地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペインの管制官の仮病騒動その3:飛行機キャンセルに伴うヨーロッパの規制について
昨日午後に起こった、航空管制官達の「仮病」に伴うスペイン全土での空港閉鎖なのですが、一夜明けた今日、空港は軍の管理下に入り、サパテロ首相が今正に、国家の非常事態宣言(Estado de Alarma:3段階ある非常事態宣言の内の最初のヤツ)を出そうとする事態にまで至っています(地中海ブログ: スペインの航空管制官の仮病騒動その2)。

今回の管制官の仮病による職場放棄は、スペインで昨日から始まった大型連休に合わせて計画的に行われたものである為、政府は勿論の事、一般人もかなり怒っていて、昨日の勧業大臣じゃないけど、市民社会は「管制官、全員首にしろ!」って言う勢いなんですね。今日の新聞(
La Vanguardia, 4 de Diciembre 2010)には、1981年のアメリカで起こった航空管制官のストライキに対して、レーガン大統領が1万人以上の管制官を首にしたって言う事例が載ってたけど、まあ、現実問題、スペインで全員首は無いですね。しかし、これだけ騒ぎが大きくなってくると、管制官側は、政府が要求している給料の大幅カットを含んだ、かなり厳しい要求を飲まなければいけない状況に追い込まれた事は確かだと思います。なんせ、今回はバックにスペイン国民が付いてますからね。しかもかなり怒ってる!

さて、今回の事件では昨日から今日にかけて、
2日間だけで少なくとも約30万人の足に影響が出たと推測されているのですが、そんな被害を被った旅行者の皆さんにとって、とっても気になるのが、「チケットって払い戻されるの?」とか、「飛行機のキャンセルに伴って、余分なホテル代が掛ったんだけど、この代金って戻ってくるの?」って言う現実的な問題だと思います。

この点に関しては、ヨーロッパでは、
2004年の211日にヨーロッパ議会を通過した規制(El Reglamento (CE) 261/2004 del Parlamento Europeo y del Consejo de 11 de febrero de 2004)が適応されていて、それによると、

「天候やストライキ、政治的軍事的と言った不可避の理由により、自分が乗るはずだった飛行機がキャンセルになった場合、航空券を発行した航空会社はクライアントに対して、別の飛行機を用意するか、もしくは電車やバスと言った別の交通手段を用意するか、もしくは航空券代を払い戻すかしなけらばならない」


みたいな事が書かれています。更に、このキャンセルが自分が普段住んでいる都市以外で起こった場合、その航空会社はクライアントに対して:


「次の飛行機が飛び立つまでの間のホテルと食事、そして
2回の電話と2回メール、そして2回のFAXを無料で提供する事が義務付けられている」

と言う様な事も書かれているんですね。


多分、ここは注意しなきゃいけない所だと思うんだけど、この場合、「各航空会社が食事とホテルを提供しなければならない」と書かれているのであって、「クライアントが勝手に自分の好きなホテルを予約して、その辺のレストランで食事をして、それらのレシートでペイバック」
とはなっていない所だと思うんですね。あくまでも、食事とホテルは「航空会社が提供する」という風になっているんですよ。まあ、航空会社もバカじゃないから、想像するに、食事にはサンドイッチとパックのジュース、ホテルは空港内の安いホテルと言う所じゃないかと予想されるんですけどね。

そして今回の事件に伴って、議論の焦点となりそうなのが、「果たして航空会社は、各クライアントが旅行先で予約していたホテルのキャンセル料や、レンタカー料、もしくは演劇のチケット代などを支払わなければならないのか?」と言う点だと思われます。
上述した規制では、

「天候やストライキなど、不回避な理由で飛行機がキャンセルになった場合、クライアントが旅行先で被る損失(ホテルのキャンセル代など)は払う義務無し」


としています。


しかしですね、今回スペインで起こったのは、天候など絶対に避ける事が出来ない理由ではなくて、「管制官の仮病」と言う、云わ場、彼らの怠惰によるものなので、これは規制で定められている「不回避」には当てはまらないのでは?と思われる訳ですよ。そうすると、今回影響を受けた少なくとも
30万人もの人達のホテルのキャンセル料やレンタカー料だとか言う、莫大な損失を航空会社は払わなければいけないのか?と言う問題が出てくるんですね。まあ、勿論その場合は、各航空会社は、管制官を雇っているAENAに損害賠償請求をすると言う手段を取るんだとは思うんですけどね。

まあ,ホント、一日も早く、この問題が解決される事を願います。


下記にスペインの空港や代表的な航空会社の電話番号を載せておきます。


AENA: 902404704
RENFE: 902240202
IBERIA: 902400500
SPANAIR: 902131415
AIR EUROPA: 902401501
OCU: 913000045
FACUA: 954909090
UCE: 915484045
| スペイン都市計画 | 00:30 | comments(4) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
>cruasan 様
おはようございます。
いつも正確にきっちりとしたコメント、
頭が下がります。
かつて、ストライキにはピサからバルセロナの間に
アリタリアで有りましたが12時間後、深夜着きました。

パリ→アムステルダム→関空の帰り道にえらいに目
合いました。パリで搭乗するのに1:30分遅れ。サッカー
選手は試合が出来ず、帰る。アムステルダムに
着いた時は我々の飛行機はすでに離陸、原因は
天候不順、スキポールのKLMカウンターは数百人の
搭乗者で混乱、
我々夫婦は大阪人風(?)厚かましく、抗議、
ごね得でホテルを手配して頂く、一人当時。15ユーロ。
翌朝、パリに戻り(ビジネス)で
エールフランスで関空へ、荷物は数日後関空にバラバラで
クロネコヤマトで宅配にしてもらう。要求したのだが・・

ながなが、御免!
チケットの種類で手配が差別化されるのだ。
激安チケットは空港で一夜あかし、USA廻りの成田とか
いろいろあるみたい。
| mory's | 2010/12/05 10:24 AM |
morysさん、こんにちは、お久しぶりです。
そうなんですか、そんなご体験をされていたのですね。
天候はしょうが無いにしても、ストライキとか、本当に困りますよね。
実は僕は幸運にも今まで一度も、飛行機のトラブルに合った事はありません。しかし、何時今回の様なトラブルに巻き込まれるとも限らないので、其の時の対応だけは、きちんと知っておいた方が良いかなとは思います。
備えあれば憂い無しと言うヤツですね。
| cruasan | 2010/12/05 8:12 PM |
cruasanお久しぶり!
久しぶりのコメントなんですが、先日見事にストにひっかかり、延泊をお隣のポルトガルでしてきました。ルフトハンザだったんだけど、タクシー代、ホテル代、食事、朝、昼、夜、確かに、総てでていました。しかし、うっかり、電話代について聞くのは、忘れました。残念、次回は、しっかり請求する事にしよう。ただ、今年の例の噴火があったでしょ、あれは、自腹だったみたいだね。天候によるフライトのキャンセルが該当していたはずなんだけど。まあ、規模の問題であるのは、間違いないけど。
 それと、イベリコ豚の輸入をはじめました。ちかじか、サイトもオープンするので、宜しくです。
ではでは。
| プルーデンス | 2010/12/07 6:59 PM |
プルーデンスさん、こんにちは、久しぶりですね!
そうなんですか、ルフトハンザは全額返済ですか。流石に太っ腹ですね。
今回は自然災害ではなく、人為的なものがかなり働いていたから、当たり前と言えば当たり前なんでしょうけどね。
イベリコ豚‥‥美味しいですよね。きっと成功すると思います。
| cruasan | 2010/12/12 7:49 PM |
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