地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ガリシア旅行その10:元貴族の居城を改修したレストラン:Pazo do Castro
ガリシア地方にはローマ時代の遺跡や昔の貴族の邸宅なんかが沢山残ってたりするのですが、その内の幾つかは改修され、観光名所やホテル、もしくはレストランなんかに生まれ変わり、今でもその趣きある空間を体験する事が出来るんですね。



上の写真はPetinと言う人口500人にも満たない小さな小さな町に残っているローマ時代に建設された橋なんだけど、この町の住民はみんな、この橋の事を大変誇りに思い、そして町の自慢として大切にしてきました。この町の人は誰でも1や2つ、この橋に関する思い出があるみたいで、僕がこの橋の近くを歩いてたり、佇んでいたりすると、「この橋はねー・・・」とか、「私が小さい時、ここでね・・・」みたいな感じで話しかけてきてくれるんですね。多分、こういう所から人のアイデンティティっていうものは生まれ、町に対する愛着が芽生え、それが原風景というものを守り、その町の絆みたいなものに育っていくのかなー?とか、なんか、こんな小さな田舎に身を置いていると、そんな町の成り立ちの原型みたいなものを感ぜずにはいられません。

さて、先日はこの町から少し内陸部へ入ったお山の上にある元貴族の居城に行ってきました。と言うのも数年前、このお城がガリシア州政府の管轄の下改修され、4つ星ホテル兼レストランとして生まれ変わったと言う事を聞きつけたからなんですね。



何でも聞く所によると、このお城はピレネー山脈を越えてサンティアゴ・デ・コンポステーラへと抜ける唯一の谷道を山の上から見張る為に15世紀にこの辺を収める領主によって造られたのだとか何とか。故にお山の上からの見晴らしは抜群!そして何よりも周りには何も無いので静寂そのものです。



お城の入り口付近にはテラス席が用意され、新鮮な空気を感じながら食事が出来る様になっています。僕が訪れた日はちょっと曇ってて肌寒かったので室内で食事をと思いレセプションへ行ったのですが、そこで先ず第一のビックリが待ち構えていました:



今までこのホテル&レストランを訪れた著名人達の写真が飾ってあったんだけど、このレストラン、野党第一党の党首、マリアノ・ラホイ氏を始め、民衆党(PP)の議員の人達が結構訪れてるじゃないですか!・・・そうか!もともと、ガリシアという地は、フランコやフラガと言った、民衆党の前身にあたる党の有力者を数多く輩出した地でもあり、今でも民衆党のお膝元として知られているから、夏の暑い間とかに、このホテルを拠点に党大会とか開いてても別に不思議じゃない訳だ。なんか妙に納得してしまった・・・。そして第二のビックリがコチラでした:



なんとこのレストラン、かのミシェランに名を連ねるくらいのレストランだったんですね。しかもですよ、入り口にあるメニューを見てたら、つい先日辺りからお昼のランチメニューを始めたとか書いてる。しかもその値段、15ユーロ!15ユーロですよ、15ユーロ!!今時、15ユーロって、バルセロナのその辺のレストランと同等か、もしくはそれ以下って感じの激安ランチじゃないですか!!しかもあの天下のミシェランに名を連ねる程のレストランとくれば、否が応にも期待が高まるってものです。



ワインを醸成する為の昔の器機などが飾られた空間を抜けて通されたレストラン空間がコチラ:



うーん、豪華だー!



石造りの壁に重厚な窓から差し込む光がこの上なく良い雰囲気を醸し出しています。いやー、お城ですからね、お城。ヨーロッパのお城で食事なんて初めてかも(笑)。そうこうしている内に今日のワインの登場です:



名前は・・・忘れた(笑)。ガリシアって、実は隠れたワインの名産地で、その辺に沢山のボデガと呼ばれるワイン畑と醸成場があるんだけど、白といい、赤といい、何処でどんなワインを飲んでも美味しい!



パンは4種類ある中から選べます。おかわりは自由。そして今日のAperitivoがコチラです:



チーズのムース。深い味わいのある一品、そして何より飾り付けが綺麗ですね。そうこうしてる内に、今日の一皿目の登場〜。



Cecina de Leon con Pimientos asados del Bierzo 直ぐお隣の県、レオン地方の特産品という牛の干し肉と、ピーマンの付け合わせ。初めて食べたけど、コレ何??無茶苦茶美味しい!生ハムとは又違った風味と旨味、そしてこの付け合せのピーマンの美味しい事!ハムとピーマンの組み合わせって最高かも。そして今日の二皿目がコチラ:



Morcillo de Ternera Gallega estofado al godello con patatas de abuela ガリシア地方で育成された特別な牛の首の部分を使い、長い時間をかけて白ワインと一緒に煮込んだビーフシチューです。このお肉、フォークですくい上げるだけで形が崩れる程柔らかい。そしてこのスープの美味しい事。す、素晴らしい!ここまででお腹は既に一杯だったんだけど、一応デザートには、ヘーゼルナッツのムースを頼んでみました:



Mousse de Avellanas ヘーゼルナッツの実を磨り潰して作った、これまた濃厚な味のするムース。そして勿論〆はコーヒーで。

もう本当にお腹が一杯。そして大満足。何と言ってもこんなすばらしい空間で食事が出来るって言うのが、この上なく幸せ。こういう空間で食事をしていると、やっぱり食事って言うのは、そのレストランで提供される「料理の質」だけではなく、それらの料理を「どういう空間で食すのか?」、「どういう空間の中で楽しむのか?」っていう、「5感をフルに活用した芸術なんだなー」と言う事を再認識させられます。

で、気になるお値段の方なんだけど、ここでビックリ仰天な事が起こってしまいました。普通ランチメニューにはデザートかコーヒー、もしくはデザートを選んだらその後のコーヒーは別料金っていうのが常識だと思うんだけど、このレストランのランチメニューにはデザート&食後のコーヒーまで込みだったんですね。と言う訳で今回のお勘定は本当に一人15ユーロぽっきり!これにはかなり驚きました。

料理の質良し、サービス良し、空間良し、そして料金最高(笑)。場所が場所だけにココに来る人(来られる人)っていうのは少ないかもしれないけど、近くに寄ったら是非訪れてほしいレストランだと思います。星三つです!!!
| 地球の食べ歩き方 | 19:33 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
絶対行ってみたいですね!Ojal&#225;!

| granviaintl | 2011/07/27 8:42 PM |
graviaintlさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

このレストラン最高でした!
ちょっと行きにくい所にあるのですが、機会があれば是非訪れて見てください。
| cruasan | 2011/07/29 5:57 AM |
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