地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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エドゥアルド・ソウト・デ・モウラの建築:ポウザーダ・サンタ・マリア・ド・ボウロ(Pousada de Santa Maria do Bouro):行き方とレストラン情報
前々回のエントリで少しだけ言及したのですが、今回僕がガリシア地方とポルトガル北部を訪れた理由は、他でもない、今年のプリツカー賞受賞者であるエドゥアルド・ソウト・デ・モウラという人の建築を実際にこの目で確かめたかったからなんですね(地中海ブログ:エドゥアルド・ソウト・デ・モウラ(Eduardo Souto de Moura)のインタビュー記事)。



勿論彼の建築は幾つか見て回った事はあったんだけど、当時は(10年程前)、はっきり言って「そんなに感動しなかった」と言うのが率直な感想でした。何故なら彼の建築には空間がある様には見えなかったし、その空間を通して人間の深い部分に語りかけてくる「何か」があるとは僕には思えなかったからです。



その一方で、彼の建築に対する姿勢からは「何かしら学ぶ所があったかな」とは思いました。と言うのも、彼は殆どの作品を通して同じ事しかやってないんだけど、つまりは「穴を掘ってそこに建築を挿入する」、彼がやってるのは唯それだけ。彼のこの手法は建築の規模が違ってもそれ程変わる事がなくって、初期の住宅作品から最近完成したブラガのスタジアムまで、ほぼ一貫されていると思います。この事を指して、「ソウト・デ・モウラは同じ事しかやらない」と、彼の事を批判をする人が沢山いるけれど、僕はそれはそれで建築家としての一つの姿勢だと思うんですね。つまり、「一緒の事やってて悪いかー!」みたいな。



同じ事をやり続けるという事は、ある意味、常に新しい事をやる程簡単な事ではありません。新しい事をやり続けるっていうのも又、大変な創造力が必要なのは確かなんだけど、そんな事が出来るのは極々一部の人だけであって、大半の人っていうのは、自分の創造に自信が無いから直ぐ目移りして、目新しい物、奇を衒ったものへと流れていく訳ですよ。その一方で、一つの事をやり続けるっていうのは、自分の創造力/想像力に相当の自信と覚悟が無いとやれないと思うんですね。そういう意味において、ソウト・デ・モウラからは「建築家としての気概」みたいなものを学んだと、そう言えるかな?というのが彼に対する印象でした。

まあ、そんな訳で、今回から3回くらいに渡って、ソウト・デ・モウラ特集をやりたいと思うんだけど、「ソウト・デ・モウラと言ったらコレでしょ!」と言う訳で、彼の代表作の一つである、ポウザーダ・サンタ・マリア・ド・ボウロに行って来ました。



この修道院と教会は12世紀に建てられたシトー派のもので、一時期荒廃していたんだけど、それをソウト・デ・モウラが10数年の歳月をかけて修復し、見事、ポウサーダ(国が経営する5つ星ホテル)として甦らせたんですね。その評判はナカナカのもので、かの伊東豊雄さんなんか10年前にポルトに来られた際に、わざわざこの修道院を見に行って、「ソウト・デ・モウラという建築家はヨーロッパでは5本の指に入るほど優れた建築家だ!」とか何とかおっしゃっていました。

そんな素晴らしい修道院なんだけど、実はこの修道院、物凄く行きづらい所に建ってて、最寄の都市ブラガからバスで1時間弱かかる上に、そのバスの本数が一日にそれ程走って無いんですね。今回僕は車で行ったのですが、「公共交通機関で行きたい!」という人の為に、僕が知りえた情報をここに記しておきたいと思います。以下に記すのは、ブラガ市内にあるバス停から出発する、Geres行きのバスの時刻表(2011年8月現在の情報)です。今の時点でこの時刻表は最新のものなのですが、念の為、行かれる前に必ずホテルやツーリスト・インフォメーションなどでバスの時間を確認する事をお勧めします。



このGeres行きのバスに乗って45分くらい行った所にあるバス停、Pousada Santa Maria do Bouroで降りると直ぐ目の前が目的の建築なんだけど、初めて行く上にポルトガル語が 分からない日本人の皆さんにはちょっとしんどいかな?と思うので、バスに乗る時に運転 手さんに写真付きの建築を見せながら、「ここに行きたいんだー!」と言ってみましょう。 そうすれば(運が良ければ)目的地に着いた時に知らせてくれるかもしれません。

行きの時刻表
BRAGA発
7:10
7:25
7:55
8:30
9:15
10:00
10:45
12:05
12:45
13:30
14:30
15:15
16:05
16:35
17:05
17:35
18:05
18:40
19:10
20:00



で、問題は帰りなのですが、来る時に降りたバス停らしきものの反対側に、これ又バス停らしきものがある事はあるのですが、何処にも時刻表が無い・・・。仕方が無いのでそのバス停の目の前にあったお店のおばあちゃんに聞いてみたら、「えー、バスの時刻表、そんなの無いよ」とかあっさり言われた(笑)。「時刻表が無いって、どういう事?」とか思ったんだけど、ここはポルトガル、しかも殆ど人が住んでない様な山の中・・・まあ、しょうが無いか(悲)。そうこうしてたら、そのおばあちゃんが裏覚えの記憶で、「えーっと、バスね、確か、8時に出て、次は9時20分で・・・おとうちゃーん、10時台のバスって何時がだったけ?」なんて始めた(笑)。「まあ、無いよりはましかな」と思うので、一応その時聞いた時刻表をここに載せて置きます。しかしくれぐれもあまり信用はしない様に!一番確実なのは乗ってきたバスの運転手さんに聞く事ですね:

帰りの時刻表
Pousada Santa Maria do Bouro発
6:30
7:05
7:50
8:35
9:15
10:30
12:30
13:50
14:40
16:40
17:40
18:40

で、もう一つ重要なのがレストラン情報なのですが、と言うのもこの辺りにはナカナカ良いと思われるレストランが無さそうだったのですが、その中でも一軒良さそうなのを直ぐ近くに見付けたので入ってみました:



中は凄く賑わってて、見た所満席だったので、「ちょっと待とうかな」とか思ってたら、「じゃあ二階へどうぞ」みたいな感じで、2階席に通された:



うーん、広いし、綺麗だし、何より見晴らしが抜群!「ラッキー」とか思いつつ、早速メニューを見せてもらったんだけど、これが安いの何のって。さすがポルトガル!で、今回僕が頼んだ一品目がコチラです:



Sopa de Legumes
ポルトガルの定番メニュー、野菜のスープです。沢山の野菜と共に長時間煮込んである為、味が非常に濃厚で、とっても体に良さそう(笑)。何より、このスープこそ「ポルトガルの故郷の味」って感じで、これを飲むと「ポルトガルに来たなー」って感じになるから不思議です。そして今日のメインがコチラです:



Vitela asada a minhota
口の中に入れると、とろけるくらいにまで煮込んである牛肉なんだけど、何よりも、このご飯と酸味の利いたポルトガル独特のサラダが本当に美味しい!この様なオカズ+ご飯+サラダって言う組み合わせはポルトガルの典型的なメニューなんですね。スペインとは全く違う料理と味付けだけど、本当に美味しい。



デザートは机に所狭しと並んだケーキなどの中から選べるんだけど、今日は自家製プリンを頼んでみました:



これ又濃厚な味で非常に美味しい。と言う訳で大満足。で、気になるお値段の方なのですが、これだけ食べて、何と一人10ユーロ!安い、非常に安い!何気なく入ったレストランだったけど、非常に良かった。と言ってもわざわざ料理を食べにここまで来る程のレストランとは思えないけど、もしこの辺境の地にある建築を見に行くんだったら是非お勧めしたいレストランですね。

RESTAURANTE CRUZEIRO
Adress:Largo do Terreiro, No.316, Bouro (Santa Maria)
Tel: 253-371115
Email: restcruzeiro@sapo.pt

エドゥワルド・ソウト・デ・モウラの建築:ポウザーダ・サンタ・マリア・ド・ボウロその2:必要なくなった建築を壊すのではなく、修復してもう一度蘇らせるという選択肢に続く。
| 建築の歩き方 | 05:36 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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