地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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もう一つの9月11日その3:カタルーニャの場合
911日、それは世界のほとんどの人にとっては9年前ニューヨークで起きた世界同時多発テロ事件のメモリアルデーと言う記憶のされ方をしていると思うのですが、この日、僕の住んでいるバルセロナを中心とするカタルーニャ地方では全く別の世界が繰り広げられています。



カタルーニャでは世界の目が911日に向けられる遥か以前からこの日を「カタルーニャの記念日」として祝ってきたのですが、と言うのも、300年前のこの日は、この「地方の形」を決定付けた政治経済文化的な分岐点となった日だからなんですね。その直接的な原因となったのは、スペイン継承戦争においてハプスブルグ家側に加担したカタルーニャが惨敗した事がキッカケだったんだけど、「カタルーニャと言う地域の特権を守る為」に、負けると分かっていながらも憎っくきブルボン軍に立ち向かっていったカタラン戦士達の勇気に敬意を評す為、バルセロナが陥落した9月11日を記念日としたと言う訳なんです(詳しくはコチラ:地中海ブログ:もう一つの911日:カタルーニャの場合



バルセロナ市内のサン・ホアン大通りの近くには、この時戦った戦士達のリーダーであったラファエロ・カサノバ(Rafael Casanova)の彫像があるのですが、この日はこの彫像の前に多くの政治家達がカタルーニャの国旗に彩られた大きな花束を捧げにやって来ます。



それらお祝いに来る政治家達の表情を逃すまいと、固定カメラまで準備している周到さ。そして街頭を埋め尽くした人、人、人!現在のこの辺りは中国系のお店が集まりまくっているバルセロナのチャイナタウンの如き様相を呈しているのですが、この日ばかりは中国語の看板を覆い尽くす程の赤と黄色のカタルーニャ国旗で埋め尽くされた風景が展開しています。そしてパン屋さんの店頭にはこんなものが並んでる:



じゃーん、カタルーニャ模様のケーキ!ナカナカ奇麗だけど、それよりも何よりも美味しそう!!まあ、こんな感じでこの日は街を挙げてのお祭り気分なんだけど、その一方で、先日行われた新カタルーニャ自治憲章案のデモの件があったり(地中海ブログ:スペインの民主主義始まって以来の歴史的なデモ:新カタルーニャ自治憲章案に関して)、11月にはカタルーニャ州議会の選挙が控えていたりと、かなりの(政治的な)混乱が予想されていた為に、例年よりも配備されている警察官の数が多かった様な気がしないでも無かったかな。



お祭り好きの僕は毎年この行事には参加しているのですが、例年通りの道順だと、この後ここから歩いて15分程度の所にあるシウタデリャ公園(Parc de la Ciutadella)に移動し、そこで行われている数々のイベント(政治的な儀式やらコンサートやら)に参加しつつ近くにある中華料理屋さんでラーメンを食べて帰ると言うのが定番コースになっています。ちなみにこの中華料理屋さんと言うのは数年前に食通のMさんに教えてもらった、バルセロナでは珍しい手打ちラーメンを出しているお店。そう言えば、(驚くべき事に)今年度の「地球の歩き方、バルセロナ編」に紹介されていましたね(地中海ブログ:手打ちラーメンの店:斎心面館II)。バルセロナ在住者ならともかく、日本から来る日本人観光客の皆さんは特に行く必要は無いと思うんだけど・・・。

さて、実は余り知られてはいませんが、シウタデリャ公園で行われるコンサートを巡っては毎年ちょっとした衝突が繰り返されています。去年はイスラエル出身でヨーロッパでは超メジャー級の歌手であるNOAが招待されていたのですが、彼女の意図とは関係なく、カタルーニャ独立派によって彼女の存在が勝手にパレスチナとの関係に結びつけられてしまって、誹謗中傷の的になると言う事件が起こってしまいました(詳しくはココ:地中海ブログ:もう一つの911日:カタルーニャの場合その2

更にその前の年にはアンダルシア出身のフラメンコ歌手が招待されてたんだけど、「カタルーニャの神聖なお祝いなのに何故フラメンコなんだ!それに何故カタラン語で謳わないんだ!」と歌と踊りを披露している最中に、コレ又大規模なデモが行われてしまったんですね。まあ、僕から言わせればナショナリズム色が否が応にも強くなるこういうお祭り時には、全く関係の無い所から絶対に文句の付けようが無い人とかを呼ぶ事を提案したんですけどね。例えば松田聖子とか(笑)。さっぱり関係ないでしょ?全く関係無いからカタルーニャ独立派も文句の言いようが無いはず(笑)。カタラン人達の前で青い珊瑚礁とか結構良いと思うんだけどなー。この時期のバルセロナの空と海も真っ青だし。

まあ、冗談はコレくらいにしつつ、今回メディアの注目を最も集めていたのがこの人:



つい先日、労働移民大臣を辞職する事を明らかにしたセレスティーノ・コルバチョ氏(Celestino Corbacho)です(地中海ブログ:スペイン、サパテロ新内閣(Jose Luis Rodriguez Zapatero):セレスティーノ・コルバッチョ(Celestino Corbacho)労働・移民相(Ministro de Trabajo e Inmigracion)とスペインの移民問題)。今月末29日には大規模なゼネストも計画されているし、何故今の時期に内閣を辞職したのか?それは再来月行われるカタルーニャ州議会選挙と関係があるのか?元々の政治基盤であったホスピタレット市に戻る気はあるのか?など、メディアとしては聞きたい事が山程あるという、今正に旬な人と言った所でしょうか。そしてもう一つ気になったのがコチラ:



「カタルーニャ言語推進委員会」みたいな団体とか、カタルーニャ独立推進団体みたいなのが、ここぞとばかりに思いっきり自分達の活動を売り込んでいました。実際、僕がこのスタンドの近くを通った際、「カタラン語を大学の授業のメイン言語にする運動をしています。署名をお願いします」みたいな署名活動とかされちゃったし。うーん、気持ちは分からないでもないけど、やはり言語とか独立とか、今日のお祝いにはさっぱり関係ないので、その辺は自粛した方が良いんじゃないの?とか思っちゃいますけどね。気持は分かりますけどね、気持は・・・。そして今日見た中で最も(ある意味)スゴかったのがコチラ:



じゃーん、バルサ!!全く関係ないじゃん(笑)!まあ、お祭りだから何でも有りと言うノリなんだとは思うんですけどね。ま、いっか。
| バルセロナ歴史 | 18:23 | comments(0) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
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