地中海ブログ

地中海都市バルセロナから日本人というフィルターを通したヨーロッパの社会文化をお送りします。
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スペインの各自治州政府大統領の給料について
実は今日からEU関連の会議に出席する為にCastilla y Leon地方の中心都市、Valladoridに来ています。Valladoridに来るのは今回が初めて!って言っても明日の夕方までの滞在なんですけどね。



今回はスペイン高速鉄道(AVE)を乗り継いで来たのですが、それでもValladridは遠かった−。バルセロナを12時に出て、こちらについたのが1730分。つまり5時間半の旅でした。まあ、そのおかげで、普段にも増して車内でゆっくりと新聞を読む事が出来たんですけどね。で、今日はその中で大変面白い記事を見つけたので、その紹介です。

先々週辺りから毎日のように各種メディアを賑わしているギリシャ危機に端を発する各国政府の財政赤字削減プランなのですが、先日ちょっとお伝えした様に、その口火を切ったのは、「第二のギリシャ」と恐れられているスペインでした(地中海ブログ:バルセロナのディアゴナル大通り将来計画:市民投票の結果は如何に)。「飛び火する事は無い、無い」と言われてはいるのですが、日に日に不信感を増す市場の信頼を回復する為に、スペインのサパテロ首相が打ち出した方針は、閣僚の給料15%カット、公務員の給料10%カット、年金受給額の凍結など、かなり大胆な財源削減案で、これによって、2013年までに政府の負債を国内総生産比で3%にまで減らす事を目指しているそうです。

このような中央政府の削減案の波紋は当然の如くスペインの各自治州にまで及んでいる訳なんですけれども、Castilla-La Mancha州などは自治州の閣僚の数とそれに伴う自治州政府の機関の数を半分に削減したり、現在93ある公益法人などを40近くに削減するなど、州レベルでも気持ちの良い程の削減案を打ち出してきたりしています。

そんな中、今日の新聞に大変興味深い記事が載っていました。なんと、各自治州政府大統領と副大統領、そして各州内閣の大臣などの給料比較が載っていたんですね。まあ、政治家や公務員っていうのは、国民の税金で国民の為に働いてるんだから、誰がどれくらい貰っているのか?と言う情報は、開示されて当然だと思うんだけど、ここまでキレイに情報を出してしまえるというのはちょっとすごいと思う。そしてその気になるお値段がコチラ(単位は全てユーロ):

Catalunya: 169.446

Madrid: 105.844

Pais Vasco: 105.425

Extremadura: 90.639

Aragon: 90.307

Galicia: 84.659

Navarra: 81.594

Canarias: 81.563

Andalucia: 81.155

Castilla y Leon: 81.155

Murcia: 81.155

La Rioja: 81.155

Asturias: 79.871

Castilla-La Mancha: 79.867

Valencia: 79.548

Baleares: 72.071

Cantabria: 70.041

Media CC AA: 87.498


先ず驚きなのは各州の大統領の給料の間にかなりの開きが見られる事です。一番給料が高いのはカタルーニャ州政府の大統領で、その額、日本円にしておよそ2000万円(1ユーロ120円で計算)。この金額は第二位につけているマドリッド州政府大統領の給料、1200万円の遥か上をいっています。つまりダントツだと言う事です。そしてスペインの自治州で最も少ない給料を貰っているのがカンタブリア州政府大統領(840万円)。カタルーニャ州政府大統領に2倍以上の差をつけられています。

更に驚きなのが、サパテロ首相の給料と比較して見た時です。実はサパテロ首相は上述した財政赤字削減プランの一環として、「先ずは自分の給料から」という政治家の鏡のような志で、自分の給料を15%カットする事を発表しました。と言う訳で彼の給料は来月から78.185ユーロとなるのですが、現在の首相の給料は91.982ユーロ(1100万円)となっています。

お気付きでしょうか?

そう、なんと首相の給料って、カタルーニャ州政府大統領の給料よりも安いんですね!その差、77.464ユーロ!日本円にして約930万円の差です!!更に更に、首相よりも給料を多く貰っている自治州大統領は何もカタルーニャ州だけではなくて、マドリッド州、はたまたバスク州政府大統領ですら、首相の数字の上をいっている事が判明しちゃった訳なんです。

しかしですね、この驚きの事実はココで終わらない所が又凄い所。その衝撃の事実第二段がコチラです:

Catalunya: 127.737 (1530
万円) 
Madrid: 96.798
1160万円)
Pais Vasco: 92.937
1110万円)

これは各自治州の閣僚の給料比較なのですけれど・・・もうお分かりだと思うのですが、これら3州の閣僚の給料すら、スペイン首相の上を行っている訳ですよ!!ちなみにスペイン政府の閣僚の給料は一律で防衛大臣も金融大臣もみんな、81.155ユーロ(970万円)だそうです。当然3州政府閣僚の方が上。

てっきり官庁で働いている人の中で給料を一番多く貰っているのは、当然トップの首相だと思っていたのですが、今回のデータは、そんな僕の思い込みを覆す驚きの事実でした。(日本はどうなっているんでしょうね?そもそも政治家はこういう情報を開示しているのでしょうか?)こうなると、スペインの次期政界を担うと目されている現防衛大臣のカルメン・チャコン氏(カタラン人)なんかは、首相の座を狙うよりも、カタルーニャ州政府大統領の座を狙った方が、経済的には遥かに報われる訳か(地中海ブログ:スペイン総選挙その2:カタルーニャのヒロイン、カルメ・チャコン(Carme Chacon))。とは言っても、人生お金が全てじゃないし、一国の首相と州の大統領では、出来る事にかなりの違いが出てくる事も確か。

こういう観点で今後政界を見ていくと、ちょっと面白いかもしれませんね。

追記:

財政難に陥り、EUなどに金融支援を要請したアイルランド政府が11月24日(2010年)、緊縮財政策を発表しました。それによると、4年間で総額150億ユーロ(1兆6700億円)の削減を予定し、約25000人の公務員の削減、そして現在の21%の付加価値税を2014年には23%に引き上げる予定だそうです。翌日(11月25日)の新聞にはちょっと面白い情報が載ってたんだけど、それによると、アイルランド首相の給料は日本円で約2500万円らしい(228.000Euro)。ちなみにオバマ大統領の給料は日本円で約3300万円(298.000Euro)で、サパテロ首相の給料は850万円(78.000Euro)。
(1ユーロ=110円で計算しています)
| スペイン政治 | 23:01 | comments(2) | - | このエントリーをはてなブックマークに追加
コメント
先日は実に楽しい時間をありがとうございました。
またまた興味津津の情報ですね。人の給料って、すごく気なるところですから。
日本でも、カハスール銀行の破綻は大々的に伝えられ、ユーロ安に連動して日本の株価も大幅下落しました。
株価なんて、短期的には自分には関係ないことだけど、せっかく持ちなおしかけている日本経済にブレーキがかかるとなると、自分の仕事にも影響してきますからね。
決して、対岸の火事ではないです。
| Aki | 2010/05/26 6:49 PM |
Akiさん、こんにちは。
こちらこそとっても楽しかったです!又、第二回やりたいですね。

他人の給料・・・気になりますよね。
僕的にはカタルーニャ州政府の大統領の給料が首相よりも上って事に、単純に衝撃を受けてしまいました。国のトップの給料が地方の首長のそれよりも安いなんて・・・やっぱりスペインは面白い国です。
| cruasan | 2010/05/27 5:21 AM |
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