地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペイン前倒し総選挙の日付けの裏に隠された暗号
ちょっとした調べものをする為に、昨日はバルセロナ市内にある世界一美しい図書館(地中海ブログ:ポンペウ・ファブラ大学図書館(Unversitat Pompeu Fabra))に行ってたんだけど、夕方頃になって大雨と雷を伴う嵐に遭遇:



 「凄い雨だな」とか思ってたら、待ってましたとばかりの雨漏りが始まった!地中海って一年を通して毎日晴れてるから、都市や建物が自然災害に対応する様に出来て無くって、雨とか降ったらそこら中「雨漏りはするわ」、「道が洪水になるわ」、「地下鉄は止まるわ」でもう散々なんですね。そうこうしてたら図書館員のおばちゃんが来て、「今日は雨が凄いので閉館します」とか言ってる。雨が降ってきたから閉館って・・・「何かカメハメ大王みたいだな」とか思ってしまった。「風が吹いたら遅刻して、雨が降ったらお休みで〜」みたいな(笑)。さすがバルセロナ!

さて、今週スペインではサパテロ首相が11月に前倒し総選挙を行うと発表し各種メディアを賑わすという出来事がありました。彼の任期は来年3月までで、それまでは続投するだろうというのが大方の見方だっただけに、急な発表に皆驚きを隠せない様子だったんですね。

野党である民衆党(PP)は勿論大喜び。今日の新聞に載ってた最新の世論調査によると、現政権の労働社会党(PSOE)に投票すると答えた人は30.8%で、野党第一党である民衆党に投票すると答えた人が44.8%。その差、実に14%!まあ、ハッキリ言って、総選挙が何時であれ、民衆党の勝ちは揺るが無いでしょうけどね。それよりも、今、労働社会党が考えなければならないのは、「どうやって勝つか?」ではなくて、「どうやって負けるか?」、つまり、「どうやって負けを最小限に抑え、来々期の選挙へ向けて盛り返していくか?」と言う所でしょうか。

まあ、それはどうでも良いんだけど、それよりも注目すべきは、今回サパテロ首相が発表した総選挙の日付けです。それがズバリ、11月20日。ここで「あれ?」と思った人は、かなり鋭い。11月20日、そう、それは今から36年前、フランコ将軍が亡くなった日であり、スペインが民主化へ移行した大変重要な日でもあるんですね。

そんな重要な日に総選挙をぶつけてくる意味、それはスペイン国民全員に「民主主義とか一体何なのか?」と言う事をもう一度良く考えてもらい、今、スペインが直面している未曾有の危機をみんなで乗り越えようって言う、そういうメッセージなんじゃないのかな?

ハッキリ言ってスペインは今、「国が崩壊するんじゃないのか?」というくらいにまで追い詰められた状況にあります。経済は殆ど壊滅状態で、各自治州は何処も財政赤字に嘆き、とうとう教育と医療という、その国にとっては最も重要で基本的なインフラにまでメスを入れなければやっていけないような、そんな状態にまで陥ってしまったんですね。失業率は未だに20%を越していて、回復の兆しは全く見えていません。それに嫌気が差した国民達は毎日の様にデモを繰り返し、それが何時ギリシャの様に暴動に変わってもおかしくない様な緊張した日々が続いています。

こんな状況下において、サパテロ首相が下した決断、それが前倒し総選挙であり、それをスペイン民主主義の再出発の日に設定したと言う訳ですよ。

ここにはサパテロ首相の覚悟の様なもの、党の利益を超えた国を憂う気持ちが読み取れるような気がしてなりません。国の財政赤字や社会問題、そして5月15日からスペイン各地で始まった15−Mと呼ばれる大規模な市民達のデモを真摯に受け止め、それに最大限対応していこうという態度の現われだと見る事も出来るんですね(地中海ブログ:スペイン各都市で大規模デモ:「ジャスミン革命がスペインにも飛び火」って言われてるけど・・・、地中海ブログ:バルセロナで続いていた大規模デモに機動隊突入:100人以上の怪我人を出す騒ぎに発展)。

首相から発せられたこのメッセージをどう受け止めるのか?

これからの4ヶ月間はスペインにとって、そしてスペイン国民にとって、「この国の形」を決める、この数十年間で最も大事な時期に差し掛かってくると思われます。そういう意味において今回試されているのは政治家の側ではなく、実は国民の側なのかもしれません。このメッセージを生かすも殺すも国民次第。がんばれスペイン!!
| スペイン政治 | 00:04 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
Quiero agradecerle, su observación sobre el adelanto de las elecciones generales en España. Comparto por completo su punto de vista y me parece además, que es un reflexión extraordinariamente necesaria (que vaya a suceder o no ,ya es asunto distinto.... Ojalá muchos españoles lo percibieran de la misma manera que usted.
| Silvia | 2011/08/01 9:29 AM |
Hola Silvia. Muchas gracias por tu comentario.

Me ha sorprendido mucho que una persona deje un comemtario en espanol, porque escribo en japones y siempre responden japoneses.
Estoy muy contento de que algunos espanoles lean y opinen sobre mi blog.

Pues, si, esperemos que muchos espanoles reflexionen y lo perciban asi. Es necesario para que todo vaya mejor.

Seguimos en contacto.

Otra vez, muchas gracias.
| cruasan | 2011/08/04 6:50 AM |
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