地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ホリエモンのライブドア事件はスペインでどの様に報じられているか?:記者クラブ問題は記事になってた
昨日の朝8時頃(スペイン時間)の事だったのですが、「元ライブドア社長のホリエモン収監決定」と言うニュースが飛び込んできました。

何時もの様に、このニュースの第一報はTwitterで知ったんだけど、その後ニコニコ動画で上杉隆さんの自由報道協会主催によるホリエモンの緊急記者会見があると言うので、仕事をしつつ、横目でその会見を見てたんですね。

勿論僕は法律の専門家ではないし、株の事とかこれっぽっちも知らないので、今回彼が罪に問われている「証券取引法違反」って言うのが一体どういうものなのか、何故彼が逮捕されるに至ったのかなどさっぱり分かりません。だから今回最高裁判所が下した判決が正しいのか、正しくないのかを含め、ネットで良く見かける、ホリエモンに科せられた罪の不公平さや検察のやり方への批判、もしくはメディアの一方的な報じ方などへの疑問など、関心は持つけど、それに対して良いか悪いか、正しいのか正しく無いのか?を議論する能力は僕には全く無いと思います。と言うか、僕を含めた日本の多くの人達にとっては、「今回の事件は一体何なのか?」、「どうしてホリエモンは収監される事になったのか?」など、詳しい経緯について分かってる人って案外少ないと思うんですよね。

だからここでは、「はっきり言って僕はド素人」と言う観点から昨日の記者会見を見ていて思った事を書こうと思うんだけど、僕が一番感銘を受けたのは最後の部分、つまり上で言及した様な今回の会見での核心的じゃない所に一番惹き付けられてしまった。それが、先月起こってしまった東日本大震災で被災した人達へ向けてのメッセージを求められて彼が発したコメントです:

「運命って受け入れざるをえない部分があると思う。起こってしまったことは不可抗力というか、仕方が無いし、特に津波とか本当に仕方が無い部分はある と思う。原発事故は人災だという話もあるが、だからといってそういった人たちを恨んだところで何も出てこない。前向きに考えて頑張っていこう。

今はすごくマイナスからのスタートとなると思うが、マイナスからのスタートには唯一いいことがある。要はこれ以上悪くなることはない。これは僕も一緒なのだが、ここまでドン底に落とされたらもう這い上がるしかない。這い上がるときって意外と楽しい。日本経済みたいに、人口が落ちていくって社会ってつまらない。日本全体がつまらない感じになっているが、東北で復興しようとしている人たちは未来があるし、今より良くなっていることばかりだと思う。それはすごく楽しいことなので、めげずに頑張って欲しいと思う。右肩上がりの成長というのは楽しいと思う。

僕も宇宙開発とかやりたいことがあるので、仕方が無いので刑務所の中で勉強するが、勉強した成果を生かして、皆が楽しくなれるようなことをやっていきたいと思う。僕も頑張るので、皆も頑張ろう。」

人生って、何をやっても上手くいかない時ってのが往々にしてあって、そんな時は本当に心が折れそうになります。僕だって全く一緒で、「正直言って、もうホント辛いから帰ろかな」と思った事なんて、数えきれないくらいあるんですね。と言うか、今でも仕事で失敗したり、日本人だと言う事だけで、ある種の差別的な扱いを受けたりすると、「何もかも投げ出してもう帰ろう!」と思う事なんてしばしばです。そしてこれは僕に限らず、海外に住んでいる人なら誰しも経験する事なのでは無いでしょうか?

しかしですね、よくよく考えてみたら、僕なんて今まで特に何を成し遂げたと言う訳でも無く、地位もなければお金も無い(笑)。正直言うと、最近ちょっと色んな事が巧く行き過ぎていて、天狗になってた感があって、それ故に、「失敗したらどうしよう」って悩んでたんだけど、でも、まあ、失敗したら、「もう一度、2年くらいかけて一からがんばれば良いか」と言う、数年前までは普通に思っていた事を、今回のホリエモンの会見を聞いていて思い出しました。と言うか、ホリエモンが僕にその事を思い出させてくれました。

そう、人間、今がダメでも良い時がきっと来る。これって凄く単純なんだけど、とても重要な事だと思うんですね。ちなみに全く関係ないけど、浅香唯って密かに名曲歌ってて、Believe Againって歌があるんだけど、落ち込んだ時とかに聞くと、凄く元気になれたりします:



さて、実はここからが今日の本題なんだけど(笑)、今回のライブドア事件は、現代の日本社会が抱えている大変重要な問題である、メディアや検察、記者クラブの関係なんかを浮き彫りにしたある種の事件であり、だからこそ、日本の主要メディアとネット界では、今回の報道に関して明らかな温度差を見る事が出来ると思うんですね。では、今回の日本に関する大問題はスペインではどう報道されているのか?

実は昨日から、ネットで検索しまくり、今朝は朝刊と言う朝刊を殆ど読み尽くしたんだけど、スペインの主要紙でこの問題に触れている記事はゼロでした。もっと言っちゃうと、僕が見る限り、スペインの新聞が今までライブドア事件に触れた事は無かったと思います。しかしですね、実は先月起こった東日本大震災に関する政府の発表や日本独特のメディア報道を巡って、El Pais紙が記者クラブ問題を取り上げた事が一度だけあったんですね。それが3月16日の記事:

「真実が無礼になる時:政治家達は国民に情報を隠蔽する為に建前にしがみつく」

“Cuando la verdad es descortes: Los politicos se aferran al uso social del tatemae para ocultar información a sus ciudadanos”

と題された記事。その記事の中では日本独特の文化である「本音と建前」の説明がされていて、日本には記者クラブと言うものが存在していて、それがある種の検閲になっているみたいな事が書かれていました。ちなみに記者クラブはスペイン語でClubes de prensaと言います。多分、と言うか絶対、日本の記者クラブ問題がスペインで取り上げられたのは、この記事が初めてで、それ以来、多くのスペイン人達の日本の報道を見る目が変わったと言う事は出来るかと思います。

昨日の会見で、ホリエモンは今回の収監を受けて、「人生の駒が一つ前に進んだ」と言っていました。こんな言葉は人生のどん底にいる時、なかなか言える事ではありません。強い、本当に心が強い人だと思います。

以前ホリエモンと一緒に働いていたと見られる人が書いたこんな文章を発見しました:堀江貴文の意志(実刑確定のニュースを聞いて)

「・・・誰も自分の利益を考えてくれない世の中では、自ら信頼できる人と関係を構築し、情報を取りに行かねば、家畜のように消費動物として飼われて死ぬまで搾取されるままだ。

TwitterやFacebookで声を上げ、中東の革命まで行かずとも、有志の声が教育、経済、政治の不義を正し、太陽の紫外線のごとく、社会にはびこる細菌を炙り出してゆく必要がある。

堀江貴文の意志は、多くの同世代に引き継がれ、今ひとつの時代の意志としてネットを媒体に伝染している。個別の言動に対する賛否両論はあるだろうが、真に日本の未来を憂う心あれば、人として、まともな社会に生きたいと願うならば、そろそろ声をあげようではないか。

ひとりの人物だけが批判の矢面に立ち、既得権益に対抗する時代が終わった。
これからは意志ある者のネットワークが、微力でも継続的に分散ネットワーク的に革命を続けて行かなければならない。

私も彼の意志を継ぎ、2年半後に「身を呈した甲斐はあった」と思えるような社会を築いていたい。」

昔、僕が小学生くらいの時、NHKの大河ドラマで「独眼竜正宗」ってのがやってて、彼が子供の時(梵天丸って幼名)、和尚さんとのやり取りの中で何かを悟った彼が、「梵天丸もかくありたい」って言ってた場面が非常に印象的だったんだけど、今の僕の気分も正にそんな感じ。

 「cruasanもかくありたい」。
 明日からもがんばろうー。
| サブカル | 04:41 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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