地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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知られざる美術館、ダリ宝石美術館:動く心臓の宝石はダリの傑作だと思う
昨日は所要で、バルセロナから電車で2時間程北上した所にある町、フィゲラス(Figueres)に行っていました。フランスとの国境近くに位置するこの町は、20世紀を代表するアーティスト、サルバドール・ダリの出生地として知られ、ダリの作品を取り扱った美術館としては世界最大規模を誇る、ダリ美術館(Dali Teatre and Museum)がある事で大変有名なんですね。



このダリ美術館、上述した様にバルセロナから電車で2時間強と、時間が無い観光客の皆さんにとっては決して利便性が良いとは言えないのですが、稀代の芸術家、サルバドール・ダリの残した作品が数多く展示されていると言う事などから、国内外から毎年数多くの観光客を惹き付ける事に成功しているんですね。この小さな町の小さな美術館が、集客力で言うと、サグラダファミリア、ピカソ美術館に次ぐ第3位につけていると言うから驚きです(地中海ブログ:世界の観光動向とカタルーニャの観光動向2008



そんなこんなで国内外に大変知れ渡っているダリ美術館なのですが、一風変わったこの美術館が実は2つの異なったパートから成り立っていると言う事は案外知られていません。



つまり、こんな作品が展示されているパートの方は国内外に広く知られ、ダリ美術館と言ったらコチラの方を指す事が殆どだと思うんだけど、その傍らにそっと開設されているダリ宝石美術館については、その存在は意外と知られていないと思うんですよね。



しかしですね、実はこのダリ宝石美術館、「わざわざフィゲラスまで来て、これらの宝石を見ずに帰ったら、ダリの作品を半分も見ていないんじゃないの?」って思っちゃうくらい、質の高い作品を所蔵しているんですよ!ハッキリ言って、この宝石部門を見に来るだけでも、フィゲラスに来る価値は十分にあると思うくらいです。例えばコチラ:



目を形取った時計の宝石です。青色ベースの中に一点、目じりの部分に赤色のルビーを持ってくるセンスは流石ですね(2011年1月現在、こちらの宝石はMNAC(カタルーニャ美術館)で開催中の特別展、“芸術家達の宝石展:モデルニズモから前衛まで”展に出展中)。この写真とか結構カッコイイかも:



もしくはコチラ:



唇を形取った宝石。真っ白な真珠と真っ赤なルビー、そしてそれらによって表された歯と唇の対比が大変美しい作品です。そして3年前、僕が初めてこの美術館を訪れた時、度肝を抜かれた作品がコチラです:

し、心臓が動いてるー!これは凄い!!と言うか、芸術作品を見て、久しぶりにビックリしました。こういう方向を目指してきたダリ芸術の中においては最高峰の一つなのでは?とすら思います。

作品の構成も非常に巧みで、黄金に形取られたハートの一部を切り取って、その中にルビーで表された真っ赤な肉塊部分が「ドクン、ドクン」と動いているって言う構成になってるんですね。多分、この赤い部分だけが脈を打っていたら、かなりグロテスクに見えると思うんだけど、心臓のイコンであるハートの黄金部分がある事で、それ程生々しくなってなく、センスの良い一品に仕上がっていると思います。

凄い、これは凄い!バルセロナから往復で4時間ちょっとかかっちゃうけど、「定期的に見に来たい」、そう思わせてくれるくらいの質を持った作品です。あー、楽しみが又一つ増えた!
| スペイン美術 | 05:43 | comments(9) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
今回は往復4時間がネックで行けそうもありません。
せめて写真を見せて頂けて良かったです。
東京でのダリ展で見てはいますがやっぱりあの卵の乗った建物を見ないことにはねぇ。
羨ましいで〜〜す。
| yoco | 2011/01/18 1:57 PM |
yocoさん、こんにちは。

往復4時間は流石に観光客の方には辛いですよね。
日本人ってダリが大好きで、何回も日本で展覧会が開催されているんですよね。で、昔、誰でもピカソか何かでやってたのですが、ダリ自身も日本を訪れてたはずです。そんなダリの世界が広がるフィゲラスは、本当に素敵な所でした。
| cruasan | 2011/01/21 6:34 AM |
こんにちは、はじめまして^^

行きたい行きたいと思って計画して、過去2回も日程が合わず断念していたので、気分を少し味あわせていただきました!

ダリ宝石美術館ってのがあるんですね!?
そっちも行ってみたいなぁ〜
| erita | 2011/01/30 1:46 PM |
eritaさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

ダリ宝石美術館、全然知られて無いけど、本当に素晴らしい美術館だと思います。ダリのもう一つの側面が垣間見える様な気がして、物凄く興味深いです。バルセロナからはちょっと遠いのですが、是非訪れて頂きたい美術館の内の一つです。
| cruasan | 2011/02/08 5:55 AM |
目じりにルビーではなく、目頭にルビーではないでしょうか?
おそらく、蒙古ひだを表したものかと。
| 〇 | 2013/07/06 8:30 PM |
はじめまして。
3日後からスペインツアーに参加します。
自由時間にダリ宝飾美術館を訪れたいと思っています!
動く心臓!!すごいですね!!
いろいろ調べてウェブサイトにオンラインショップを見つけましたが、現地のミュージアムショップでもジュエリー売ってますか?
バルセロナで午後半日自由時間・・・一人で行って帰ってくるのは無謀でしょうか・・・
| TANAKA | 2013/09/07 8:24 PM |
Oさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

その通りですね。ご指摘ありがとうございました。
| cruasan | 2013/09/08 7:14 PM |
TANAKAさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
半日で行って帰ってこれない事は無いと思いますよ。ただ、かなり駆け足になってしまいますが。

楽しいバルセロナ滞在になる事を願っています。
| cruasan | 2013/09/08 7:16 PM |
>「ドクン、ドクン」
これ、昔、秋葉で見て感激しました。「ダリ 愛の宝飾展」です、バブル時(1988年?)、今はAKB48劇場となっているミナミ無線の7階(?)で、40点ぐらいの宝石コレクションが、縦が3m近い「ポルトリガトの聖女」と一緒に展示されていました。彼はAvida Dollars(ドルの亡者、Salvador Dal&iacute;のアナグラム)とブルトンにあざけられたけど、そのドルは全部、これら宝石になったのだと感じました。
| June | 2014/06/03 11:18 AM |
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