地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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速報!カタルーニャ州議会選挙2010結果
前回のエントリでお知らせした様に、今日1128日はカタルーニャ全土で、カタルーニャ州議会の選挙が行われました(地中海ブログ:ローマ法王のコンドーム容認発言とか、今年のカタルーニャ州議会選挙ビデオは殆どポルノビデオと同じレベルだとか)。

今回の選挙の焦点は、何と言っても、スペイン民主化後から2003年まで25年以上にも渡りカタルーニャ州政府の座に君臨し続けていたカタルーニャ地域主義政党(CiU)が絶対多数を獲得出来るかどうか?と言う点にあったんですね。はっきり言って現政権のカタルーニャ労働左派(PSC)が政権を奪われる事は確実だったのですが、問題はそれよりも「どうやって政権を奪われるか?」と言う点だったと言う事です。つまりCiUが何処まで票を伸ばし、そして絶対多数を獲得出来なかった場合、一体何処と連立を組むかという事なのですが。


この選挙の為に、前々から予定されていたクラシコが翌日に変更になったり、有権者の意識を惹き付けようとするあまり、単なるエロ動画の様な選挙ビデオを作ったりと、(どうでも良いような)話題には事欠かない今回の選挙戦だったのですが、たった今(2305分現在)、選挙の結果が出た模様です。


勝ったのは当初の予想通りCiU。獲得議席は62。絶対多数には至らなかったものの、前回(48議席)よりも大幅に議席数を伸ばし、かなり満足気。


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番手に付けたのは、コレ又予想通りなんだけど、現政権のカタルーニャ労働左派(PSC)。こちらも予想通りの敗北と言った感じで、獲得議席数は28で、前回(37議席)よりも9ほど議席数を減らしています。

そして今回一番の驚きは民衆党(PP)
の躍進でした。フランコが大嫌いなカタルーニャでは、民衆党は今まで一度も決定的な影響力を議会で獲得した事は無かったのですが、今回は何と、18議席も獲得してしまう大躍進!そしてこの数字はCiUPSCに続いて3番目に得票数の多い党になってしまったんですね。!これはちょっと驚きでした。

さて、今回のカタルーニャ州選挙は2012年に行われるスペイン総選挙の前哨戦と見なす動きがあるのですが、今回の選挙でカタルーニャ労働左派(PSC)が大敗した理由をサパテロ首相(PSOE)は良く考えた方が良いでしょうね。今日を境に、マドリッド(PSOE)とカタルーニャ(PSC)の関係は激変していく事だろうと予想されます。そして今回の選挙を通して見えるのは、「カタルーニャ新自治憲章案や独立よりも、先ずは経済復興が大事だ」と言う明確な市民のメッセージだと思います。


そしてココからがちょっとややこしくなるんだけど、CiUは国レベルでの戦略を考えた時、スペイン労働左派(PSOE)か民衆党(PP)か選べと言われたら、PSOEに傾くんじゃないのだろうか?少なくとも今の時点では(水面下で)その様な動きがある事は確かです。サパテロ首相もその事を良く分かっているからこそ、早々とCiUに好意的な態度を表明してるし、カタルーニャ労働左派にも「なるべく上手くやる様に」みたいな事を推奨しているとも聞きます。


しかしですね、もう少し先を見越すと、2012年で政権がひっくり返った場合の事を考えて、CiUは民衆党とも付かず離れずと言う距離を取る事も十分に考えられる。どっちに転ぶにしろ、この場合のキーポイントは、カタルーニャ州政府がバスク地方と同等の特権的な税収法をカタルーニャに適応出来るかどうか?と言う点が政治的な駆け引きのポイントとなると思うんですけどね。


昨日発売の英国エコノミスト誌に、「ユーロ圏の崩壊を解決する鍵はサパテロ首相だ!」みたいな事が書かれてたけど、それが本当かどうかは別として、確かに欧州の中で今、スペインが果たしている役割と言うのは小さくは無いような気がします。それどころか、ギリシャ、ポルトガル、アイルランドと続いてきている金融破綻の連鎖をココで食い止められるかどうか?はスペインに掛ってると言っても過言ではありません。そういう意味において、今回のカタルーニャ州議会選挙の勝者であるCiUの政策とそれが国政に与える影響力は、イベリア半島の小さな波紋には留まらないのでは?と言う気すら起こさせます。


今回の選挙結果の分析なんかは明日の新聞各紙などを見た上で総評しようと思っているのですが、個人的に気になるのは、やはり、各省庁の大臣任命ですね(もうちょっと後なのですが)。何故かと言うと、誰がどのポストに就くかによって、政策の方針がガラリと変わるのと、その事が予算編成に多大なる影響を与えるので。とは言っても、スペインとカタルーニャの現在の状況を考えると、今以上に予算が増える事は絶対に有り得なくて、こちらも問題は、「何処まで予算が減らされるか」と言う事なんですけどね。


明日から又、色んな意味で忙しくなりそうだ。
| スペイン政治 | 07:08 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
今日は。選挙速報有難うございます。
CiUはカタルーニャ人の権利を主張する地域政党だというぐらいにしか知識が無いのですが、中央の政治や経済に関して、民衆党や社会党とは、どのように異なった主義を持っているのでしょうか。一般的にいうと、左右どちらなのでしょうか。
FCバルセロナの前会長ラポルタの党が4議席も獲得したことにも驚かされました。会長時代に不正会計があったとして、現会長から訴えられているようですが、やりてで、一癖有りそうなラポルタ氏がキャスティングボードを握ることにも成るのでしょうか、大変興味があります。
| junjun | 2010/11/29 4:31 PM |
junjunさん、こんにちは、コメントありがとうございます。

今日アップした記事に書いたのですが、今回CiUは全く「政策」やら「立ち位置」やらを明らかにはしていません。普段は、右寄りで、独立は表明していない政党なのですが、今回はその「何も言わない」と言う戦略が功を奏したらしく、大勝利となった様です。ラポルタの党は、もう「カタルーニャ独立」を全面に出した党ですよね。それまではERCが独立派で、独立票は全て彼らが取っていたのですが、今回のラポルタ出現で、カタルーニャ独立の票が割れたみたいです。

4票とは言え、議席数獲得ですから、立派なものだと思います。
| cruasan | 2010/12/02 7:28 AM |
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