地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ヨーロッパ各国の意地と意地のぶつかり合い、ユーロビジョン(Eurovision)2011
さあ、今年もこの季節がやってきました!ヨーロッパ中の国と国との意地をかけた熾烈な争い、ユーロビジョンの季節です。

奇しくも今日は、来週水曜日の「国際博物館の日(International Museum Day)」に因んで、ヨーロッパ中の美術館が夜中(スペインでは午前1時まで)まで無料公開してるって言う大変魅力的なイベントが行われている日だったんだけど、僕は迷わずユーロビジョンを選びましたね(地中海ブログ:国際博物館の日(International Museum Day)とピカソ美術館(Museo Pisacco)その1:ピカソとバルセロナの都市戦略)。まあ、確かに夜中に訪れる美術館で美術鑑賞って言う選択肢も捨て難いと言えば捨て難いんだけど、やっぱ、欧州中を巻き込んだ熱き闘い、ユーロビジョンの面白さには適いません(笑)。って言うか、何でこんな大事な2つのビックイベントを同じ日にぶつけるかな(怒)?!ずらしゃいいじゃん!まあ、こんな、国境を越えたヨーロッパ中を巻き込んだ楽しみ、そして、街中の公共空間を巻き込んだ楽しみが日常生活の中に数多く存在する事こそ、ヨーロッパに住む醍醐味なんですけどね。

で、本題に戻って、「ユーロビジョンとは一体何か?」と言うとですね、このイベントは、欧州各国がそれぞれ代表歌手を一名選び、各国テレビ生中継の中、それら代表選手が歌とパフォーマンスを行い、それを見ていたヨーロッパ中の視聴者などが電話&SMSなどを使って投票を行い勝者を決定すると言う、云わば、欧州中を巻き込んだリアルタイムの一大イベントなんですね。で、このイベント、ヨーロッパ中を巻き込んでいる事から物凄い規模になるんだけど、規模としてはワールドカップに次ぐと言われていて、視聴率で言うと、ユーロビジョンの平均視聴率が78%、歴代視聴率ランキングで見ると、第一位が2002年のワールドカップの決勝、スペイン対アイルランド(88.9%)だったのに対して、2002年のユーロビジョンは堂々の第2位(85.2%)に付けている程なんです。つまりそれだけお金の動き方が尋常ではないと言う事なんですね。

ちなみに今年のユーロビジョンはドイツのデュッセルドルフで行われるんだけど、と言うのも、その年の開催国は前年に優勝した国って決まっているからで、去年優勝したのは、ドイツ代表だったLenaちゃんって言うデビューしたてのシンデレラガール(と言う事をTwitterで教えてもらいました)。この素人さが受けたと言うのが専門家の見方ですね(専門家って言っても、朝のテレビ番組なんかでくっちゃべってるオバちゃん達なんですけどね(笑))。



で、ユーロビジョンのもう一つ面白い点は、このイベント、各国が自国以外の国に投票する権利を持っている事から、現在のヨーロッパにおける各国間の「オフィシャルじゃない友好関係」なんかが分かると言う、ある種の各国間友好関係ネットワークの縮図みたいになっている所なんです。具体的に言うと、スカンジナビア半島諸国は必ず、スカンジナビアの何処かの国に投票したり、イギリスは絶対フランスには票を入れなかったり、東欧諸国は互いに票を入れあい、助け合ったりすると言う現象が見られる訳なんですよ(笑)。

そんな中、去年僕が注目していたのは、経済危機の発端ともなったギリシャに、他国がどの様な態度を取るか?って言う点だったんだけど、つまり、「ギリシャ、お前の国、経済破綻とかなってて、ちょっと可愛そうだから、ユーロビジョンくらい勝たせてやるよ」ってな具合で、各国が票を入れるのか、もしくは、「ギリシャ、お前、ヨーロッパ中に迷惑かけやがって、お仕置きだ!」みたいな感じで、誰も票を投じないのか?どっちかなー?とか思ってたら、イギリスそしてベルギーがギリシャに最高点である12点を入れ、ドイツも8点を入れてました。他の国々もギリシャには大方好意的で、結局ギリシャの順位は8位。僕的には欧州の大国イギリスと欧州政治の中心ベルギーがギリシャに票を入れたと言うのは、色んな意味で興味深かったかな。つまり、ここから読み取れる事は、「ギリシャ、お前、経済的に大変だけど、がんばれよな!」って言うメッセージであり、僕はこの様な現象を指して、「ユーロビジョンと言うのは、実はヨーロッパ中を巻き込んだ国民投票システムじゃないの?」とか言った訳なんです(地中海ブログ:ユーロビジョン2010:欧州全域を巻き込んだ国民投票システムか?、地中海ブログ:ユーロビジョン2010その2:欧州の大国がギリシャに投票したのはある種のメッセージなんじゃないの?とか思ったりして(半分冗談))。

で、そんな僕が今年注目しているのは、何と言ってもデンマーク、ポルトガル、ギリシャそしてスペインですね。

多分日本ではあまり報じられてないと思うんだけど、現在ヨーロッパでは欧州連合内をパスポート無しで自由に行き来する事が出来る「シェンゲン協定」を見直すと言う動きが活発化しています。特に熱心なのがイタリアとフランスなんだけど、と言うのも、ジャスミン革命があった事などから、チュニジア辺りからイタリアへと不法入国してくる移民が最近多いらしくて、イタリアとフランスは彼らを取り締まりたいと言う事情がある訳ですよ。で、その動きに便乗してデンマークが早々と、ドイツとスウェーデンとの間で国境管理措置を復活する方針を固めた事から、ベルギーとの間に確執が生まれている状況なんですね。それが2−3日前の事、つまり、超ホットな話題な訳です。

その一方で僕がポルトガル、ギリシャに注目する理由は当然、経済危機、そして各々の国の経営破綻状況から、ドイツやフランスに助けを求めなければやっていけなく、それらの国々の間でこれまた賛成・反対と言った激しい論争が繰り広げられている模様だからです。スペインに注目する理由はですね、つい先日起こってしまった大地震に対する配慮から、「がんばれスペイン」みたいな動きが出るのかなー?とか思ってたりします。

と言ってる間に21時になりました。さあ、今年も年一回のお祭りの始まりです!みなさん、大いに楽しみましょう!

追記:

ついさっき結果が出たのですが、今年の優勝はアゼルバイジャンに決まりました。2番手にはイタリア。でも、アゼルバイジャンって来年ユーロビジョン開催出来る経済力あるのかどうかって言うのは不明(笑)。個人的に面白かったのは、ドイツとベルギーがギリシャに点を入れてた事。そしてギリシャはフランスに12点入れてた。更にポルトガルと、スペイン、そしてイタリアと言った欧州のお荷物は互いに助け合ってた(笑)。
| サブカル | 04:19 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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