地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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プロヴァンス旅行その3:シトー会についてとル・トロネ修道院(Abbaye du Thoronet)の行き方
前回のエントリで書いた様に、ル・トロネ修道院は深−い、深―い、それこそ「まっくろくろすけ」が出て来てもおかしく無い様な森の中に隠れるように佇んでいるのですが、何故かと言うと、この修道院を建てた「シトー会」には、「修道院は人里離れた場所に建てなくてはならない」って言う厳しい掟があったからなんですね。



シトー会(Cistercian Order)と言うのは当時全盛を極めていたクリュニー派に対峙するようにして創設(1098)されたカトリック教会に属する修道会で、敬意、服従、清貧などをモットーにした厳格な生活をする事で知られている、自分にも他人も厳しい、超几帳面&真面目集団だったようです(僕の勝手なイメージ)。彼らの生活がどれくらい厳しかったかと言うと、食事は日に12回程度で茹で野菜くらいしか食べなかったとか、毎日午前2時前には起きて働いていたとか、もう、想像を絶するような数々の伝説が残っている程なんですね。だからシトー会の人達の平均寿命は当時の平均寿命と比べても極端に低くて、28歳を過ぎて生きる人は稀だったとか何とか。

そんなシトー会の人々は、とにかく贅沢をする事を「悪」と見做していたらしく、食べるモノから着るモノは勿論の事、生活習慣や建築にまで、その矛先は向けられていたそうです。だから、当時は彫刻なんかで教会堂を飾る事によって神の教えの荘厳さや美しさを表そうとするのが普通だったんだけど、シトー会の人達は、「装飾?そんなの贅沢だ!」と言う事で、彼らが建てた修道院には殆ど装飾らしい装飾が無いのが特徴となったと、まあ、そういう事らしいです。(多分厳密に言うと、良く言われている様に、シトー会建築=シンプル建築という程単純な話では無いような気がします。と言うのも、ロマネスク建築はそれが建てられた土地の文化を吸収して、その地方の特徴を兼ね備えるという特性がある様式なので。もしかしたら、シトー派3姉妹の建築の特徴は、プロヴァンス地方の特徴と言えるのかもしれないんだけど、それは又、別の話・・・)。

僕にとって興味深いのは、彼らは装飾は否定してるんだけど、その建築が表す空間の美は否定しなかったと言う点ですね。結論として、「我々の建築は美しくなければならない。しかしその美しさは装飾によるのではなくて、空間そのものが表す美であるべきだ!」とかいう、何処かで聞いた事があるような事を考えてったぽい。

つまり、800年後に起こる近代建築の理念の先取りをしていたのがシトー会だと考える事も出来ちゃう訳で、近代建築の巨匠であるコルビジェなんかは、ラ・トゥーレットを設計する為に何度もこの修道院に通って実測をしていたと言う逸話なんかはなんとも面白いものだと思います。

もう一つ重要な点は、シトー会の修道院は全て修道士の人達が石を一つずつ積み上げて創った、正真正銘の手創り修道院だという点です。しかもこんなに綺麗に積んでるし!



かなり几帳面だった様です(笑)。それに真面目。何ってたって、クリュニー派の人達のように、力仕事はアルバイトを雇ってやらせたりはしなかったらしいですから。つまり、重たい石を山に切り出しに行ったのも彼らだし、その硬い石を磨き上げたのも積み上げたのも彼らだと言う事です。そんな、創った人の顔が見えると、この修道院を訪問する時の印象や見方も又違って見えるというものです。

さて、こんな人里離れまくった森の奥の奥にあるル・トロネ修道院なのですが、詳しい感想や解説などは次回以降に回すとして、今回は行き方を紹介したいと思います。

一番簡単な行き方は、やはりレンタカーですね。「TomTomLe Thoronetと入力してゴー」が一番効率的且つ経済的な行き方だと思います。

しかし、とは言っても、みんながみんな、ヨーロッパでレンタカーを借りられる環境にある訳では無いのも又確か。と言う訳で、ル・トロネ村にある観光案内所で「公共交通機関で修道院に行く方法は無いか?」と聞いた所、以下の方法が良いのではという回答を頂きました。

その1
Les Arcs Draguignan(
最寄の村)までは電車が来ているので、そこまでは電車で来てそこからタクシーという方法。この場合のタクシーの料金は片道45ユーロくらいなのでは?と言う事も教えてもらいました(この値段はあくまでも観光案内所の女性の個人的な意見なので、あくまでも参考程度にしておいてください)。

その2:
Les Arcs Draguignan
からLe Cannet des Maures(小さな村)までバスが出ているので、その村までバスで行って、そこからタクシーと言う方法。この場合のタクシー料金は片道30ユーロ前後なのではと言う事でした(こちらもあくまでも目安と言う事でお願いします)。

下記はル・トロネ修道院とル・トロネ村の観光案内所の連絡先詳細です。ちなみにル・トロネ修道院の受付の女の子は英語は話せないけど聞き取りは何とか出来る様子で、こちらが英語で話すと、言ってる事を理解してフランス語で返事をしてくれます。反対にル・トロネ観光案内所の女の子は英語もOKでした。

ル・トロネ修道院(Abbaye du Thoronet
Tel:(33)0494604390

Fax:(33)0494604399

Web:www.monuments-nationaux.fr


開館時間(20106月現在)
4
1日から930日まで
月曜日から土曜日
:10am-6:30pm
日曜日
:10am-12pm, 2:00pm-6:30pm
10
1日から331日まで
月曜日から土曜日
:10am-1:00pm, 2:00pm-5:00pm
日曜日
:10am-12pm, 2:00pm-5:00pm

お休み:11日、51日、111日、1111日、1225
入場料
:7ユーロ

ル・トロネ観光案内所
Tel:(33)0494601094


プロヴァンス旅行その4:ル・トロネ修道院(Abbaye du Thoronet)の窓に見る神業的デザインに続く。
| 建築の歩き方 | 22:55 | comments(1) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
初めまして。
詳細な情報ありがとうございます。
参考にさせて頂き、行ってきました。
ル・トロネ修道院、たしかに凄い建築でした。
行った後にこちらの記事を読み返してみて、コレってこういうことだったのか!という再発見もありました。
拙ブログにも書いてみました。
https://ameblo.jp/ohagihakken/entry-12436551228.html
これをきっかけに海外でのレンタカーも初体験しました。良い経験になりました。
| おはぎ | 2019/01/31 12:21 AM |
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