地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ガリシア旅行その4:オウレンセ(Ourense)訪問:ガリシア地方で日本の温泉に遭遇!
コレ、見てください。



一体何だか分かりますか?



実はこれ、コウノトリの巣なんですね。一日に一本しか電車が来ない様な、非常に長閑な駅前の鉄柱の上に、コウノトリが直系1メートルくらいもある大きな大きな巣を作っていました。どうやらこの辺りはコウノトリの生息地らしく、こんな感じの非常に立派な巣がそこここに点在してるらしい。生まれて初めて見ました!

さて、今日は所用でガリシア地方第3の都市、オウレンセ市に来ています。



オウレンセ市なんてさっぱり来るつもりなかったんだけど、ちょっとした急用が入ったので渋々来たって感じです。でも、まあ、旅っていうのは予定調和的ではない出会いや発見程感動が大きいと言う事は、僕の長年の旅行経験が証明している所でもあるので、その様な発見がある事だけを期待して旅路についたんだけど、やってくれました!今回の旅、結構感動的な発見の連続!!さっぱり期待してなかっただけに、何かしらの発見があった時の喜びが普段よりも大きい!!!オウレンセ市さん、「何もなさそうだー」なんて言ったりしてゴメンナサイ(笑)。で、何がそんなに素晴らしかったかって、取り合えず、オウレンセ市に着くまでの山越えの風景が凄かった。



山間を流れるSil川とガリシア地方特有の深い深い森との対比と調和!「あー、やっぱり自然って言うのは偉大だな」と思う瞬間です。一本一本の木々や川なみ、そしてそれら全てのものが一寸の乱れも無く調和している姿は、「美しい」という言葉以外、表象のしようが無い様に思います。そう感じると同時に、その山間に「これでもか!」と言うくらいの調和を成して存在している集落や遺跡などを見るに付け、「こんな偉大な自然に少しながらでも対抗出来るとしたら、それはやっぱり人間の創造力しかないんじゃないか?」という事を思わずにはいられません。こんな偉大な自然を前に、少しでもそう思える自分がいると言う事は、「僕もまだまだ行けるかな/生けるかな」と、そういうかすかな自信と期待が沸いてきて、ちょっとばかり嬉しいかな。

そんな事を思いつつ、1時間程でオウレンセ市に到着したんだけど、先ず目に入ってきた風景がコチラです:



な、なんだこれー!!バカトラバ、失敬、カラトラバ(Santiago Calatrava)もビックリのブリッジの登場です。



うーん、はっきり言って良く分からない(苦笑)。しかもよく見ると、あの両脇にくっ付いてる、どう見ても余計な付属物の上の方を人が歩いてる気がする・・・と言う訳で試しに行ってみたら、やっぱりこの部分、渡れるようになってた(驚)。しかもこの階段が見た事も無いくらいの急角度で落下してるんですね:



その辺のジェットコースターも顔負けって感じの急降下です。「こんなんで良く市役所が建設許可出したなー」とか、「今まで躓いて怪我した人とかいなかったのかなー?」とか、ある意味、色んな事を考えさせられる建築である事はある(苦笑)。まあ、この橋はどうでも良いんだけど、この同じ川沿いに、この街が誇る観光名所があります。それがコチラ:



じゃーん。そう、実はこのオウレンセと言う街は、温泉が湧き出る事で大変知られてて、市内のあちらこちらに公共浴場なんかが点在している、正に温泉街なんですね。僕が行った時も結構市民のみなさんで賑わってて、みんな、ビーチ代わりに日光浴とかに使ってました:



誰でもタダで入れる公共浴場がある一方で、お金を払って入る私浴場ってのも存在してて、興味本位にその内の何件かにお邪魔してみたんだけど、これが来てみてビックリ:



日本語で「温泉」とか書いてあるじゃないですかー!



しかも竹とか、ヒノキとか、日本の温泉で見かける「言語」を多用して、あたかも「ここは日本の温泉です」と言う事を強調したいかの様な造りになっています。



内部撮影は禁止だったので写真は撮れなかったのですが、温泉の入り口は日本の銭湯みたいになってて、そこで清算を済ませると、「湯」と書かれたノレンと、「男」、「女」と書かれた入り口が用意されていました。そして更に驚いたのがコチラです:



これはもう一つ別の温泉に併設されていた軽食コーナーのメニューなんだけど、何と、メニューの一部が日本語で書かれているじゃないですかー!しかもハッキリ言ってちょっと意味不明なメニューが多い(笑)。一番笑ったのは、禅サラダ(Ensalada ZEN)と禅パスタサラダ(Ensalada de Pasta ZEN) !まあ、温泉だし、健康志向と言う事で、そうやりたい気持ちは分からないでもないけど・・・ねえ(笑)。

ここでやられてる事って言うのは、日本(もしくは日本語)を用いて「クールなイメージを醸し出す」って言う、当ブログでは何度か論じてきた主題であり、最近のヨーロッパではもはや古典と言っても良い話題なのでは?と思います(地中海ブログ:風の谷のセナンク修道院:天空の城の後に見る風の谷:リアル宮崎駿ワールド、地中海ブログ:今日はクリスマス:山下達郎のクリスマス・イブはヨーロッパのクリスマス事情を暗に意味している気がしたりして)。

しかしですね、その一方で、我々日本人も、気が付かない所で同じ様な事をしている、と言うか、外国語や外来のコンセプトを使ってイメージを捏造する事にかけては、日本人の右に出る者はいないんですね(地中海ブログ:鋼の錬金術師を見てて思った事:「ココではない何処か遠く」を想起させるイメージ:何故Bleachではスペイン語が多用されるのか?、地中海ブログ:ウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式を見ていて思った事:日本に増殖する結婚式教会について)。だから我々日本人が偉そうな事言えたものじゃないんだけど、やっぱりローマ時代から続いている伝統あるオウレンセの温泉なんかには、下手な事せずに、もっと直接自分のお宝を売り込んでほしいなー。「ローマ時代からの温泉です」って、その一言で十分闘える伝統と質を持っているんだから、自信持って良いと思いますよ、オウレンセの市長さん、そして市民の皆さん。今日お会いした人達に、そういうお話をすれば良かったかなーとか思いつつ、もう遅い。次回に持越しです。
| 旅行記:美術 | 16:38 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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