地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
<< カタルーニャ州議会選挙その2:スペイン、そしてヨーロッパ左派の終わりの始まり‥‥かもしれない。 | TOP | スペインの管制官の仮病騒動その3:飛行機キャンセルに伴うヨーロッパの規制について >>
スペインの航空管制官の仮病騒動その2
先週のカタルーニャ州議会選挙でのカタルーニャ社会労働党(PSC)の歴史的な惨敗に伴い、「次の大臣が誰になるのか?」と言う事も含め、モメにモメている僕の職場なのですが、今日も結構遅くまで今後の対応を決めるミーティングがあり、実は今、家に着いたばっかり。で、何時もの様にネットでニュースを見ていてビックリしたんだけど、なんと、今日の午後1830分、スペイン中の空港で管制官が、又、「仮病騒動」を起こしたらしく、殆どの空港が閉鎖に追い込まれてるらしいじゃないですか!しかも今回はかなり大規模らしく、全国で約70%もの管制官が「仮病」で休んでいるのだとか。しかも彼らは今日の午後6時頃までは普通に働いてて、その後、みんなで近くのホテルに行って、そこで病気だと訴えたらしい(笑)。

実は、スペインの管制官の仮病騒ぎは今に始まった事ではなく、一回目は夏前、丁度僕がブリュッセルに出張に行く日に起こった出来事だったんですね(地中海ブログ:
ブリュッセル出張:Infoday 2010:バルセロナ空港管制官の仮病騒動とか)。事の発端は、サパテロ首相が、高給取りの管制官の「給料カット」を言い出した事に始まります。

僕はスペインの航空管制官の給料体系がどうなっているのか?と言う点は詳しくは知らないのですが、新聞報道などによると、彼らは年間
2000万円以上も稼いでいる高給取りらしいんですよね。更に、彼らの給料の40%を占めるのが、残業代や付加給料らしく、そこに目を付けたのがサパテロ首相:

「昨今の経済危機の影響で、全国の公務員が
5%の給料カットを強いられている中、管制官だけがそんなに給料をもらっているのは実にけしからん」

と言う訳で、管制官の給料カットに踏み切ったと言う訳。まあ、ここには、自分の給料が彼らの半分以下である
850万円だって言う妬みも多少は入ってるんでしょうけどね(地中海ブログ:スペインの各自治州政府大統領の給料について)。

この給料カットに猛反発したのがスペイン全土の管制官達なんだけど、彼らは何と「仮病」を使い、空港を閉鎖すると言う手段に出た訳ですよ。何でかって、管制官がいないと、飛行機飛びませんからね。前回の仮病騒動はバルセロナ空港で起こったんだけど、その時は、全管制官の内、約4分の
128人)もの人達が一斉に病気になってた。どう考えてもオカシイでしょ(笑)。

その時は、政府との交渉で何とか騒ぎは治まったんだけど、今回はスペイン全土、しかも、今日から始まる大型連休に合わせて「仮病」を起こしたとあって、マドリッドだけでも
25万人もの足に影響が出たって言うんだから、さすがに今回は政府も黙ってはいません。仮病騒動が始まった約3時間後、ホセ・ブランコ勧業大臣は、「病状を偽っている管制官は全て首にする」と大胆な発言を発表するにまで至りました。その後、この大胆発言は撤回されたのですが、それでも、「政府が用意する医者に病気で休んでいる管制官の症状を見てもらい、それでも仕事に戻らない場合、スペイン軍の管制官を民間の空港に代行として着かせる」と言う決定が為されるまでになっています。もう、ココまで来ると、フランコ政権時代の様相を呈して来ている感すらしますけどね。

確かに給料が減らされるのが嫌なのは分からないでも無い。と言うか、その心情は一労働者としては痛い程良くわかる。しかしですね、だからと言って、大型連休を、他の都市でゆっくりと過ごそうとしていた多くの人達の「楽しみ」を奪う事は絶対に許せない。みんな、この日の為に一生懸命働き、お金を貯め、そして時間を創って来ているのだから。


19
時現在の政府の発表では、明日土曜日の朝8時まではマドリッド、バルセロナ、パルマ、カナリアと言った主要空港が閉鎖されると見られていました。それに伴い、Iberia, Spanair, Vueling, Ryanairと言った航空会社が土曜日11時までの飛行機を全面キャンセルにすると言う発表もあった様です。

その一方で、バルセロナ空港では、午後
22時現在、約半分の管制官が仕事に戻り、徐々に平常を取り戻しつつあるとの情報も入ってきつつあります。

この連休を楽しみにしている人達の為にも、一刻も早く、事態が収拾される事を望みます。
| バルセロナ都市 | 08:39 | comments(6) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
やられました。ストライク!バルセロナ空港で3時待たされました。ストは権利なのか?いつもこの言葉が頭をよぎります。
飛べずに泣いていた子供もいましたよ。
なんだかな、一般人にまで被害が出るストにどこまで意味があるのか?
今日は疲れました。
| Hide KOBFUJI | 2010/12/04 9:49 AM |
管制官組合の振る舞いも目に余るようですが、スペイン政府は空港を軍隊のコントロール下に置くという強権に出ましたね。労働組合と社会党政権との対立図は、想像できません。他の労組やユニオンなどはどのように反応しているのでしょうか。
| junjun | 2010/12/04 4:45 PM |
Ryanairが昨晩、本日8:30のヴェネツィア行きのフライトキャンセルと発表、旅行見送りの憂き目に遭い、払い戻しも済ませました。

でも、空港ウェブサイトだとRyanairのフライトがキャンセル表示になってるにも関わらず、Ryanairのウェブサイトではキャンセル発表後も普通にチケット売ってました。

どっちが正しいのか(本当は8:30のフライトは飛んでたとか?)未だに謎です。
| Misonikov Kuitavic | 2010/12/04 8:46 PM |
Hide KOBFUJIさん、こんにちは。

僕の周りにも今回の事件の影響を受けた人が沢山いて、それらの話を聞いていると、管制官の今回の様な身勝手な行動は本当に許せません。今日の新聞には、結婚式を今週末控えていたのに、飛行機のキャンセルでそれが台無しになってしまった花嫁と其の家族の写真が載っていました。
ホント、こういう事は二度とあって欲しくないです。
| cruasan | 2010/12/05 7:55 PM |
junjunさん、こんにちは。

労組とPSOEは今まで、それこそ鴛鴦夫婦の様に、2人3脚でやってきました。しかし今年労働左派政府が発表した「労働条件の変更に関する法律」が原因で、それ以来、彼らの間に亀裂が生じています。スペインでは今年の9月29日にゼネストが行使されたのですが、それを推進したのは勿論、労組。でも、左派政権下でしたからね。数年前、労組が起こした、当時の右寄り政府(PP)に対するストライキには、サパテロ首相も最前列で参加していたのですが、当然の事ながら今回はパス。

今スペインは非常にねじれた状態にあると思います。
| cruasan | 2010/12/05 8:02 PM |
Misonikov Kuitavicさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

それは大変でしたね。楽しみにしていた旅行が台無しになる事程、悲しい事は無いと思います。僕は偶々、今回の連休は仕事の関係でバルセロナに居たのですが、もし今回旅行を計画していたらと思うと、ゾッとします。
今回は突然の事&未だかつて無い程の規模で空の便が乱れたと言う事なので、何処の航空会社もかなり混乱している様です。

今日の新聞によると、スペインの有力な弁護士事務所が、管制官を相手取って訴訟を始めるとありました。どうやら今の所、2000人程の人達が、旅行先で宿泊するはずだったホテル代やレンタカー代を管制官側に要求する模様です。

コレからどんどんこの人数は増えて行き、お金が返ってくる確率も高くなるものだと睨んでいます。当然だと思うんですけどね。
| cruasan | 2010/12/05 8:08 PM |
コメントする