは 火の通し方です

パリのアランデュカスと ニューヨークのダニエルというと
VENTO のマネージャーは 我が意も等しくと満面の笑みでした。
Sergi Alora の Sergi は 何もかも心得てました 
ソムリエもバーテン(階下にbar)もサーヴするスタッフも 全て彼の統率下にありました。

もうひとつは
レストラン全体を包む 雰囲気
良いレストランには ああ美味しいものを食べたい という 
純粋な食通(食いしん坊)が 醸し出す ある雰囲気
と 
それを うっとりと満足させていく店が魅せる 気品と尊厳があります

高いだけが というのは
本当に好いものを知っているひとは 多分言わないせりふだと 思います。 ある程度 お値段は正直です。
ただ お値段に見合わない御店も 残念ながら多く存在します。

美味しい好いものを学ぶためには 
最高に??美味しいものを探求するのも ひとつの方法です。
何が欠けているか を すぐさまにはっきりと 知ることができます。
満足できる選択肢も狭まってしまいますけれど。。。

いつも自分の感覚が正しいか と 謙虚に居たいと 思って居ます。
スペインが好きになりましたので
これからも 愉しく拝見させて頂きます。 

| メロン | 2011/10/27 12:51 AM |
メロンさん、はじめまして、こんにちは。コメントありがとうございます。
食について大変深い知識とご経験をお持ちの方だと推測します。
世界中の都市で美味しいものを食すると言うテーマをお持ちだと言う事なのですが、とても素晴らしい事だと思います。食というのは僕達の活動にとってなくてはならないものであると同時に、僕達の人生を豊かにする、大変重要な要素の一つなので、僕も常々、美味しいものに巡り会う事を心から楽しみにしている者の一人です。

ご質問の件なのですが、大変申し訳ないのですが、マドリッドのレストランもトレドのレストランも、実はバルセロナのLe Venetoにも未だ行った事が無いので、お答えする事が出来ません。Le Venetoについては、噂だけは結構聞いてたりして、「何時か時間がある時にでも」とは思っているのですが、今までその機会に恵まれませんでした。本当にごめんなさい!

レストランを包む雰囲気の重要性については全く同意します。

食事って、料理の味は勿論なのですが、それに加えて、「どのような環境で料理を頂くのか」という点が非常に重要だという事に、恥ずかしながらスペインに来て思い知らされました。というか、スペインという土地が僕にそう教えてくれたと言う事が出来るかもしれません。それは何も「高級レストランで」という事だけではなく、その辺のバーで、皆で楽しく飲み食べるという意味も含めてです。

元々、この様な「空間」という大きな枠組みから、「お皿」と言った小さなものに至まで、大きな意味で言う「生活全体を包んだ環境全体が芸術」って言うコンセプトは、我々日本人こそが伝統的に得意としてきたコンセプトのはずです。

日本の場合はそこに「慎ましやかさ」や、「繊細さ」と言ったものが加わったりする一方で、それがスペインでは「賑やかさ」に置き換えられたりする。そこにこそ「その地方の文化的な特徴が見えて面白いなー」とか思ってしまいます。

そしてもう一つ大変共感したのは、「お金はある程度正直」と言う点。全くその通りだと思います。悲しい事に、(正におっしゃる通り)、値段に全く釣り合わない様なお店も中には存在しますが、やはり良いもの、本当に評価が出来るものというのは、それなりのお値段が付いていたりするものですよね。

そしてその様な評価をするのはやっぱり我々消費者だと思います。我々消費者が適正な目を持っていればこそ、市場の原理は適正に働くのだと思います。それは何も料理に関してだけではなく、諸文化にも当てはまる事だと思います。僕も常々、「そのような目や感覚を磨いていきたいなー」と日々精進する毎日であり、その事については常に謙虚に生きたいなと思っています。

メロンさんのお言葉には何かしら、その裏に深い含蓄の様なものを感じさせられます。

スペインが気に入られたという事で、スペインに住むものとしてこれ以上嬉しい事はありません。

また、よろしくお願い致します!
| cruasan | 2011/11/02 6:53 AM |
まずLe VenetoはVia Venetoの間違いでしょう。
アルキミアが最低でAbac、Via venetoが合格というのは
数年に渡り、なんどもその店で食べている私からすると
メロンさんの味覚、感覚に根本的な問題があると思います。
もしくは経験不足で
まだまだ人に語れるレベルでは無いと私は断言できます。
能書きが多いその割には、バランスが悪いのはやはり学者さんの
典型と言うことでしょうか。
| ベントかベネット | 2011/12/19 3:04 PM |
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