地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ローマ法王のコンドーム容認発言とか、今年のカタルーニャ州議会選挙ビデオは殆どポルノビデオと同じレベルだとか
来月頭に幾つかのプロジェクトの締め切りが迫ってきている事などから、今月はとにかく出張が多い!特にEUの首都であるブリュッセルとスペインの首都であるマドリッド。実は今この記事を書いているのもマドリッドへ向かうAVE(スペイン高速鉄道)の中なんだけど、今月なんてマドリッドへ行くの、今回で5回目ですよ!と言う事は週に2回は行ってる事になる訳なんですが、まあ、マドリッドは行く度に何かしらの発見がある都市なので、退屈はしないし、何より3時間弱の電車の旅は、ゆっくりと新聞や本を読める至福の時でもあるので、結構楽しみな事は楽しみなんですけどね。

そんな訳で今日も溜まった新聞やら雑誌やらを読んでいたのですが、その中でも特に印象に残ったのは、今日の新聞各紙(11月21日)が大々的に報じていた、ローマ法王ベネディクト 16世のコンドーム容認の話題ですね。昨日の夜、第一報が出た時点においてTwitterの方で速報したのですが、ローマ法王が長いカトリックの歴史の中において、今回初めてコンドームの使用を容認する発言をしました。とは言っても、「ある特別な場合に限り容認する」と言うような趣旨の事を、11月23日に発売になるインタビュー集の中で述べていると言う事らしいのですが・・・。今日の新聞(La Vanguardia,21 de Noviembre 2010)にその箇所が抜粋されていたので、下記に少し訳してみます:

・・・(コンドームの使用は)ある特別な場合などには正当化出来るかもしれません。例えば売春婦がそれを使用し、その事が彼女をモラルや正しい行為へと導く最初の手引きになるとか・・・とは言っても、(コンドームの使用が)エイズの感染を防ぐ適切な方法だとは思わないのですが」

“podria estar de alguna manera justificado, por ejemplo, cuando una prostitute lo utilize, y eso puede ser un primer paso hacia una moralizacion, un primer acto de responsabilidad… de todas formas este no es el modo adecuado para vencer la infeccion del VIH”

と、まあ、こんな感じでかなり限定的で、全面的にコンドームの使用を認めている訳ではないのですが、それでもローマ法王がコンドームの使用に対してポジティブな姿勢を示したと言うのは、はっきり言って歴史的な大事件だと思います。Twitterで「ローマ法王、特別な場合に限りコンドームの使用を認める!」みたいな事をつぶやいたら、100件近い反応が返ってきた事からも、この報道が我々の社会、特にカトリック信者の多いヨーロッパにおいては相当なインパクトを与えるだろう事を物語っていると思います。

下ネタ関連と言う事で、ついでだから書いちゃうけど、来週末に迫ったカタルーニャ州議会選挙(11月28日)の為に、各党が熱烈な選挙戦を繰り広げているカタルーニャ地方なのですが、そんな中、現政権を担っているカタルーニャ労動左派(PSC)の若手グループが、選挙離れが進む若者達に、どうにか選挙に関心を持ってもらおうと作った選挙ビデオが話題になっています。それがこちら:

「投票する喜び」と題されたこのビデオには、一人の若い女の子が投票する様が描かれているのですが、投票する事が余りにも快感でオルガスムに至ると言うストーリーになっているんですね。これは明らかにメディア受けと若者受けを狙った話題作りだと思われるのですが、ちょっとこれはやり過ぎかな。第一、訳が分からない!こちらの方もTwitterで流してみたのですが、多かった反応は、「こんな選挙の為に、クラシコ(バルサ対マドリッドの試合)が延期になったのか!」と言う声でしたね(クラシコは当初11月28日に予定されていたのですが、選挙日と重なると言う事で翌日の月曜日に変更されました)。

選挙と言うのは、その地方に住んでいる市民や地域民がその国の形を決める作業に参加出来る数少ない機会であり、民主主義のシステムを採っている国にとっては何よりも大事な行事だと思います。そういう意味において、バルサファンの皆さんには大変申し訳無いのですが、選挙の重要性はクラシコの重要性とは比べるべくもありません。ただ、こんなビデオを見せられてしまうと、上述の様な意見が出てくる事も分からなくも無いかな。

実は近年カタルーニャにおいては、このようなエロティシズムを前面に押し出した選挙ビデオが結構増えてきているんですね。例えば3年前の選挙ではCiudadanosと言う比較的新しい政党の党首が、「私には何も隠す事はありません」とか何とか言って、丸裸でビデオに登場して話題になりました。そして今年も同じ様な戦略で数人が真っ裸になってビデオに登場すると言う「話題作り」をしている訳なんですけど、毎年恒例の選挙前に行われる市民との生討論会で、その党首に対して、「何も隠す事が無いなら、今ここで、裸になってください」と言う、かなりくだらない質問が飛び出す始末。ちなみにそのビデオがコチラ:

そして更に今年は、Alternativa de Govern党の党首Montserrat Nebreraさんが、これまた、殆どポルノビデオと言っても良い様な選挙ビデオを出してきて、世間の注目を集めています。このビデオの最初にEl Video Porno de Montse Nebreraってタイトルが出てきますが、このビデオは紛れも無く選挙ビデオです:

うーん、各党、何とか市民の関心を集めたいと言う気持ちは分からなくも無いけど、これはちょっとヤバイ方向に進んでいるんじゃないですかね、カタラン人の皆さん?今回の選挙では投票率もかなり落ちると見られていて、予想では50%いくか、いかないかとか言ってるし・・・。平和ボケしてるのは分かるけど、スペインが民主化されてから、まだ30年しか経ってませんよ。そろそろ、あの時の興奮と意気込みを思い出してみはどうでしょうか?ここが踏ん張り所だぞ、がんばれ、カタルーニャ!!
| スペイン政治 | 20:00 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
初めて立ち寄りさせて戴きました。スペイン、フランス、イタリアといったロマンス語国が好きで、フランス語やスペイン語を独学して1年半ほどです。毎日ネットでエルパイスを見るほか、TVEのtelediarioで聞き取りの練習をしています。

先日のテレビでは、大衆党の選挙ビデオが人種差別だとして批判され、すぐに引っ込めたと報道していました。ポルノや裸もあったのですね。驚きました。カタラン人の別の一面が見えたようで大変面白く、参考になりました。他国の政治情勢は、すぐには、なかなか理解しがたいところがありますので、cruasan 様の記事は大変参考になります。カルメ・チャコン、ルバルカバ、サパテロ首相とか毎日のようにお目にかかっている政治家の記事も多くあるようですので、今からじっくりと他の記事を拝読します。
| junjun | 2010/11/24 1:05 AM |
Junjunさん、こんにちは、はじめまして。
コメントありがとうございます。

毎日El Paisを見てるなんて、相当のスペイン好きとお見受けしました(笑)。カタルーニャでは明後日選挙なのですが、今から僕の周りでは大騒ぎしています。それに加えて、当初の予想通り、カタルーニャのこの選挙が再来年行われる総選挙の前哨戦のような様相もしてきましたし。
何はともあれ、明後日が楽しみです!
これからもヨロシクお願いします!
| cruasan | 2010/11/27 1:55 AM |
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