地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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磯崎新さんが「生涯食べた中で一番美味しかった」と絶賛する程のガリシア地方の名産、タコ煮 (Pulpo a Feira)
ガリシア旅行から帰ってきて、早1ヶ月が経とうとしています。



虫達の涼しげな合唱で夜が更けていき、鶏の鳴き声と共にさわやかな朝を迎えていたあの日々から、もう一ヶ月も経つのかと思いつつ、帰ってきたら帰ってきたで何だか急に忙しくなっちゃったりして、それはそれで結構充実した8月かなーと思わない事も無いかな。



スペインでは、銀行のお偉いさんから路上清掃のおばちゃんまで、働いている人は誰しも3週から1ヶ月程のバカンスを取るので、7月から8月にかけては市役所からレストランまで、都市は殆ど機能しないと思った方が無難なんですね。どれくらい都市機能が麻痺するかと言うとですね、朝晩にやってるニュースが分かり易いと思うんだけど、何時も見ているスペイン国営放送(TVE1)では、7月辺りから看板アナウンサーの姿がチラホラと消えかけて、8月に入った途端、メインキャスターの姿がパッタリとなくなってしまいました(笑)。



スペイン国営放送が誇る、美人過ぎるニュースキャスター、Maria Casadoさんなんて、7月頭から一度もテレビで見かけませんしね(地中海ブログ:スペインの美人過ぎるニュースキャスター、Maria Casadoさんって‥‥)。まあ、ニュースキャスターだって夏休み取りたいのは当然で、それは全然構わないんだけど、みんながみんな一斉に集団でバカンスをとって、それが公共サービスの質に影響を与えてるって所が如何にもスペインらしいかな(苦笑)。朝のニュースの劣化ぶりなんてちょっと凄くって、見習いだと思われるキャスターに20分くらいの原稿を読ませて録画し、それを永遠に流してるだけって言う体たらくぶり(笑)。だから毎朝家を出る前にニュースを見て、その後ジムに行って運動しながら同じ局を見てると、さっき家で見てたものと全く同じ映像が流れてたりする訳ですよ!まあ、つまりはこの時期にはスペインでは真っ当な情報が入ってこないので、こんな時にこそ、それを受け取る側のメディアリテラシーが試されるって事なんですけどね。そうか!スペインのメディアは時期によってはまともな情報を流さないと分かっているからこそ、スペイン人のメディアリテラシーは驚く程高い訳だ!・・・なんか妙に納得してしまった。

と言う訳で、今月はガリシア&ポルトガルに焦点を当てた記事を中心に書いていこうかなと思っているのですが、今日はちょっと息抜きに食べ物の話題で行きたいと思います。食べ物、ガリシア・・・と言ったら、そう、勿論タコです。何でか知らないけど、ガリシア人ってタコが大好きなんですよねー。ちょっと前に、知り合いのガリシア人が「日本語を覚えたからちょっと聞いてー」とか言ってきたので、何を言うのかな?と思いきや:

「タコを食べますか?」

とか言ってきた(笑)!
「他に覚える事あるでしょ!」とか思ったけど、何でもかんでもタコに結び付けようとする、その執念には恐れ入った瞬間でした。そんなガリシア人達のタコ好きを良く表していると思うのが、ガリシア地方でよく見かけたのがコチラです:



タコの絵が付いてるトラック(笑)。更に驚くべき事に、ガリシアではどんな山奥にある小さな村にも、毎日の様にタコが届けられ、月に一回は村を揚げての「タコ祭り(Pulpo a feira)なるものが開催されるらしいんですね。で、僕の滞在中にも近くの村などで何度かタコ祭りが行われていたので、ここぞとばかりに行って来たと言う訳です。



村のメイン通りや広場などが歩行者空間にされ、所狭しと様々なお店が軒を連ねています。美味しそうなチーズやソーセージ、手作りケーキなどのお店の中に、ありました!お目当てのお店が:



タコの直売店!一つの村のお祭りとは言え、結構沢山のタコ関連のお店が出てたんだけど、何処も長蛇の列、列、列!!茹でたタコをその場で捌いてもらって、その裏に用意してある、即席テーブルでワインと一緒に頂くのがこの上なく美味しいのだとか。で、ちょっと驚いたのがコチラです:



実は今回初めてタコを煮ている所を直に見たのですが、土管の様な大きな大きな鍋の中に何匹ものタコを入れてかなり豪快に煮ていたんですね。お店の人によると、タコを美味しく煮る秘密は実はこの鍋にあるのだとか。と言うのも、鍋の素材がタコの味に大きく関わってきて、美味しく煮る事が出来る鍋は銅で出来てるものじゃないといけないのだそうです。そしてその中に一匹ではなく、なるべく沢山のタコを入れて一緒に煮るのがコツなんだって。ヘェー、ヘェー、ヘェー。そして更に驚くべきものを見てしまいました:



鍋の中から良い具合に茹で上がったタコを取り出したと思ったら、それを包丁ではなく、何と、鋏で切り始めたんですね。こんなやり方で捌いていたとは、ハッキリ言って思いもよりませんでした!一口サイズに切り分けられたタコを、これ又、この地方独特の木で出来たお皿に盛って、塩コショウ、そしてオリーブオイルで味付けをして出来上がったのがコチラです:



ガリシア風タコ煮。硬すぎず、柔らかすぎず、絶妙な硬さに茹で上がっている。「大変おいしゅうございます!」そしてこのタコに相性が良いのが、この地方で栽培された葡萄から作られたワイン!あまり知られてないんだけど、実はガリシア地方って言うのは、上質なワインが作られている事で非常に有名なんですね。

昔、何処かの雑誌の特集で、磯崎新さんに「今まで食べた中で一番美味しかったものは何ですか?」って聞いてるインタビューがあって、てっきり何処かの3星レストランの名前でも挙げるのかと思いきや、「(ガリシア地方の)ア・コルーニャの大衆食堂で食べたタコ煮は最高だった」と答えられていたのを今でも覚えています。それを読んだ時、「また、またー、さすが捻くれものの磯崎さん、3星レストランと言わず、大衆食堂のタコって言う所が如何にも通っぽい」とか思ったものだけど、実際にガリシアでタコを食べてると、「本当にそうかも」と思えてくるから不思議です。それほど美味しいんですよ、ガリシアのタコ煮って言うのは!
| 地球の食べ歩き方 | 06:00 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
はじめまして!
あまりにも美味しそうなタコに、我慢ができずコメントしてしまいました♪

まずはタコ、スペインのBarでいただいたものは本当に美味しかった〜!!
スペインは何を食べても美味しかったです。ツアーのレストランでも。
カルフールでしこたま食材を買い込んで帰国、いそいそと食卓に並べてみたんですが、う〜ん・・・今一つ。。。
水なんでしょうか、空気でしょうか、やっぱりその国で食べるのが一番おいしいんですよね。
ミハスで、おじ様がたくさん集まってサッカー観戦しているようなBarに入ったのですが、1ユーロでビールとタパスが出てきてびっくり!
そのときのタパスが小さなタコのフリッターで、息子は今でもその時のタコが旨かった〜旨かった〜と(笑)



今年の春休み、スペインを一周したのですが、現地情報を探していたところこんな素敵なブログを発見し、春先からちょこちょこお邪魔しています。
取り上げるテーマも興味深いですが、観察、分析と、さらにはそれを的確に伝える文章力に感服しました。
現地でも情報がとっても役に立ちました!ありがとうございます。
バルセロナは、私が訪れた都市の中で一番好きな街になりました。
もともと遺跡、美術マニアなんですが、古代から現代まで、そしてリゾートまで、時代、美意識が複層的に、完璧に統合されて存在しているなんて、ほかでは知りません。今度は、バルセロナだけで長期滞在したいと目下計画中です。

これからも記事楽しみにしています。
| いちごキッズ | 2011/08/14 10:46 AM |
いちごキッズさん、はじめまして、こんにちは。
コメントありがとうございます。

このタコ、本当に美味しいんですよ!ガリシア滞在中に色々と試したのですが、ガリシアの中でも、オウレンセで食べたのが一番美味しかったです。ガリシア人に言わせると、どうやらタコというのは、海岸沿いより、内陸部の方が美味しいのだとか。そして何よりビックリしたのが、この作り方。こんな土管で作っているとは夢にも思いませんでした。

スペインの一つの魅力は明らかに食事だと思います。何処で何を食べても本当に美味しい。これこそ、スペインでの生活の質が高いと言われている一つの理由だと思うんですよね。

その中でもバルセロナはお勧め中のお勧めです。最近はちょっと物価が高くなってきましたが、それでも、この気候とエンターテイメント性、そして町の雰囲気の良さはずば抜けていると思います。

是非、バルセロナに長期滞在されて、地中海の幸を初め、様々な文化イベントを楽しまれる事を願っています。

これからもヨロシクお願い致します!
| cruasan | 2011/08/18 7:16 AM |
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