地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペインの長―いクリスマスイベントの締め括り:東方の三博士来る
スペインでは今日、1月6日は、1224日から始まった長―いクリスマスのお祝いを締め括る最終日。その前夜祭と言う事で、昨日の夜は毎年恒例の、子供達へのプレゼントを抱えた東方の三博士が街中を練り歩き、スペイン全体がお祭りムードに包まれました。



メルキオール、カスパール、バルタザールと言う東方の三博士の名前を聞いて、多くの人達が頭に思い浮かべるものと言ったら、「あー、エヴァのマギーシステムね」って事だと思うのですが、元々
東方の三博士と言うのは、新約聖書のマタイの福音書に登場する、キリストが生まれた事を聞きつけ、東方からラクダに乗ってお祝いに駆け付けたと言う、伝説の3人組の事なんですね。

「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」(マタイの福音書2章2節)


3人の博士はそれぞれ老年、壮年、青年と言った3世代、そしてアジア人、コーカサス人、アフリカ人と言う3人種を表していて、そんな彼らがイエスを礼拝すると言う事は、全ての人達がキリストの教えの元に入ると言う事を暗示しています。更に、彼らが持って来た贈り物はと言うと、黄金と乳香、そして没薬。これらは、イエスの王権、神性、そして死を表しているんだそうです。


スペインではこの伝説に因んで1月6日の朝、子供達が起きた時には枕元にプレゼントが届いているって言うしきたりになってるんだけど、その日のお昼には親戚一同が集まってランチを採りつつ、大人達はその席で互いにプレゼントを交換するって言うのがスペインの伝統となっています。で、前日の夜に東方の三博士が子供達にプレゼントを運んで来てくれるって事になってるんだけど、何が凄いって、子供達に夢を与えようと、1月5日の夕方から街中を挙げて、「東方三博士が遠くからプレゼントを運んでくる」って言う物語をでっちあげちゃう所なんですよ。この手の込み様は、見ていて圧巻ですらあります。物語は先ず、彼らが市内に到着する所から始まります。




海に面しているバルセロナでは、東方の三博士は船に乗ってアプローチしてくるんだけど、何とそれを出迎えるのは現役のバルセロナ市長なんですよね。ここが先ず驚き。




市長がワザワザ港まで出向いて行って、ご丁寧にも彼らの長旅をねぎらうって所からこの物語は始まる訳なんですよ!勿論そこには沢山のテレビカメラや報道陣が待ち構えていて、今朝の新聞なんかには、「プレゼントを抱えた東方の三博士がバルセロナに到着した!」みたいな記事がデカデカと載っていたりするんですね。で、到着した彼らはその後、
4時間程をかけて市内を練り歩くんだけど、コレ又、大規模な交通規制なんかを行いつつ、経済危機だとか言いながらも、結構な予算がそこに割かれているって言うんだから驚きです。スペインの各都市は財政赤字が本当に酷くって、どこもヒーヒー言ってる状態だとは思うんだけど、そんな状況下でも、こういう子供達に夢を与える文化イベントを削らずにきちんとやると言う姿勢には大変共感を覚えますね。えらいぞ、スペイン!!

そんな中、とりあえず僕の興味を惹いたのは、彼らが都市にアプローチしてくるその方法です。各都市によって彼らのアプローチ方法は違うんだけど、海があるバルセロナ市では、東方の三博士は船に乗ってやって来る事となります。多分、海に面している都市なら何処でも似た様なものだと思うんだけど、海が無い内陸部ではどうかと言うと、大概の場合は電車で来る事になるんですね。ちょっと変わった所では、ヘリコプターとか、
AVE(スペイン高速鉄道)に乗ってやって来たなんてのもニュースで紹介されてました。

僕が面白いなと思ったのは、彼らがどんな乗り物に乗ってくるにしろ、それらは全て「何処か遠くからやってくる」って言うイメージを連想させると言う所なんですね。つまりは、「何処から来るのかは知らないけど、ココではない、何処か遠く」みたいな感じを
醸し出す為に、「船」とか「電車」とかを使う訳なんだけど、実はコレって、結構本質的な事だと思うんですよね。つまり何故、東方の三博士は「東方からやってきたのか?」って事なんですけど‥‥。

まあ、一般に知られているのは、「文化は東方から来る」みたいな解釈だと思うんだけど、それと同様に、当時の世界(西側)から見て、「何処か良く分からない異世界」、「凄く遠い世界」と言うのは、やはり東方だったんじゃないのかな?更に、そんな遠くから来るんだから、何か乗り物に乗ってなきゃまずい。馬は短距離用で何時も走ってる感じがするのでボツ。と言う訳で、何時も歩いてて、長い時間をかけてくると言うイメージが強い長距離用のラクダが選ばれたっぽい。と、まあ、こんな感じで「何処か分からないけど、この世にある何処か遠くから来た」って言うイメージが創られていったのでは?と思う訳ですよ。


さて、そんな遠くからプレゼントを持ってやって来てくれた東方の三博士を一目見ようと、昨日の市内は何処へ行っても人の山,山、山:




しかも物凄い熱気!ま、当然か。子供にとってはサンタクロースが来るのと同じなんですからね。かくいう僕も1時間も前から街頭にスタンバイしてたんだけど、そうこうしている内にパレードの始まり、始まり〜。




先ずは馬の部隊から始まって、段々と手の込んだものへと移って行きます。このパレードの間中、山車に乗ってる人達が街頭の人々に向かって飴を投げまくるんだけど、その総量、何と
5トンらしい(驚)!しかも思いっきり投げてくるから、頭とか顔に当たって、これが結構痛いんだな(怒)。飴って硬いですからね。中にはこんなものもありました:



動くドラゴンみたいな。すげー。あんまり東方の三博士とは関係ない気もするけど、がんばって作ってるっぽいから、まあ、いいっか。気分も最高潮に盛り上がって来た所で、来ました、メルキオールの登場です!




さすが王様、すげー偉そうに椅子とかに座ってる。




で、ちゃんとプレゼントも持ってる(笑)。こんなのもありました:




子供達がシャボン玉を吹き捲くり、夜の照明と相まって幻想的な風景が辺り一面を覆い尽くします。そしてカスパールの登場:




オー、今度は立ってる。しかも何か偉そうに手とか振ってるし(笑)。まあ、プレゼントを持って来てくれたんだから偉いんですけどね。と思ったら、今度はこんなのが登場:




メカ象!!これは面白い!!!ちゃんと動いてるし、しかも背中に「これでもか!」って言う程のプレゼントまで載せてる!!そして遂に登場:




子供達に絶大な人気を誇るバルタザールの登場です。何でか知らないけど、バルタザールって人気があるんですよね。そこら中から、「バルタザール〜」って言う黄色い声援が飛び交っています。


僕は毎年この時期は休暇で海外旅行に行っているので、1月5日にバルセロナに居ると言う事はあまり無かったのですが、数年振りにこのお祭りを見てみると、ナカナカ味わい深いものがあって良いですね。さあ、これが終わると、イヨイヨ明日からはバーゲンの開始です。買いまくります。がんばるぞー!!
| バルセロナ日常 | 19:46 | comments(1) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
うちの子供が(2歳8ヶ月)が幼稚園のクリスマスの催し物で、バルタザールをやることになりました。基本的に宗教がらみのお祝いはしない我が家なのですが、まぁほかの子もやってるし、ってことで(そのへんはテキトー)目くじら立てないでも、というか、うちの子が劇に出るのが見たかっただけなんで、生暖かく見守っているのですが、このブログで読んだ情報、とても勉強になりました。私はガリシアに住んでいますが、何せ↑こんな派手なパレードをやるところではないので、(大体こんなに人いない)このパレード見てみたいです。またブログ来ますね。
| もちこ | 2011/11/10 6:10 AM |
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