地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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ブリュッセル出張:Infoday 2010:バルセロナ空港管制官の仮病騒動とか
今朝から(またまた)ブリュッセルに来ています。理由は欧州委員会で開かれている20102011年のEUプロジェクト交通分野(FP7 Information Days for Transport (Including Aeronautics)の説明会(Infoday)に参加する為なんですね(Infoday関連記事:地中海ブログ:2010年、今年最初のブリュッセル出張その2:バイリンガルを通り越してトリリンガルになる日本人達:なんちゃってトリリンガルが変えるかもしれない ヨーロッパの風景



このイベントは毎年結構楽しみにしているのですが、今日はブリュッセルに来るまでがかなり大変でした。と言うのも、実は今、バルセロナとパリを中心に空の便が非常に乱れていて、かなりの飛行機が遅延もしくはキャンセルになっているからです。何故かと言うと、今週日曜日(719日)の事だったのですが、バルセロナ空港の管制官達が集団で病欠すると言う異常事態が起こっちゃったからなんですね。何と、全管制官の内、約4分の1もの人達が同じ日に病欠すると言う、非常に疑わしい事態が起きた事から、勧業省の大臣が緊急会見を開くまでに至りました。

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人一斉に病欠って、まあ、どう考えたって「仮病」なんですけどね(笑)。スペインでは良くある事で、確か5日目までは病欠で休んでもその間の給料は勤めている会社が負担する事になるので、医者も簡単に「病気である」って言う証明書を発行してくれます。しかし5日を超えると、その超過分の給料は社会保障庁が支払う事になっているので、医者も証明書を発行する事を渋ると言う背景があるんですね。だから不思議な事に、スペイン人の病気って言うのは、4日でパッと治る事がすごく多い!(笑)。

ちなみにこの仮病騒ぎの事をTwitterで呟いたら、「ヨーロッパ各国の仮病率」って言うデータを送ってくれた方がいらして、そのデータがコレマタ、かなり興味深かった。病欠した人の内、何パーセントの人が仮病を装っているのか?っていうデータだったんだけど、それによると、スペインでは病欠中に占める仮病の割合は何と22%!「結構高いなー」とか思ってたら、何と、イギリスとアイルランドでは21%!オランダは20%。!!何に驚いたかって、何処もそれ程変わらないじゃんって所かな(笑)。

で、今回の仮病騒動にはちょっとした裏話があって、実はスペインの管制官って言うのは、大変な高給取りらしく、彼らの給料は平均で2000万を優に超えるそうなんです。どうして管制官の給料がそんなに高くなるのかと言うと、どうやら管制官の給料の40%近くを占めるのは残業代、もしくは別の仕事をした時など出る付加給料らしいんですね。そこに目を付けたのが、どうにかこうにかして政府の支出を減らしたいサパテロ内閣。「全国の公務員が5%の給料カットを強いられる中、管制官だけがそんなに給料を貰っているのはけしからん!」って事で、すぐさま管制官の給料削減に着手した訳なのですが、実は内心、自分よりも何倍もの給料貰ってる彼らに嫉妬してるんじゃないのかな?と個人的には思っています。ちなみにサパテロ首相の給料は91.982ユーロ(1100万円)で、閣僚の給料は81.155ユーロ(970万円)。空港管制官の実に半分以下!コレはコレですごい事なんですけどね(地中海ブログ:スペインの各自治州政府大統領の給料について

今回の仮病騒動はその給料削減に対する集団ストだと政府は見做しています。

まあ、そんなこんなでこの1週間くらい空の便が非常に乱れているんだけど、今日は結局、1時間程度の遅れで無事にブリュッセルに着く事が出来てメデタシ、メデタシ(パチパチパチ)。



で、今日の本題なのですが、EUプロジェクト交通分野の説明会は毎年9月に行われていたのですが、今年からちょっと時期が変わった様ですね。しかも例年だと、初日の午前中に陸(車や鉄道系など)と海系(船舶など)の説明会、午後からは航空系の説明会で、2日目は各国のリサーチセンターや企業、大学系のプレゼン大会だったんだけど、今年から参加者が急増した為に、初日は航空系のみの説明会で、2日目に陸・海系の説明会を持ってきている様子です。プレゼン大会は2日間とも午後に開かれる予定となっています。



それにしても今年は参加者が本当に多い!航空系なんて、毎年小会議室で説明会やってたのに、今年は500人収容出来る大会議室の席が全て埋まってる。多分これは、各国共にR+Diの予算を大幅に削っている事などから、自国には余り期待出来ない為、みんな揃ってEUの予算を取りに来ていると言う事だと思います。今日がコレだから、明日はどうなるんだろう・・・。今からお祭り騒ぎの予感がしています。

追記:
コメントで教えてもらったのですが、労働局の社会保障のページを確認すると、病欠の負担が社会保障に切り替わるのは4日目からと言う事でした。つまり3日目までは勤めている会社が病欠中の給料を出すのですが、4日目以降は社会保障制度が出すという事。エントリに書いた5日目以降という情報はLa Vangurdia紙に載っていたもので、てっきり信じ込んでしまいました。

もうちょっと突っ込んで調べてみた所、3日以内でも100%給料が出るか?というと、その辺は各企業によるようですね。スペインの大手デパートなんかでは、年間で3日間だけは100%支給、それ以上休んだ場合は支給無しという契約を結んでいるらしいです。しかしながら、4日目以降は、社会保障と合わせて足りない分を会社が負担する事によって100%支給に持っていくと言う仕組みらしいです。だんだん、今までは未開だったスペインの社会システムが明らかになりつつあります。
| EUプロジェクト | 23:28 | comments(6) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
お疲れさまですー。

えーと、確か病欠証明(1日単位の”Justificente”)で会社負担で100%出るのは3日間までかと。
↓社会保障のサイト
http://bit.ly/buTxow

で、パッと治る人が多いのは、4日間以上(社会保障を停止する¨Baja¨)から従業員の受給額が75%に減額になるから、という理由の人が多いと思いますよ。仮病(もしくは3日以内で治りそうな病気)ごときで減額されてたまるか、みたいな感じでしょうね。
| みほう | 2010/07/25 7:32 AM |
みほうさん、情報ありがとうございます!
今、保険庁のホームページ確認したのですが、本当ですね!社会保障は4日目からと書いてありました。La Vanguardiaには5日目からという記事が載っていたので、てっきり信じ込んでしまいました!!
3日目までは勤めている会社が負担するという事になっているらしいのですが、実はもうちょっと調べてみた所、従業員に3日間の給料を払うか払わないかは会社次第らしいです。例えばコルテ・イングレスなんかは、最初の3日間は年間で3日以内から100%支給するけど、それ以上は払わないそうです。4日以降は、社会保障が払う分を補う形で、従業員の給料が100%になるように支払うという契約が結ばれています。

これまでは未開だったスペイン社会の仕組みがちょっとずつ明らかになっていくようで、ちょっとワクワクしています!!
| cruasan | 2010/07/25 10:07 AM |
なるほど。
各分野の労働協定(Convenio)よってかなり違うのは考慮しなくちゃですね。「¨Baja¨期間中はクビに出来ない」という認識がありますが、実は雇用側はBaja日数×減額分を支払えば問題ないとか。ということは、100%にしているコルテにはさらっと解雇してしまえるという”利点”があるんでしょうかね。
| みほう | 2010/07/25 8:00 PM |
スペインの新聞、データが間違ってること、ほんとによくありますよね。
私も新聞情報を真に受けて、後で間違ってたと気付くことがありましたよ。

う〜ん、自分にとって必要なことは自分できちんと情報収集しないといけないんだなぁと改めて思いました。

| sara | 2010/07/26 4:19 AM |
みほうさん、こんにちは。
鋭いですね!そうなんです、コルテって実はそういう、かなりギリギリの所、渡ってるんですよね。で、実はコルテが大手ショッピングセンターのリーダー的な存在になっていて、コルテが新しい規則を作ったら、フナックも採用するみたいな風潮もあるようです。
| cruasan | 2010/07/27 3:11 AM |
saraさん、こんにちは。

スペインに来て驚いた事の一つに、この、新聞のデータが間違っている、もしくは各新聞に偏った意見があるっていうのがありました。日本にいる時は、新聞のデータが正確なのは当たり前、新聞の意見は中立だと思い込んでいましたから。でも、良く考えたら、各新聞に偏った意見がある方が、実は世界的に見たら多いんですよね。
日本を出なかったら、発見できなかった視点の一つかと思います。
| cruasan | 2010/07/27 3:14 AM |
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