地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ベルルスコーニの売春問題とか、2012年のスペイン総選挙を取り巻く問題とか
今日、知り合いのイタリア人と話してたら、彼女がちょっと衝撃的な事を言っていました。現在イタリアでは、世界中が注目するベルルスコーニ問題、云わば、ベルルスコーニ伊首相が未成年を売春したかしないか?って言う問題が社会問題と化しているのですが、それら一連の問題を受けて、ベルルスコーニ政権の支持率が今週2%上昇したそうです(苦笑)。

「な、何でだー!!」って、あまりに衝撃的だったので、即座にtwitterの方で、

「今、イタリア人の友達と話してたんだけど、ベルルスコーニの未成年売春問題が沸き起こってるイタリアでは、今週、その事件を受けて、ベルルスコー二の支持率が2%上がったらしい。何て国だ(笑)。」

って呟いたら、200件近いコメントが返ってきた!そりゃ、そうだよな。みんな思ってるよ、「何て国だ!」って(笑)。

それはさておき、我が国スペインでは再来年の2012年に総選挙を控えているのですが、現政権の労働左派(PSOE)が苦戦を強いられる可能性が高い事などから、早くも各政党間で政策の違いなどを全面に押し出したアピール合戦が始まっています。

もっと言っちゃうと、与党は政権維持の為にかなり焦ってて、反対に野党(PP)は政権奪回の為に、「今の内に波に乗っておこう」って言う姿勢なんだけど、と言うのも以前のエントリで書いた様に、スペインでは総選挙前の各自治州選挙の結果が総選挙に直結するって言う確固としたデータが出てるからなんですね(地中海ブログ:速報!カタルーニャ州議会選挙2010結果)。それに従うと、カタルーニャ自治州で大負けした労働党が総選挙でも大敗するって言うシナリオが描ける事から、与党がかなり焦ってると、まあ、こういう訳なんです。

はっきり言って現在のスペインは数多くの難問を抱えてて、例えば失業率が欧州でもトップクラスの20%前後だったり、政治的にかなり不安定だったりと、問題を列挙すれば数限りないリストが出来ちゃうんだけど(苦笑)、そんな中でも特に重傷だと思われるのが、「近年の経済危機によって膨らんだ国家の負債をどう減らすか?」って言う大問題なんです。その矛先にあげられているのが、各自治州政府が浪費している巨額な経費であり、それを突き詰めていくと、「スペインには本当に自治州って必要なの?」って言う、伝統的とも言える議論に帰結するんですね。

もっと具体的に言うと、中央政府による一極支配」か、もしくは「各地方の自治を認めるのか?」って言う選択なんだけど、前者を推進しているのは勿論、スペイン伝統保守を評定している国民党(PP)。彼らは「一つのスペイン」を合い言葉に、地方自治の特権をなんとか縮小しようと働きかけてきた訳なんだけど、未だかつて無い経済危機を背景に、かなり声高にその可能性を探っています。そして「経費を削減する為」と言う、筋の通った根拠を背景に、結構国民の支持を集めてきている様な気がする‥‥。

その一方で、地方自治を擁護しているのは各自治州の地域主義政党、そして彼らに肩入れすると言う約束の下に、彼らの助けを得て漸く現政権に就く事が出来たスペイン社会労働党(PSOE)のはずなんだけど、ここにきて、どうもサパテロ首相の歯切れがかなり悪くなってきた。

その一番の良い例が、我らがカタルーニャの場合です。

前回の総選挙前には、カタルーニャ自治憲章を全面支持するって言う公約を背景に、カタルーニャ労働党(PSC)を味方に付ける事によって選挙に勝つ事が出来たのに、いざ、首相の座についてみると、「え、そんなのあったっけ?」みたいな感じで、いとも簡単に約束を破棄。多くのカタラン人達の怒りを買う結果となってしまいました(地中海ブログ:スペインの民主主義始まって以来の歴史的なデモ:新カタルーニャ自治憲章案に関して)。そんなサパテロ首相の一連の発言が今週の新聞に載ってたんだけど、それを追うと、「彼の言動が年を重ねる毎にどのように変わってきたのか?」が一目瞭然になるんですね。最初は地方分権派だったに、段々と中央集権派に近づいてきた経緯が丸見え、みたいな。

厳しい局面に立たされてるのは分かるけど、ココが勝負所ですよ、サパテロ首相!!

サパテロ首相の発言集:

「(スペインの)自治国家制は(各自治州における)多様性を認識しています。(スペイン語と並び)公用語と見なされている各自治州の言語は、その地方に固有のものであり、到底均質化出来るものではありません。‥‥押し付けや中央集権制といったものほど、スペインの不可分一体性を妨げるものは無いと思います。」(2003年8月30日)

“El Estado autonomico reconoce diversas singularidades. La lengua cooficial es una sigularidad que no es homogeneizable (…). Nada aleja mas a Espana de su unidad que la imposicion y el centralismo”.


30 de Agosto del 2003, Declaracion de Santillana, “La Espana plural”


「押し付けや排他とは遠く離れた多様性への認識。何時もスペインは多様です。」(
2007年10月1日)

“Reconocimiento a la pluralidad, lejos de cualquier imposicion o exclusion. Siempre en la Espana plural”


13 de Octubre del 2007
, Consejo territorial del PSOE en Toledo

「我々政府は統合への確固とした軸として存在しています。共存と言う概念は、カタルーニャのアイデンティティへの尊敬の念と切り離せないです。」(
2010年7月17日)

“Somos eje y vertice de la integracion. La Buena convivencia es inseparable del respeto a la identidad catalana”


17 de Julio del 2010
, Comite federal del PSOE en Ferraz

「各自治州の間には幾つかの正当化する事が出来ない相違が存在します。各自治州はそれらの格差を無くす為のイニティアティブを取るべきです。」(
2010年12月30日)

“Existen diferencias que no se justifican entre autonomias. Las comunidades autonomas deben tomar la iniciativa, homogeneizando la regulacion”.


30 de Diciembre del 2010
, Comparecencia de fin de ano en la Moncloa

「我々は自治州に(均質化の)事例を示すべきであり、各自治州は我々の要望に答えるべきでもあります。もしも彼らが遂行しないなら、政府が何かしらの施策を強制せざるを得ません。そういう意味において、最後のカードは我々が持っています。」(
2011年1月17日)

“Debemos dar ejemplo a las autonomias y ellos tienen que responder. Ellos tienen que cumplir con las obligaciones porque, si no lo hacen, el Gobierno actuara. Asi que nosotros tenemos la llave”


17 de Enero del 2011
, Entrevista en el Financial Times

「カタルーニャ自治憲章に対する憲法裁判所の回答は、政治的地方分権化の拡張のプロセスの終わりを意味します。」(
2010年7月1日)

“La sentencia del Estatut supone el fin a todo un proceso de ampliacion de la descentralizacion politica”


1 de Julio del 2010
, Reaccion en la Moncloa tras el fallo de TC

| スペイン政治 | 03:32 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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